月曜日, 4月 6, 2026

博物館群構想や中央広場活用提案など つくばセンタービル40周年を前に市民シンポジウム

建築家、磯崎新さんが設計したポストモダン建築の代表作、つくばセンタービル(つくば市吾妻)が来年40周年を迎えるのを前に、同ビルをアート拠点として活性化させようと、市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)によるシンポジウムが3日、同ビル内のホテル日航つくばで開かれた。同ビルを核にした博物館群構想や、非日常的な場所である同ビル中央広場の活用などが提案された。 建築意匠が専門の鵜沢隆・筑波大学名誉教授は、25年前、つくばに20世紀を記録する博物館群をつくるという「つくばミュージアム・コンプレックス」構想を紹介した。養老孟司さんや鵜沢名誉教授など7人の識者によって提案された構想で、同ビルがコアとなり、市内の他の施設とネットワークをつくることで、新しい博物館群・美術館群を構築していけるのではないかなどと話した。 当時、いかにして新しい街つくばに文化を根付かせることができるか、つくばエクスプレス(TX)が開通するとつくばはベッドタウンになるという予測の下、開通前に文化的仕掛けを提案したいという思いが、発案者の住都公団つくば開発局長(当時)の三宮満男さんにあったなどと話した。 六角美瑠・神奈川大学建築学科教授は、同ビルを1階の中庭(中央広場)、2階のペデストリアンデッキ、3階以上の三層に分け、2階のペデストリアンデッキは日常、一歩下がった1階の中庭は非日常の特殊な場所だとし、非日常的なゾーンが使われると、外の人も呼べる発信力が増えてくるなどと話した。 ビル1階の改修に異論も さらに同ビルの建築の骨格や特徴について説明し、今春実施されたつくばまちなかデザインによる同ビル1階の改修に対し「(ぺデストリアデッキ部分から光を取り入れる)トップライトは重要なアイテム。トップライトの光の連続性を保つべきだったのではないか」などと話し、秋から市民活動拠点をつくるため市が改修を始める南側については「(1階部分は)細かく細分化されていろいろな部屋が入り、通路に学習机が並べられると聞いている。細かく細分化すると、どこにでもある施設になってしまう、通路は中庭とコンサートホールが連携して盛り上がりをつくろうというとき大事な軸になる」などと指摘した。 その上で「過去・現在・未来を横軸でつなぐ文化のプログラムがあるといい施設になっていくと思う」などと話した。 つくば市在住の写真家、斎藤さだむさんは、筑波研究学園都市の建設当初から撮り続けてきた写真をスクリーンに映し、著名な建築家が設計した市内の名建築なども紹介しながら、学園都市の成り立ちや変遷について語った。 シンポジウムには市内や県外などから約110人が参加した。参加者からは「小田城跡など(もっと古い歴史)があるのだから(研究学園都市だけでなく)市全体を考えてほしい」「科学万博のとき文化的なものが必要だ、と期間中、市民が発表する場があった。もっと文化的なものをつくってほしいと色々な人が色々なところで声を上げていかなくてはならない」などの意見が出た。 開催に先立って、ホテル3階廊下に掛けられていたカーテンがはずされ、磯崎アトリエが建築当時、大理石の壁に溝を掘って描いた列柱廊のレリーフ「時の歩廊」がお披露目され、同ホテルの馬場清康社長がセンター地区活性化に向けた思いを語った。 同研究会ではさらに11月と12月にワークショップを開き、多くの市民に参加してもらって、来年6月の40周年にアートイベントを開催することを計画しているという。

