火曜日, 4月 7, 2026

つくば市職員が新型コロナ

つくば市は28日、市役所本庁舎2階に勤務する職員1人が27日、新型コロナウイルスに感染していることが判明したと発表した。 職場に濃厚接触者がいることから、保健所の指導でPCR行政検査が実施される。 職員が勤務する部署は消毒作業を行い、通常通り業務を実施する。

五輪スイス選手団をコロナ禍サポート 筑波大生たちの「熱い夏」

東京オリンピックを共に戦った筑波大生の「熱い夏」が終わった。事前合宿からスイス選手団のサポートに当たった学生スタッフたちだ。新型コロナの感染対策からソーシャルディスタンス以上の距離を保ちながら、選手とのコミュニケーションを取り続けた。スタッフの一人は「競技に出たい人、サポートをする人がいて初めて実現されたオリンピックであることを身をもって実感した」と振り返った。 「精力善用」「自他共栄」の理念で 筑波大学では7月14日から8月2日の約3週間、オリンピックに出場するスイス選手団の事前合宿のサポートをしてきた。受け入れた競技は、マウンテンバイク、柔道、陸上競技。指導者やトレーナー含めて約50人が筑波大学を訪れ、学生のサポートを受けながら、五輪本番前の最終調整を行った。 スイス柔道チームは、女子52キロ級と男子73キロ級の選手各1人と監督、トレーナー含め、計10人が7月に来日。当初は学生が練習相手を務める想定だったが、新型コロナ感染防止対策から「受け」と呼ばれる稽古相手も一緒に来日していた。大学武道館内の道場や学内ループ、中央体育館のトレーニングジムで汗を流した。 大学側のサポートスタッフは、オリンピック・パラリンピック推進室の職員を中心に学生を加えた計13人だった。7月14日から1週間にわたって、毎日5人ほどで交代しながらサポートを務めた。大学柔道部からは、石本結菜さん(19)とアマンダ・コスタ・ドレッザさん(29)ら3人がスタッフとして選ばれた。感染防止対策でスイス選手団とは常に2メートル以内には近づかず、必ずマスクを着用しなければならなかったが、最低限のコミュニケーションをとる必要から、ドイツ語や英語を話せるスタッフとして加わった。 柔道場には、柔道の父、嘉納治五郎の肖像が唱えた理念「精力善用」「自他共栄」の額と共に掲げられている。大学の前身である高等師範学校の校長で、アジアで初の国際オリンピック委員会委員も務めた。この理念がコロナ禍のサポートにも通じる心得になった。 主なサポートは、道場などの練習場所の消毒と掃除。柔道場ではスイスチームの使用前後に1時間ずつ掃除をした。選手団らが通行可能な道や使用可能なトイレなども限られていたため、道案内なども行った。 選手の飲み物は、基本的にホテルで用意されたものを持ってくるようにしていたが、足りない時などは選手からお金をもらいスタッフが武道館内の自販機に買い出しにいくこともあった。選手たちが飲むスポーツドリンクには好みがあり、一度に3本頼まれたこともあったそうだ。 選手団は毎日、スタッフはサポートの頻度によって毎日から週に1回、PCR検査を行っての事前合宿となった。石本さんによると、そのような厳重な感染対策を講じながらのサポートを受けた選手団の中には、「安心して練習できた一方で、もっと日本の人と交流したかった」ともらす選手もいたそうだ。 きめ細やかなサポートへの感謝の気持ちを表すかのように、選手らはスタッフに対して距離を保ちながらも気さくに話しかけてくれただけではなく、サインまで快くしてくれたそうだ。筑波大での柔道チームの最後の練習日には、道場で集合写真を撮り、スイス選手団からは大学での最終日に、スタッフ全員に傘がプレゼントされた。 アマンダさんは「スタッフに選ばれたときはうれしい反面、不安もあったが、柔道という同じスポーツを通してオリンピック選手やほかのスタッフと関わることができ、将来に活きるいい経験になった」と話した。(武田唯希)

