【土浦市長選】「市民の声を聞き、形にする」 初当選の安藤真理子氏が抱負
【鈴木宏子】『変わらなきゃね』という声がすごくあった。私より上の年代の女性が駆け寄ってきてくれて『よく(出馬を)決断したね』と言ってくれた。組織対市民一人ひとりの闘いだった――。現職で5期目を目指した中川清氏を破って初当選した前県議の安藤真理子氏は、10日投開票が行われた土浦市長選をこう振り返った。
ふたを開けてみると中川氏に4000票以上の差を付けた。「『(中川氏の)5期は長いよね』という声がすごく多かった。『安藤さんがいい』というのでなくて『中川さんは長い』という声が多くて、告示前には勝てると思っていた。会った人全員が投票に行っていたらもっと差が付いたと思う」と打ち明け、多選批判が勝因だったと分析する。
就任後、一番にやることは「まずは財政問題に取り組み(税収を増やすため)企業誘致に動きたい」と強調する。用途地域の見直しなども視野に入れているという。
現在、予定されている市立幼稚園の廃止や保育所の民営化計画に対しては「すべてを残すということではなく、一つ、二つ残したい。障害のある子(の配慮)は、決められた(職員の)人員配置だけでは難しい」と述べる。コミュニティーバス「キララちゃん」の運行を中心市街地だけでなく市全域に拡大してほしいという市民の声に対しても「(関係当事者と)話をしているので(運行拡大は)出来る」と断言する。
市政をどう変えていくのか。「市に何度要望しても、言うことを聞いてくれないから諦めたという声を何度も聞いた。まちを歩くと、こういうことをやってよという声をたくさんいただいた。そんなにお金が掛からず、今すぐ取り掛かれることはたくさんある。市民の声を形にしていきたい。市役所職員もアイデアをもっている。上からではなく(職員の)皆さんはどう思うの?と、アイデアを引き出していきたい」
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【土浦市長選】新人の安藤氏が現職の中川氏破る 初の女性市長
【土浦市長選】(選管確定)
安藤真理子氏 23,610票
中川清氏 19,541票
(無効491票)
任期満了に伴う土浦市長選は10日即日開票され、新人で県議2期を務めた安藤真理子氏(58)=無所属=が、現職で5期目を目指した中川清氏(74)=同=を破り初当選を果たした。同市に初の女性市長が誕生する。投票率は37.35%、当日有権者数は11万6834人だった。
市政の継続か刷新かを巡って、財政の健全化や福祉の充実などの争点に一騎打ちの選挙戦が展開された。安藤氏は「チェンジ土浦」を旗印に、女性市長で暮らし満足度ナンバーワンの温かさあふれる市政の実現を訴えた。立候補表明が投票日の1カ月前と出遅れたが、市立保育所を守ってほしい、コミュニティーバス「キララちゃん」を市内全域に走らせてほしい―など、市民の声に応える市政への転換を街頭などで訴えたことが奏功した。
中川氏は4期16年の実績を強調、「日本一住みやすいまち土浦」を掲げ、地域力と市役所力が一体となった協働のまちづくりや、行財政改革を続け市民サービスの向上などを訴えた。市内の商工業者、農業者団体の支持のほか、市議の3分の2の応援を受けて組織を引き締めたが及ばなかった。
安藤真理子(あんどう・まりこ)氏 58 社会福祉法人理事 無所属 新
【公約】①企業誘致、土浦ブランドの強力なセールスによる財源確保②自然災害に対応する必要不可欠なインフラ整備③市立保育所の維持
【略歴】県立土浦二高、成城大短大卒。市議2期、県議2期を歴任。現在、社会福祉法人俊真会理事、土浦商工会議所女性会会長。
「市民一人ひとりの力で」
【安藤陣営】午後7時前に支持者が集まりはじめ、開票状況を見守っだ。速報が出るたびに同数だったことから、支持者がどよめいた。午後8時20分、いきなり当選の報が届くと、会場は「わっー」と歓声が上がり、「まりこ」「まりこ」のコールが起こった。
挨拶に立った安藤氏は「本当にうれしい。責任の重さを感じている。勝因は、組織ではなく市民一人ひとりの力。選挙運動期間中に土浦は変わらなきゃいけない、出馬してくれてありがとうと声をかけられたのがとても印象的だった。これから新しい土浦のスタートです。皆さんの声を聞きながら夢のある元気な土浦にしていきたい」と述べ、さらに「取り急ぎ財政の立て直しに取り掛かりたい」などと述べた。