魅惑の森にスポーツコート つくばインターナショナルスクール、ロボッツ招き落成式

学校法人つくばグローバルアカデミー(つくば市上郷、加納正仁理事長)の運営するつくばインターナショナルスクール(TIS、クロフォード・シェイニー校長)に屋外スポーツコートが完成し、3日、プロバスケットボールの茨城ロボッツ(水戸市)に胸を借りるミニゲームで落成を祝った。 スポーツコートは、平地林の中に開かれた学校の、さらに裏手に接する森の中に、約1360平方メートル(バスケットコート2面分)の広さで設けられた。ことし創設30周年を迎える同校が、総工費約6000万円をかけ建設した。「回りの木は1本も伐らないようお願いして工事を進めてきた」とシェイニー校長。 四周を木々が取り囲む環境の中、フェンスで仕切られたコートは、コンクリート舗装された地面に特殊なパネル式フロア材を敷き詰めている。2対のバスケットボールゴール、1対のフットサルゴールが設置された。従来は土のグラウンドで運動をしていたが、今後体育の授業はこのコートが主に利用されるそう。 学校は3日、秋の文化祭の開催中。「魅惑の森」がテーマで、全校生徒300人が森の妖精などに扮する仮装をし、保護者らとコートに集合。学校関係者や工事関係者らと落成式に臨んだ。 この日のゲストは、保護者つながりで招いた茨城ロボッツのリチャード・グレスマン監督(44)と選手たち。2022-23シーズン期待の新戦力、鍵冨太雅選手(23)もお祝いに駆けつけた。落成式でグレスマン監督は、生徒たちに向かい「多くの人の情熱でこのコートが出来た。これからは皆さんが情熱をぶつけていく番」と熱弁をふるって喝采を浴びた。 ミニゲームはTISのバスケットボール部員が、鍵冨選手ほかロボッツのユースチームのメンバーと対戦。盛り上がる全校応援を受けて、熱戦を展開した。この日2ゴールした11年生(高校2年に当たる)のチャッドリー龍介さんは「手加減してくれているのが分かったけど、ゴールを決められてすごくうれしい」と声を弾ませた。 TISは2008年に学校を現在地に移転、小中高の一貫教育を行っている。2011年に国際バカロレアプライマリーイヤープログラム(PYP)の認定校、17年に国際バカロレアDP課程実施校に認定され、18年にはインターナショナルスクール協議会(CIS)の認定を取得した。「卒業すれば国内はもとより世界中の大学に入れる資格を持つことになる」(加納理事長)といい、国際化のなか東京近県からも入学希望者が集まる人気校になっている。(相澤冬樹)

新しい世界へ踏み出すとき 《ことばのおはなし》51

【コラム・山口絹記】最近、訳あって新しい撮影機材を導入した。ミラーレス一眼というヤツだ。写真を撮らない方でも名前くらいは聞いたことがあると思う。 このミラーレス一眼と言うのは、その名の通りミラーが無い一眼レフのことだ。そもそも一眼レフカメラの「一眼」と言うのは、ファインダーをのぞけば撮影用のレンズを通した像を見ることができるカメラのことで、レンズを通した像をファインダーに届けるためにミラーが内蔵されている。「レフ」というのは「光を反射する」という意味なのだ。 ではミラーがなくなり、どうやって像をファインダーに届けるのかと言うと、ファインダーの中に小型液晶が搭載され、レンズを通した像をリアルタイムで映している。 実はカメラと言っても様々な種類があって、一眼に対してレンズが2つ付いた二眼レフカメラというものもあるし、レンズとは別に測距用のファインダーを持つレンジファインダーというカメラもある。それぞれ一長一短があって、カメラマンは自分にあったカメラを使うことができるのだが、実際のところ現在の主流はミラーレス一眼カメラになっている。 それでも私はこの15年ほど、ずっと一眼レフ機を使ってきた。電子式ファインダーよりも光学ファインダーののぞき心地が好きだったからだ(のぞき心地に関しても現在はほぼ解決されつつある)。 ついにミラーレス一眼にデビュー そんな私がついにミラーレス一眼デビューしたのには、少し遠回りの理由がある。 実はこの半年ほど、バーチャルの世界での写真撮影にハマっている。バーチャル、いわゆるPCやテレビゲームの中の空間で写真を撮ることができるのだ。実は結構昔からあったシステムなのだが、最近のゲームのグラフィックの向上によって、まるで現実のような写真が撮れるようになってきている。 ゲームの世界を歩き回りながら撮影しているうち、今までの自分であれば撮らなかったような写真もゲームの中では撮るようになった。特にストリートスナップという、いわゆる街中の写真だ。 これは現実の世界でも撮ったら楽しいかもしれない、と思うのに時間はかからなかった。今まで使っていたカメラでも撮れないことはないのだが、いかんせん見た目もデカくて迫力あるカメラのため、街中でサッと使えるコンパクトなカメラ、そう、ミラーレス一眼を導入してみよう、となったわけだ。 次回は、このバーチャル世界での写真撮影、「バーチャルフォトグラフィー」というものについておはなししてみようと思う。(言語研究者)

