月曜日, 4月 6, 2026

佐々木里加氏が立候補を表明 県議選つくば市区

任期満了に伴って12月2日告示、11日投開票で行われる県議選に、新人の佐々木里加氏(55)=無所属=が15日記者会見し、つくば市区(定数5)から立候補すると表明した。 佐々木氏は7月の参院選で維新から県選挙区に立候補し、次点で敗れた。つくば市では1万6000票を超える得票があった。 会見で佐々木氏は「参院選で(県全体で)16万票の負託をいただき、県民にお返ししたい、県民のために働きたいという思いがある」とし「お困りごとを傾聴する中、筑波山周辺ではバスが不便、買い物が不便、高齢者同士のコミュニケーションがとれない、県道が荒れているなどの声を聞いた。皆さんのお困りごとを解決すべく、県に質問したい」などと立候補の動機を話した。 今回、維新ではなく無所属で立候補することについては「茨城県内に原発があり、不安がある。無所属で出馬するので、原発には賛成しない、茨城県は洋上風力発電に力を入れるべきということが言える」などと話した。 公約は①高齢者の介護サービスを県内でさらに拡充し高齢者を大事にする②教育と出産を無償化し子育て世代への手厚い支援を拡充する③観光資源を最大限活用し筑波山周辺の魅力を創出し「食」を誘致するーなどを掲げる。 佐々木氏は東京都出身。多摩美術大学大学院修了。現代美術家。栃木県鹿沼市議を歴任し、現在は女子美術大学非常勤講師。 県議選つくば市区をめぐっては、現職5人のうち星田弘司氏=自民=、鈴木将氏=同=、山中たい子氏=共産=、塚本一也氏=自民=の4人が再選を目指しているほか、新人で元市議の宇野信子氏(57)=つくば・市民ネットワーク=、新人で前市議の山本美和氏(52)=公明=が立候補を表明している。ほかに現職の男性市議が立候補に意欲を見せており、定数に対し3人超の8人が立候補するとみられている。

精密さと力仕事のオーダーメード 家具職人高橋伸治さん【ひと】

つくば「ラスカル・ファニチャー・ファクトリー」 畑が広がるつくば市若栗の集落に、家具工場「ラスカル・ファニチャー・ファクトリー」を訪ねた。主の高橋伸治さん(50)は大学卒業後、華やかなアパレルの仕事に従事したが、ものづくりの世界に魅了されて家具職人に転身した経歴の持ち主。オーダーメード家具の製作から修理、リメークを行っている。 顧客がついて安定した経営に、影を落とすのが新型コロナ、家具のリメークの注文が増えたものの、木材価格の高騰に見舞われている。心身ともにタフな高橋さんは現状にめげず、独自の規格による定番商品を実現しようとしている。 工場は、かつて鉄骨造の牛舎だった。専門業者に依頼して壁を施工した工場はテニスコート2面分に相当する約500平方メートルの広さで、木材加工の大型機械10基が設置されている。 アパレルからの転身 高橋さんは秋田市生まれ。父親の仕事の関係で中学生の時から横浜で暮らした。大学卒業後、ファッションデザイナー、芦田淳(1930ー2018)が創業したアパレル会社に就職した。 転機は入社から1年半後。高品質の既製服作りに専念する芦田の姿が輝いて見え、思いを形にする「ものづくり」への願望が湧きあがった。少年期、わくわくしながら木箱や木製の小物入れを作ったことを思い出し、家具職人になる道に踏み出した。 最初に、埼玉県の飯能職業訓練校木工工芸科で基本的な木工技法や機械の操作技術を習得した。「中高時代はよく授業をサボったけど、訓練校の授業は楽しくて1日も欠席したことはなかった」と当時を懐かしむ。 その後、家具工房やアンティーク家具ショップなどで経験を積みながら修理と経営スキルを磨き、人脈もできた。独立資金をためて35歳で独立した。以来、注文に応じて打ち合わせからデザイン、製作、納品まで一貫して1人で行っている。 高橋さんの家具づくりのコンセプトは「使い手のライフスタイルに寄り添い、次世代に引き継がれるシンプルな家具」。家具をどう使いたいか希望を聞き取ってデザインを提案するという。また「変化する生活スタイルに対応できるよう余白をとって製作している」と話す。 木で作られていたら直せないものはない 日々向き合う木材については「触ると優しくて温かいが、鉄のように丈夫で手をかければ応えてくれる万能の材料。経年変化で風合いがでるのも魅力。木で作られていたら直せないものはない」。 新型コロナの流行をきっかけに、今ある家具を素材として新たな家具を作るリメークの相談が増えたという。外出自粛で「おうち時間」が増え、身の回りを見つめ直したことが要因では、と高橋さんはいう。ところが、コロナ禍をきっかけに「ウッドショック」と呼ばれる木材価格の高騰が起こり、家具製作にも影響を及ぼした。以前と同じ価格で製作するのが難しくなったそうだ。 家具職人は0.1ミリ単位の精密な作業を行うための集中力と手先の器用さが要求される一方、重い木材を運んだり長時間立ち続けるなどの体力も必要とされる。今年50歳になった高橋さんは精神的にも肉体的にもタフで、制作意欲に陰りは見えない。 「温めてきた計画を実行に移したい」と高橋さん。流行に左右されないテーブルや椅子など独自の定番商品作りで、そのために家具職人を増やし、オーダーメード家具製作との両立を目指すプランだという。「これからも長く人に寄り添い、どこか懐かしくて温かみのある家具を作っていきたい」と力強く語る。(橋立多美) ■ラスカル・ファニチャー・ファクトリー ホームページはこちら

