月曜日, 4月 6, 2026

「こも豆腐」を作ってみた 《県南の食生活》30

【コラム・古家晴美】10月に入っても関東では所々で30度以上になったというのに、近畿地方では23日に木枯らし1号が吹いたそうだ。秋が短くなってしまったのか…。街路樹の木々が慌てて紅葉しているように感じられる。 今回は、かすみがうら市歴史博物館のご好意でいただいた貴重なわらを使い、何か作りたいと思った(当初、納豆のつもりだったが、それは次回のお楽しみ)。 ということで、「こも豆腐(つと豆腐)」を取り上げる。 作り方は、藁苞(わらづと)を作り、そこに崩した豆腐を詰め、豆腐の周囲にわらを均等にめぐらせ、両端を縛る。これを大鍋でゆでた後、水に放して冷やし、わらを剥がす。この後、砂糖、醤油、みりん、酒で煮る。 一見、シンプルに見えるが、実際に作ってみると、苞(つと)に豆腐を入れてうまく形をつけるのが結構難しく、往生した。しかし、思わぬご褒美も手に入れた。ゆでているときに、何気に鍋の上に顔を寄せると、かすかに懐かしい香りがした。何の香りかとしばし頭を抱えたが、それはご飯の炊きあがりのときの湯気を連想させたのだ。 わらとご飯。稲を介しての結びつきは当然といえば当然だが、なぜか、少し胸が熱くなった。写真のこも豆腐は味付けをする前のもので、薄茶色は、わらの色だ。 ほのかなわらの香りと特徴的な形 こも豆腐が茨城県内全域で作られていた、とする資料もあるので、県南地域に特定し資料を探してみた。しかし、残念ながら私見の及ぶ限りでは見つけ出すことができなかった。もし、県南地域で、召し上がった経験がおありの方がいらっしゃったら、ご一報いただきたい。こも豆腐は、主に県央地区で冠婚葬祭の機会に出されたハレ食だ。 ほのかなわらの香りと、藁苞の形を残した特徴的な形状。そして、何よりも多くの手間が日常食にはない特別な存在感をもたらす。食べたときには、香りとなめらかな食感が印象的だった。 自家製の大豆を味噌や納豆に加工することは、多くの家庭で行われてきたが、豆腐作りとなると戦前でも散見する程度で、豆腐屋から購入することが多かったようだ。さらに、それに一手間かけたこも豆腐は、やはり特別だったろう。 ところで、コンバインの導入後、わらの入手が困難になり、それまで手作りだった正月のしめ縄を購入したり、ホームセンターでわらを購入するという話を聞く。こも豆腐や手作り納豆の減少も、農業の機械化の影響を少なからず受けているといえる。(筑波学院大学教授)

バドミントン女子団体で日大中等が優勝 土浦市中学校新人大会  

2021年度土浦市中学校新人体育大会が26日から4日間の日程で開催されている。バドミントン競技は26日、土浦六中体育館で女子の団体戦と個人戦が行われ、団体戦では土浦日大中等教育学校が初優勝を果たした。個人戦シングルスは矢吹優来さん(日大中等2年)、ダブルスは久家悠里さん・秋元優菜さん(新治学園2年)が優勝した。 団体戦は土浦四中、土浦六中、日大中等の3校がリーグ戦を行い、日大中等が2勝を挙げて優勝を決めた。「毎年最下位だったので一つでも上の順位が取りたかった。コロナ禍で全く練習できず、一発本番でむちゃくちゃ緊張した」と主将の矢吹さん。「2試合とも相手チームの方が人数が多く、応援のパワーに押されそうになった。また団体戦は初めての子もいて、最初はみんなに迷惑をかけたくないと緊張していたようだが、だんだん自分の力を出せてきた」と話す。 チームの自慢は、中高一貫校なので高校年代の先輩と一緒にハードな練習に取り組んでいること。「シャトルランやフットワークなど、みんなが嫌いなトレーニングをみっちりやる。技術面はノックを中心に基本を徹底的に反復。初心者が多いが練習についてきてくれれば上の大会を目指せる」と顧問教諭の佐藤創一さん。 個人戦は3校および新治学園からシングルス22人、ダブルス20チームが出場。予選リーグおよび決勝トーナメントで勝敗を競った。シングルス優勝の矢吹さんは「今年がチャンスと思い練習を続けてきたので、優勝できてめちゃくちゃうれしい。緊張で震えが止まらず精神統一できなかったが、よく動けたし凡ミスも少なかった」と振り返った。 市中体連バドミントン専門委員長の張替浩明さんによると、ここ数年バドミントンの人気は高まり、入部者の数も年々増えているという。(池田充雄)

