水曜日, 11月 5, 2025

ライトオン 本店ビルを売却 店舗は営業継続 つくば駅前

【鈴木宏子】カジュアルウエア専門店「ライトオン」が、つくば駅前のつくば本店ビル(同市吾妻)を売却する。2階店舗は売却先から賃貸し引き続き営業するという。 売却先は不動産業を営む国内法人だが、先方の意向により公表しないという。売却価格は35億円。引き渡し予定日は今月31日。6月29日の取締役会で本社ビルの売買を決議し、同日付けで売買契約を締結した。同社は売却に伴う譲渡益3億7000万円を8月期決算で固定資産売却益に計上する。 売却理由は、原宿に事務所を新設し、今年4月、商品部など営業系部署を原宿本部に移転したのに伴い、本店ビル土地・建物の有効活用を図るためという。 本店ビルは7階建て、土地面積は約4600㎡、建物の延床面積は1万2750㎡。もともと1階が駐車場、2~3階が店舗、4~7階が本部だったが、5月に改装し、現在は店舗は2階のみ、3階が本部となっている。 つくば本店の南波龍司店長(32)は「つくば本店は、本店のみの限定商品をそろえている。今後も引き続き営業していくので、心配せず安心してご来店ください」と話している。 ライトオンは1980年に東京都杉並区高円寺でジーンズなどの小売業として始まり、つくば科学万博が開かれた85年につくば市に第1号店を出店した。同市での成功が同社発展の足がかりとなったことなどから88年につくば市に本部事務所を設置。現在のつくば本店ビルは2006年に完成した。 つくば駅周辺では西武筑波店やイオンつくば駅前店の撤退によるクレオの閉鎖、つくばセンタービル1階レストラン街からの飲食店全店の撤退などが相次いでいる。 同市竹園の40代主婦は「駅前がどんどん寂れていくので残念。ライトオンは地元企業だし、建物もおしゃれで冬のイルミネーションもきれいだった。つくば駅の利用者数は多いのにどうして商業施設が無くなっていくのか」などと話し、市内の福祉施設施設長、森健太郎さん(36)は「寂しい。つくば駅周辺は駐車場が有料なので、そこでしか買えない商品でないと市民は別の大型商業施設の方に行ってしまうのかなと思う」などと話していた。

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】3 エースが球威増した土浦日大 2年連続出場なるか

【伊達康】昨夏の覇者・土浦日大は昨秋2回戦で明秀学園日立に0対16の5回コールドで大敗を喫した。投手陣は4イニングで16本の安打とことごとく打ち込まれ、自慢の打線がエース細川拓也の前に散発3安打となす術なく、力の差を残酷なまでに見せつけられた。 「0対16」—。土浦日大はこの屈辱の大敗を示すスコアを練習場のスコアボードに常に掲げて冬練習に取り組んだ。その結果、春は準々決勝に進出。霞ケ浦に5対3で惜しくも敗れたが、一時は中盤に同点とし粘りを見せる底力を見せた。この夏はBシードとして2回戦から登場。13日にJ:COMスタジアム土浦で水海道一と牛久の勝者を迎え撃つ。 秋の時点でテコ入れの必要を感じたのが投手陣だった。しかし、一冬越して順調に成長しているように思う。春の準々決勝・霞ケ浦戦で登板を回避したエース右腕の富田卓(3年)は、6月3日に行われた横浜高との招待試合で最速138㎞を記録。立ち上がりこそ四球を連発したが失点はなく、馬力のある投球で5回を3安打無失点に抑えた。1年春から緩いボールをひょうひょうと投げている印象だった富田だが、冬を越えてチェンジアップとストレートのコンビネーションがズバズバ決まるパワー型投手に見事にシフトチェンジできた。もともと打力に力がある分、エース富田の成長によって土浦日大は優勝争いに絡む戦力を有したといえよう。 2番手格の荒井勇人(2年)は左サイドからクロスファイアーで攻め込む癖のある投球をする。荒井は秋の明秀学園日立戦で先発を任されたが、一死しか取れず3失点でマウンドを富田に譲った。しかし、春には好投を続けて霞ケ浦や横浜高に対して好投を見せている。 打線は下級生の頃から主軸を担ってきた鈴木健太(3年)と井上莞嗣(3年)が鍵を握る。 鈴木健太はスイングスピードがずば抜けて速く広角に打ち分けることができる強打者だ。また俊足で内野安打も多い。強打で俊足の外野手として活躍した5つ歳上の兄・諒氏を彷彿させるキャプテンシーも見逃せない。 井上は高校通算ホームラン20本の長距離砲だ。春の準々決勝・霞ケ浦戦では3点ビハインドの6回に同点スリーランを放ち存在感を示した。秋の明秀学園日立戦ではライトで手痛いエラーを記録。今春からはサードに固定され、猛練習でそつのない身のこなしができるようになった。3番手としてマウンドに上がることもあり、角度を生かした最速135㎞のストレートとチェンジアップで打者を打者を打ち取る。ただ、コントロールには若干の不安が残る。