県立高校は9月12日までリモート授業 小中学校にも要請 知事

31日までとしていた茨城県独自の非常事態宣言について、大井川和彦知事は27日、期間を国の緊急事態宣言期間に合わせて9月12日まで延長すると発表した。延長に伴って県立高校や特別支援学校などの県立学校は12日までリモート授業とする。 市町村の小中学校にも16日、すでにリモート授業を要請し、県内全市町村で準備をしているという。私立学校、大学にも9月12日まで、同様の対応を要請している。 10代の感染経路は現在、家庭内感染が78%で、夏休み中は学校での感染が減っていたが、登校が再開するとさらに感染が広がることが予想されるためだとした。 学校の部活動も9月12日まで全面的に禁止、県内大会は主催団体に延長または延期を要請し、体育祭や修学旅行も延期または中止を要請している。ただし進学指導や就職指導など在宅での指導が困難な場合は、学校が個別に対応する。 27日の県内の新規感染者数は328人で、伸び率は若干鈍化しているが、人数の増加傾向は続いているという。年代別では20代が25%、次いで30代と40代が各17%。デルタ株が猛威をふるう今回の第5波は1月の第3波と比べ20代の感染者の割合が1.3倍に増えているという。一方、県内の8割以上が2回のワクチン接種を済ませた60代以上は大きく減少している。 入院患者は現在、40代と50代が半数を占め、40代未満も増加傾向にある。 医療提供体制は、既存のコロナ患者受け入れ病院に不急の手術延期を要請したり、臨時の医療施設(野戦病院)を新設し病床を40床増やしたり、コロナ患者をまだ受け入れていない病院に受け入れを要請するなどし、9月中旬までに814床に増やすとした。コロナ患者をまだ受け入れてない県内48病院に対する、感染症法に基づく受け入れ要請は3病院が応じ14床が増える。 軽症や中等症でリスク患者には21日から宿泊療養施設で抗体カクテル療法(※メモ)を開始し、25日からは医療機関でも開始しているとした。 千葉県柏市で自宅療養していた妊婦が早産となり受け入れ病院が見つからず赤ちゃんが死亡した問題に対しては、新型コロナに感染した妊産婦を受け入れる病院を県内に9カ所指定し、保健所などによる入院調整が困難な場合は、周産期専門医が24時間365日電話相談に対応する。 県独自の非常事態宣言の延長に伴って、図書館や美術館などの県の施設も休館の期間を12日まで延長する。 ※メモ【抗体カクテル療法】人工的に作られた2つの中和抗体を組み合わせた点滴薬(ロナプリーブ)を投与することで、新型コロナウイルスの細胞内への侵入を阻止して増殖を抑制し、重症化を防ぐ。海外の臨床試験では、入院や死亡のリスクを約70%減らす効果が確認されている。日本では7月19日に厚労省が特例承認した。

ナラ枯れの脅威! 被害対応奮戦記(下) 《宍塚の里山》80

【コラム・佐々木哲美】ナラ枯れ被害木の対応は何とかなりましたが、次に問題となるのは、ナラ枯れ被害が比較的軽い経過観察木と新たにカシナガの削孔(さっこう)が発見された樹木の対応です。 経過観察の樹木のナラ枯れ対応には、クリアファイルのトラップが有効であると森林総研の升屋主任研究員から教えられ、実施することにしました。このトラップは、トランク・ウインドウ・トラップ(TWT)と呼ぶ静岡県で考案されたもので、市販のA4クリアファイルの1枚と1/4を使って作るため、非常に安価にでき、設置も簡単です。 さっそく、調査の希望者を募ったところ、会員の山口かなえさんが、子どもたちにも挑戦させたいと手を挙げてくれました。山口さんにTWTを100枚ほど作っていただきました。 6月初めに升屋主任研究員に来ていただき、大人5名、子ども10名でナラ枯れ対策のトラップを設置しました。子どもたちも活躍し、楽しく作業ができました。山口さんが、子どもたちにチャレンジさせたいと思ったのは、ナラ枯れ対策を通じて子どもたちが生態系を学ぶいい機会になると考えたからだそうです。 以後、毎週、トラップを子どもたちと巡視して、捕獲状況の確認と石けん水の補充を続けています。また、状況に応じてトラップを増やす、隣接した樹木にもトラップを設置するなどしています。 「ナラ枯れ対策は『試行錯誤』」 ナラ枯れの基礎知識を学ぶために、「ナラ枯れ学習会」を7月17日(土)に開催しました。升屋勇人さんを講師に「カシナガキクイムシによる樹木の枯損」と題して1時間半ほど話してもらい、その後、現地で説明していただきました。参加者は環境教育部会を中心に12名でした。環境部会は、9月に筑波大学生命環境系の学生30名ほどを受け入れますが、野外体験学習に「ナラ枯れ」をテーマに行いたいと考えています。学習会は大変有意義で好評でした。 学習会の最後に、升屋さんから「ナラ枯れ対策手法は確立されておらず、試行錯誤を繰り返している状況である。ただ、熱意をもって、やり方を考えながら取り組んだ地域は成功している。3年ほど頑張らなければ、効果は確認できない」と、継続して取り組む必要性をアドバイスされました。 今後、3年も継続するには、子どもたちに新たな目標を示してやること、地元の小学校や中学校の自然観察や自由研究の題材、高校生や大学生の研究課題として示し、関わるように働きかけていきます。被害木の被覆作業や伐採作業も比較的重労働なこと、資機材の購入費などもあることから、何らかの助成金をいただいての対応も考える必要があります。 対処方法は、火災と同じで初期消火が一番効果あり重要なことですが、ボランティアだけでは対応に厳しいものがあります。現実の問題として見えてくるのは、行政、研究機関、学校、市民などが連携して取り組むことがカギのような気がします。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