吾妻70街区にイノベーション拠点など誘導 財務省とつくば市が土地活用意向調査

つくば駅近くの、つくば市吾妻2丁目70街区の国家公務員宿舎跡地約5.7ヘクタールの土地利用について、土地所有者の財務省関東財務局は26日、つくば市と共同で、70街区全体を対象とした民間事業者の意向調査(サウンディング型市場調査)を実施すると発表した。市学園地区市街地振興課によると、市内の公務員宿舎跡地の売却でサウンディング調査を実施するのは初めて。 市内で公務員宿舎跡地の処分が進む中、70街区はつくば駅に近接する大街区であることから、つくば市は中心市街地まちづくり戦略で、住宅だけでない複合的な都市機能の誘導を目指し「研究学園都市の研究成果や人材の集積を生かした交流の場や、新モビリティサービス、住民サービスのデジタル化など最先端の技術を街区単位で実現できる社会実装の場となるようなイノベーション拠点の形成など、様々な誘導施策を検討する」と位置付けている。 イノベーション拠点などを70街区に誘導することを検討するにあたって、民間事業者から意見を聞き、意向を把握した上で、民間のアイデアやノウハウを生かして事業化を目指す。 今回の調査は、土地活用の実施主体となる意向がある事業者または事業者グループを対象に実施する。つくば市の計画ではイノベーション拠点の整備を検討すると位置付けているが、市の計画にとらわれず広くアイデアを募集する。 70街区の土地処分の方法は、売却、定期借地いずれの場合も、今回の意向調査結果をもとに開発の条件をあらかじめ設定する。さらに入札参加者から土地利用の企画提案書を提出してもらい、国が設置する審査委員会で開発条件との適合性を審査した上で、審査通過者による価格競争で落札者を決定する「二段階一般競争入札」とするという。ただし意向調査結果によっては入札方法を変更する場合もある。 意向調査の参加申し込み受け付けは26日から12月10日まで。土地活用の方針、活用方策、事業者が参加しやすい仕組みなどについてアイデアを受け付ける。その後、12月13日から22日まで参加事業者から直接聞き取りなどを実施し、来年2月から3月に調査結果を公表する。土地売却をいつ実施するかなど、その後のスケジュールは現時点で未定という。 70街区は、吾妻小学校西側の西大通りと中央通りに面した街区。現在は第一種中高層住居専用地域などに指定されているが、開発にあたっては市が地区計画などを策定する。約5.7ヘクタールのうち、国有地が5.38ヘクタール、市有地は0.29ヘクタール。(鈴木宏子)

岸田首相がつくば駅前で応援演説 衆院選

自民党総裁の岸田文雄首相が26日、接戦が伝えられている衆院選茨城6区の自民党候補者の応援のためつくば市を訪れた。つくば駅隣接の商業施設クレオ前で演説し、集まった支持者らにコロナ対策や経済政策などを訴えた。 岸田首相は「日本の未来を選ぶ選挙。皆さんの信任をいただき日本の明日を切り開いていきたい」と述べ、コロナ対策について「皆さんの協力のお陰で今(感染者数が)低く抑えられているが、引き続き最悪の事態を想定しながら準備しておかなくてはいけない。病床数を用意し、ワクチン接種の拡大、検査体制の充実、治療薬の開発を進めていく」と述べた。 ワクチン接種については「2回目接種率が70%に乗った。アメリカ、フランス、ドイツに比べても上回っている。12月から3回目の接種をスタートさせる」とした。検査体制は、無料のPCR検査体制をつくり、薬局で検査キットを購入できるようにするなどと述べた。治療薬については「自宅で飲める治療薬をつくる体制を、年内の実用化を目指して努力していきたい。自宅で飲める治療薬が実用化されたら、検査で陽性が分かったらすぐ薬が飲める、不安に思ったらどんどん検査しようと思う、重症化を防ぐことにつながる、平時の社会を取り戻す一歩になる」と強調し、「治療薬が実用化されるまでは皆さんに協力をお願いするが、皆さんの仕事を守るための大型の経済対策を用意させていただく」と話した。 経済対策については「平時の生活を取り戻した先に再び経済を動かしていかなくてはならない」とした上で、「新しい時代の経済は、競争や市場原理に任せると強い者がどんどん強くなって、大きな企業、大きな都市がどんどん強くなる、成長の果実を強い者が独占するのではなく、一人一人の給料を引き上げる経済政策を進めていきたい」などと訴え、支持を求めた。