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】2 本格派2年右腕が復帰 春4強の霞ケ浦

【伊達康】霞ケ浦は昨秋県準優勝で関東大会1勝、今春は県準決勝で常総学院に敗れ第3シードとなった。12日に行われる2回戦から、奇しくも場所はJ:COMスタジアム土浦でライバル常総学院の試合終了後に鬼怒商と玉造工の勝者と初戦を迎える。 霞ケ浦の屋台骨を支えるのは、1年春からスタメン出場を果たしチームを牽引し続けるセカンドの小儀純也(3年)とキャッチャーの鈴木和樹(3年)だ。 小儀はセカンドの名手として県トップの実力を持つ。ゴロへの入り方が秀逸で型にはまらない独特の捕球ポイントを持っている。大学生レベルの守備は必見だ。さらに打っては身長170㎝に満たない小柄ながらミート力が抜群で高打率をマークしている。特筆すべきは試合中盤に発揮する勝負強さだ。秋の準決勝・日立一戦では0対1でリードされた6回裏・二死一塁から同点に追いつくタイムリーツーベースを、春の水城戦では1対1で迎えた5回裏・二死二、三塁から、勝ち越し2点タイムリースリーベースを放つなど、もつれる場面で頼りになる活躍を見せている。 鈴木和樹は下級生ながら根本薫(オリックス)や遠藤敦志(広島)などプロ入りを果たした先輩投手の女房役を務め実戦経験が豊富。卓越したキャッチングとインサイドワークに優れた好捕手だ。巧みなワンバウンド処理でフォークやチェンジアップなどの縦系変化球を決め球とする霞ケ浦投手陣の力を存分に引き出し、主将としてもチームを牽引する。 また、横田祥平(3年)を打撃陣のキーマンとして挙げたい。昨秋は背番号2桁で下位打線を打っていたが要所で見事な活躍を見せ、今春は背番号5を獲得して打線の中軸を担うようになった。春の準々決勝・土浦日大戦では6回に貴重な勝ち越しタイムリーを放ち勝利に貢献した。 投手陣は右腕の福浦太陽(2年)と春季大会以降に怪我から復帰した鈴木寛人(2年)、さらに海野京士郎(3年)など、いずれも右腕で最速140㎞を超える力のある投手がそろう。 福浦は春季大会で背番号1を付けて4強入りの原動力となった。最速139㎞のストレートとフォークで打者を手玉に取る。 昨秋の関東大会で鮮烈な公式戦デビュー登板を果たした鈴木寛人は長身で手足が長く高卒即プロ向きの潜在能力の高い好投手だ。怪我の影響で春は登板を回避したが、6月17日に行われた明豊(大分)との強化試合では先発を任され最速141㎞を記録。まだスタミナ面で不安を残すもののエース級投手の復活は夏に向けて弾みとなる。来年のドラフト候補としても注目の逸材だ。 反対に海野はずんぐりな筋肉質の体型だ。投手陣の中で唯一の3年生として捕手の鈴木和樹との相性もよく器用にストライクを出し入れできる。最速142㎞の剛球投手でありながら打撃力も高いので、打力を生かした野手起用もある。 そのほかに技巧派左腕の中田勇輝(2年)も控えている。

