火曜日, 4月 7, 2026

高校生の進学情報格差なくしたい 筑波大生らオンライン塾立ち上げ

筑波大学の学生らが昨年、無料のオンライン塾を立ち上げた。高校生らの学習や進路の指導を行う「学び舎栄智(まなびやえいち)」だ。活動の大きな目標は、地方と首都圏の高校の間にある大学進学に関する情報格差をなくすことだ。代表の長谷川弘貴さんは、同大理工学群数学類1年で、地方出身。団体を立ち上げた経緯とこれからの展望について話を聞いた。 ―活動のきっかけはなにか。 長谷川 高校生の頃から大学進学に関する「情報格差」に大きな関心を持っていた。自分が通っていた高校は、授業料は払っているのに自分が望んだような情報が得られないという状況だった。そういう環境の中で進学の情報格差というものには大きな関心を高校時代から抱いていた。 行動に移すきっかけは新型コロナで時間の余裕が出来たこと。昨年、入学していきなりコロナ禍が直撃した。春学期(前期)が完全にオンライン授業になってしまって残念だったが、時間的には余裕が出来た。「時間だけはあるので何かをやってみよう」という気持ちになって、活動をスタートさせた。 ―「学び舎栄智」はどんな活動をするのか。 長谷川 活動をスタートさせたのは昨年の4月から5月。将来的には有料の塾を運営したいと思っているが、今はその前の段階。高校生の学習指導や進路相談などを無料で行なって、市場調査をしているところ。団体の構成員としては、筑波大の学生が7人、茨城大学が2人、山形大学が1人の計10人で活動をしている。 ―活動のきっかけとなった「情報格差」とは具体的にどういうものか。 長谷川 やはり大きな問題は地方と首都圏の大学進学情報の格差だ。地方に住んでいる高校生は、そもそも大学に通うイメージをもてなかったり、大学の情報を集めるということが難しかったりする。まずはそういう情報格差を出来るだけ埋めていきたいと思っている。 活動に協力してくれている大学生は地方出身の子が多い。彼らは地方と首都圏の間にある情報格差を実際に体感していて、栄智の活動方針に共感してくれている。具体的な活動としては、大学生がオンラインで大学生活について話す活動や、公式サイトで大学生活の様子などを書く活動をやっている。 活動をサポートしてくれている地方出身の学生は、そうした情報格差という問題意識を共有していると思うし、団体としてのモチベーションにつながっていると感じる。 ―普段どのような活動を行っているのか。 長谷川 活動の主軸はオンラインでの学習指導。応募してきてくれた高校生とオンラインで面談をして、希望する進路に近い学部や学科の学生が個別で指導をしている。 今のところ、栄智に集まってきてくれている高校生は「現在の所属学年よりも進んだ範囲を予習しておきたい」と希望する子が多い。授業の予習をオンラインで支援しているという言い方が良いかもしれない。 その他としては、ブログで筑波大学のすごい学生を紹介したり「大学で役に立つ積分」と銘打って数学の解説を書いたりしている。 ―ほかの個人塾との違い、栄智ならではの特徴は。 長谷川 大学生がやっているということがあって、生徒と年齢が近い。面談をしながらお互いに指導の仕方を模索している。押し付けるのではなく、生徒と一緒に指導の方法から考えていくところが他にはない強みだと思っている。 ―活動する上で苦労しているところは。 長谷川 やはり指導する講師とのマッチングが難しい。高校生の生徒は、一人ひとり求めているものが違うので、要望に合うような講師を充てることに苦労している。 今いるメンバーは、理系大学生に偏っているところがある。生徒は理系だけではないので、文系科目の指導には今は弱みがあるように思う。それも含めて自分としては楽しくやっている。一人ひとりに合った講義をするというのが強みであり、難しさだと感じる。 ―今後はどのように活動していきたいか。 長谷川 今はその段階に向けて頑張っている最中だが、将来的にはお金をとってやっていきたい。それは教える方の責任にもなるし、「お金を払っているのだからきちんと受けよう」という生徒の姿勢にもつながる。まだ始めたばかりなので、そこまでいくのはまだ先だとは思っている。 そうして活動の質を上げていくなかで、高校生に情報を届けていくことが出来たらうれしい。 (聞き手・山口和紀) ◆栄智のホームぺージはこちら。公式ツイッターはこちら。活動に関わってくれる大学生を募集している。