新人3氏が届け出 県議補選告示 土浦

茨城県知事選に合わせて、県議補選が27日告示され、土浦市区(欠員1)はいずれも新人で無所属の歯科医師、高橋直子氏(37)、元国会議員秘書、吉田直起氏(39)、牛久市在住で無職の赤須理世自(りよじ)氏(59)の3氏が立候補を届け出た。有権者数は11万7969人(26日現在)。 高橋氏はつくばリボン歯科院長。すべての子どもたちに明るい未来を残したいと、子育て支援や教育格差の是正、福祉の充実、地場産業の確立と中小企業の振興、TX土浦延伸などを訴えている。 吉田氏は国会議員秘書などを務めた。土浦の魅力を生かして、首都圏の受け皿として郊外住宅地として発展させ、自然と歴史を感じながら子育て世代がのびのび育める街にしたいなどと訴える。 投票は知事選と同日の9月5日、市内50カ所で行われ、即日開票される。(鈴木宏子、相澤冬樹) 【茨城県議会議員補選 土浦市区(欠員1)立候補者】届け出順 高橋直子氏 歯科医師 37 無新【公約】①教育格差の是正や食育・子ども食堂の充実など子供たちに明るい未来づくり②健康な歯8020運動の徹底など福祉の充実③TX土浦駅延伸【略歴】土浦日大高校卒、日大歯学部卒、王子リボン歯科入社、現在つくばリボン歯科医院長。 吉田直起氏 会社役員 39 無新【公約】①首都圏の受け皿として魅力あふれる街づくり②多様な家族形態に対応した子育て支援③だれもがわくわく参加できる地域コミュニティーづくり【略歴】土浦日大高校卒、流通経済大流通情報学部卒、元長谷川大紋参院議員公設第一秘書。 赤須理世自氏 無職 59 無新 子育て世代こそ声を上げよう 【高橋候補】午前10時から同市小岩田の「応援する会」事務所で出発式。無所属の高橋候補に対し、県議時代の安藤真理子市長が所属したいばらき自民党から9県議が駆け付けた。白田信夫議員会長は「安藤さんの後、党に不在になった女性議員を」とアピール。同市議会からは実父の島岡宏明氏が所属する郁政クラブの矢口清氏らが出席した。 高橋候補は「2児を設けて、これからは自分はわき役と決めたこともあったが、この先10年、20年先、愛する子どもたちに未来を託すために、今の子育て世代こそが政治に関心を持ち、声を上げていかなければならないと思った。コロナ禍や自然災害など大変な時代に立ち向かえるのは人間の力以外にない」とエネルギッシュな第一声。名前が同じマラソンランナーを意識したキャッチフレーズ「ともに走る」を掲げ、街頭に飛び出した。 地域の中を駆けずり回る 【吉田候補】吉田氏は午前10時から同市並木の選挙事務所前で第一声。小幡政人・元国交省事務次官、木村敏文坂東市長らが応援に駆け付けた。父親の吉田博史市議に近い柳沢明市議は「吉田候補は3人の代議士に仕えた。県会議員は片手間にできる仕事ではない。即戦力か雰囲気か、二者択一の選挙」だなどと話した。 これを受けて吉田氏は「コロナ禍で未曾有のピンチ。そういう時だからこそ政治の力がすごく大事。4年前、大井川知事を応援し、大井川知事と一緒に、茨城のために一生懸命働きたいという思いで立候補した」などと話し「首都圏から人を呼び込めるよう企業誘致、多様化する家庭に対応した子育て支援など3つの柱を掲げ、地域コミュニティーの中を駆けずり回ってしっかりと皆さんの力になりたい」などと訴えた。 【訂正:27日午後6時】27日午後、赤須氏の届け出があり、追加、訂正しました。