【土浦つくばエリア深堀り高校野球展望’18】1 強力打線で3年ぶり甲子園目指す 常総学院

【伊達康】7日に第100回全国高校野球選手権茨城大会が開幕する。土浦・つくばエリアは有力校が多数ひしめく。注目校8校を6回にわたって紹介する。 春の県王者・常総学院は12日の2回戦から登場。J:COMスタジアム土浦で佐竹と海洋の勝者を迎え撃つ。史上最強ともいわれる強力打線を武器に第1シードとして3年ぶりの甲子園出場を目指す。 昨秋県準決勝で明秀学園日立に1点差で敗れた悔しさをバネに、冬場のトレーニングで徹底的に打撃を強化して多くの選手の打撃が開眼。レギュラーメンバーの全員が高校通算2桁ホームランを記録している。6月の練習試合では仙台育英や聖光学院など全国レベルの強豪校に競り勝ち好調を維持していたが、6月30日の作新学院戦では5安打完封負けと自慢の打線が振るわず不安を残す結果となった。 打線は力のある選手が並ぶ。上位を打つ主将の二瓶那弥(3年)は春季県大会で4本のホームランを記録した強打者だ。明秀学園日立との決勝では途中出場したエース細川拓也(3年)からダメ押しのホームランを放ち、春の県内チームで唯一、細川から得点を奪った。 同じく上位打者の水野勢十郎(3年)は関東大会で関東学園大附と東海大相模からホームランを放ち15打数9安打と4強入りに大きく貢献した。 3番の斉藤勇人(2年)、4番の藤川寿真(3年)、5番の菊田拡和(2年)の中軸はいずれも180㎝80㎏を超える迫力ある体格の打者が並ぶ。 斉藤は準決勝の日大三戦で特大ホームランを放つなど2戦連発のアーチをかけて躍動した。藤川は変化球への対応力が高い好打者。チャンスに強く追い込まれてからのしぶとい打撃が持ち味だ。菊田はとてつもない飛距離を誇る長距離打者だ。県準々決勝の取手一戦と関東大会準決勝の日大三戦でバックスクリーン弾を放った。その後の練習試合でもホームランを量産している。その他に調子に応じてスタメン起用される大久保龍成(3年)や、代打の切り札・野澤翔(3年)も恵まれた体格から逆方向にホームランを打てる力を持っている。 投手陣はスライダーが武器の谷田部健太(3年)と、剛球とチェンジアップのコンビネーションでねじ伏せる岡田幹太(2年)のいずれも最速140㎞を超える右腕2枚看板を軸に春の大会を勝ち上がった。春の勝ち頭・谷田部は完投するスタミナが十分に備わっており、大会を通じてエースの風格が漂う頼れる存在となった。ただ、最近の練習試合では調子を落としており、谷田部の復調が常総学院優勝の絶対条件だ。下級生の岡田は関東大会準決勝・日大三戦で救援登板も打ち込まれて敗退した経験を糧にさらなる成長が期待される。さらに春はベンチ入りをしていなかったが、最速142㎞を誇る塙雄裕(2年)や試合をつくる能力が高い菊地竜雅(1年)といった下級生投手が練習試合で台頭しており、夏の戦力としてベンチ入りが濃厚だ。