料理を作る楽しみ 《食とエトセトラ》11

【コラム・吉田礼子】料理作りに目覚めたのは小学3年のころと記憶している。その年、中耳炎の治療で通院するために、仙台に住んでいた伯母の家に10日ほど泊めてもらうことになった。大分よくなったころ、伯母が通っていた料理教室について行った。そのときのメニューは、缶詰めのサケとみじん切りのタマネギをマヨネーズであえたものを、くり抜いたトマトに入れる、「トマトのファルシー」だった。 あまりのおいしさに、家に帰ってから自分で作り家族に食べてもらった。そのときの家族の驚きと「おいしい」の連発を思い出すと、幸せな気持ちになる。その経験が料理作りのスタートだったと思う。もちろん食いしん坊で、母が料理をしているのを見て、手伝うのも大好きだった。 私の故郷は宮城県の鳴子温泉。母は「(9月の)温泉祭りのときに、初物のマイタケを食べるんだよ。雨が降ったら虫が入るから、水にトウガラシを入れて虫出しをするんだよ。マイタケのある場所は親兄弟でも教えないんだよ」と言っていた。 人はほめて伸ばす 料理修業の最初のころ、ダイコンの千切りはハードルが高い。冷し中華作りのときに、キュウリが切りやすいことがわかり、たくさん練習をした。最初は不器用な自分が情けなかったが、少しずつできるようになり、料理の喜びが分かるようになった。そして、新しいアイデアも出てくるようになった。 小学4年のとき、私は初めて創作料理を考えた。「ハヤシ卵」である。オムレツに乗せるのは、ケチャップ派、ソース派があると思うが、ケチャップとソースの合わせ技も。フライパンに直接入れ、卵が半熟の状態で混ぜると、口の中で三種一体となっておいしい。 ケチャップとソースを合わせるとハヤシライスの色になるので、この料理を「ハヤシ卵」と命名した。小4担任の先生はよく覚えていて、母と会うと、その話に花が咲いたと言っていた。くじけずにできたのは、母や先生の励ましがあったからこそ。「人はほめて伸ばす」を信条に育ててくれた母に感謝している。(料理教室主宰)

密を避け生活を満喫する 《ひょうたんの眼》35

【コラム・高橋恵一】4カ月後に予定されている東京オリンピックに、外国からの観客を受け入れないことが決まった。選手も、選手村と競技場以外の行動は制限されることになるようで、オリンピック誘致の決め言葉「おもてなし」は、空振りになってしまうようだ。 オリンピックの経済効果を期待し、特にインバウンドの復活に期待し準備していた業界は、戦術を再構築せざるを得ない。早速、コロナ感染収束の状況も見えないうちから、「GOTOキャンペーン」の再開を言い出したりしているが、慌ててさらなる深みに落ちないように考えるべきだ。 観光とは、文字通り光輝くすばらしい景色、宝、イベントなどに接し、自らの体験を豊かにすることであろう。観光を提供する側も、最大に感動してもらうための「おもてなし」を用意するはずだ。しかし、近年のインバウンド客やGOTOキャンペーン実施時の報道を見ていると、渡月橋に大行列ができたり、浅草や鎌倉の食べ歩きなど、おおよそ日本を満喫する行動とは言えないだろう。観光地では、観光客も観光の対象でもあるのだ。 ホテルや旅館での食事や接待にしても、合宿の朝食でもあるまいし、美しい盛り付けの郷土色豊かな配膳で日常との差別を楽しめてこそ、「おもてなし」なのだと思う。宿泊については、インバウンド対応で「民泊」が登場したが、ホストファミリーとの交流を前提とした昔からのホームスティとは異なる。簡易な宿泊だけなら、ビジネスホテルの利用を進めるべきだろう。 「密」を追いかけてきた日本 この際、「観る側」ファーストを考えてみよう。スポーツやコンサート、観劇などは、会場が一体化して、感動を共有することも素晴らしいのだが、テレビの方が細かい動きや周囲にかき消されていない音声で解説などもあり、理解しやすく満喫できる。 美術品や文化財などは、展示会の混雑の中で鑑賞するより、図録の方が判りやすい。鳥獣戯画やゴッホのひまわりを立ち止まらないで見ることは無理だ。阿修羅像や飛鳥大仏とは、何時間も向き合って語り合いたい。渡月橋では、途中でたたずみ、桂川の流れの音に触れたい。 コロナ感染防止で「密」を避けるように要請されているが、今日の日本は、「密」を積極的に追いかけてきたのではないだろうか。大量生産、大量消費、一極集中…。限りなく競争を求め、行き着くところは、資本と権力の集中だろうか。 密を避けて生活を満喫する。改めて日本人に求められている生き方かもしれない。(地図好きの土浦人)

