木曜日, 7月 10, 2025

日本屈指のコレクションを公開 さくらそう品種展始まる 筑波実験植物園

【鈴木萬里子】日本屈指のサクラソウの品種コレクションを一堂に公開する「さくらそう品種展」が国立科学博物館筑波実験植物園(つくば市天久保)で14日から始まった。筑波大学が保有する314品種の「筑波大学コレクション」が150点ずつ順に展示される。 サクラソウは室町時代後期から江戸時代前期に野生種の栽培が始まり、茶会の席にも使われるなど人気が高かった。江戸後期になると品種改良が進み多数の園芸品種が生み出された。筑波大は収集した品種のDNAタイプを調べ保全している。同展に展示されている150点は4~5日ごとに入れ替えるため、全品種を見ることが出来る。 NPOつくばアーバンガーデニングのメンバーらが中心となった「筑波大学さくらそう里親の会」による「里子コレクション」も展示されている。筑波大が保有する園芸品種を保存する里親で、市民と共に遺伝資源を守っている。里親の一人は「芽分け作業時には交配しないよう土を入れ替えるなど、細心の注意が必要。でもとても楽しい」と話していた。 会場には、サクラソウの花を観賞するために江戸時代に考案された陳列法「桜草花壇」が建てられている。下向きに咲く花は上段に、上向きの花は下段に配置するなど、花の色が一番きれいに見える工夫がされている。 植物園入口の教育棟には昨年のサクラソウ人気投票上位10品種が飾られている。 牛久市の60代女性は「サクラソウを見るのが楽しみで毎年来ている。あでやかなのに静かな雰囲気が良いですね」と話し、品種ごとに付けられた名前を丁寧にチェックしていた。名前は作った人が付け、和歌から取ったものが多いそうだ。中には日露戦争後に名付けられた「戦勝」などユニークな名前もあった。 ◆同展は22日(日)まで。16日(月)休園。開館時間は午前9時~午後4時30分。入園料は一般310円。

「マイ時刻表」作成サービス開始 土浦市、県内初

【鈴木宏子】バスなど公共交通を気軽に利用してもらおうと、土浦市は4月から、一人ひとりのニーズに応じた「マイ時刻表」の作成サービスを始めた。 市民を対象に、自宅近くの最寄りのバス停から、病院など普段よく行く場所までの、バスの発車時刻、乗り換え場所、到着時刻、乗車料金などを、市職員が無料でA4の紙1枚にまとめて、自分だけの時刻表を作ってくれる。実施は県内市町村で初めて。 昨年3月に策定された市地域公共交通網形成計画に基づいて開始した。市民アンケート調査で、路線バスを利用しないと回答した市民が72%あり、利用しにくい理由として、「便数が少ない」「バス停が遠い」「料金が高い」などのほかに「利用方法が分からない」などもあった。 「どこで乗り換えたらいいのか分からない」「どのバス停で降りるのか分からない」「免許証を返納したけど病院にどうやって行ったらいいか分からない」「スマホでルートを検索するのは苦手」などの声に応える。 3月の市広報紙にお知らせを掲載したところ、4月のスタートから2週間で計10人の申し込みがあったという。70~80代がほとんどで、マイ時刻表をもらった市民からは「大変便利でありがたい」など丁寧な礼状が届いているという。市都市計画課担当職員の桜井智之さんは「お役に立ててうれしい」と話している。 パソコンやスマートフォンを利用している市民向けに市は2011年から、公共交通情報サイト「つちナビ」を開設し、常磐線、路線バス、コミュニティバス「キララちゃん」、乗り合いタクシー、長距離バスなどの路線や時刻表、運賃などの情報を案内している。 ◆マイ時刻表の申込方法は、所定の申込用紙に氏名、住所、生年月日、電話番号、最寄りのバス停、行きたい場所、行きたい時刻と帰宅したい時刻などを書いて、市都市計画課都市交通係宛て、郵便かファックスか直接持参して申し込む。問い合わせは℡029・826・1111(市都市計画課都市交通係)