つくば工科高校サポートクラブ(3) 《塞翁が馬》4

【コラム・三浦一憲】前回(7月30日掲載)、工科高生の見学先4つを紹介しましたが、今回はその続きで、人気があった3カ所を紹介します。「お台場科学技術未来館~ビーナスフォート~東京国際フォーラム」、「クラッシックフレッシュコンサート」、「外国人宿舎二の宮ハウス工事現場」です。大手建築会社の現場見学は普通の人では不可能ですが、建築科生の見学要望はすんなりと通り、大会社も高校生には優しいのだと驚きました。 第8回 お台場科学技術未来館~ビーナスフォート~東京国際フォーラム このコースは、修学旅行のコースにもなっていますが、建築科の高校生が見学することはとても重要です。日本人の常識を超える建築を体験できるからです。アーティストとして建築家は職業建築士とは立ち位置が違うことを体験できたと思います。 第7回 クラッシックフレッシュコンサート クラッシックコンサートは、普通の高校生はまず行きません。だから、目の前で聞かせる、これが重要なのです。同年代の若者が高いレベルで音楽を奏でることを、工科高生に伝えたいと思い、学内音楽室でコンサートを開催しました。毎日過酷な練習をして、芸大などに合格できる演奏レベルになる―これから大学受験を迎えはる高校生に伝えられたでしょう。 第5・9・10回 外国人宿舎二の宮ハウス見学 二の宮ハウスはつくば市内に設けられた外国人研究者向けの宿舎です。3回の見学会では、センスのよい住宅を見てもらい、日本人がいかに味気ない部屋に住んでいるか、どうしておしゃれな住居に住めないのか、高校生なりに問題意識を持ってもらうことを期待しました。 理論だけでなく現場を見せる 一連の見学会を総括すると、全11回のいろいろな建築を何も知らない高校生に見せ、よい刺激を与えられたと思います。机上の理論だけでなく現場を見せ、感じさせることの重要性を再認識したプログラムでした。 高校生が何を感じたのか、アンケートを取らなかったのでよくは分かりません。でも、大学受験が終えた学生と母親が私のところにお礼のあいさつに来たとき、「あのプログラムのおかげで、建築の面白さに目覚め、建築科に合格しました。ありがとうございました」と言われ、つくば「工科高校サポートクラブ」の苦労が吹き飛びました。 こういったボランティア活動の最初の経験が、私の「まちかど音楽市場」につながっていくとは、この時は想像もしていませんでした。人生無駄になることはない。一喜一憂しないで目の前のことを解決していくことが未来につながる。まさに、塞翁が馬(さいおうがうま)です。(まちかど音楽市場代表)