今、何をしているのですか? 前つくば市長の市原さん【キーパーソン】

つくば市長を3期12年やった市原健一さん(71)が市長を退いてから6年。市原さんが経営している総合病院のところ(つくば市大曽根)で何やら工事が始まっているのに気付き、何を建設しているのか聞きに行った。ついでに、手広く医療・福祉施設を展開する市原グループの現状、市原市政の後の五十嵐市政への評価についても話してもらった。 新病院棟を建設し現棟と連結 東大通りに面している「いちはらメディカルグループ」施設を道路側から見ると、左に老人保健施設(リハビリセンター)、中央に病院棟、右に有料老人ホームが並んでいる(写真)。工事現場は、病院棟の手前(東大通り寄り)で、駐車場に使われていた場所だ。 「現在の病院棟(3階)を建ててから34年たつ。老朽化してきたし、新しい医療に対応するためにも、病院棟を新設することにした。今の建物は壊さないで、レントゲンや検査室、給食用厨房、院内薬剤業務、歯科医療の充実などに使う。現棟と新棟(4階)とつなげ、新旧が一体化した病院になる」 1階が外来診療区画、2~3階が病床室、4階が手術(オペ)区画になるという。「今は年に約1000件のオペをこなしているが、年々増えている。手術室を新棟の4階に移し、増加に対応したい。完成は来年10月になる」。病床数は現在と同じ199だが、急性期79+回復期120の現構成を、急性期79+回復期100+慢性期20に変える計画。 全17の医療・福祉施設を運営 医療・福祉法人トップの市原さんの話を聞き、「いちはらグループ」の全体像を初めて知った。医療法人「健佑会」(市原さんが理事長)が病院や老健など6施設を運営。社会福祉法人「健誠会」(奥様が理事長)が特別養護老人施設など10施設を運営。ほかに有限会社が有料老人ホームを1施設運営。職員は3法人合わせて約900人という。 全17施設のうち、13施設は病院がある場所とその周辺に配されているが、4施設は東京都内の一等地にある。身体障害者施設(港区六本木)、特別養護老人施設(杉並区永福)、同(港区南麻布)、身体障害者支援施設(同)だ。 運動公園用地売却は悔いが残る インタビューの半分は、現在の五十嵐市政の感想を聞く時間に充てた。予想通り、自分が市長時代に計画したものの、現市長らの反対運動で白紙に戻さざるを得なかった総合運動公園計画の後日談(46ヘクタールの用地を倉庫業者へ一括売却)については厳しかった。 「あの土地を売らないで、市有地として確保しておけば、いつでも体育館や陸上競技場を建てられたのに、それを売り払ってしまうとは…。つくば市だけでなく、県南地域にも悔いが残る所業だ」 市長時代、市原さんは、用地取得と施設建設のために二百数十億円を投資、公式競技ができる体育館(5000人収容できる水戸市営体育館クラス)、公式記録が取れる陸上競技場(ひたちなか市にある県営笠松運動公園の陸上競技場クラス=第2種、五十嵐市長が廃校跡に造ろうとしている陸上競技場は第4種)、プロチームを呼べるサッカー兼ラグビー場の3施設から成る総合運動公園を、10年ぐらいの時間をかけて、順次、建設する計画を立てた。しかし、住民運動での反対に遭い、断念した。 高規格の運動施設が県南に必要 「総合運動公園のような施設は、つくばだけでなく、県南に必要と考えた。茨城県では、ちゃんとした施設が水戸地区に集中している。つくばは東京に近いし、(TXや圏央道も通る)交通の要所。市内に総合運動施設を造れば、県南の活性化に役立つからだ」「あの用地のように、土地の形、周辺の環境、アクセスの便に優れた、まとまった土地は北関東にはもうない」 【いちはら・けんいち】1979年、北里大医学部卒、東京女子医大病院整形外科入局。1988年、つくば市に市原病院を開設、院長に就任。茨城県議(4期連続当選)を経て、2004~2016年、つくば市長。現在、「いちはらメディカルグループ」最高経営責任者。2017年から県教育委員。1951年、つくば市大曽根生まれ。同市竹園在住。 【インタビュー後記】市原さんはいつも細身のズボンをはいている。大体イタリア製という。とてもオシャレだ。インタビュー数日前、「あみプレミアム・アウトレット」に行き、ブランドのゴルフ用ズボンを3本、まとめて安く買ったと喜んでいた。私は大体ユニクロで済ませている。(経済ジャーナリスト・坂本栄)