「家事」から脱却 おしゃれなコインランドリー LALAガーデンつくば

【橋立多美】洗濯の概念を「家事」から「心地よい体験」に変えるをコンセプトに、LALA(ララ)ガーデンつくば(つくば市小野崎)に3月中旬オープンしたコインランドリー「ランドリー&ラウンジ ウララ」。開店から1カ月の同店を訪ねた。 土浦学園線に面するガラス張りのおしゃれで明るい店内(元ひな野)に、セルフで毛布や布団など大物まで洗えて乾燥できる洗濯乾燥機3台と乾燥機9台が備えられている。セールスポイントはITを活用した利便性の高さだ。①ウェブサイトで機器の空き状況や終了時間が分かる②コイン(硬貨)の持ち合わせがなくてもプリペイド型のICカードで利用できる。 オープニングキャンペーン後も利用客の出足は好調で、午前10時からの1時間が稼働のピーク、午後2時と同8時からも来店客が増えるという。客層は学生から高齢者までと幅広く、主流は40~50代の主婦たち。 音声ガイドで手順を説明するが、店内の清掃を兼ねたスタッフが午前9時~11時まで常駐し、操作に不安感を持つ高齢者に対応している。一方で、開店初日から連日利用する高齢者がいるそうだ。 厚労省の調査によると、2003年に1万2726店だったコインランドリーの店舗数は2013年には1万6693店と、この10年で約3割増えた。かつての狭くて暗いイメージを一新した店が、駐車スペースの広い郊外のショッピングセンターに誕生するようになった。 家庭に洗濯機があっても需要が伸びている理由は、セルフサービスであることから料金がクリーニング店と比較して安いこと。そして、長雨や梅雨でも洗濯物をふわふわに仕上げてくれる乾燥機を1回数百円で利用できることだ。布団やカーテンなどの大物も洗えるといった家庭用洗濯機にはない便利な機能が、コインランドリーの拡大を押し上げている。 小学生の子どもがいる同市の40代の女性は「月曜に体操服を持って行くのが学校の決まりだけど週末が天気とは限らない。乾燥機だけ利用することが多い」。ウララの利用は3回目という50代の女性は「花粉症のため、外干ししたくないタオルやシーツ類の洗濯と乾燥に利用している。運転前に洗浄ボタンを押して清潔に使えるのが嬉しい。終了時間が表示されるので、書店に立ち寄ったり買い物したりと時間を有効に使える」と話した。

障害者カヌーの普及・強化拠点に 土浦港ラクスマリーナ

【鈴木宏子】霞ケ浦・土浦港のヨットハーバー、ラクスマリーナ(同市川口)が新たに、障害者カヌー競技の普及・強化拠点になる。2020年の東京パラリンピックに向け選出を育成している競技団体「日本障害者カヌー協会」(東京都港区、吉田義朗会長)が22日、同マリーナに拠点となる艇庫(ていこ)を初めて開設する。 今後、東京大会出場を目指す選手の練習拠点となるほか、競技用カヌーを使った体験会などが開催され、障害者カヌーの普及や選手の発掘、指導者育成の拠点になるという。 艇庫は競技用カヌーなどを保管する倉庫で、面積35㎡のユニットハウス。全長5mを超えるカヤック競技用と7m超のヴァー競技用の計2隻などが保管される予定だ。車いすでも利用できる多目的トイレなども艇庫内に新設される。 パラリンピックカヌー競技は2016年のリオデジャネイロ大会で初めて、左右を交互に漕いで進むカヤックが正式種目となった。20年の東京大会では片側を漕ぐヴァ―が新たに正式種目に加わる。競技用カヌーは現在まだ国内に10数隻しかなく、そのうち2隻が同マリーナに保管され、活用されるという。 選手の練習拠点としては、都内に住む2018年のカヤック日本代表、小山真選手(36)が今後、ラクスマリーナを拠点に練習する予定だという。 体験会は同協会が主催し、広く参加者を募って競技用カヌーの実物を見てもらったり、実際に乗ってもらったりする。競技用カヌーをだれでも体験できる国内で唯一の場所になるという。体験会を通して未来の選手を発掘したい考えだ。地域の障害者スポーツ指導員とも連携したいとしている。 同協会によると、車いすでの利用が難しいマリーナが多い中、同マリーナには多目的トイレがあり、桟橋まで車いすで行けるなど環境が整っていること、土浦駅から近いことなどから選ばれたという。同マリーナは2005年から、障害者も、健常者も、初心者も、だれでも水上スポーツを楽しめるイベント「誰でも楽しもう霞ケ浦」を開催し、水上スポーツのバリアフリー化のノウハウを蓄積してきたことが背景にある。 同協会事務局の上岡央子さんは「障害者カヌーの競技人口はまだまだ少ないので、豊かな自然を楽しみながら、初めて人にもカヌーを体験してもらい、障害者カヌーを知ってもらいたい」と話している。 ◆体験会「パラマウントチャレンジカヌーin霞ケ浦」は5月6日午前9時30分~午後3時まで、土浦市川口2-13-6、ラクスマリーナで開催。午前中はパドルの漕ぎ方の練習、午後は湖上でミニ運動会やリレー競技などを体験する。参加費2500円。問い合わせは℡03-6229-5440(日本障害者カヌー協会)。