「多選批判もあると思う」
【中川陣営】土浦市東真鍋の選挙事務所には大勢の支持者が集まり開票を待った。午後8時20分、敗戦が伝わると、選挙事務所に集まった支持者は、にわかに信じられない雰囲気に包まれた。
中川氏は、「皆さんのご支援に答えられなくて申し訳ない気持ちです。本当にありがとうございました。市民が審判を下した結果なので、(安藤氏が)土浦市民のためにしっかり公約を守ってやっていただければ」と述べた。敗因については、「多選批判もあると思う。私の不徳の致すところだが、(安藤氏の)出馬が急だったので、陣営が整わなかった」と語った。
【土浦市長選】新人の安藤氏が現職の中川氏破る
【速報】任期満了に伴う土浦市長選は10日即日開票され、新人で県議2期を務めた安藤真理子氏(58)=無所属=が、現職で5期目を目指した中川清氏(74)=同=を破り初当選を果たした。投票率は37.35%、当日有権者数は11万6834人だった。
安藤真理子氏 23,610票
中川清氏 19,541票
無効491票(選管確定)
詳報はこのあと。
日本の四季や風景を中心に35点 土浦で「茨城写人会」展始まる
【田中めぐみ】写真愛好家サークル「茨城写人会」の写真展が新治ショッピングセンター「さん・あぴお」(土浦市大畑)2階ギャラリーで始まった。日本の四季をテーマとした風景や人物の写真35点を展示している。16日まで。
会の代表、石川隆史さん(46)は、県内の風景を手巻き式のフィルムカメラで撮影し、自ら現像したモノクロ作品4点を出展。「小学4年生からカメラを始め、30年以上続けている。デジタルカメラで撮ることもあるが、最初に手にしたのがフィルムカメラで、その良さにひかれ戻ってきた」とアナログ撮影の魅力を語る。やわらかい質感を表現するため、紙質やプリンターにもこだわっている。
鈴木憲治さん(72)は、20歳からカメラを始め、途中仕事で中断していたが定年後再び撮影を始めたという。「年をとっても楽しめるのがカメラの魅力。とにかく自分が美しいと思うものを展示している。自分たちが楽しんで作っているので、観る人も楽しんでくれるのでは」と話す。
土浦市内から来場した女性(70)は、「自分も友達もカメラをやるので興味があって見にきた。山歩きも趣味なので、行ったことのある場所が撮影されていておもしろい。表現がとても詩的できれい」と話した。
会は2002年に発足。元は市内のカメラ店を拠点に活動していた「PhotoGenix(フォトジェニックス)」という会で、2007年から「茨城写人会」に改称した。現在は40代から70代の会員9人が所属し、交流を深めているという。同写真展は毎年6月と11月に開催されており、今回で32回目となる。
開催は午前10時から午後5時(最終日は午後4時まで)。入場無料。問い合わせは代表石川さん(090-9017-9692)
女子学生さん、いらっしゃい つくば市消防本部で職場体験
【橋立多美】つくば市消防本部は9日、同本部が置かれた中央消防署(同市研究学園1丁目)で女子学生向けの消防職場体験を実施した。県内外から女子学生10人と男子学生4人が参加し、防火衣着装や消火活動などの体験と女性吏員とのランチミーティングが行われた。
数年後に社会人となる若者に、消防の仕事の魅力と消防分野で活躍する可能性を知ってもらおうという催しで、特に女性をメーンに据えた取り組みは今回が初めて。
きっかけは2015年9月4日に施行された「女性活躍推進法」だ。消防・防災の分野でも女性が活躍することで住民サービスの向上と消防組織の強化につながるとして、消防庁が各自治体の女性消防吏員の比率を26年までに5%に引き上げることを数値目標とした。消防士は正式には「消防吏員」と呼ぶ。
同市は今年3月、同庁が定めた数値目標達成に向けて女性吏員の活躍の推進に関する行動計画を策定した。計画では21年までに女性吏員11人(全体の3.1%)以上を目指し、26年に18人(約5%)と目標を掲げる。4月現在の同市消防職員320人中、女性は10人で「男の職場」というイメージが強い。