ARでアートの魅⼒伝えたい つくば発画廊サイトお目見え

国内外の版画、油彩、⽔彩など美術品の卸売り、⼩売りを⼿掛けるアート・プロジェクト(つくば市古来、廣瀬健⼀会長)は14日、美術絵画の販売をイーコマース(電子商取引)で行うECサイトをオープンさせた。サイトでは100点を超える美術品を販売、オンライン上でも絵画の魅⼒を伝える試みとしてAR(拡張現実)を活⽤した展⽰を行う。 サイトは「Try on ARt-アートを試着しよう」をコンセプトにした。ARはAugumented Reality(オーグメンテッド・リアリティー)、「拡張現実」と翻訳されるが、VR(バーチャル・リアリティー、仮想現実)のような映像を投影する専用デバイスを必要とせず、スマホやパソコンの画面上で立体視できる。ARにトライの「t]をオンさせて「ARt」としている。 サイトの作品詳細ページでアイコンをタップすると、カメラを通じてAR体験できる。購⼊を検討している絵画を、自宅や職場などの環境にシミュレーションして飾ってみるものだ。衣料品のセレクトショップで試着してから購入するのに似たデジタル体験となる。PC版の場合は、360度の3Dビューが可能。美術品販売ではこれまで類例のないECサイトという。 アート・プロジェクトは1985年にギャラリー広瀬として創業。当初からピカソやシャガールら、フランスの巨匠版画を中⼼に、⽇本⼈巨匠の版画や現代アートを加えた企画画廊として数多くの美術品を取り扱ってきた。従来、百貨店の美術画廊をメーンに全国展開の販売を⾏ってきたが、コロナ禍などから百貨店との流通チャンネルが相次ぎ閉鎖となり、販売戦略の立て直しを迫られていた。 版画作品メーンに「本物を」 創業者である廣瀬会長の「世界中の巨匠作家の作品を⽇常に届けたい」という思いを引き継ぎ、新しい時代のカタチを模索したのは実子の平山陽子さん。絵画を愛する人に向け「好きな作家の絵画が場所や時間を選ばず鑑賞、購⼊できるオンライン上の画廊を作りたい」とECサイトに取り組んだ。「せっかく会社をつくばに置いているのだから、足元を見つめ、そのテイストを発信したい」と狙いを語る。 取り扱うのはフランス人気作家のベルナール・ビュッフェ、ジャン・ジャンセンらに加え、東山魁夷、熊谷守一ら日本人巨匠の版画などがそろう。版画はコピーとは異なり、模造品などが入り込まないようチェックを徹底している。平山さんによれば「多くの作家にはレゾネと呼ばれるカタログがあって、年代順に制作部数などのデータが整理されている。これらと照合し、コピーでないことを確認できた作品を扱っている」ということだ。 ■アート・プロジェクト(問い合わせ電話:029-857-1877、Eメール:info@artproject-ltd.jp)ECサイトはこちら。