関東鉄道 全バスをバリアフリー化

【富永みくに】関東鉄道(本社土浦市、松上栄一郎社長)は3月末までに、路線バスの全車両(328台)をノンステップまたはワンステップバスとし、100%バリアフリー化を達成した。これにより車椅子、ベビーカーの利用者や高齢者などがバス利用をしやすくなった。 ノンステップバスは車内に段差がない低床車両で、ワンステップバスは車内に低い段差が1段ある。いずれも車椅子での利用が可能で、1車両につき1~2台まで乗車できる。乗車時は、インターフォンや手振りなどで運転手に知らせ、乗り口からスロープを引き出して乗車する。移動中は安全確保のため、指定場所に固定する。移動の手助けや固定装置の装着などは運転手が行う。 ベビーカーは、混雑時などには折り畳んで乗るよう勧めているが、スペースに余裕がある場合は子どもを乗せたままでも乗車できる。その場合は指定の場所に後ろ向きに停め、車輪にストッパーを掛けた上で、シートベルトを着用する。 同社では新入社員全員を対象にバリアフリー研修を行っている。今後さらに県内福祉団体の協力を得て、障害者の利便性を高めるために、社内研修などを実施する予定。今後、グループ会社の関鉄グリーン、関鉄パープルバス、関鉄観光バスの路線バスについても、バリアフリー車両の導入を進めるという。

まるでカルガモの子ども! 運搬ロボット つくば市図書館に試験導入

【富永みくに】まるでカルガモの子どものようについて来て荷物などを運搬してくれる自動追従運搬ロボット「サウザー」が、つくば市吾妻、市立中央図書館に試験導入され、11日、報道陣にお披露目された。 ロボット開発会社「ドーグ」(同市吾妻、大島章社長)が開発し、市のトライアル発注認定制度=メモ=により、2017年3月に購入された。価格は約160万円(当時)。これまで本庁舎内で重い荷物を運ぶために用いていたが、活用範囲を広げるため3月23日から、同館でブックポスト(無人図書返却箱)の本を回収する際に使っている。 台車の前方にある自動追従のボタンを押すと、下部に取り付けられたセンサーが対象を認識、対象と同じルートをたどって追従する。80cm幅の狭い通路やS字型走行、直角に曲がることも可能で、レーザーセンサーで進路上の障害物を検知した場合は、自動で回避・停止し、警告音が鳴る。荷物は最大120kgまで載せることができ、本を100冊以上積んでもスロープを無理なく行き来できる。段差は3cmまで乗り越えられる。 ドーグでは、物流倉庫や工場、小売店などでの搬送用台車としての利用を想定。これまでに国内の物流倉庫・工場をはじめ、空港関連企業、シンガポールの図書館などでの導入事例があるという。 図書館の椙山久美子館長は「今は利用者の安全を配慮して、開館前の人の居ない時間帯に使っているが、機会があれば子どもたちの目の前で本を運ぶ様子を見せるなど積極的に活用していきたい」とコメントしている。5月31日まで同館での試用を続ける予定で、その後も別の部署に場所を移して、新たな用途を探る。 ※メモ 【トライアル発注認定制度】つくば市が2015年度に創設した。市内のベンチャー・中小企業者が開発する優れた新商品などの普及を支援するため、市が定める基準を満たす商品・サービスを認定する。認定商品のPRを市のホームページなどで行うほか、購入した場合は、評価結果を公表する。16年度認定商品は「サウザー」以外に、サイバーダインの作業支援ロボットスーツ「HAL腰タイプ」、地球科学可視化技術研究所の「プロジェクションマッピング型精密地形模型」。 https://youtu.be/hB9ka105pK0