消防活動の現場がよく分かった
体験は防火衣着装から始まった。防火靴、防火服、防火帽、手袋を指導を受けながら身に着けた。火災が発生した建物に進入する可能性のある吏員の防火衣は約8キロと重く、10キロの空気呼吸器(ボンベ)を着装することもあるという説明に「えーっ」と声が漏れた。
続いて防火衣を着けたままホースを使った消火訓練に挑んだ。火点に向けての放水体験で、先輩の吏員から「腰に重心を置いて前傾姿勢で」と声が掛かった。学生たちは「ホースは重く、水圧が半端なかった」と感想を口にした。
高さ15メートルの訓練棟ではしごを使った救出訓練が行われ、真剣なまなざしで迅速な活動を見学した。そして、患者搬送など救急隊員の負担軽減のために同本部が導入している「ロボットスーツHALR(ハル)」を装着した。
下妻市在住で救急救命士を志す晃陽看護栄養専門学校1年の人見莉花さん(19)は「スーツを着けたら20リットルの水が入ったポリタンクが楽に持ち上げられた。災害現場など幅広く活用できるのでは」と笑顔で話した。
好天に恵まれ、中高層ビルの救助や火災に力を発揮する、はしご車(地上約40メートル)の搭乗は学生たちには新鮮な体験だった。安全ベルトを外して地上に降り立つと「いい眺めで怖さは感じなかった」と頬を紅潮させながら語った。
搭乗は2人ずつで順番で待つ間に吏員と言葉を交わす場面が見られた。つくば市手子生在住で国士館大学2年の男子学生、安曽晃平さん(19)は「現場の話が聞けて良かった。消防士になりたいという気持ちが強くなった」。
現役女性吏員との対話
女性吏員が女子学生と一緒に昼食をとりながら、疑問や不安に応えるランチミーティングが同本部のホールで行われた。消防吏員を目指したきっかけや消火、救急、救助、火災予防などの職務内容や給与など、現役女性吏員のきめ細かな説明を交えて和やかに意見交換が進んだ。
参加者から「体力に自信がない」という声が上がった。消防歴15年で警防課主査の斎藤智絵美さんは「採用時に体力試験はあるが、懸垂ができない男性もいるから気にすることはない。女性の視点を消防や防災に生かせるし働きやすい職場」と背中を押した。
同本部総務課課長で消防司令長の山田勝さんは「今回の催しで女子学生の皆さんが消防に関心を持ち、吏員に挑戦してほしい」と話した。
色づく街に香り立つ つくばコーヒーフェスティバルに人出
【相澤冬樹】つくばコーヒーフェスティバルが9日、つくばセンタービル広場(つくば市吾妻)で始まった。同フェスティバル実行委員会(古橋見洋委員長)主催で2回目、10日も午前10時から午後4時の日程で開かれる。
会場には同市と周辺から17のコーヒー店が集結、広場の円周を囲むようにテントが並び客を迎えた。飲食や雑貨の店も軒を並べた。
今年度のジャパン・カップテイスターズ・チャンピオンシップ優勝者が出るなど、つくばはトップクラスのバリスタを数多く輩出するそう。コーヒー豆の焙煎(ばいせん)から自前で行うロースターが多いのも特徴だ。それらの腕利きが一堂に会して、味や香りを競うのが同フェスティバル。
昨年の1回目は2日間で1万2000人を集めたことから、街のにぎわい創出にも一役買おうと今年もクラウドファンデイングで運営資金を集め、ボランティア参加を呼び掛けて開催に至った。クラウドファンデイングには昨年を大幅に上回る115万円が集まり、今回は2日間で1万5000人を動員目標とした。
初日の入りは出足好調。4杯分のチケットが付いた特製の笠間焼カップを手に持って、各店舗前の行列に並んで飲み比べに参加する。コーヒーを注いでもらい、飲み歩きならが次の店を探ったり、テーブル席についてじっくり飲み干したり、それぞれの時間を過ごした。
実行委員会事務局の堀下恭平さんは「天気次第ながら1万5000人はいきそう。各店のお客が応援がてら来場していて、店舗と来場者の距離が近いのが特徴」という。「センタービル広場では年間50日ほどイベントがあるようだが、お酒を出さないのはコーヒーフェスティバルぐらい。日の落ちるのが早い11月にぴったりのイベント」と手応えを語る。