つくばは3人超の8陣営、土浦は定数と同じ3陣営出席 県議選立候補予定者説明会

12月2日告示、11日投開票で行われる県議選まであと1カ月となる中、県南の選挙区を対象にした立候補予定者説明会が2日、土浦市真鍋の県土浦合同庁舎で実施され、つくば市区(定数5)は3人超の8人の陣営が、土浦市区(定数3)は定数と同数の3人の陣営関係者がそれぞれ出席した。 つくば市区で出席したのは受付順に▽山本美和氏(53)=公明、新人▽佐々木里加氏(55)=未定、新人▽宇野信子氏(57)=市民ネット、新人▽山中泰子氏(71)=共産、現職▽鈴木将氏(50)=自民、現職▽塚本一也氏(58)=自民、現職▽星田弘司氏(48)=自民、現職=と、無所属で新人の男性(41)の計8人。新人男性は立候補するか否かまだ検討中としている。一方、同市区ではほかに市議の男性が立候補に意欲を見せており、8~9人が立候補するとみられる。 一方、土浦市区で出席したのは、いずれも現職の▽伊沢勝徳氏(52)=自民▽高橋直子氏(38)=自民▽八島功男氏(66)=公明=と、定数と同数の3人のみ。 事前審査は16、17日の2日間、各市の選挙管理委員会で実施される。 4年前の県議選は、つくば市区は4人超の9人、土浦市区は1人超の4人が立候補した。9月1日現在の有権者数はつくば市が19万4686人と4年前と比べ約1万2500人増え、土浦市は11万8410人と約900人減っている。

パークPFI撤回し利用料値上げを つくば市長、県に要望 洞峰公園アンケート独自集計

つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮)に県がパークPFI制度を導入し、グランピング施設の整備などを計画している問題で、五十嵐立青市長は2日の定例会見で、県が集計しなかった8月実施のアンケート項目の集計速報を発表した。その上で市として、パークPFI事業を撤回し、代替策としてプールやテニスコートなどの利用料6割値上げを県に要望していく方針を表明した。五十嵐市長は「(アンケートの)合理的帰結は、パークPFIを止めて値上げをしていくこと」だと強調した。 県が今年7月から8月に実施し回答があった1113人分の記述式アンケート結果のうち、県が集計しなかった項目などを市独自に集計した。県は7-8月実施のアンケートは記述式だったなどとして、一部項目を集計しなかった。さらにつくば市民が回答者の9割を占めたとして、洞峰公園は県民全体の税金で維持管理されていることから、県は9月に追加のアンケートを実施し、パークPFI事業への賛成が反対を上回ったなどと発表していた(10月25日付)。 市の集計速報によると、7-8月実施のアンケートの結果は、パークPFI計画全体に「改善すべき点がある」との回答が85.89%だったとした。改善すべき具体的な箇所としては、グランピング施設だとする回答が95.19%、バーベキュー施設が82.64%、クラフトビール工房(県が取り止めを発表)が67.15%、24時間トレーニングジムが60.88%だったなどとした。五十嵐市長は「『改善すべき』という回答はイコール反対ととって間違いないと思う」と述べた。 さらに、7-8月のアンケートの回答者は、週1回以上、洞峰公園を利用している人が42.79%、月に1回以上利用している人が22.07%など、普段から洞峰公園を利用している人であるとし、五十嵐市長は、県が9月に県民全体を対象に実施した追加アンケートにつして「9月のアンケートは、回答した人が洞峰公園を知っているのか、確認がとれない」と述べ、つくば市民が9割だった7-8月のアンケート結果は、県民全体を対象とした9月のアンケートと比べて重みが違うなどと話した。 8月に県が実施した説明会で、県自身がパークPFIを実施できない場合の代替案としてプールや体育館、テニスコートなどの利用料金を6割値上げする案を示したことについてもアンケートを集計し、代替案の6割値上げで「良い」との回答が24.98%、「どちらかといえば良い」が26.77%の計51.75%と5割を超えていたことにも触れ「半数を超えている方が値上げでよいと回答している。非常に重たいと感じている」などと話した。 五十嵐市長はその上で県に対し、11月中にも「まずパークPFIでなく、値上げをしていただくことが利用者にとってもいいし、県も財政的問題を解決できるということを県にお伝えしていく」とした。 さらに都市公園法で位置付けられた、公園管理者と利用者などが必要な協議を行う協議会設置を改めて県に要望し、県、市、有識者、地域住民などで構成される協議会で「洞峰公園のあるべき姿から議論していくことが望ましい」などとした。 一方、大井川和彦知事が10月25日の会見で「(洞峰公園を)市の所有にしてもらい、県の公園から市の公園に移していただくということも一つの選択肢」だと述べたことについて五十嵐市長は「移管となれば、どのような費用がかかっていて、どのような経費がかかるのかを把握をしないと、簡単にいります、いりませんと安易にお答えできるものではない」と明言を避けた。 一方、つくば市の集計結果について、洞峰公園を担当する県都市整備課は「(コメントは)特にない」とし、五十嵐市長がパークPFIの撤回を県に要望したいと表明したことについては「市から何の話も受けてないので何のコメントもできない」としている。