自由な表現に見応え つくば美術館で「茨城現展」

【鈴木萬里子】日本を代表する公募団体の一つ、現代美術家協会の県支部会員による「第34回茨城現展」(同支部主催)が、つくば市吾妻の県つくば美術館で開かれている。30人の作家による絵画、写真、工芸、立体、デザインなど、幅広い分野の作品が一堂に展示されている。 会場中央には、稲敷市在住の正野豪勇さん(75)が、上野憲示監修「鳥獣戯画の謎―国宝に隠された6つのミステリー」(別冊宝島)から起こしたカエルが11体展示されている。カエルは工具のやすりを加工して作られ、腹の中に鉄のかけらを入れてある。揺らすと音がして、カエルの声が聞こえるよう作られている。正野さんは日本中央競馬会美浦トレーニングセンターで馬に蹄鉄を打つ装蹄師(そうていし)として働いた経験から、蹄鉄や鉄製の仕事道具を使った作品を数多く発表している。独学で学んできたという正野さんは「企画展示に選ばれて今回多数の作品を出品できた。ここにある作品はどれも、手で触って鉄の感触を感じてほしい」と話した。 水彩画の佐々木量代、工芸と絵画の正野豪勇、デザインと絵画の三木ひろみ3氏による企画展示コーナーもある。佐々木さんの水彩画に見入っていた土浦市の60代の女性は「淡く、やさしい色彩だけれど、力強い迫力を感じる」と話していた。 土浦から来た70代の夫妻は「毎回見に来ている。絵だけでなく工芸品などもあって楽しめる。どれもレベルの高い作品が多い」と話した。 茨城支部は全国17ある支部の1つ。会長の佐野幸子さんは「今回の出品者は30人、出品数は150を超え見応えのある現展になった。公募展なのでたくさんの人に、自由な表現で参加してほしい」と話した。 ◆会期は15日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は午後3時まで)。問い合わせは04・7188・8621(佐野さん)