牛久市から来たという山岡さん夫妻は「週末晴れたのは久しぶりだから、この後、筑波山まで行こうとしたが、紅葉の見ごろには早そう。コーヒーを飲むうち気が変わって、色づいてきた中央公園の並木道で済ますことにした」と話していた。
【総合運動公園問題】一括売却に反対多数 つくば市議会特別委
「市民の声聞くべき」「一部公共利用を」
【鈴木宏子】住民投票で白紙撤回になったつくば市の旧総合運動公園用地(同市大穂、約46ヘクタール)を、民間に一括売却するという市の方針について検討する市議会特別委員会(小久保貴史委員長)が7日開かれ、委員一人ひとりが市の方針に対する考えを述べた。一括売却に反対や見直しを求める委員が多数を占め、「市民の意見を聞くべき」「一部公共利用も検討すべき」などの声が相次いだ。
次回は22日午後1時30分から開き、今回、各委員から出された意見をまとめた上で、今後どのような形で市民の意見を聞くかなどの進め方を検討する。特別委として来年3月までに報告書をまとめるが、今回、市の方針に反対する意見が多数を占めたことで、市の一括売却方針は見直しを迫られそうだ。
各委員から出された意見は次の通り。特別委は神谷大蔵議長を除く議員全員で構成。
自民つくばクラブ・新しい風
▽長塚俊宏氏 民間に委ねる前に時間をかけて公的利用も含め議会で考えるべき。46ヘクタールは広大。(今後このような)大きな土地を求めるのは難しい。筑波研究学園都市は災害に強い街。(同用地に)避難スペースを確保することも一案。30年間に首都直下型地震がある。国、県、東京都と直接、避難所として契約するような壮大な計画があってもいい。首都から50キロ、つくばエクスプレス沿いに歩いて1日で来られる距離だ。
▽黒田健祐氏 もう少し時間をかけて検討した方がよい。商業施設に対する懸念は理解できる。公的利活用について様々な可能性を追求したのか、資産としての可能性はどうか、中心地区の他団体と土地を等価交換する可能性なども検討できる。
▽小久保貴史氏 公共の一部利活用を含めて再検討する方がよい。(同用地はもともと)研究所用地だったので研究所や教育施設が望ましい。陸上競技場(の検討も)もちろんだが、今後、借入金の返済期間があるので、期限を決めて決定していくことが必要。現状は樹木が繁茂していて土地の形状がイメージできない。造成、伐根することも一案。つくば市の将来としてどう活用するか、大きな目標の中で、北部の振興、筑波山観光の広域インフラ整備、土地の交換、借金返済も含めてさまざまな方向で再検討すべき。
▽五頭泰誠氏(欠席・文書で提出)過去の経緯の議論は無しにして、市民要望を冷静に議論すべき。防災拠点、陸上競技場、市営斎場、処理場などがある。過去の政治にこだわるのではなく、利活用について積極的な議論が必要。
▽ヘイズ・ジョン氏 つくば市の足腰を強くして、30年後を考えてどうしたらいいか、将来のニーズをよく考えてお願いしたい。
▽久保谷孝夫氏(欠席・文書)もともと研究所や教育機関の用地だった。ただ売却して借金を返済するだけでなく、どうすればつくば市のためになるのか、地域の拠点になり得る利用方法があるのかを検討すべき。研究所や教育機関が望ましいが、拙速に進めるのではなく、どうすればつくば市のためになるかを考えるべき。
つくば市政クラブ
▽塚本洋二氏 陸上競技場や道の駅、併設して防災拠点などを検討してもいい。つくば駅から筑波山に行くまでの中間地点にある。筑波山観光の間の施設があってもいい。
▽大久保勝弘氏 (用地購入費と利子を含め)68億円を(民間提案の)40億円で売却すると28億円の損になる。一括売却は反対。(市執行部が)いろいろな市民の声を聞いたということがない。北部振興や筑波山観光、科学技術振興になるよう公的利用をすべき。県内一のスポーツ施設の整備、道の駅、自然環境を生かした公園整備など人口対策を考えた戦略をとるべき。
▽高野進氏 市長、副市長が出席すれば話をしたい。
▽柳沢逸夫氏 公的利用をお願いしたい。ゴルフ、バスケ、ラグビー等、スポーツで日本中が盛り上がっている。つくば市は今、人口24万人の街だが、筑波研究学園都市の整備やつくばエクスプレス開業など国や県の手厚い対応があったからだ。県南の雄としてスポーツ施設をつくり貢献することは、子供たちや保護者にとっても負担軽減になる。道の駅などの公的利用も考えられる。