小繋事件の発生から100年たった 《邑から日本を見る》123

【コラム・先﨑千尋】この国では、人々は縄文時代から山と共に暮らしてきた。家を建てる木材。屋根を葺(ふ)く茅(かや)。燃料となる薪(まき)や炭。わらび、ぜんまい、クリ、クルミなどの山菜や果実。牛や馬の飼料。後には木を植え、森や林にした。人々にとって山や森、林は暮らしに不可欠のものだった。 その山に入ることを突然止められたら、暮らしはどうなるか。そういうことが、今からおよそ100年前に、岩手県一戸町小繋(いちのへまち・こつなぎ)というごく小さな集落で起きた。明治維新後の地租改正に伴う官民所有区分処分のときに、2000ヘクタールの小繋山が民有地とされたことが発端だった。 1915年に集落で大火が起き、それまでの書類が一切灰になってしまった。そのことをきっかけに、名義を持っている地主が警察力などを使って、山への住民の立ち入りを実力で阻止するようになった。地主は本県那珂湊の人で、北海道などで財を成し、ここの山林を手にしていた。 従来通り、山に入る権利である入会(いりあい)権を行使しようとした人たちは、1917年に民事訴訟を起こし、刑事事件を含めて1966年まで50年にわたって裁判が続いた。 戦後、法社会学の権威で、東京都立大教授だった戒能通孝(かいのう・みちたか)は『小繋事件』(岩波新書)を書き、大学教授の職を捨て、小繋の住民を救うために弁論に当たった。古在由重、丸岡秀子、日高六郎、渡辺洋三、近藤康男などの文化人や学者、法曹関係者らが小繋支援の輪を作った。 親子3代約60年の苦闘の歴史 この裁判が最高裁で審理されているころ、私は早大や岩手大などの学生たちと小繋に入り、援農や子供会活動、集落の経済調査などを行った。私は戒能から「大学で学んだことを自分の立身出世やカネもうけの手段にするな。学んだことを社会に寄与するために生かせ」と教わった。 その言葉が、その後の私の生き方の指針になった。岩手県北の小繋と私が住んでいる茨城の農村の状況は同じではなかったが、おしなべて貧しかった。『貧しさからの解放』という本もあった。裁判は住民側の敗訴で終わった。 10月15日、現地で「小繋事件100周年記念碑」の除幕式が行われ、私も参列した。この記念碑は、裁判の開始から105年経ち、先人たちが生活基盤を死守するために闘い続けた歴史を後世に伝えようと建立したもの。記念式典には、小野寺美登一戸町長ら関係者と地元住民など約60人が出席した。 「小繋の灯」と刻まれた記念碑には、住民が小繋山の地主に対して訴状を出して以降、親子3代約60年に及んだ苦闘の歴史が刻まれ、今後も住民が共同で管理し、入会山として利用する決意も記されている。 戒能は「農民も『拾い屋』から『生産者』になるべきだ」と言い続けてきた。燃料は薪炭からプロパンガスに代わり、小繋から盛岡まで約1時間と、通勤できるようになった。暮らし方は100年前、50年前と大きく変わり、山の存在価値がまるで変わってしまった。小繋の人たちが山をどう使っていくのか、私には分からない。 最近、入会を意味する「コモンズ」という言葉が使われるようになってきた。また「有機農業の復権」も国の農業政策の柱になった。これからも、小繋の行く末に関心を持っていこうと考えながら小繋をあとにした。(文中敬称略、元瓜連町長)