社会を変えるはじめの一歩 土浦で高校生らのワークショップ

「つくば駅周辺に高校生が楽しめる場所がない」「通学路にゴミが散らかっている」「SNSでの誹謗(ひぼう)中傷をなくしたい」「LGBTへの理解を深めたい」―。そんな、自身や周囲が関わる課題に取り組もうと、県南地域の高校生や大学生によるワークショップ「ユース・チャレンジ・プロジェクト」が土浦市大和町の県県南生涯学習センターで、再来年3月まで、年8回程度のペースで開催されている。これまでに高校生が22人、大学生が3人参加し、問題解決にむけた、はじめの一歩を踏み出そうとしている。 医師不足に取り組みたい 「医師不足を抱える茨城で、診療看護師になりたい」と語るのは、同市内の高校に通う栗山大雅さん(18)。診療看護師は、看護師にはできない特定の診療行為を一定の条件下で行うことができるため、医師不足が進む過疎地域での活躍が期待されている。現在、全国で数百人が活動しているとされる。 栗山さんはこれまで野球に打ち込んできたことから、スポーツに携わりたいと理学療法士を目指していた。「絶対ためになるから」と高校の先生に勧められてワークショップに参加した。これまでに参加した4回の中で話題にのぼったのが医療過疎。その中で、診療看護師の重要度が高まっているのを知った。 参加者へのサポート役を務めるのは、大手広告代理店で企業広報を務め、つくば市のプロモーションや新設された土浦市図書館の初代館長を務めるなど、地域の情報発信を担ってきた入沢弘子さん(60)。栗山さんへは「医師が不足しているというが、実際にどの程度不足しているのか、また、『医師不足』が地域のどの問題と繋がっているか、メディアなどをもとに実際の状況を裏付ける資料を探すと、提案としてより強くなる。医療不足解消へのアクションとして、具体的に何ができるのかも考えてみるといい」とアドバイスを送った。栗山さんは、診療看護師の重要性に反して実際の人数が少ない理由を探るために「まずは、医療関係者へのアンケート調査をしたい」と今後の活動目標に力を込めた。 自分たちで考えることを大切に ワークショップは、県による「課題解決チャレンジ事業」の一環として県南生涯学習センターが実施。同センターの幸田尚志さんは「スキルを身につけるだけでなく、異なる高校や大学生とのネットワークづくりにもなる。将来的な地域の活性化につなげたい」と思いを込める。 ワークショップはこれまで4回開催された。土浦青年会議所のメンバーやOBから課題に向き合う実例を聞くなどし、参加者同士で課題について話し合った。その中で参加者の変化について入沢さんは、「みんな堂々と話せるようになったと思う。報道やウェブサイトで調べたデータと照らし合わせて裏付けを取るなど、皆さんの成長が感じられる」とし、「最終的には、大人への働きかけはしていきたい。動画での発表など、見える形にしていくことも。課題に関係する自治体があれば、そこへの提案もしていきたい。何らかの形で社会に知らせることはしていきたい」と語る。 「押し付けではなくて、自分たちで考えることを大切にしている。生涯学習という点とも結びつく。過程が大切。見ず知らずの人が集まり一つの課題に取り組むことは、どんな仕事でも基本的には同じこと。突き詰めて考えることを含めて、社会人になってからも役立つ。大変意味があると感じている」(柴田大輔) ◆参加者は随時募集をしている。問い合わせ・申し込みは、県南生涯学習センターへ電話(029-826-1101)、またはホームページへ。