▽須藤光明氏 第一に公共利用を考えるべき。防災拠点など市北部の中心地としての利活用を一番に考えるべき。北部振興を考えると、どうしてもある程度時間がかかってしまい、利息の負担がかかるし、万が一、具体的にならなかった場合、全面的に売却するとしても、市民に負担をかけさせないよう、安く売るのは避けるべき。
▽鈴木富士雄氏 一括売却には反対。(同用地は)桜川と小貝川にはさまれているが、浸水想定区域に該当しない。防災拠点、避難所として、平坦地なので有効な土地活用が可能。当面は広場として整地して、春秋の筑波山行楽シーズンに駐車場として利用して現地にバスで送迎してはどうか。筑波山の混雑緩和の一翼を担える。県内各地に道の駅がたくさんあり、創意工夫され、にぎわいの場をつくり出しているが、つくば市には道の駅がない。つくばを訪れる人の拠点となることが可能。つくば市にトップアスリートが来る機会も少ないので、県の方にお願いして県南のスポーツ施設の中心になればいい。
つくば・市民ネットワーク
▽小森谷佐弥香氏 一括売却処分がよい。ただし商業ゾーンが筑穂地区と重複しないことが前提。筑穂地区に悪影響にならないよう仕組みを作るのが肝。公共用地として残した方がよいという意見があるが、これまで具体的なものは聞こえてこなかった。市内には利活用が決まってない公共用地がたくさんある。必要な公共のものがあるならそちらを先にやるべき。(公共利用して)一部を残すと区画が限定され売却がさらに厳しくなる。
▽皆川幸枝氏 高い土地なので一括購入する業者がなかなか出てこない。毎年3400万円の利子を支払い、毎年利息が積み重なっている。福祉や教育で予算が必要なところがたくさんある。毎年利子を支払っていくのは現実的でない。
▽宇野信子氏 やっと光が見えてきた。一括売却はやむを得ない。68億円を40億円で売却するのは資産を減らす、市民に負担を強いるという意見があるが、そもそも不動産鑑定の問題があった。40億円代が適切な相場であって、公共用地として一部利活用すると、全体を考えないと売却できなくなる。(現在の所有者の)土地開発公社から購入すると、のちのち維持管理費がかかる。どうしても必要なものがあるのか、まとまってない。一括売却が一番。
▽北口ひとみ氏 執行部提案の一括売却処分が一番望ましい。筑穂地区の商業地と機能が重複しないことが前提だが。40年間塩漬けだった土地なのだから早く何とかするのは難しい。しかも平らでなく森林になっている。伐採伐根すると30億円くらいかかると言われている。事業者が一括購入後、区画整理して誘致するのが効果的で、高く買ってくれるかもしれないが、筑穂地区に重なるので商業用地やスーパー、モールはよろしくない。公共施設が具体的にイメージできないのでお聞きできれば。
日本共産党
▽山中真弓氏 66億円で(用地を)購入し利息2億円が付いて68億円を40億円で売るのは28億円の負債を抱える。基金などの財源を崩して穴埋めするというが(同用地は)市民の財産の一部になっている。市民の意見をきちんと聞いた上で利用法を考えるべき。市営墓地がほしい、子どもの遊び場がほしい、水遊びできる場所がほしいなどいろいろな意見がある。市民の意見を聞いた中で、本当に手放していいかどうか、議会で利用法をいくつか考えて、議会がパブリックコメントを出していく等、議会として提案してはどうか。
▽橋本佳子氏 一括売却は時期尚早。総合運動公園跡地は負の遺産であり(距離が離れた)茎崎地区でも反対運動が展開されたが、売却となり20億円以上のお金(損)が出るとなると、いろいろな意見が出ている。今回の執行部の提案は他の商業施設との関係、インフラ整備などデータが不足している。負の遺産を乗り越えて、もう一度、全部を市が使うというのではなく、無駄な公共事業はだめだが、お金をかけても市民に還元できるのであれば理解が得られる。利息が出るのは心苦しいが、もうちょっと踏ん張てみてはと感じる。茎崎地区で共産党がアンケートを取ったところ、早く売却しろという意見もあったが、市営墓地などの意見もあった。
▽滝口隆一氏 フラットに住民の意見を聞くことが必要。有識者からまちづくりをどうするかを聞く勉強会や、県議や元市長に意見を伺うことがあってもいい。議論を積み重ねながら、住民アンケートをするなどの作業が必応。
