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2018
3月
教育局長に県部長の森田氏 つくば市人事異動
2018年3月16日
【鈴木宏子】つくば市は16日、4月1日付人事異動を内示した。教育委員会教育局長に、31日付で定年退職する県教育庁学校教育部長の森田充氏(59)、新任の保健福祉部長に厚労省大臣官房会計課長補佐の水野忠幸氏(39)が就任する。 森田氏は任期付きで期間は2020年3月末までの2年間。小中一貫校設置計画の見直しなど重要な教育施策に対応するため県の部長を配置するという。一方、国から派遣される部長は、文科省出身の神部匡毅・政策イノベーション部長に次いで2人目になる。 定年退職者の再任用は、31日付で退職する部長のうち、鈴木傳司総務部長が総務政策監、栗原正治建設部長が建設政策監となる。昨年4月、再任用で部長になった小泉邦男財務部長、飯泉省三こども部長はそれぞれ財務政策監、こども政策監になる。部長を経験し、次長級となる再任用職員は計4人となる。いずれも高度な行政知識と経験を持つことから配置するという。 異動総数は28.9%の361人、女性管理職の割合は前年度より2.3%減って21.2%になる。定年退職者は61人、新規採用職員は105人。4月1日時点の全職員数は前年度より73人増え1810人になる。 機構改革は、保健福祉部社会福祉課にこども未来室を新設し子どもの貧困対策や格差解消に取り組む。経済部産業振興課にスタートアップ推進室を設置し、新産業の創出につなげる。生涯学習部門を市長部局から教育局に戻し、生涯学習推進課を設置などする。 ◇人事異動(4月1日付、課長級以上、敬称略、カッコ内は現職) 【部長級】 ▽総務部長(同部次長兼人事課長)藤後誠 ▽財務部長(経済部長)髙野正美 ▽市民部長(政策イノベーション部次長)飯村通治 ▽保健福祉部長(厚生労働省大臣官房会計課長補佐)水野忠幸 ▽こども部長(同部次長)中山由美 ▽経済部長(同部次長)篠塚英司 ▽建設部長(都市計画部次長)上野義光 ▽教育局長(県教育庁学校教育部長)森田充 ▽議会事務局長(教育局長)新井隆男 ▽消防長(消防本部消防次長)植木利男 【次長級】 ▽市長公室次長(情報政策課長)杉山晃 ▽総務部次長(危機管理課長)吉沼正美 ▽総務部総務政策監・再任用(総務部長)鈴木傳司 ▽総務部政策法務監(政策法務監)三浦基広 ▽政策イノベーション部次長(企画経営課長)片野博司 ▽財務部次長(会計事務局長)中島弘志 ▽財務部財務政策監(財務部長・再任用)小泉邦男 ▽市民部次長(保健福祉部次長)山田憲男 ▽市民部地区担当監・大穂相談センター所長(生活環境部次長)中野実 ▽市民部地区担当監・豊里相談センター所長(大穂相談センター所長)大塚喜則 ▽市民部地区担当監・谷田部相談センター所長(つくば市東京事務所長)小神野洋一 ▽市民部地区担当監・谷田部相談センター駐在(教育局次長)木村徳一 ▽市民部地区担当監・桜相談センター所長(桜相談センター駐在)國府田修 ▽市民部地区担当監・桜相談センター駐在(医療年金課長)松浦裕之 ▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長(生活環境部次長)澤邉義光 ▽市民部地区担当監・筑波相談センター駐在(筑波相談センター所長)瀧田剛己 ▽市民部地区担当監・茎崎相談センター所長(豊里相談センター所長)宮本任 ▽市民部市民活動課長(地区相談課長)東郷公咲 ▽保健福祉部次長(健康増進課長)小室伸一 ▽こども部次長(社会福祉課長)松本茂 ▽こども部こども政策監・再任用(こども部長・再任用)飯泉省三 ▽経済部次長(観光推進課長)柴原利継 ▽都市計画部次長・総合交通政策課長(総合交通政策課長)中澤正登 ▽都市計画部次長・公有地利活用推進課長(市街地振興課長)稲葉清隆 ▽建設部次長(建設部次長・道路建設課等担当)小又利幸 ▽建設部建設政策監・再任用(建設部長)栗原正治 ▽生活環境部次長・環境政策課等担当(市長公室次長)谷内俊昭 ▽生活環境部次長・水道総務課等担当(水道総務課長)岡野康夫 ▽生活環境部次長・下水道管理課等担当(国体推進課国体推進監)西村誠 ▽会計管理者(財務部次長)酒井作徳 ▽教育局次長・学務課等担当(教育局次長・健康教育課長)中山隆 ▽教育局次長・教育総務課等担当(法務課長)大久保克己 ▽教育局学校教育審議監(学校教育監)永井康 ▽議会事務局次長(議会総務課長)川崎誠 ▽選挙管理委員会事務局長(生活環境部次長)風見昌幸 ▽監査委員事務局長(議会事務局次長)石田慎二 ▽農業委員会事務局長(都市計画部次長)中根祐一 ▽消防本部消防次長(消防総務課長)大里洋一 ▽消防本部消防次長(警防課長)宇津野公夫 ▽消防本部南消防署長(中央消防署副署長)北澤光二 ▽消防本部北消防署長(筑波分署長)神立孝一 ▽消防本部中央消防署長(並木分署長)髙野和之 【課長級】 ▽市長公室秘書課長(科学技術振興課長)久保田靖彦 ▽市長公室広報戦略課長(人事課ワークライフバランス推進室長)中川伸一 ▽市長公室危機管理課長(道路建設課長補佐)御田寺義郎 ▽総務部総務課長(下水道管理課長)中泉繁美 ▽総務部人事課長(同課長補佐)塚本浩行 ▽総務部法務課長(総務課長)坂本人史 ▽総務部契約検査課長(同課長補佐)木村幸弘 ▽政策イノベーション部企画経営課長(同課長補佐)大越勝之 ▽政策イノベーション部情報政策課長(同課長補佐・情報ネットワークセンター所長)平山伸太郎 ▽政策イノベーション部科学技術振興課長(市民活動課長補佐)岡野渡 ▽財務部管財課長(開発指導課長補佐)坂田博之 ▽財務部資産税課長(教育局教育総務課長)上方和男 ▽市民部地区相談課長(資産税課長)野澤政章 ▽市民部つくばメモリアルホール斎場長(クリーンセンター所長)大野泰宏 ▽保健福祉部社会福祉課長(同課長補佐)安田正幸 ▽保健福祉部国民健康保険課長(同課長補佐)木澤伸治 ▽保健福祉部医療年金課長(桜学校給食センター所長)岡田高明 ▽保健福祉部介護保険課長(地域包括支援課長)水品久美子 ▽保健福祉部地域包括支援課長(同課長補佐)会田延男 ▽保健福祉部健康増進課長(国民健康保険課長)吉原衛 ▽経済部土地改良課長(下水道整備課長)秋葉義美 ▽経済部産業振興課長(つくば市東京事務所副所長)小川英男 ▽経済部観光推進課長(同課長補佐)大橋一彦 ▽経済部観光推進課筑波ふれあいの里所長(豊里ゆかりの森所長)菊地秀之 ▽都市計画部市街地振興課長(同課周辺市街地振興室長)中島一美 ▽都市計画部建築指導課長(同課長補佐)吉田和行 ▽都市計画部開発指導課長(産業振興課長)根本一夫 ▽建設部道路計画課長(道路建設課長)富田剛 ▽建設部道路整備課長(水道業務課長補佐)野原浩司 ▽建設部道路管理課長(道路維持課長補佐)色川英雄 ▽建設部公園・施設課長(開発指導課長)吉原利夫 ▽建設部営繕課長(道路維持課長)飯泉法男 ▽建設部住宅政策課長(建築指導課長)猪野泰弘 ▽生活環境部環境政策課長(公園・施設課長補佐)嶋崎道徳 ▽生活環境部環境保全課長(市民活動課長)田口一彦 ▽生活環境部廃棄物対策課長(環境課長)星野和也 ▽生活環境部クリーンセンター所長(管財課長)石塚英樹 ▽生活環境部水道総務課長(同課長補佐)小吹正通 ▽生活環境部下水道管理課長(公園・施設課長)滝本勝弘 ▽生活環境部下水道整備課長(契約検査課長)小神野真 ▽会計事務局長(国体推進課国体推進監)栗山正行 ▽教育局教育総務課長(市長公室秘書課長)貝塚厚 ▽教育局教育施設課長(同課長補佐)秋葉芳行 ▽教育局健康教育課長(つくばすこやか給食センター豊里所長)山口康弘 ▽教育局桜学校給食センター所長(つくば市東京事務所副所長)村上克己 ▽教育局筑波学校給食センター所長(教育施設課長)安田勝則 ▽教育局つくばすこやか給食センター豊里所長(廃棄物対策課長)鈴木洋一 ▽教育局生涯学習推進課長(教育指導課長補佐)伊藤直哉 ▽教育局中央図書館副館長(広報広聴課長)柴原徹 ▽議会事務局議会総務課長(同課長補佐)伊藤和浩 ▽消防本部予防広報課長(同課長補佐)五月女謙次 ▽消防本部警防課長(同課長補佐)土田仁一 ▽消防本部消防総務課長(同課長補佐)東郷道明 ▽中央消防署副署長(同桜分署長)染谷隆 ▽中央消防署参事・豊里分署長(同豊里分署長)野口守 ▽中央消防署桜分署長(北消防署参事補)沼尻博 ▽中央消防署並木分署長(中央消防署参事補)柳田英男 ▽南消防署参事・茎崎分署長(南消防署参事補)野口勝 ▽北消防署筑波分署長(中央消防署豊里分署参事補)堀江道夫 ◇退職(3月31日付) 【部長級】 ▽総務部長・鈴木傳司 ▽市民部長・中山貢 ▽市民部主幹つくば文化振興財団派遣・中村平 ▽保健福祉部長・小田倉時雄 ▽建設部長・栗原正治 ▽議会事務局長・塚田修身 ▽消防長・大山裕幸 【次長級】 ▽市民部次長・鈴木一男 ▽谷田部相談センター所長・飯野孝善 ▽谷田部相談センター駐在・河村敏男 ▽桜相談センター所長・松本三枝子 ▽茎崎相談センター所長・松田明悦 ▽建設部次長・岩瀬武 ▽建設部営繕・住宅課長・宮久保正美 ▽会計管理者・板倉亨一 ▽選挙管理委員会事務局長・田中千晴 ▽監査委員事務局長・高田有理子 ▽農業委員会事務局長・寺田好二 ▽消防本部消防次長・田中寿幸 ▽消防本部中央消防署長・市村健一 ▽消防本部南消防署長・大久保隆男 ▽消防本部北消防署長・金子晴夫 ▽消防本部予防広報課長・苅部明夫 ▽市民部消費生活センター所長・矢口春美 ▽竹園交流センター所長・吉田隆司 ▽広岡交流センター所所長・中根和枝 ▽つくばメモリアルホール斎場長・猪野瀬隆弘 ▽介護保険課長・宮本喜代子 ▽土地改良課長・久松進 ▽地籍調査課長・金子清志 ▽筑波学校給食センター所長・秋葉孝 ▽南消防署茎崎分署長・髙谷忠
あでやかに、かなだけの書展 土浦で香墨会
2018年3月15日
【鈴木萬里子】第33回香墨会展が土浦市大和町の土浦市民ギャラリー(アルカス土浦1階)で開かれている。かなだけの書道会は県内唯一で、土浦・つくばを始め多くの来場者が訪れている。 昨年まで土浦市中央の亀城プラザで開いていたが、今回は会場を昨年11月にオープンしたアルカス土浦市民ギャラリーに移しての開催となった。新しい会場の明るさが作品に反映して、どの書もあでやかな雰囲気が漂っている。 会場の入り口正面に大屏風(びょうぶ)が展示されて来場者の目を引いている。会員らが半懐紙(かいし)に和歌をちらし書きし、色合いなどをあんばいして仕立てた。それぞれの個性が一つにまとまり見事な作品に仕上がっている。ほかに屏風、掛け軸、巻子(かんす)など多くの作品が展示されている。市内の70代女性は「すばらしいの一言。かな書は一見優し気ですが、どの作品にも力強さが現れている」と話し、作品一つひとつをじっくり観賞していた。 会場奥の一室には香墨会を主宰する平田洋香さんの「米寿回顧展」が開かれている。平田さんの45年間にわたる書が展示され、変遷を垣間見る機会となっている。平田さんは「努力、精進して今日がある。45年間で字は時代の流れに沿った字となり、良い雰囲気を醸し出します」などと話した。 潮来市から来場した飯田亮子さんは「かなだけの書展は珍しいので毎年楽しみ。平田先生の書は線のすばらしさ、みやびだが力強い美しさがあって、毎回感動します」と話していた。 ◆会期は18日(日)まで、午前10時~午後6時(最終日は午後3時)、入場無料。問い合わせは029・821・0428(書道研究香墨会)。