つくばFCレディース、今季初の2連勝 男子は惜敗

【崎山勝功】サッカーチーム、つくばFCの本拠地、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで6月30日、女子と男子のアベックホームゲームが開かれた。なでしこチャレンジリーグのつくばFCレディースは1―0で今季初の2連勝を挙げた。男子サッカー関東リーグ1部のジョイフル本田つくばFCは惜敗した。 女子 FW菊地が先制 つくばFCレディースは新潟医療福祉大学女子サッカー部(新潟県)と対戦した。試合は前半9分、つくばFCのFW菊地さやかが先制点を決めた。新潟は巻き返しを図るものの、GK中橋まりなの堅守で失点を許さなかった。後半は双方とも相手陣営を攻めるも得点に結びつかず、こう着状態が続いた。つくばFCは守備を固めて失点を許さず後半を乗り切った。 2連勝の立役者となった菊地は「今季初のホームでの2連勝。(次戦の)アウェイでも連勝したい」と話した。無失点に抑えた中橋は「2試合連続で無失点で終われたのは初めて。チーム全員で守ることができた。残り2試合を無失点で、相手から点を取って勝ちたい」と意気込みを見せた。 同FCの今季の通算成績は現時点で3勝8負2分けと最下位の6位。リーグ戦残り2試合で浮上できるかが焦点だ。主将のDF大木汐は「まだ(リーグ戦後の)中位リーグに行ける可能性があるので、残り2試合も勝てるようにしたい」と語った。 男子 前半シュート4本放つ 男子のジョイフル本田つくばFCはリーグ第8節の試合で、ブリオベッカ浦安(千葉県)に0―1で惜敗した。通算成績は4勝2敗1分の3位。 つくばFCは前半、4本のシュートを放ち浦安陣営を攻めるも、相手GKに阻まれて得点を得られず、0―0で折り返した。後半もこう着状態が続いたが、後半23分に浦安に先制された。その後も試合の流れを変えることができないまま試合終了を迎えた。 試合後、小松祐己監督は「相手は一人一人がうまいので、ある程度ボールを持たれる展開は予想していた。後半は失点したが、選手が最後まで勝ちに行ったので次につなげていけると思う」と語った。次節は7月8日午後5時から同スタジアムで、流通経済大学FC(龍ケ崎市)との「茨城ダービー」が行われる。 「んだボーイ」に決定 いばらき応援マスコット つくばFC(つくば市稲岡)と地域住民らがつくり出した、いばらき応援マスコット「いばらきを愛するワンダフルボーイ」の名前が6 月30日、「んだボーイ」に決定した。同FCらが「プルプルたまごプロジェクト」で誕生させ、6月30日のホームゲームで発表した。今後は県内企業のPRなどに登場する予定で、同FCは「いろんな企業に使ってもらえたら」と話している。 名前は6月3日から24日まで公募し、約110通の中から、東京都のタシロミノリさんの作品に決まった。タシロさんは「茨城県の『んだ』という方言がかわいいと思った」と理由をコメントしている。同FC広報部の藤井志保選手=つくばFCレディース所属=は「つくばとかサッカーとかではなく、茨城の皆さんに愛される名前として『んだボーイ』に決めた」と説明する。

車いすバスケ体験会 つくばで7月15日

【谷島英里子】つくば市は2019年の茨城国体と全国障害者スポーツ大会に向け、来月15日、障害者スポーツの魅力を広く知ってもらうイベント「パラスポーツ体験会」を同市金田の桜総合体育館で開催する。市は参加者を募集している。 体験会はつくばが開催地になる「車いすバスケットボール」がメーンで、シッティングスポーツ協会副理事長で、女子車椅子バスケットボール元日本代表監督の橘香織さんらが講師を務める予定だ。定員は50人で対象は小学生以上。受講料は100円で当日支払う。 このほかに、自由に参加できる種目もあり、ハンドアーチェリーや卓球バレー、ボッチャ、ブラインドサッカーのシュート体験が楽しめる。服装はTシャツやジャージなどの動きやすい格好で、室内用運動靴、タオル、飲み物を持参する。 国体推進課の吉井祐二さんは「障害の有無に関わらず気軽に参加していただいて興味を持っていただければ」と話している。 問い合わせは同課(電話029・883・1111)まで。 ※メモ 【車いすバスケットボール】ルールやコート、リングの高さ、ボールなど一部を除いては一般のバスケットボールと変わらない。ダブルドリブルがないこと、障害の程度によって1~4.5点の持ち点があり、選手5人の合計を14点以内にしなくてはならないことが特徴。    