アリガトウ サイトウギャラリー《続・平熱日記》96

【コラム・斉藤裕之】昨年から作品を入れる箱型の額を自作し始めた。手頃な角材とアクリル板を使って作る簡単な大工仕事は、ステイホームの1日などにはピッタリの単純作業だ。だからというわけでもないが、調子に乗って来年の分まで収納できるくらいの数は作ってしまった。 作った額に、今年描いた小さな絵を入れていく。今年も恒例の個展「平熱日記」展が近づいてきたのだ。相も変わらず同じような絵を描いていると思えば、今年我が家にやって来た白い犬や初孫の絵もある。 こんな絵を描いたっけ?というのもあるし、描きかけのものもたくさんあって加筆をして仕上げていく。それから、描きはしたものの長年ほったらかしになっていた絵も、この際作った額に入れていくことにした。一番古いのは、17年前の長女が中学入学する時の制服姿のものだった。 絵描きというのは、人前には出たくないくせに描いたものは見せたいというあまのじゃくなところがある。それから、描いたっきり誰にも見せないというのでは絵としての役目も意味もない。かといって、ぜひ飾ってくれという話もないのだが、唯一我が町のサイトウギャラリーで個展を開かせてもらっている。 しかし残念なことに、今年いっぱいでこのギャラリーを閉めるという。20年もの間、多くの作家や作品が行き交った場がなくなるのは寂しいが、これも時の流れ。メインのコーヒー屋さんに専念なさるそうだ。 11月2日から「平熱日記展 Vol.11」 というわけで、サイトウギャラリーでの平熱日記展は、今回をもってひとまず終了ということになる。とりあえず、来年はコロナ禍で延期した故郷山口の粭島(すくもじま)にある「ホーランエー食堂」で絵を置いてみようと思うが、その後はどうしようか。 しかし、強気に売り込みをするほどのシロモノでもなく、ただコンパクトでポータブルではあるので、ギャラリーでなくとも、食堂とか直売所とか散髪屋とかお寺さんとか誰かさんちとか、ご迷惑のかからない、ほどよい場所で展示するのもいいなあと呑気(のんき)に考える。 随分前からネット(金網)上に平熱で絵を描いてきたのは先見の明があってのこと? AIが幅を利かせる未来や、ポストコロナの新しい生活スタイルというものが、私にどう関わって来るのかよくわからない。例えば、ネット空間で作品が鑑賞できたり売買されたりすることに違和感はない。 しかし、なじみの商店やレストランがあるように、ギャラリーや画廊がある方がいい街に決まっている。かつて知り合いの絵描きさんがこんなことを言った。「その街の文化のレベルを知るためのバロメーターは、古本屋とギャラリーの数」だと。 サイトウコーヒー併設のギャラリーでは最後となる「平熱日記展 Vol.11」は、11月2日から2週間の予定で開かれる。アリガトウ サイトウギャラリー マタアウヒマデ。(画家)