公明党
▽山本美和氏 売ればいいという考えには反対。自治体はまちづくりが一番大事。出発点として、不要な土地という視点ではなく、まちづくりという視点でとらえるべき。これだけ大きな土地を民間任せにするのは反対。現在つくば市は人口が増加しているが、将来必ず減少する。つくば市だけでなく広域的に、防災、交通などの面から、県南の拠点、北関東の結節点の役割がある。市が本当に(新たな利活用に向けて)動いたのか見えてこない。公的活用、民間活用も含めて「使いますか」「買いますか」としか聞いてないのではないか。公がしっかり入った上で「一緒にやりませんか」と動いてみてはどうか。商業ゾーンは反対。
▽浜中勝美氏 つくば市は2035年以降、人口が減り税収が減る。用地は46ヘクタールある。人、もの、カネが集まる都市づくりをしなくてはいけない。人を集める議論をして利活用すべき。一括売却には反対。文化施設、スポーツ施設、防災拠点など一部公共で利活用しながら活用すべき。つくば市は県に、県立高校の設置や県南のスポーツ拠点の整備を要望している。県と連携しながら進めるべき。
▽小野泰宏氏 これまでも慎重な判断を(市執行部に)求めてきた。(同用地は)北部の結節点にある。まず市のまちづくり方針が先にあるべき。現在の民間の案に商業施設の計画があるが、区画整理事業の結果できた(筑穂地区の)まちを壊すような計画をなぜ進めるのか。交通量調査、人口調査、サインディング調査なども情報不足だ。商業施設が適切か。既存の都市計画、立地適正化計画等との整合性を図るべき。県との連携等、複合的な連携という着眼点が必要だ。
つくば政清会
▽木村清隆氏(欠席・文書で提出)公共利用を多面的に検討すべき。フラットなタウンミーティングで市民の意見を聞く。一括売却は慎重に、急ぐことなく。
▽木村修寿氏(欠席)
新社会党
▽金子和雄氏 もう少し市民の声を聞いて、時間をつくってやっていくのが一つの方向。陸上競技場がいいという声は多い。つくば市は小中学校の建設ラッシュだが、面積が小さい、グラウンドが狭いという声がある。(同用地に)市営プールをつくって小中学校の子供たちがバスで行くなど、様々な工夫がある。時間をとって十分な議論をすることが大事。
山中八策の会
▽塩田尚氏 もともと購入した値段が高過ぎる、66億円で買って借金が膨らんで、今はつくば市の大きな市民負担になっている感覚が薄いが、3年後に返済時期がくれば70億円を超え、その時に市民から、なぜこんな高い買い物をしたのか、なぜこんなに借金が膨らんでも手をこまねいていたのかという批判が起こると思う、損切りしても10年経てばペイできるかもしれない―と、これまでは原案(一括売却)に賛成だったが、立ち止まってどうするか考えると、逆境を好機に変えて議論をして、もっといいものをつくるべきと思う。つくば市で一番必要なものはアリーナ総合体育館。アリーナはお金がかかるが、避難者を受け入れる防災拠点として、国、県、東京都などありとあらゆる方法で一部公共施設を考えるべき。
創生クラブ はがくれ
▽高野文男氏 条件付きで執行部案(一括売却)に賛成。(民間が示した)40億円は決まった金額ではない。再公募したときに納得できる金額かが問題。市民の税金や今後の財政を考えると、3分の1や全部を公的利用すると、周辺を含めた(まちづくりの)計画を立てないといけない。
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色彩スクール経営の神山瑤子さん ふるさと つくばで新規事業
ドッグラン併設のカフェオープン
【伊藤悦子】犬と同伴でき、ドッグランも併設するカフェが1日、つくば市東岡にオープンした。オーナーは、同市出身の神山瑤子さん(65)。東京・麻布十番に開設するカラースクール「EVE GARDEN(イブ・ガーデン)」の経営を娘の楢崎悦子さん(45)に任せ、新規事業開拓の新天地を筑波山の見える、ふるさとに求めた。