【訃報】大豊商事会長、三谷章氏が死去

大豊商事(本社つくば市)の三谷章(みたに・あきら)会長が28日午後1時、リハビリ施設で死去した。死因は前立腺がん、81歳だった。 三谷氏は豊里町(現つくば市)に生まれ、若いときから不動産ビジネスに従事。1972年に創立した大豊商事の社長を長く務めた。80年代~90年代前半、日本中がバブル経済に沸いたときには業績を延ばし、茨城県南の不動産王と言われた。 2014年9月から翌年1月にかけ、常陽新聞(2017年4月休刊)のインタビュー企画「レジェンドが語るバブルの断章」(6回連載)に応じ、バブル時代の思い出を縦横に語った。インタビューを担当した経済ジャーナリスト・坂本栄氏は「当時の雰囲気、バブルの実態、銀行の動きがよく分かり、大変愉快だった」と語った。 葬儀は7月1日午前10時半から、つくば市玉取1766の「つくばメモリアルホール」で行われる。喪主は娘婿の利光(としみつ)さん。

水墨画のような光の重なりと奥行き 小倉康男さん写真展「和紙に写し込む」

【池田充雄】つくば市豊里の杜のギャラリー夢工房で小倉康男さんの写真展「和紙に写し込む」が開かれている。展示作品は20点。モノクロが中心で、うち16点は和紙にプリントした。 ピントの浅いレンズを使い、ボケを生かして撮るのが小倉さんのスタイル。3年ほど前に和紙に出会い、表現にいっそうの広がりが出た。「やわらかさが違う。普通の焼き方では出ないものが出て面白い」と小倉さん。 作品の一つ「一筆」は、10センチほどに伸びたシャガの新芽をクローズアップでとらえたもの。何本も立ち上がった細い葉の、そのほとんどを白く光の中に溶かし込み、1本だけを際立たせた。タイトル通り、一筆でスッと掃いたような仕上がりは、抽象デザインのようでもある。 2点ある「いわがらみ」は、まったく対照的。1点は、葉の中央では葉脈までも繊細に解像し、外側へ行くに従ってやわらかくボケが広がっている。もう1点は、にじませた濃墨を思わせる深いぼかし。ピントはもはやどこにも合っておらず、深い霧の向こうに置かれたようなたたずまいがある。 小倉さんの職業は表装師。仕事を通じて横山大観の真筆などにも接した。そこから水墨画の、墨の濃淡だけで光の具合や空間の奥行きまでも描くさまに魅せられ、写真に取り入れてみようと思い、それが今の作風の始まりになった。 仕事のため決まった休みが取れず、自然と身の回りの風物へ目が向くようになった。特に、奥さんが育てた庭の山野草は大切な被写体だ。「鉢を少しでも動かすとバレてしまう」とスリルもある。このスタイルを貫いたおかげで、病を得てからも撮り続けられている。 身に付けた技術を生かし、額装にも一工夫。マット(作品を縁取る台紙)には、和紙を手でもんで細かいしわや折り目を付け、スプレーで着色。塗料の乗り方やしわの具合により、一つひとつに異なる表情が見られる。75歳、筑西市在住。 ◆会期は7月3日(火)まで、午前10時30分~午後5時30分(最終日は3時まで)、つくば市豊里の杜2-2-5ギャラリー夢工房(電話090・4676・9623)。入場無料