コンタクト空ケースの回収運動展開 筑波大2年 織田くれはさん

コロナ禍のボランティア模索 筑波大学医学群看護学類2年の織田くれは(20)さんが、使い捨てコンタクトレンズ空ケースのリサイクル運動を実施した。回収ボックスを学生食堂や学生宿舎など大学構内13カ所に設置し、9月下旬まで約2カ月半で計2372個を回収した。 空ケースはリサイクル業者に買い取ってもらい、収益は角膜移植を普及啓発する「日本アイバンク協会」に寄付される。ほかに、空ケースのシールをはがすなどのリサイクル作業を、コンタクトレンズ販売チェーン「アイシティ」の障がい者部門に割り当て障害者の就労・自立支援に繋げたり、再資源化推進による環境保全につなげたりする。 織田さんが立案した企画は「アイシティecoプロジェクトinつくば」。「コロナ禍であっても、人同士の接触を避けながらできるボランティアはないだろうか」という思いから、大学が支援する「つくばアクションプロジェクト(T-ACT)」に企画を提案した。 高校時代から織田さんは障がい者施設などに出向きボランティア活動に親しんできた。「ボランティアというのは自分が相手に与えているようで、実は相手から与えてもらっていることが多い」という気づきを得ると共に、何かから解き放たれるような感覚を覚えた。 ボランティア活動に魅了される中、筑波大学入学前に手にした大学パンフレットで大学が学生の活動を支援する機関の存在を知り、入学後は T-ACT に携わろうという気持ちを強めたという。 しかし織田さんを迎えたのは、新型コロナと共にある大学生活だった。コロナ禍では満足にこれまでのようなボランティア活動はできない。そこで思いついたのが今回のプロジェクトだ。 今年2月に初めてT-ACTに企画を提案し、そこから実際に企画が終了するまで、約8カ月間奔走した。 実施にあたって厳しい感染対策が求められたばかりか、コミュニケーションの手段がオンラインであるなど様々な理由から、活動をアドバイスしてくれる大学のコンサルタントや協力してくれる仲間に自分の想いやコンセプトを「伝える」ということの難しさを感じる場面も多くあった。 加えて今回の企画は一企業であるコンタクトレンズ販売店「アイシティ」の活動に参画するというもの。大学内で実施するため、企業感を出さずに学生主体のボランティア活動であるということをしっかりとアピールすることや、貸し出された回収ボックスの管理を慎重に行うことが必要となるといった点で、様々な工夫を求められた。 一方で、企画に参加してくれた仲間との出会いや、回収BOX設置場所の提供といった協力を周囲から得る経験を通して「自分がやりたいと思ったことに周りの人も興味を持ってくれている」、「ボランティアというものは、色々な人の支えがあってこそ成り立っているのだ」という実感を得たことは、とてもうれしいものだったという。 今後については、外部団体と連携しながら行う活動ならではの苦労を乗り越えた経験を活かして、企画を立ち上げる学生のサポートをしていきたいと語る。

ネギ・レタス王国 岩井農協 《邑から日本を見る》98

【コラム・先﨑千尋】10月初め、坂東市にあるJA岩井を訪ねた。同農協は未合併。なぜなのかを知りたかった。また、ネギ、レタスの生産では他の産地の追随を許さない王国の実態を見たかったから。風見晴夫組合長(JA茨城県中央会副会長も兼務)や担当職員らの話を聞き、昨年完成した新予冷センターを見て、農協はこうあるべしと納得した。 風見組合長は自ら水田150ヘクタールを耕作している。野菜農家がネギやレタスの生産に専念できるように田んぼを任され、いつの間にかそれだけの面積になったという。八木岡努JA茨城県中央会長もイチゴの専業農家。今は専業農家で組合長になる人は珍しい。組合員に信頼されているからだ。 「食は人間が生きていくには欠かせないもの。戦争で日本が負け、アメリカの食文化が入り、小麦がコメに代わった。日本人の体質に合った食文化が忘れ去られている」「メディアは野菜がちょっとでも高くなると大騒ぎする。下がった時には報道してくれない。そこがおかしい。農家の苦労を知ってほしい」 農に対する情熱が、語る口からほとばしる。はるか昔、この地で反乱を起こした平将門のことが脳裏に浮かぶ。 農協合併が進んでいるが、どうして岩井は合併しないのか。「合併しなくていいというのが組合員の意向。農業で食べていくにはどうすればいいのか組合員が判断し、決める」。当たり前のことだが、なんともすっきりした話だ。ほとんどの農協は総代会制度を取っているが、ここではずっと全組合員が参加する総会で農協の方針などを決めている。 昨年度の販売高は62億円 岩井地区は利根川に面し、東京まで50キロ。以前から野菜作りが盛んで、東京の市場まで直接運んでいた。消費者が求めているものをつかみ、経営(作付け)に活かす。その結集が今日のネギとレタス。昨年度の販売高はネギが38億円、レタスが23億6,000万円で、1戸平均の販売額は1,700万円を超える。 耕作面積は75アールだから、県の平均よりも少ない。「先人たちの苦労、努力が今日の成果につながっている」と風見組合長はさりげなく話す。 国は今年になって「みどりの食料戦略システム」を打ち出し、有機農業に取り組むことにしているが、同農協では、20年以上前から土にこだわり、栽培にこだわり、いいものを作りたいという農家の考えに従って、発酵鶏糞や豚糞、有機70%の肥料を使い、「野菜名人」というブランドまで作り上げたという。農協の職員は、組合員の考え、願いを実現するために働くという姿勢がうかがえる。 昨年完成した鵠戸(くぐいど)の新予冷センターを見せてもらった。農家が運んできたネギやレタスなどを急速冷却し、全国の産地に届ける。札幌へは飛行機で運ぶ。予冷は鮮度の保持と品質管理に役立ち、消費者の手に届くまで品質を保つことができる。コロナの影響で外食産業の打撃は大きいようだが、いずれは回復するという期待を持ちながら、同農協を後にした。(元瓜連町長)