30日からワクチン職域接種 供給遅れの筑波大に届く

筑波大学(つくば市天王台)で、新型コロナワクチンの職域接種が30日から始まる。現在接種の予約が始まっており、1回目の接種は同日から 9月22日まで、2回目は9月27日から10月20日まで予定される。接種会場は大学会館。学生、教職員、学内で日常的に業務を行う警備、清掃、派遣職員などが対象となる。接種は強制ではなく、あくまでも任意とされている。 職域接種は当初7月下旬の開始が予定されたが、ワクチン供給量の関係から、開始時期の後ろ倒しを余儀なくされていた。大学の担当者は「職域接種申請後に国が新規受付の停止を行い、ワクチン配分の見通しが立たなくなったことにより一時的に供給停止となったことが原因」と話す。 供給の後ろ倒しにより、当初学生に対して発表されていた開始時期も変更せざるを得ない状況となった。6月24日、大学は「7月の下旬」から職域接種を開始する予定だと発表。しかし、7月6日には「厚生労働省より8月9日の週以降」にワクチンの配給が遅れるとの通知があったとし、接種の開始時期を延期。7月30日には「8月23日の週以降」との見通しを示し、今月19日にようやく「8月30日から」と開始日時が確定したと発表した。 職域接種によるワクチンの接種人数について、大学担当者は「具体的な数字の提示は差し控える。厚生労働省には2万2000人で申請を行った。申請してからの間、65歳以下の地域接種が開始されるなど状況が変わった部分がある。そのため、当初の想定よりは少なくなる見込み」という。 ワクチンの配給量については「1回目の接種人数に応じて、2回目のワクチンが配送される仕組み。したがって、ワクチンの配給量は現時点では確定していない」と担当者。使用されるワクチンは「武田/モデルナ社製」で、ワクチン接種の打ち手は「当初の予定より本学内の医療従事者が担当する計画であり、変更はない」という。 接種の予約は大学が用意した特設のページで行われている。予約は23日に開始されたが、ページにアクセスが集中し機能しなくなることを避けるため、学群・研究科ごとに予約の開始時間が別々に設定されている形だ。 授業はオンラインに変更 新型コロナは「第5波」で、つくば市でも感染者数が急増しており、筑波大では夏休み中にもかかわらず課外活動所属学生らのクラスター感染が確認されている。こうした状況を受け20日、同大は授業形態を原則としてオンライン授業に変更すると発表した。サークル活動についても活動可能な形態の基準を厳格化し、原則的な自粛を求めた。 接種について人間学群4年の女子学生は「明るいニュースだと感じた。自分自身も打つつもりではいる」と話す。人間学群の男子学生(23)は「授業は原則オンラインで行われているので、大学の近くに居る意味がない。現在はつくばから離れた場所で暮らしている。そもそも、大学の職域接種の利用はあまり考えていないし、打つつもりもない」と話している。(山口和紀)

県議補選あす告示 土浦 新人2氏が一騎打ちか

9月5日投開票の知事選に合わせて、県議補選土浦市区(欠員1)が27日告示される。立候補を予定しているのは、いずれも新人で無所属の元国会議員秘書、吉田直起氏(39)と、歯科医師、高橋直子氏(37)の2氏。 ほかに牛久市の男性(59)が事前審査に出席している。有権者数は11万7986人(8月18日現在) 吉田氏は土浦日大高校卒、流通経済大流通情報学部を卒業後、長谷川大紋参院議員秘書などを務めた。父親は吉田博史市議。 土浦の魅力を生かして、首都圏の受け皿として郊外住宅地として発展させ、自然と歴史を感じながら子育て世代がのびのび育める街にしたいなどと訴えている。 高橋氏は土浦日大高校卒、日大歯学部を卒業後、王子リボン歯科に入社し、現在つくばリボン歯科院長。父親は島岡宏明市議。 すべての子どもたちに明るい未来を残したいと、子育て支援や教育格差の是正、福祉の充実、地場産業の確立と中小企業の振興、TX(つくばエクスプレス)土浦延伸などを訴える。 投票は9月5日、市内50カ所で行われ、即日開票される。(鈴木宏子)