市民11人が「つくば市財政白書」作成

【鈴木宏子】つくば市民11人がこのほど、市の財政事情を約1年半かけて調査・分析し、財政白書にまとめ上げた。「市民がつくったつくば市の財政白書」(A4判カラー、114㌻、700円)で、市民団体「つくば市民による財政白書づくりの会」(野本高志代表)が発行した。 市民が支払っている一人当たりの税金や、市が使っている福祉、教育、公共事業、職員の人件費など43項目について102のグラフを使って分かりやすくまとめている。2005年度から15年度まで11年間の変化のほか、15年度の財政を、近隣の土浦や守谷市、つくば市と面積や人口が近い甲府市、つくば市と同じ特例市39市の平均などと比較しているのが特徴だ。 つくばエクスプレス(TX)沿線開発により人口が急増しているつくば市の財政規模は、住民一人当たりに換算すると34万2000円で、全国814市区平均より9万5000円少ないこと、市の収入は、市民税や固定資産税など市が自由に使える地方税の割合が55%と、他市と比較して財政の自由度が高いことなど、市の財政は「今のところ比較的しっかりしている」(野本代表)ことなどが浮かび上がった。 一方、市の支出全体に占める職員などの人件費の割合が、他市と比べ高いことなども分かった。白書は、つくば市は面積が広く、安全を守る消防署の職員数を減らせないなど行政サービスを行き届かせるための人件費が多くなる事情もあると分析している。 総合運動公園問題きっかけ 2015年、総合運動公園の賛否を問う住民投票が行われたことが白書作成のきっかけ。市の財政はどうなっているのか、自分たちの税金がどう使われているのかに興味をもった市民らが、翌16年、市民による財政白書づくりで知られる多摩住民自治研究所の大和田一紘さんを招いて勉強会を開催した。さらに17年1月から毎月2~3回、計20回勉強会を開いて白書をまとめた。 野本代表は「現在、市の財政は他市に比べて有利な状況だが将来もそうだということではない。どういうつくば市であるべきか、何を優先すべきか、市民が議論する際の基礎にしてもらえれば」と話している。 ◆発行を記念して同会は30日(土)午前10時から、つくば市吾妻、つくばイノベーションプラザで出版記念の集い「市民が財政白書をつくりました!」を開催する。参加費無料。問い合わせは電話029・859・0264(同会)

6校のブロック塀が不適合 つくば市 撤去しフェンスに

【鈴木宏子】大阪北部地震で小学校プールのブロック塀が倒壊し女子児童が死亡した事故を受けて、市が市内の幼稚園、小中学校などのブロック塀を点検したところ、6校が建築基準法に違反し不適合であることが分かった。27日、市教育局が調査結果を発表した。 プール周囲のブロック塀が不適合なのは、沼崎小、今鹿島小、大穂中、豊里中、谷田部中の5校、前野小はグラウンドの球技練習用あて壁が不適合だった。いずれも建築基準法で定められている最大高さ2.2mを超えている。このうち今鹿島小と大穂中のブロック塀は通学路や歩道に面しているという。 高さ3.9mのブロック塀が長さ約30mにわたって設置されている大穂中は「東日本大震災で校舎や体育館の一部が損傷したがプールのブロック塀は何ともなかった。今回の点検で不適合ということなので、撤去されるまで、生徒が塀に近づかないよう安全に留意したい」とする。プールを使用するか否かは各学校ごとの判断で、同中は安全に配慮しながらプールの授業を行うという。 市教育局は今後、早急に6校のブロック塀を撤去しフェンスに代える予定という。フェンスには必要に応じて目隠しなどをするという。 門脇厚司教育長は「今回の点検に基づき、早急に改修を進め安全確保に努めて参ります」とのコメントを発表した。 土浦は4校が不適合 一方土浦市は、点検の結果、4校のブロック塀が不適合であることが分かった。高さ2.2mを超えるブロック塀は無かったが、いずれも校門の門柱につながる袖壁に、直角に突き出して補強する控え壁が設置されてなかった。 4校は、下高津小、大岩田小、荒川沖小、土浦四中。ほかに廃校になった宍塚小の門柱の袖壁も不適合だった。一方、いずれも、ひびや傾き、ぐらつきなどはないという。同市教育委員会は今後、速やかに撤去しネットフェンスを設置すること等を検討するとしている。 ※メモ 【ブロック塀の建築基準法規定】規定は最大高さ2.2m、ブロックの厚さは2mを超える場合15㎝以上、高さ1.2mを超える場合は長さ3.4mを超えるごとに控え壁を設置する-などの規定があり、不適合なブロック塀は違法建築物となる。

Most Read