筑波山頂 深まる秋の御座替 神幸祭は春を待って

筑波山神社(つくば市筑波、上野貞茂宮司)で1日、恒例の御座替(おざがわり)が行われた。行動制限のない秋の観光シーズンを迎え、神輿(みこし)を担いで神社拝殿を目指す「神幸祭(じんこうさい)」の開催が期待されたが、今回も完全実施は見送り。筑波山頂での「神衣祭(かんみそさい)」と筑波山神社(拝殿)での「奉幣祭(ほうべいさい)」、2つの祭事の開催にとどまった。 神幸祭の開催見合わせは、コロナ禍に見舞われた2020年春から6回連続となる。奉幣祭も19年までは毎回約200人を招待して社殿にあげていたが、今回は100人に制限されている。記者は山頂まで登って、神衣祭の写真を撮ることになった。 中腹の神社は拝殿で、筑波山神社の本殿は男体・女体2つの山頂にある。親子の神が夏と冬に、本殿と拝殿で神坐を入れ替えることから御座替といい、毎年4月1日と11月1日に行われてきた。 神社の神職らが午前9時30分に男体山、10時30分には女体山の本殿に参り、神衣(かんみそ)を取り替える儀式が神衣祭だ。この日の気温は10℃、標高877メートルの女体山、さえぎるもののない山頂では寒さが身にしみる。 しかし、紅葉シーズンを迎え山頂には朝から登山客の姿があり、珍しい儀式に遭遇する形で、神の衣が入れ替わる瞬間を興味深く眺めていた。登山客の一人は「なんにも知らないで登山をしたが、貴重な神事に立ち会えて有難い気持ちがした」と語る。 神衣が納められたお神輿を担いで山から下りてきた一行は、神橋を渡って神社拝殿に向かう。神幸祭ではさらに中腹の集落を巡って拝殿を目指す長丁場の行程となる。メーンイベント格の神幸祭を含め、通常の形で3つの祭りが実施されるのは、神社によれば23年春の祭礼からになりそうということだ。 地元の総代の中山光昭さん(67)は「総代や神官は男体山、女体山と山道の全行程を歩いていくので大変だ。それでも明治の頃はふもとの六所神社(つくば市臼井、現在は廃社)から全行程を歩くのでさらに大変な行事だったと聞く。今はケーブルカーも使うし、だいぶ楽になった」と語る。(榎田智司)