「知識」と「知恵」の違い 《食う寝る宇宙》82

【コラム・玉置晋】高校教員をしていた亡き父のアルバムを整理していたら、切り抜きが出てきました。卒業する生徒に向けたメッセージかと思います。 「高校の勉強が完成するとは、『知識』が『知恵』に高められることだ、という人もいます。(例えばボク)。それでは、『知識』とか、『知恵』とは何でしょう。ボクはこう考えています。『知識』とは、ある物事についての明確な理解、認識を持つこと。つまり、簡単にいえばオボエルこと、だね。『知恵』とは、物事の理(ことわり)を考え、判断し、処理する心の働きのこと。つまり、簡単にいえば、『オボエテイル』ことを使って、頭を『ハタラカセル』こと、だと思うね」 父が教壇に立っていた30年前と比べて、世の中は大きく変わりました。インプットされる情報量も何十倍となっています。人間の頭に格納する知識の価値は下がり、替わりに外部記憶(例えばインターネットの情報)にいかに効率よくアクセスできるかが重要視されています。しかし、知恵(「オボエテイル」ことを使って頭を「ハタラカセル」こと)はどんなに時代が変わっても、大事なことに変わりありません。わが父ながらよいことを言った。 寝坊したのは太陽フレアのせい? 先日、岩手県大船渡市に住む地球防衛隊(コラム25参照)の仲間から、スマートフォンのアプリを開けなかった、太陽フレアの影響ではないか?と連絡がありました。もちろん冗談なのですが、この手のネタは2017年の秋からSNSで見かけるようになりました。 きっかけは、2017年9月に「通常の1000倍の大型太陽フレアが観測」されたと関係機関からプレスリリースが出たことによります。当時、カリブ海では大型ハリケーンの被害を受けて、その救援活動の最中に、大規模な電波障害が生じたという報告がありました。(日本では大きな影響はありませんでしたが) そのため、何だかよくわからない脅威である太陽フレアは、「寝坊したのは太陽フレアのせい」といったジョークの恰好の餌食となりました。この反応は「宇宙天気防災研究者」としては懸念材料でして、よかれと思って発信した情報がオオカミ少年になってしまわぬように注意を払わないといけません。(宇宙天気防災研究者) <3分宇宙天気>2021年3月22日、太陽の北半球で巨大なプロミネンス(紅炎)が見られました。ガスの塊(CME:コロナ質量放出)が噴出され、地球方向に向かっています。3月25日以降、到来する可能性がありますので、宇宙旅行ご予定の方は宇宙天気をウォッチ!

市職員2人が新型コロナ つくば市

つくば市は27日、市職員2人が同日、新たに新型コロナウイルスに感染していることが判明したと発表した。 市ワークライフバランス推進課などによると、2人は市役所本庁舎2階に勤務する非常勤職員と、小田城跡歴史ひろば案内所に勤務する非常勤職員で、いずれも職場に濃厚接触者はいないという。 2人が勤務する部署はいずれも消毒作業を行い、通常通り業務を実施する。 2人に症状があったかや、いつまで勤務していたかなどは公表できないとしている。