V2サンガイア 地元土浦で開幕3連勝 首位に立つ

バレーボールVリーグ2部(V2)男子のつくばユナイテッドサンガイア(SunGAIA、本拠地・つくば市)は12、13の両日、ホームゲーム2試合を土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で開催。13日は富士通カワサキレッドスピリッツ(本拠地・神奈川県川崎市)と対戦し、セットカウント3-1で快勝した。これでつくばは開幕3連勝、勝ち点8で10チーム中首位に立った。 つくばは第1セットでスタートダッシュに成功、課題としていた立ち上がりの悪さを克服した。第2セットはサーブやスパイクにミスが出始め、巻き返してきた富士通にセットを奪われる。劣勢を耐え忍んだつくばは、戦い方をもう一度整理すると、気を取り直して第3・4セットを連取、一気に勝負を決めた。 「力ある相手だったが、チームとしてどう戦うか、対策がしっかりできた」と新垣東麻主将。「練習で積み重ねてきたことを試合で出せ、全員が良い状態でプレーできた」とミドルブロッカーの十文字龍翔。 11月5日の開幕戦では埼玉アザレアに3-2のフルセット勝ち、12日は兵庫デルフィーノに3-1で勝利。この日は同じ2連勝同士の対戦で、富士通を自らの手で引きずり下ろし、首位奪取に成功した。 「決めたルールがうまく機能」 今季から選手を引退し、チームを率いている浜崎勇矢監督は「アナリストから送られてくるデータに基づいてルールを決め、選手の頭の中に落とし込んでいる。それが今はうまく機能している」と好調の要因を説明する。サーブやブロックにどのような狙いを持たせるか、などの決めごと。「サーブを同じ方向へ打ち続けることで、相手の動きを限定させることができる。そのためのルールであり、ルールを破るようなファインプレーなら必要ない」と浜崎監督は言い切る。 チーム内に不協和音はない。ルールとはいっても押しつけではなく、納得のいくまで説明し、なおかつ結果も出ているから。選手の意見に耳を傾ける風通しの良さもある。去年まで一緒のコートでプレーしていた「監督っぽくない監督」の面目躍如たるところだ。 次戦は19日、宮崎県都城市の早水公園体育文化センターでヴォレアス北海道と対戦する。開幕2連勝中で2位につける相手を倒し、首位固めといきたい。(池田充雄)

一瞬のために:おしっことおむつの話 《写真だいすき》14

【コラム・オダギ秀】おしっこやおむつの話をすると言うと、また変なことを言い出すのではないかと嫌われそうだが、そうではない。ちゃんとした、大人のカメラマンのおしっこやおむつの話だ。 たとえば、マラソンや野球などのスポーツの写真や、政治や事件などの写真が、一瞬のチャンスを逃さず見事に撮れていても、一般の人は当たり前のような顔で眺めている。 だが、その一瞬のチャンスを逃すまいとしているカメラマンたちは、とてもつらい思いをしていることがある。 競技の場合は野外のことも多いので、近くにトイレがないことがままある。あっても、一瞬、気を抜いて持ち場を離れ、ベストショットを撮り逃がすわけにはいかないのだ。何時間も、トイレを我慢しなければならない。 テレビのクルーに聞いたことがある。どうしてるんだい?と。すると、テレビ局などは大手だから、彼らには交代要員がいるし、尿漏れ紙パットや紙おむつを、局が用意してくれると言っていた。 パレードするときの人々や、お立ちになる皇室の方々もそうなのかなあ、と笑ったことがあるが、規模の小さい新聞社やフリーランスはそうはいかない。カメラマン自身の責任で、何とかしなければならないのだ。 350ccのおむつを買った ボクも取材で外に出ることはあるが、スポーツは撮らないから、トイレに困ることはそれほど多くはない。だが、撮影会の指導なんてことで、トイレを使えない郊外に出ることは多いので、そっかあ、尿取りパットを着けているのかあ、そいつはいい、と納得した。 それで早速ドラッグストアに行ってみた。なあるほど、パッドもおむつも驚くほど色々な種類がある。ちょっとのお漏らしに最適、なんて魅力的に誘ってくる。早速、お漏らし用60ccというのを買った。 テストをしてみた。すぐに、こんなんじゃダメだとわかった。成人の尿量は、一度に200から300ccなのだそうだ。すると、トイレ1回分とすれば、ちょっとお漏らし用ではなく、一度しか使わなくても、それだけに耐えられる容量が必要なのだ。 何度もドラッグストアを行き来して、350cc用というのを見つけた。これでいい。これだけの容量があれば、安心だ。少し厚みはあるが、外見からはわからない。 残念なのは、せっかく用意しているのだが、まだ、これにお世話になる緊急事態に遭ったことがないことだ。けれど、写真教室の生徒たちには、緊急事態に備えるための的確なアドバイスができるようになった。 土浦市長の「殿様」が落馬! 一瞬のチャンスを逃して思い出すのは、科学万博のときのことだ。ボクはソニーのビルに昇って、そのチャンスを待っていた。4〜5階建てだったろうか、その屋上は手すりのない廊下のようなところで、風がまともに吹き付け、ハラハラ怖かった。 下では、大名行列が通り過ぎることになっていた。土浦の市長が殿様になり、行列の中心スターになる行列が計画されていた。待っていると、来た。カメラを向け撮ろうとしたその瞬間、市長の殿様は馬に乗り損ね、落馬してしまった。いい行列を撮ろうとしていたのに、あ〜あ、残念。 プレスセンターに戻ったら、大いに笑われた。落馬という一番おいしい瞬間を、カメラマンは誰も撮っていなかったと知った。カメラマンは皆、ちゃんとした大名行列を撮ろうとイメージしていたのだろう。フィルムの時代は、失敗は撮る必要がない、と思ったにちがいない。 市長の失敗は、カメラマンにとっては、最高の瞬間だったのに。あのとき、吹きっさらしのビルの上で、ボクがおしっこをガマンしていたかどうかは覚えていない。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