明秀日立が快挙 県南勢どう立ち向かうか注目

【コラム・伊達康】第90回センバツ甲子園は大阪桐蔭が史上3校目となるセンバツ連覇を達成して閉幕した。茨城の明秀学園日立は、1回戦の瀬戸内戦で9回に劇的な逆転勝利を収めると、2回戦の高知戦では10対1と大勝。初出場ながら2勝を挙げる躍進を見せた。 3回戦では優勝した大阪桐蔭を相手に8回まで2安打に抑えられ三塁すら踏めない苦しい展開だったが9回にエース細川拓哉の左中間ホームランで1点を返し4点差とすると、二死満塁でこの日2安打と当たっている4番・芳賀大成までつないだ。結果は空振り三振で5対1と3回戦敗退となったものの、王者を相手に最後まで目が離せない粘りを見せてくれた。この大舞台での敗戦を機に夏にはさらにとてつもないチームに仕上げて来るに違いない。 「大阪出身」強調に違和感 明秀学園日立の試合がテレビで中継される際、チーム紹介や選手紹介で実況が頻繁に発したのが「大阪出身」という言葉だ。チームは監督の金沢成奉氏(大阪・桜宮―東北福祉大)をはじめ、関西圏出身の選手が多数を占める。ベンチ入りメンバー18人のうち、茨城出身選手はエース細川(北茨城市出身)と代打の切り札である佐伯尚吾(桜川市出身)の2人だけで後の16人は関西圏を筆頭に福島、宮城、東京など県外出身だ。確かに特徴のあるメンバー構成ではあるのだが、果たして「大阪出身」や「県外出身」と繰り返し紹介する必要があっただろうか。 1980年夏、江戸川学園取手が東京、千葉、愛知、静岡のリトルシニアやポニーリーグの有名選手を片っ端から100人スカウトして部員120人の大所帯を築き、そこから選び抜かれたベンチ入りメンバー17人のうち16人が県外出身者という構成で、学校創設からわずか3年目で甲子園出場を果たした。当時のいはらき新聞(現在の茨城新聞)『白球の詩』のコーナーに「”外人部隊”で構成される江戸川学園はその在り方をめぐって本県高校野球界に一石を投じている」という記述があった。当時はまだメンバーを県外出身者で固めることが珍しく、県外出身者が茨城の看板を背負って甲子園に出場することに高校野球関係者のみならずファンからも反発や疑問が噴出したようだ。 しかし、それから38年が経過した今日、私立高校で県外出身者がスタメンに名を連ねること自体は取り立てて珍しいことではない。現に県内において、昨秋の茨城準決勝で対戦した常総学院はスタメン9人中3人が県外出身者であるし、決勝で戦った霞ケ浦に至ってはスタメン9人中7人が県外出身者だ。さらに土浦日大は東京や千葉から、つくば秀英は栃木や東京から、鹿島学園に至っては神奈川や台湾から選手を集めている。関西出身であっても隣県であっても県外であることには変わりない。 金沢監督が大阪出身ということもあり、関西圏の中学年代にスカウティングネットワークがあるからこそ関西圏から選手を集めているのであって、東京や神奈川、千葉などの関東圏から選手を集めていている私学とはエリアを異にしているだけではないか。取り立てて大阪(関西)を強調する必要はない。むしろ、過去に甲子園出場の実績がない明秀学園日立に、まだ15歳の少年が「一旗上げてやろう」とはるばる大阪(関西)からやって来ているのだからその決意たるや一通りではない。親としても、練習試合や公式戦を観戦することができない地に相当な覚悟を持って我が子を送り出したはずだ。 小中学生球児に衝撃 茨城県勢として常総学院を除いた春と夏の甲子園での勝利は、2005年夏の藤代(対福岡・柳川)の勝利以来、実に13年ぶりのことであった。初出場にして初勝利、さらに2勝の快挙を成し遂げた明秀学園日立の甲子園での躍動ぶりは、今の小学生や中学生の球児に衝撃を与えたに違いない。今後はより多くの中学生から希望進路として名前を挙げられるようになるだろう。東海大相模や浦和学院や明徳義塾のように、全国的に知名度の高い強豪校となった時、「大阪出身」「県外出身」という線引きがちっぽけなものとしてあえて紹介されなくなるのかもしれない。その次元にまで明秀学園日立は躍進できるのだろうか。常総学院をはじめ県南の有力校がそのプロセスに対してどう立ち向かうのか注目だ。茨城の高校野球はますます面白い。