第1期巣立つ つくば・みらいのもり保育園で卒園式

社会福祉法人関耀会(筑西市、関正夫理事長)が運営する、つくば市鬼ケ窪のみらいのもり保育園(川上美智子園長、園児数85人)で27日、第1回卒園式が催され、第1期生となるくじゃく組の年長児4人が巣立った。昨年4月に開園したが、コロナ禍で入園式を開催できなかった。 式典で川上園長は「4人は憧れの年長さんで、園のリーダー的役割を立派に果たしてくれました。4月から小学1年生になります。たくさんのお友達と楽しく元気に過ごしてください。皆さんの成長を先生たちは遠くからいつも温かく見守っています」などと式辞を述べた。 卒園生4人は「毎日優しく見守ってくれて、先生方、ありがとうございました」などとお別れの言葉を述べ、参加した父母に向けて「毎日おいしいご飯を作ってくれてありがとう。大好きです」などと書いた手紙を読み上げて手渡した。 1年間の思い出を振り返る映像が流れると、胸がいっぱいになり、すすり泣く保育士らの姿が見られた。 同園は「自分らしさと自ら伸びる力で未来を生きる自信と意欲を育てる」を保育理念に掲げ、筑波大学と連携して園児たちの個性を引き出すアート体験なども行っている。

プロチームを次々撃破 アルボラーダ(つくば) 3×3日本選手権で準優勝

3人制バスケットボールの日本一を決める第6回3x3(スリーバイスリー)日本選手権大会(日本バスケットボール協会主催)のファイナルラウンドが3月22、23の両日、新宿住友ビル三角広場(東京都新宿区)で開かれ、男子の部で茨城県代表のアルボラーダ(ALBORADA)が準優勝した。戦い終えて、代表の中祖嘉人さん(3x3日本代表サポートコーチ)や選手たちに話を聞いた。 ファイナルラウンドの相手はいずれもプロチーム。1回戦は唐津レオブラックス(佐賀県)を21-13、2回戦は八戸ダイム(青森県)を21-15と相次いで撃破。準決勝ではウィル(東京都)と対戦、点の取り合いから延長21-19で勝ちきった。メンバーの山本陸は「相手は1対1に自信を持つチームで、タイトな守備が必要。自分たちが重視する攻撃から守備への切り替えで、パスアウトのカットを狙うとか、リバウンド時のポジション取りなど、タフでハードな守備を心掛けた」と振り返る。 決勝の相手ビーフマン(高知県)は、保岡龍斗(3x3日本代表候補、B1秋田ノーザンハピネッツ)、湊谷安玲久司朱(元B1横浜ビー・コルセアーズ)らを擁する強豪。チーム平均身長189センチと、体格差の大きい相手にゴール下で押し込まれ、14-21で敗れた。「シュートファールからフリースローを与え、楽に点を取らせてしまった。ファールにならない守備が必要だった」と改田拓哉。 生え抜き選手で挑む アルボラーダは2013年につくばで結成された、3人制と5人制バスケのクラブチーム。中祖代表にとって今回の日本選手権準優勝は、昨年のチームつくばを率いての優勝に続く2年連続での決勝進出。だがその価値は昨年とは全く異なるという。 「チームつくばは、つくばから世界を目指すというコンセプトで、元B2茨城ロボッツの大友隆太郎(現B1滋賀レイクスターズ練習生)ら、プロ選手を集めて作ったチーム。それに対し今年は、子どものころから一緒に練習してきた生え抜きの選手たちで挑んだ」 メンバーは小澤峻(つくば市、土浦二高出身)、山本陸(牛久市、土浦日大高出身)、石渡優成(牛久市、藤代高出身)、改田拓哉(我孫子市出身)の、いずれも20代前半の4人。平均身長は177センチで、出場チームの中では格段に小さく、身体能力でも突出したものは持っていない。それでも3x3のU-18日本選手権では、2017年の第3回大会優勝など、3年連続で上位入賞を果たしてきた。オープンカテゴリーの大会は今回が初めてだが「優勝しかない」との意気込みで臨んだ。 次に続く選手らの目標に 道のりは厳しく、県予選では最終戦を延長で制し、東日本予選では11チーム中5位というギリギリの成績で勝ち抜いた。ただしその中にはプロリーグ「3x3エグゼプレミア」の今季優勝チームであり、小林大祐(茨城ロボッツ)ら日本代表候補2人を擁する宇都宮ブレックス(栃木県)を破るなどの快挙もあった。 「残念ながら優勝は逃したが、ここまで勝てたことが本当にうれしかった。彼らのことは子どものころから見てきた。体が大きくなり技術も上達したが、それ以上に人間としての強さ、メンタル面での成長が感じられた」と中祖代表。 「彼らはいわゆる普通の選手ばかり。中学や高校でも目立ったキャリアはないが、時間をかけて努力し、正しいトレーニングを積むことで、日本のトップと渡り合えるまで成長できた。後に続く選手たちに希望を与えられる存在」と小山涼コーチ。彼らの活躍を見て、一緒に練習してきた小中学生らのモチベーションがいま、非常に高まっているという。 4人は今大会を一つの区切りとして、今後はそれぞれ次のステージへ進む。改田はプロチームから日本代表や世界での活躍を目指す。指導者として後輩の育成に携わる山本は「高校生や大学生のメンバーを伸ばし、次は彼らに日本一をつかんでもらいたい」と目標を語る。(池田充雄)