霞ケ浦、4度目の挑戦で初白星 関東高校女子サッカー開幕

第31回関東高校女子サッカー選手権大会が12日、鹿嶋市で開幕した。県大会2位で出場権を得た霞ケ浦は1回戦で神奈川1位の湘南学院と対戦、1-0で勝利した。同部は創立5年目で関東大会には4年連続の出場となるが、今回が記念すべき初の1勝。明日の2回戦では東京2位の修徳と対戦する。 第31回関東高校女子サッカー選手権大会(12日、鹿嶋市北海浜多目的球技場)霞ケ浦 1-0 湘南学院前半1-0後半0-0 霞ケ浦は前半17分、MF河野辺楓果のスルーパスをFW五十嵐和郁がシュートし先制、これが決勝点となった。「関東大会でチーム初のゴールを決められてうれしかった。次も自分が点を決めてチームを勝利に導きたい」と五十嵐。竹元栄子監督は「練習でやったことがそのまま出た。相手がどういう戦いをしてくるか情報がない中で、ピッチ内外含めてチーム一丸となり、自分たちのサッカーを貫けた」と評した。 立ち上がりから押し込んで優位にゲームを進めた。FWの五十嵐と原田華花は共にポストプレーも裏抜けもこなすことができ、スピード豊かなサイドハーフの和田優芽と箕川そらが前線をサポートする。「相手サイドバックの裏のスペースを使うことを意識した」とセンターバックの岡田知里主将が狙いを明かしたように、守備陣も含めチーム全員の意識がかみ合い、相手に攻め手を与えず前半を終えた。 しかし後半は流れが一変、相手が速い展開で前へ出てくると、受け身に回ることが多くなった。「追加点を取りに行く考えはあったが、相手のロングボールをはね返すことや、裏を取られないことを意識し、集中力を切らさないようチームに声を掛けた」と岡田主将。 重要な大一番の緊張にも体力を削られたようだ。20分過ぎごろから運動量が低下、足をつる選手が出始めた。ここでチームを支えたのが交替メンバー。つくば市出身のMF大信田茉依は「残り時間が少ない中、自分にできることを考え、走り回って相手の守備に圧をかけた。途中出場でも試合の流れを変えられるよう、次の試合も頑張る」と話した。 後半最後の相手のコーナーキックも、GK中村優乃華を中心とした守備で乗り切り、ここで試合終了のホイッスル。ベスト8進出となる大きな1勝を手にした。 「最初で決めて全国に」 今大会は関東の1都7県から16チームが参加、7位までに全国大会の出場権が与えられる。2回戦以降は順位決定戦を含めて3試合を戦うことができ、そのうちどれか1試合でも勝てば、全国への切符が手に入る。 「残り3つあるが最初で決めて、皆で全国に行けるようにしたい。次の相手は自分たちよりレベルが高いと思うが、まずは守備からしっかり入って点を取りたい」と岡田主将は意気込む。(池田充雄)