エレキの神様・寺内タケシに感化 土浦出身の映画監督 ご当地で製作発表

昨年6月に82歳で亡くなった土浦出身のギタリスト、寺内タケシさんを偲ぶ映画「俺たちの長い旅~エレキの神様に捧ぐ」が2023年夏の公開を目指し、製作される。映画監督で脚本を書いた鈴木純一さん(63)が1日、土浦市内で出演者らと製作発表に臨み、来春予定のクランクインでは、同市はじめ茨城県内オールロケでの撮影になることが明かされた。 勇気と希望と絆の青春ドラマ 映画「俺たちの長い旅」製作委員会(大石真裕委員長)による製作発表は、寺内さんの生家が営む映画館、土浦セントラルシネマズ(同市川口)の特設会場で行われた。鈴木監督のほか、出演が予定される緒形幹太さん、宮崎さやさんが出席した。 鈴木監督と宮崎さんは同市出身。「夢のキセキ~里山の少女からもらった一粒の光~」(2017年)などの作品がある鈴木監督は、寺内さんと同じ土浦旧市内の生まれで、父親の茂さんは地元の楽団でギターを弾く音楽好きだった。幼いころ、寺内さんのコンサートに連れていってもらい、以来「大ファン」になったという。 60年代にエレキギターやバンドが非行の温床だとして学校で禁止されるようになる中、寺内さんは母校の県立土浦三高を皮切りに、数十年かけて全国1500百校近くの高校で演奏した。「ハイスクールコンサート」と呼ばれる活動。音楽を通じ、学校や保護者、地域社会の理解を得る取り組みで注目された。軽音楽好きの鈴木監督は、同じ時代を過ごした。 しかし近年、特に若者の間では「寺内タケシって誰?」となるほど存在感が薄れてしまい、映画化の思いを募らせたそう。ここ数年ミュージシャンの伝記映画がさかんだが、「寺内さんはあまりに偉大過ぎて、演じられる俳優がいない。今の時代の高校生の中に投影して、青春ドラマとして描き直すのはどうだろう」と企画した。折からのコロナ禍、修学旅行も運動会も成人式まで出来ずにいる若者の閉塞感を重ね合わせて脚本を書いた。 茨城の高校生たちでつくる軽音楽部。それぞれが抱える悩みや苦しみと葛藤する中、指導の教師から地元に「エレキの神様」と呼ばれた人がいたと聞かされる。過去にエレキ禁止令というものがあり、子供たちの音楽の自由が奪われていたこと、それをエレキの神様が救ってくれたことを知り、新たに上を向き歩み進んでいく-、勇気と希望と絆の物語に仕立てた。 一昨年には横浜にある寺内さんの自宅を訪ね、脚本を見せると「分かった、任せる」と映画化に快諾を得た。コンサート以外で初めて、対面で会う機会だった。 県内オールロケ、エキストラも県内募集へ ところが昨年6月18日、寺内さんが他界。「同じ6月の6日に母親を亡くし、自分も参っているところへの訃報だった。母の享年も寺内さんと同じ82歳、前に進まなければならないと思った」そう。 脚本に手を加え、製作委員会を立ち上げ、キャスティングを開始。1日の製作発表に漕ぎつけた。筑西市のテーマパーク「ザ・ヒロサワ・シティ」に寺内さんを顕彰し遺品などを集める「寺内タケシ記念館」が開館したのが10月31日で、土浦のファンから「なんで筑西なんだ」との嘆きが聞かれるタイミングでの発表になった。 クランクインは来年3月、順調なら夏には公開の予定。寺内さんの演奏する記録映像を織り込みながら、全編を土浦を含む県内ロケで描きたい意向だ。舞台となる土浦三高には特にこだわりたいとし、「三高の桜並木のある坂道で現地ロケをしたいし、三高の名前も使いたい」と鈴木監督。 クランクインまでの間に、県内高校の軽音楽部などを通じエキストラを募集する一方、出演以外にも一般の協力を幅広く呼び掛けていくという。(相澤冬樹)