「風立ちぬ」考 その3 《遊民通信》23

【コラム・田口哲郎】前略 なぜ小説『風立ちぬ』は、社会的小説ではないにもかかわらず、文学作品に社会性を求める人々の心を掴(つか)むのでしょうか。それはこの小説が人間の生だけではなく、死について深く考察しているからではないでしょうか。そして、「生きめやも」派と「生きねば」派の間には、生きる意志のみならず死へのスタンスについても、深い溝が存在します。 「生きねば」派が求めるものを先に探りましょう。高橋源一郎氏は小説の主人公の企てを次のように読みます。「サナトリウムで、患者たちは死んでゆくだけだ。だから、『私』は、記憶の中にある『節子』との幸福な瞬間を、『物語』の中に閉じこめようとし、そして失敗するのである」。そして節子の死後、主人公はふたたび閉じられた愛の舞台を訪れ、リルケの「レクイエム」に出会います。「私」は節子に対して、「レクイエム」の最後の数行を聞かせます。 「帰っていらっしゃるな。そうしてもしお前に我慢できたら、死者たちの間に死んでお出。死者にもたんと仕事はある。けれども私に助力はしておくれ、お前の気を散らさない程度で、屡々(しばしば)遠くのものが私に助力してくれるやうに――私の裡(うち)で」 「生きねば」派は、死者の仕事に強く反応するようです。アニメ「風立ちぬ」のラスト近く、結核の果てに亡くなる菜穂子は、生き残った二郎に、「あなた、生きて」とつぶやきます。そして、二郎はつぶやきを残して天に昇る菜穂子に「ありがとう」と言い、物語は終わります。 死者の仕事とは、生者を自分の死から解放すること。菜穂子はいわば、死者の象徴であり、彼女は二郎の妻でありながら、誰かの妻であり女であり、男であり、夫であり、兄であり、弟であり…あらゆる存在の本質を保持する誰かなのです。 死者の思い 遺(のこ)された者を死者の呪縛から解放してやることが死者の責務であるとし、高橋氏は戦死者に言及します。 「戦後文学」の主人公たちは「戦死者の代弁者であるべく義務づけられていた」のだが、「彼らの中に住み着いて、この国を告発する声の主は、ほんとうに存在したのだろうか。それは要するに、ただの『ことば』にすぎなかったのではないだろうか。『戦後文学』の担い手は、ほとんどが姿を消し、それと共に、彼らの中に住み着いていた者たちも、運命を同じくしたのである」と高橋氏は言い、戦死者の言葉は時とともに消えてしまったと嘆きます。 しかし、小説『風立ちぬ』のもたらした鎮魂歌は「ぼくたちの知っている『戦後文学』の語法とは異なったものだ。そして、それは、なぜかひどく新しく感じられる」と言います。つまり死者の真の思いを生き残った者たちに悟らせるのです。続きは次回。ごきげんよう。 草々(散歩好きの文明批評家)

改修へ設計を発注 つくばセンタービル 専門家懸念「文化財の資格手放す」

つくば市が計画しているつくばセンタービル(つくば駅前)のリニューアル事業について、同市は、改修に向けた実施設計の入札を9月7日に実施する。 センタービルは、プリツカー賞を受賞した建築家、磯崎新さんが設計し、ポストモダン建築の代表作として世界的に評価されている。市の改修計画に対しては、市民団体から見直しを求める要望書が出され、専門家からも「大がかりな改修をしてしまうと登録文化財の資格すら手放すことになる」など懸念の声が出ている。 リニューアルに向けた実施設計の一般競争入札は、5日に市ホームページで告示された。開札は9月7日に実施する。予定価格は4742万円(消費税抜き)、設計書などの作成期間は来年3月まで。 エスカレーター2基を設置するなどのリニューアル計画のうち、センター広場北側(ホテル側)のエスカレーター1基とV字型階段の改修は、市議会の意見を受けて取り止める。(4月27日付 6月3日付 6月22日付) 一方、西側(クレオ側)のエスカレーターは当初の計画通り新設する。 リニューアル計画の主な内容は、ほかに▽現在の1階ノバホール小ホールや廊下、市民活動センターなどに市民活動総合センターや交流センター、市民窓口をつくる▽ノバホール西側の外階段の半分をスロープにして土浦学園線から車両が出入りできるようにする▽現在の吾妻交流センターの内装を解体するーなど。 これに対し市民団体「つくばセンター研究会」(冠木新市代表)は6月1日、つくば市が進めようとしている計画は文化財としての価値を失うことになるなどとして、エスカレーター2基いずれも設置を取り止めるよう要望していた。(6月1日付) さらに同会が6月27日に開催したシンポジウムでは、筑波大学の鵜沢隆名誉教授が「つくばセンタービルの中央広場は主要な動線から孤立した、閉鎖的な屋外空間であることが広場の大きな特徴であり、広場に降りていくことを目的とした人でないと降りていかない広場なのだから(市が目的に掲げるにぎわい創出などは)エスカレーターを付ければ解決できる問題ではない」「磯崎さんの設計意図は、1階と2階で交わされる視線の交差、視線を介したある種の劇場広場のようなものとしてつくられた」「最も特筆すべき点はフォーラムと呼ばれる中央広場であると評価されている」など建築の特徴を話し、市のリニューアル計画に懸念を表明した。(6月27日付) 神奈川大学の六角美瑠教授はシンポジウムで「つくば市の計画書には、磯崎さんが中央広場を『にわ』と言ったから『シェアガーデンにしよう』と書いてあるが、取り違えている。磯崎さんがいう『にわ』の意味はコスモロジーとしてのセンターであり、ここにしか展開できないようなスケールのものごとを起こせよ、と磯崎さんは言っているだと思う」などと指摘し、疑問を投げ掛けていた。(鈴木宏子)

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