3年ぶり5000人限定で特別公開 50周年の筑波宇宙センター  

宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センター(つくば市千現)が11日、特別公開された。今年開設50周年を迎え、これまでの足跡をたどったり、未来の技術を体験する各コーナーを展開。約5000人の宇宙ファンが、約53ヘクタールの広い敷地内の研究棟などをめぐって楽しんだ。 コロナ禍の影響で一般公開は3年ぶり。市内の研究機関の中でも人気の高い施設で、過去の一般公開は1万人を超す来場者を集めてきた。今回は県に感染防止安全計画を提出して、5000人の事前申し込み当選者のみの入場に限定した。 追跡管制棟前や宇宙グッズを扱う売店の前など会場内の各所に長い行列が出来た。人気漫画「宇宙兄弟」に登場したセンター内の場所をめぐる「聖地巡礼マップ」が用意され、それに従ってロケット広場などをめぐり記念撮影するカップルや家族連れの姿が目立った。 「宇宙兄弟」の大ファンというつくば市の恵郷千鶴さんは「当選したので家族4人を連れてやってきた」。宇宙飛行士、金井宣茂さんの講演「有人宇宙活動30周年企画ーこれからの有人宇宙活動や探査について考えよう」では最前列に陣取って聴講した。 講演が終わると長男の裕貴さん(20)が「訓練中うまくいかないこともあったと思うが、くじけそうになったとき、どのように気持ちを切り替えたか」を質問。金井さんから「開き直りも大事。自分はうまく出来ることから取り組もうとした」との答えを引き出した。裕貴さんは「とっても大切な言葉をいただいた」と言い、自分も宇宙を目指したいとの意思表示に、千鶴さんが「ぜひ行ってほしい」とエールを送った。(相澤冬樹)

冷たくてもおいしい焼き芋《日本一の湖のほとりにある街の話》5

【コラム・若田部哲】秋の深まりとともに恋しくなる焼き芋。スーパーの出入り口付近に設置されている焼き芋機のお芋を求める人も多いと思います。この焼き芋機と原材料の生芋を、北は北海道から南は沖縄まで全国に卸し、青果用サツマイモ業界をけん引しているのが、かすみがうら市の「株式会社ポテトかいつか」。また近年はデザイン性の高い直営店も展開し、人気を博しています。今回は同社広報の中村さんにそのおいしさの秘密を伺いました。 主力商品は2010年に開発された新品種の「べにはるか」を独自の貯蔵技術で熟成し、おいしさを引き出したオリジナルブランド「紅天使」。ねっとりとした食感と濃厚な甘みが特徴です。べにはるかが開発されるまで主流だったねっとり系のサツマイモの「安納芋(あんのういも)」は、収穫量の少なさがネックでした。それに対し、べにはるかは栽培しやすく食味も良いと、良いところ尽くしの品種です。 それをさらに熟成させた紅天使の焼き芋の特徴は「冷やしてもおいしい」ところ。直営店でも一番人気は冷蔵の紅天使だそうです。温かい焼き芋のほっとするようなおいしさも格別ですが、冷やし焼き芋はさながら高級スイーツのような深いコクと甘み! 一度食べればクセになること請け合いです。 霞ヶ浦の大地が育む芳醇な甘さ 「冷たくてもおいしい焼き芋」は、それまでの焼き芋のイメージを変えるだけでなく、素朴な印象だったサツマイモのイメージも大きく変えました。直営事業では、女性に喜ばれるように、デザイン性の高さや紅天使を使用したさまざまなスイーツを提供するなど、サツマイモの新たな価値を生み出し、成功を収めています。 また、それらの商品を支える生産体制の充実も注目すべき点。常に高品質な生芋を生産するため、600軒にものぼる契約生産者に対し、土壌の改良から苗の卸し、その年々の気候条件に応じたきめ細かい育成相談を行っています。さらに収穫した芋の全量買い取りにより、生産者が安心して生産に取り組める環境づくりを整備。これらにより、年間2万4000トンという国内最大規模の青果用サツマイモ生産を実現しているのだそうです。 中村さんに同社のこれからについて伺うと、「まだ秋冬のものという印象が強い焼き芋のイメージを払拭(ふっしょく)し、年間を通じておいしさを味わっていただけるよう、さらなるアピールをしていきたいです」とのこと。サツマイモのリーディングカンパニーの同社によって、霞ヶ浦の大地が育む芳醇(ほうじゅん)な甘さが、さらに全国に広がっていくのがとても楽しみです。(土浦市職員) ①サイクリストの宿(7月8日付)②予科練平和記念館(8月11日付)③石岡のおまつり(9月8日付)④おみたまヨーグルト(10月6日付)

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