成果高い施策に重点化 最終年度の森林湖沼環境税

茨城県独自の県民税として2008年度から徴収し、県内の森林保全・整備や霞ケ浦など湖沼・河川の水質保全事業に活用しててきた森林湖沼環境税が今年度で最終年度を迎え、開会中の県議会で与野党の論戦を呼んでいる。 すでに県内の林業や浄化槽など水質保全関係業界などから「継続」を求める陳情書が提出され、県議で構成する県森林・林業・林産業活性化促進議員連盟も歩調を合わせている。 同税は県民均等割超過課税方式により、県民1人当たり年間1000円を徴収(県民税均等割が非課税者は除く)している。08年度から今年度当初予算までの税収は約235億円となり、基金により他の税収と区分して管理している。 県議会の質疑応答の中で大井川和彦知事は、同税は当初、間伐など森林整備・管理の推進などに重点を置いていたが、知事就任後の18年度から方針を転換し、経営規模の拡大に意欲的な林業経営体への支援等を通じ、森林経営の集約化を推進してきた、結果、集約森林は17年度末の約2300ヘクタールから20年度末には約1万ヘクタールまで拡大した、自立に向けた規模拡大が進む成果がいわれてきていると、成果を強調している。 一方、湖沼、河川の水質保全では、特に霞ケ浦の水質浄化に関連し、高度処理型浄化槽の設置、下水道・農業集落排水施設への接続などに、重点的に活用したと強調。さらに小規模事業所の排水対策として、基準超過に対し罰則や改善命令ができる水質保全条例を改正、今年4月1日の条例施行前に、霞ケ浦沿岸の小規模事業所を立ち入り検査による指導で強化し、霞ケ浦のCOD(化学的酸素要求量)値は税導入前の1リットル当たり約9ミリグラムから約7ミリグラムに低下したとしている。 しかし近年は横ばい状態にあり、知事自ら「従来の枠組みにとらわれず、成果の高い施策にさらに重点化が必要なのではないか」と問題提起している。 このため、農林水産部、県民生活環境部など関係部局間で現在、事業や施策の具体的内容を検討中で、同税の継続か否かを含め、改正案の骨子がまとまり次第、県民の意見を聞きながら「第4回定例会(12月県議会)に改正条例案を提案したい」としている。(山崎実) 市町村から延長求め要望 一方、市町村からは同税の延長を求める要望書が提出されている。霞ケ浦流域の21市町村でつくる「霞ケ浦問題協議会」(会長・安藤真理子土浦市長)は15日、本年度で期限が切れる茨城県森林湖沼環境税の期間延長を求める要望書を、大井川和彦知事に提出した。安藤会長らが県庁を訪れ、大井川知事に要望書を手渡した。同税は森林や湖沼・河川などの自然環境の保全を目的に導入され、現在は第3期課税期間。要望書では、霞ケ浦の水質浄化の目標達成には今後とも継続的な水質浄化対策が必要と指摘した上で、▽課税期間の5年間延長▽霞ケ浦に係る湖沼水質保全計画に位置付けられた、各種事業の着実かつ速やかな推進-などを求めた。安藤会長は「霞ケ浦の水質浄化には時間がかかるため、長期的な視点での対策が必要。安定的な財源が確保されるよう、課税期間の5年延長を要望する」と述べた。