オオシマザクラのはなし 《令和楽学ラボ》12

【コラム・川上美智子】今年は桜の花の開花が早く、各地から垂れ桜やソメイヨシノの花便りが届いています。ここ茨城県でも既に桜が満開になっているところもあります。 今から10年ほど前、桜の名所である日立市の依頼で、大学の研究室では「オオシマザクラ」の研究に取り組みました。オオシマザクラは、日本に自生するサクラ野生種の1つで、日本の固有種とされ、交雑しやすいため多くのサクラ栽培種の原種となっています。 例えば、明治初期に誕生したソメイヨシノも、DNA解析からオオシマザクラを父に持つことがわかっています。また、オオシマザクラを母種とするサクラも多数あり、これらはサトザクラ群と言われています。原木は木炭や浮世絵の版木、茶筒などに使われてきました。葉は滑らか、無毛で食べやすいところから、桜餅の葉として利用されてきました。花びらは白色でソメイヨシノよりやや大きく、4月ごろ、新葉が出る時期に咲くのが特徴です。 日立市のオオシマザクラは、日立銅山の歴史と深い関係にあり、新田次郎原作・松村克弥監督の映画「ある町の高い煙突」にそれが描かれています。明治後期、銅の製錬による煙害(2酸化硫黄の発生)が大きな問題となり、煙害に強い樹木としてオオシマザクラが採用され、植樹が始められました。 大正4年(1915)に大煙突が建てられるまで、数万本のオオシマザクラの苗木が伊豆大島から移植され、さらに耐煙樹種研究のために作られた農場では、苦心の末、120万本の苗木栽培が行われたと言います。その後、オオシマザクラの苗木にソメイヨシノの苗木の接ぎ木も行われ、日立市全体がサクラの町になって行きました。 「桜香るうどん」の開発は断念 研究室では、特有のかぐわしい香りをもつサクラの花と葉を利用した商品づくりを試みました。手始めに、サクラの葉と花の揮発性成分について分析したところ、強い樹木であるだけに、葉からはクマリンやベンズアルデヒドなどの芳香をもつ抗菌成分と猛毒の青酸(シアン化水素)などが見つかりました。 クマリンは抗菌作用のほか、抗血液凝集(ぎょうしゅう)作用などがありますが、大量摂取すると肝毒性、腎毒性をもたらします。シアン化水素はミトコンドリア中で酵素チトクロームオキシダーゼと結合し、細胞呼吸を阻害して呼吸困難や窒息を引き起こします。生葉よりも乾燥した葉で、これらの成分の含有量が高まるため、サクラの葉粉末を練り込んだ「桜香るうどん」などの開発を試みましたが、商品化は断念しました。 ちなみに、クマリン自体も食品添加物としては認められていません。と言うことで、サクラは花を愛でることに留めた方がよさそうです。(茨城キリスト教大学名誉教授)