中国共産党と権力闘争《雑記録》41

【コラム・瀧田薫】中国共産党は10月23日、習近平総書記(69)=国家主席=の3期目続投(異例)を正式決定し、同時に党の最高指導部である「党政治局常務委員」(習主席を筆頭に7人)の新メンバーを公表した。内外の中国ウオッチャーを驚かしたのは、新任された4人全員が習の側近で占められていたことである。つまり、習は常務委員会内の政敵を一掃し、党と国家における「習一強体制」の実現に成功したのである。 10年前の第18期党大会において、習は常務委員会トップに就任すると同時に、党内の政敵に対する攻撃を開始した。今回の「習一人勝ち」は、過去10年にわたる熾烈(しれつ)な闘争の結果であると同時に、習が目指す、さらに高い目標を実現するために必要な、より強化された権力でもある。 過去10年、今回を含めて3度の党大会があった。大会ごとに選ばれた常務委員の顔ぶれを通観すれば、習の闘争には首尾一貫した戦略があったことが見て取れる。まず18期大会では、常務委員7人中3人が江沢民派、胡錦濤派が1人、習派は彼自身を含めて3人であった。 つまり、このときは派閥均衡による「集団指導体制」(毛沢東による独裁を2度と繰り返さないため鄧小平が定めた慣例)が機能していた。胡派は鄧小平の改革開放路線を継承し、江派は共産党の古い体質を受け継ぐ保守派、習派はソ連邦の崩壊に危機感を抱き、中国における改革開放の必要性を認めつつ、それに先んじる形での共産党の規律と権力の維持・強化を重視する立場であった。 習は鄧小平の遺産・中国流資本主義経済を共産党の強力な監督・管理下に置かない限り、かつてのアヘン戦争のように、あるいはソ連邦のように、中国が蝕(むしば)まれていくことを何よりも恐れていた。そのため、習は着々と戦略通りの権力闘争を遂行、第19期党大会において、江沢民派を排除し、今回の第20期党大会においては胡錦濤派を一掃して、「習一強体制」の樹立に成功したのである。 一党独裁システムを繰り返し精錬 習の仕掛けた権力闘争は、毛沢東が仕掛けた「文化大革命」と共通する性格をもっている。毛沢東の場合は「走資派」攻撃、習の場合は「鄧小平の改革開放路線継承派」攻撃だが、両者に通底するのは、共産党一党独裁のシステムを繰り返し精錬し直すことに全力を傾注する強固な信念である。 習は今回、チャイナセブンをイエスマンで固めることに成功した。この余勢を駆って、彼が毛沢東のように終身主席として党と国家に君臨する可能性もある。それでは、中国は習の思惑どおり、近い将来覇権国家にまで上りつめるのだろうか? 筆者は今回の習の成功が、中国にとって大きな禍根として振り返られる日が遠からず来ると予想する。今回の党大会を契機として、習の強権的支配が強まり、内外の敵に「団結」して立ち向かおうとのスローガンの下、あらゆる領域で党、国家、そして習主席個人に対する忠誠が国民そして共産党党員に要求されるだろう。しかし、それと同時に、習のプーチン化も始まっている。(茨城キリスト教大学名誉教授)

「つくばに県立高を」請願 7075人の署名添え県議会に提出

市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)は県議会12月定例会開会日の31日、つくば市などへの県立高校の新設や既存校の定員増を求める請願書を伊沢勝徳議長あて提出した。請願には7075人の署名が添えられ、つくば市選出の山中たい子県議(共産)が紹介議員となった。 2021年5月に発足した同会の県への請願は今回が初めて。請願は10日に開かれる文教警察委員会(水柿一俊委員長)で審議され、採択・不採択(継続審議)の結論は定例会最終日の16日、本会議で決定する。 請願は、①つくば市やTX沿線に全日制県立高校を早急に新設、さらに既存の県立高校の定員増を行う②高校への通学利便性を高めるーの2点を求めている。この要望事項は、昨年9月つくば市議会で全会一致で採択された請願書や、今年8月につくば市長が知事宛てに出した県要望と同じ。片岡代表(72)は「つくば市とつくば市民の願いが詰まっている。人口が増えるつくば市内では、6人に1人しか市内の高校に入れないという実情を理解し、現在の小中学生のためにも、ぜひ採択してほしい」と話した。 今回の請願に向け、同会は9月18日に署名活動をスタートさせ、メンバーや賛同者がスーパーの前などに立つなどして、43日間で7000人超の署名を集めた。考える会の横井美喜代さん(73)は自身も児童クラブをまわったり、近所に署名依頼チラシをポスティングするなどして活動を続け、「この署名を待っていたと話す方もいるなど、日に日に関心の高まりを感じた」と話している。 同会の取り組みを受けて、県議会では今年3月に星田弘司、山中たい子両氏、6月には塚本一也氏らがつくば市の県立高校問題について一般質問し、高校不足問題を顕在化させた。紹介議員の山中たい子氏は「県はあくまで教育プランに沿ってこの問題を考えている。他地域とは事情が異なり、人口増加が著しいというつくば市の実情を理解していないようにみえる」と話した。(花島実枝子)

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