オープンしたのは「イブ・ガーデン カフェ」。同市東部のニュータウン、流星台の分譲地に隣接する敷地を借りて、一軒家を建てた。エントランスのオープンスペースを広く取る分譲地にならったことで、筑波山を眺めながら、犬と人がくつろげる空間となった。在来のカシの木をシンボルツリーに残し、併設のドッグランは120平方メートルの広さ。その芝生の生育を待って開店した。
ドリンクメニューのお薦めは、専門茶葉のコクと甘みを堪能できるミルクティー。食事のメニューは茨城産の新鮮野菜をふんだんに使っている。神山さんは「このカフェを開くにあたり、愛玩動物飼養管理士2級の資格をとった。ペットの食育の勉強もしたので、ゆくゆくは犬のメニューも提供したい」と話す。
色彩学を学んだ神山さんは結婚後、最初のカラースクールを土浦駅東口に開業した。EVE GARDEN社は1991年の設立、生徒数が増え、規模を拡大して2004年には本拠を麻布十番に移した。一人ひとりに似合う色、パーソナルカラーの研究を続け、2004年には娘の楢崎さんと共著で「パーソナルカラーの教科書」(新紀元社)を出版、コスメ事業部門も設立した。15年には「新しい『色』の教科書」(新紀元社)を出版。16年には日本の四季の色を一着の服に表現する「Jibun-fuku/じぶん服」ブランドを立ち上げた。
神山さんは中国発祥の陰陽五行説の色彩も学んだ。真っ白いビション・フリーゼのメイちゃんを飼い始めたのをきっかけに、犬にも色彩豊かな洋服を着させたい、という思いで犬の服作りをスタートした。犬と飼い主の相性を陰陽五行から読み取り、似合う色を提案する。「同じ種類の犬でも、毛の色や瞳の色、骨格で似合う色が変わる」という。その事業展開の地に選んだのがふるさと。「自分の育ったところは筑波山が見えなかった分、このロケーションが気に入った」そうだ。
店内には娘の楢崎さんがデザイン、制作した犬の洋服や小物が展示されている。1点もので、模様はすべて手書き。デザイン、プリント縫製なども自社アトリエで企画制作している。愛犬や愛猫の写真をモチーフにしたポーチやバッグの制作も行っている。飼い主とわんちゃんに素敵な生活を提供できればという。
カフェに同伴、ドッグランを利用できるのは体重10キロ以下で、ワクチン5種と狂犬病予防接種済みの犬。ドッグランには足洗い場や水飲み場も併設している。犬の排せつ物は持ち返りを求めている。
◆イブ・ガーデン カフェ(つくば市東岡82-1、電話:029-828-4862)営業時間は午前11時~午後6時、定休日は月・木、第1・第3日曜日。
「常時使用」の条件付き 請願採択も利用1件 つくば市の障害者向け発電機補助
【山口和紀】人工呼吸器を使用している難病患者や障害者を対象に、つくば市が今年4月から開始した非常時の家庭用発電機購入補助制度について、人工呼吸器を「常時使用」している人という条件が付き、実際の利用は1件にとどまっていることが分かった。地元の障害者団体の1人は「(補助制度は)大きな成果だと思う。条件がやや厳しすぎる可能性はあるが、まだ始まったばかりなので何とも言えない」と話す。
市の購入補助制度は、人工呼吸器を常時使用している医療的ケア者に対し、停電時など非常時にも医療的ケアができるように家庭用の発電機の購入費(12万程度から購入可能)を最大10万円補助する。人工呼吸器やたん吸引機を使っている人にとって、停電は命に関わる事態だ。この補助制度の新設によって大きな負担なく家庭用発電機が購入可能になる。
災害時の医療的ケアは全国的にもまだ支援体制が整っていない。つくば市は県内で初めて助成に踏み切った。全国にも先駆けとなる試みだ。
常総市の水害きっかけ
補助制度は、2018年につくば市の「かけはしねっと」が同市議会に提出した請願にもとづくもの。かけはしねっとは、常総市が水害の被害に見舞われた2015年の関東・東北豪雨や16年の熊本地震など、近年の災害をきっかけに設立された医療的ケアを必要とする子どもの親の会だ。代表の根本希美子さんは常総市の水害時、医療的ケアが必要な友人を自宅に避難させた経験から、「医療的ケア児の保護者が、顔の見える関係でつながることができれば良いと考えた」と設立の理由を語る。