宇宙天気防災戦略 《食う寝る宇宙》96

【コラム・玉置晋】災害は忘れたころにやってくる。地球物理学者の寺田寅彦先生の言葉と言われておりますが、宇宙天気による災害は忘れるどころか、経験したことがある方はほとんどおりません。 ただ、2003年のハロウィンの時期に宇宙業界で働いていた方は、痛い目に遭われたと思います。同年10~11月の地球周辺のプラズマ環境の悪化は、日本の人工衛星1基の息の根を止めるとともに、動いていたミッションの総点検が入ることになり、日本の宇宙開発が止まる事態となりました。 ただでさえ就職氷河期であった上に、宇宙業界の採用がほぼなくなり、当時、就職活動を控えていた僕は翻弄(ほんろう)されたものです。だから、僕はハロウィンが嫌いだし、宇宙天気を甘く見るのも嫌いです。宇宙天気は因縁の相手だと思っています。 英国の宇宙天気準備戦略 9月に英国で「UK Severe Space Weather Preparedness Strategy(英激甚宇宙天気準備戦略)」というドキュメントが出版されました。出版したのは英ビジネス・エネルギー・産業戦略省です。 英政府は2015年に宇宙天気戦略を発表して、それに基づき様々な分野で宇宙天気災害に対する準備をしています。今回はそのアップデート版で、2021~25年の5カ年計画となっています。同様の戦略は米国でも2015年に発表され、昨年、アップデート版が出版されました。 英国の戦略には、評価、準備、対応と復旧―の3つの柱があります。評価の柱は、激甚宇宙天気とその影響および予報能力に対する理解を深めることです。特に、航空機、公衆衛生、測位システムの安全を含む分野に焦点を当てます。 準備の柱は、重要インフラのサービスのレジリエンスを高めることです。行政や事業者が激甚宇宙天気に対する強固な対応計画を持ち、定期的な防災演習を実施するそうです。 対応と復旧の柱では、宇宙天気災害からの迅速な復旧を保証することに焦点を当てます。このように、国がトップダウンで宇宙天気防災戦略を練っているわけです。 日本では政権が新体制となりました。宇宙分野では内閣府特命担当大臣(宇宙政策)というポストがおかれました。どのような仕事をされるか、注目しているところです。新大臣には、宇宙天気防災戦略を検討するイニシアチブをとっていただくよう期待しています。(宇宙天気防災研究者)

自国の文化、価値観など語る 筑波学院大オンライン学園祭で海外出身教員

筑波学院大学(つくば市吾妻、望月義人学長)の学園祭、第30回KVA祭が23日、「No Rain, No Rainbow」(ノーレイン、ノーレインボー=雨が降らなければ虹は出ない)をテーマにオンラインで催された。学院大の池口セシリア教授らによる国際交流委員会主催のクロスカルチャーフォーラムでは「グローバル世界に必要な新常識の発見」をテーマに、海外出身の大学教員がそれぞれの国の文化や価値観について英語と日本語で話した。 ベルギー出身で筑波大学教員のヴァンバーレン・ルートさん、カナダ出身で茨城キリスト教大学教員の沼館ジェニーさん、ネパール出身で筑波学院大教員のパンダ・ボーラさんの3人がそれぞれ話した。 ヴァンバーレンさんはベルギーについて、公用語がフランス語、オランダ語、ドイツ語と3つあり、それぞれの地方の方言もあって、ポスターや道路標識も複数の公用語と方言で表記されているなどと紹介。その上で、常識とは何かについて話し「日本人はかぜをひくとマスクをするが、ベルギーではかぜをひいてもマスクをしない。しかし新型コロナでベルギーの人もマスクを着けるようになったり、日本ではコロナ禍でハンコを押す押印文化が変わりつつあるなど、常識は変わる」などと話した。 沼館さんはカナダについて「平等主義で、多文化、多様性をすごく大事にしている国。同性婚を2005年から認めている。多文化主義を法律で定め、守っている」などと紹介し、カナダ人について「カジュアルだが、日本と似ていて礼儀正しい」と話した。「毎年30万人近くの移民があり、いろいろな人、いろいろな文化があるので互いに尊重、尊敬しないとうまくいかない」「消費税は13%と高いが、学校や医療は無料」などと紹介した。 視聴した学生からは「ベルギー、カナダ、ネパールに将来行きたい。お薦めの場所を教えて」「ベルギーはサッカーが強い印象があるがサッカー以外で人気のスポーツは何か」などの質問が出た。 KVA祭ではほかに、部活動を動画で紹介したり、黒板アートを制作するイベントや、アニメ声優のトークショーなどが催された。

Most Read