土浦お花見さんぽ 《私家版吾妻カガミ》

霞ケ浦総合公園 26日(金)午後、うちの奥さんと2人で霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)に出かけました。この公園は自宅から歩いて10分と近く、毎早朝、豆柴犬と散歩しているところです。ですから、どこにどんな桜の木があるか、開花の度合いどの程度か、知り尽くしています。それでも、天気予報でこの日は20℃を超えることを知り、「昼、花見に行こう」となりました。幼稚園や小中学校が春休みに入ったこともあり、平日にもかかわらず子どもたちでいっぱい。上の写真は、公園のシンボルでもある風車を桜越しに撮ったもの、土浦市の桜まつり旗を桜とセットで撮ったもの、周回路沿いの桜と奥さんの後ろ姿を撮ったもの、です。 桜川堤 土浦市を流れる桜川の堤には、霞ケ浦の河口部から、上流の学園大橋まで桜の木が植えられています。何本あるか知りませんが、相当な数になります。いつ植えたかも知りませんが、相当な古木です。土手下の河川敷に椅子を持ち込み、うちの奥さんと豆柴犬とで、近くで買った弁当を食べるのが例年の花見でが、今年はその時間が取れず、26日(金)午後、弁当なしの花見になりました。下の写真は、コロナ禍を心配する市の看板、堤の桜の古木を撮ってみました。

慢性腎臓病患者への生活食事指導は費用対効果に優れる 筑波大学 戦略研究で示す

1人の健康寿命を1年延ばすためには、追加でいくら必要になるかを、慢性腎臓病(CKD)重症化予防から明らかにした研究が24日、筑波大学(つくば市天王台)から発表された。慢性腎臓病が進行すると必要になる透析療法には1人当たり年間約500万円の医療費がかかり、社会的な負担も大きい。そこで、かかりつけ医と専門医が連携し、患者への生活食事指導を普及させることで、社会全体で支払う追加の費用は1人当たり年間14万5593円に抑えられることが分かった。 発表は筑波大学と新潟大学の連名。研究代表者は筑波大学医学医療系の大久保麗子助教、近藤正英教授が務めた。同医学医療系の山縣邦弘教授らによって2006年から行われてきた慢性腎臓病重症化予防のための戦略研究(FROM-J研究)を引き継ぐ研究という。 1人年間500万円が15万円弱に 慢性腎臓病は、たんぱく尿の存在や腎臓の機能低下などが3カ月以上続く状態を指す。慢性腎臓病が進行すると末期腎不全や心血管疾患の危険因子となるとされる。透析療法が始まると、一生続ける必要があり、これに要する医療費(1人当たり約500万円)は、社会的にも負担となっている。このためFROM-J研究では、かかりつけ医、腎臓専門医、コメディカル(看護師、栄養士など医師以外の医療従事者)の協力による医療システムの有効性、有用性を検証してきた。 今回、研究グループは生活食事指導を取り入れた経済モデルを構築した。かかりつけ医と腎臓専門医の診療連携を強化する「介入」を行った場合の費用と効果を分析した。ここでの「介入」は、慢性腎臓病患者に対する生活指導、服薬指導、食事指導、受診促進の全てを含めた生活食事指導のことを指す。 その結果、生活食事指導による介入の増分費用は年間1万6164円、その費用効果比は質調整生存年(QALY※メモ参照)当たり14万5593円と評価された。これが国民1人の健康寿命を1年延ばすために追加的に社会全体で支払う費用と見積もられる。日本の評価基準の閾値(しきいち)となっている500万円(1人当たりの透析医療費と同じ額)と比較すると、極めて小さい値が算出された形だ。 国内に約1300万人と推計される慢性腎臓病患者を腎専門医だけで管理、加療することは不可能。社会負担の軽減には、腎臓を専門としないかかりつけ医、看護師、栄養士からなるチーム医療で、対応していく必要があるとした。研究グループは、この介入を普及させるためには、受診勧奨を含めた生活食事指導に関する診療報酬の改定や、CKD診療ガイドラインへの追加などが重要と考えている。 【※メモ質調整生存年】(QALY:Quality-Adjusted Life-Year) 生存年数を生活の質(クオリティーオブライフ)の値で重み付けしたもの。完全な健康状態は「1」、死亡状態は「0」、病気や障害がある状態のときには「0と1の間の値」で表現する。完全な健康状態で生存する1年間の寿命の価値が1QALY となる。

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