請願書は昨年12月議会で全会一致で採択された。「常時使用」という条件は付いておらず、根本さんは障害者も高齢者も区別なくどちらもを助成の対象にすることを要望していた。しかし、実際は「常時使用」という条件が付けられ、医療的ケア者(児)でも「人工呼吸器」を24時間、「常時」使っている人に限られてしまった。高齢者は、そもそも常時使用していても対象外となった。請願で求めていた対象者より小さな範囲となってしまった形だ。根本さんは「どうして高齢者が対象にならなかったのかは疑問」だと述べた。
市保健福祉部障害福祉課によれば、今年9月30日までに、補助制度の利用相談は複数あったが、実際に支給が決定されたのは1件だという。制度の周知も課題だ。
台風19号はつくば市でも約3800戸の停電をもたらした。幸いなことに根本さんの自宅は「なんともなかった」というが、こうした災害はいつやってくるか分からない。東京電力も2011年度より、災害時に在宅患者への家庭向け発電機の貸し出しを行う体制を整えた。東京電力管内ではおよそ2400人が貸し出しの事前登録をしており、千葉で大きな被害をもたらした台風15号では20台を貸し出した。根本さんは「どれだけ備えても不安は残る」からこそ「つくば市の助成も含め様々な支援が積み重なれば良い」と語った。
筑波大付属病院 大幅減なぜ 来年度の臨床研修医マッチング
【山崎実】厚生労働省は、来年度から臨床研修を開始する臨床研修医のマッチング結果を発表した。茨城県分は、募集定員に対し166人を確保したものの、筑波大付属病院は募集定員92人に対しマッチ者数が54人と、前年度比19人の減。県医療人材課は、大幅な減に首をかしげており「減少した要因の精査、検討を急ぎたい」としている。
医師臨床研修マッチングは、臨床研修が義務化されたことに伴い、日本医師会や研修医を受け入れる病院などで構成する「医師臨床研修マッチング協議会」が、医学生と病院の研修プログラムを一定の規則(アルゴリズム)に従い、コンピュータで組み合わせを探り決定するシステム。
公表結果によると、茨城県は募集定員225人に対し、マッチ者数は166人で、充足率(募集定員に対する確保人数)は73.8%。
病院別の募集定員とマッチ者数は別表の通りだが、県内の参加20病院中、募集定員に達した病院は昨年度の5病院(水戸医療センター、土浦協同病院、筑波メディカルセンター病院、JAとりで総合医療センター、茨城西南医療センター病院)から、今回は水戸赤十字病院、県立中央病院、日立製作所ひたちなか総合病院、牛久愛和総合病院、総合守谷第一病院が加わり、計10病院に増加した。
全体のマッチ者数は前年比3人の減だが、県がショックを受けているのは筑波大付属病院の19人の減。県内最多の募集人員(92人)と確保人数(マッチ者数54人)をけん引しているだけに、危機感を隠さない。
県内の参加20病院で組織する県医師臨床研修連絡協議会と連携しながら、研修医のさらなる確保ー医療人材確保の底上げに取り組む方針だ。
茨城県の臨床研修医マッチ者数
医療機関名
2019年度
2018年度
マッチ者数の増減
募集定員
マッチ者数
募集定員
マッチ者数
水戸赤十字病院
4
4
4
0
4
水戸協同病院
10
9
10
7
2
水戸済生会総合病院
10
7
10
8
▲1
水戸医療センター
8
8
9
9
▲1
茨城県立中央病院
9
9
9
4
5
日立製作所日立総合病院
11
9
12
9
0
日立製作所ひたちなか総合病院
8
8
8
7
1
土浦協同病院
15
15
14
14
1
霞ケ浦医療センター
2
1
3
1
0
筑波記念病院
10
10
8
6
4
筑波大学付属病院
92
54
90
73
▲19
筑波メディカルセンター病院
12
10
10
10
0
筑波学園病院
2
0
5
1
▲1
東京医科大学茨城医療センター
8
4
10
4
0
牛久愛和総合病院
5
5
5
4
1
つくばセントラル病院
2
0
3
0
0
JAとりで総合医療センター
5
5
5
5
0
総合守谷第一病院
2
2
3
1
1
友愛記念病院
4
0
4
0
0
茨城西南医療センター病院
6
6
6
6
0
合計
225
166
228
169
▲3
※定員に空席がある病院は今後二次募集を実施する
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