カタクリ見頃 例年より早く 筑波山

【鈴木萬里子】「第18回筑波山頂カタクリの花まつり」が20日まで開かれている。山頂付近には約3万株のカタクリが群生しており、花を目当てにケーブルカーで登る観光客やカメラを首にかけた登山者らでにぎわっている。期間中イベントがあり、花まつりを盛り上げる。 群生地は男体山山頂付近の自然研究路と、ケーブルカー筑波山頂駅のある御幸ケ原から女体山に向かう「カタクリの里」など。自然研究路は標高800m辺りをぐるっと一周する登山道で、北側の登山道両脇に今が盛りと咲き誇る群生の花が見られる。ここ数日がピークのようだ。自然研究路南側とカタクリの里は見頃を過ぎてしまった。つくば観光コンベンション協会によると、今年は例年より開花が5~10日ほど早いという。 カタクリは早春に薄紫や桃色の花を下向きに咲かせ、2週間程の開花時期しかないことから「春の妖精」とも呼ばれ、愛好者を引きつけている。花の色は薄紫が一般的だが、カタクリの里には白い花も咲く。自生する白色の花は数万本に1本しかないそうだ。今年は残念ながらもう散ってしまったが、山頂売店の「たかはしや」に写真が飾られている。カタクリと同時期に咲くのがニリンソウで、御幸ケ原の南斜面ではニリンソウの群生も多く見られ、2種が共に咲く姿も見られる。 静岡県富士市から団体バスで訪れた60代女性は「やっと憧れの筑波山に登ることが出来てうれしい。その上カタクリの群生を見られるなんて、私達ラッキー」と写真を撮りながら大喜びしていた。 カタクリの花まつり関連イベントは次のとおり。 ◆筑波山神社参拝と筑波山頂カタクリの花散策=14日(土)。参加費無料(乗車料金は各自負担)、先着80人。特典として筑波山神社を正式参拝できTXオリジナルキャップがもらえる。申し込み029・866・0611(筑波観光鉄道) ◆筑波山ウォームアップ登山=14日(土)午前9時30分~午後4時。無料(一部有料)、筑波山登山と併せたスタンプラリー、ワークショップ、登山講座など。詳しい情報はhttps://www.yamakei-online.com/yk/tsukuba/ ◆筑波山ミニコンサート=15日(日)午後1時~3時。問い合わせ029・869・8333(つくば観光コンベンション協会)http://www.ttca.jp ◆ガマの油売り口上=山頂御幸ケ原で期間中の土日、午前10時~午後2時。

日本画家、故小林恒岳の未発表作品を発見 土浦まちかど蔵で初公開

【鈴木萬里子】石岡市太田の日本画家で昨年6月に逝去した小林恒岳(こうがく)の未発表作品が、このほど夫人の志津江さんによって発見された。30号(91×65㎝)の「滝」という作品で、土浦市中央、土浦まちかど蔵「大徳」で開催中の「第8回緑炎会作品展」で初公開されている。 今年12月13日から北茨城市の県天心記念五浦美術館で開催される「追悼―小林恒岳展」の出品作品を整理していた志津江さんが、アトリエに保管されている作品の中から見つけた。志津江さんは「とても驚いた。1993年頃しきりに滝を描いた時期があったので、そのうちの1枚だと思う。アトリエには作品が重ねて置いてあり、ほかにも未公開の5~6作品が見つかった。6月に遺作展を予定しているので、皆さんにも驚いて見てほしい」と話している。 小林恒岳は、県立土浦一高、東京芸大卒。父親で日本画家の巣居人(そうきょじん)が創設した「新興美術院」の代表的な画家として活躍し、霞ケ浦をテーマにした初期の作品は環境破壊に警鐘を鳴らした。1987年に石岡市の吾国山中腹にアトリエを構え、霞ケ浦や筑波山など地域の自然を豊かな色彩で描き続けた。 生前、土浦市の日本画同好会「緑炎会」を指導していたことから、同会の作品展で初公開されることになった。 指導受けた8人が力作展示 緑炎会作品展は、会員8人がそれぞれ2~6作品を出品し、「滝」を合わせた38作品が展示されている。日本画の持つ柔らかな色合いが、会場の蔵と調和し、優美な雰囲気を醸し出している。 会は小林さん亡き後、講師を招かず、制作活動を続けている。尾島和子会長は「会員らが意見を出し合い、その意見を入れて描き直したり、和気あいあいとやっています」と会の現況を話す。 来場した土浦市の70代男性は「力作ぞろいですごい。特徴的な日本画の色合いに春の季節の深まりが感じられる」と話していた。祖母と一緒に来たという同市の6歳の少女は「絵の色がすごくきれいで見ていて飽きない。ばらの赤色がすてき」とにっこりしていた。 ◆「第8回緑炎会作品展」は10日(火)まで。開館時間は午前10時~午後5時(最終日は午後3時)。入場無料。問い合わせは℡029・824・9209(尾島さん) ◆「小林恒岳ー遺作展」は6月2日(土)~6日(水)、四万騎農園石蔵ギャラリーで開催する。開館時間は午前10時~午後5時30分。問い合わせは℡0299・44・3305(小林志津江さん)

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