【震災7年】子どもの健康影響「監視続ける」 取手の市民グループ
2018年3月13日
【鈴木宏子】取手市の市民グループ「子どもの健康を守る市民ネットワーク」(黒沢仁美代表)が、福島第1原発事故による県内の子どもたちの健康影響について監視を続けている。小中学校で実施されている学校検診のうち心臓検診に着目。県内44市町村すべてに毎年、集計結果を情報公開請求し、事故後の変化を分析している。 学校保健法に基づいて小学1年と中学1年生などを対象に実施されている検査だ。同会は、放射線の影響で起きるとされている心臓の病気などに着目して分析している。チェルノブイリ原発事故による健康影響調査で、放射性セシウムが心臓に蓄積するとした研究報告があることから取り組んでいる。 福島原発事故翌年の2012年、母親同士の会合の席で「子どもたちの心電図異常が増えている」などの話題が出たことをきっかけに調査を始めた。取手市や周辺市町村が実施した心臓検診データを情報開示請求したところ、心電図に異常があり精密検査が必要とされたり、疾病や異常があると診断された児童・生徒の割合が、12年度は事故前より増えていた。県全体も同様の傾向だった。 小児科医で「原発の危険から子どもを守る北陸医師の会」の吉田均医師(石川県)に相談したところ「(心臓の病気は)チェルノブイリのデータしかなく、不明なこと、未解決のことも多いが、小さな変化にも細かな目配りが必要」などのアドバイスを受けた。 その後、13年度以降は「全体として(事故前の水準に)落ち着いている」という。 黒沢代表は「専門家の助けを借りながら、市民の立場で監視を続けたい。データは1年か2年で市町村の保存期間が過ぎてしまう文書なので、集めて保存すること自体が大切」と話す。チェルノブイリでは事故から30年以上経っても健康影響が出ていることから「30年以上はやり続けなくてはいけない」と話し合っているという。
【震災7年】福島の避難者、故郷の窮状訴え つくば・取手で集会
2018年3月12日
【崎山勝功】東日本大震災と福島第1原発事故から丸7年を迎えた11日、県南ではつくばと取手市の2カ所で脱原発を訴える集会が開かれた。つくば市吾妻の中央公園では同日午前、「3.11から7年 さよなら原発!守ろう憲法!つくば共同アクション」が開かれ、福島県楢葉町から避難している草野巍久さん(78)=守谷市在住=が、故郷の窮状を訴えた。 草野さんは「安心安全に帰ることができる環境でないと避難解除はすべきでない。住民は避難解除になっても、元の家を更地にして別の場所にマンションを買うなど(楢葉町に)帰らない人が多い」と訴えた。その上で自身が原発事故以前に耕していた水田の様子に触れ「田んぼは7年もぶん投げているので大きな木が生えてしまい、一から開墾しないといけない」と厳しい現状を述べた。 草野さんは取材に対し「帰りたくても帰れない状況。誰のために避難解除したのか分からない。水は飲めそうにないし、自宅周囲は(除染した汚染土などの)仮置き場。具体的にどのようになれば『復興』というのか分からない」と、いまだに生活再建が進んでいない実状を話した。 同集会には約100人(主催者発表)が参加した。集会後、参加者らはつくば駅周辺をデモ行進し「東海第2原発再稼働反対」などと訴えた。参加した弁護士の鈴木裕也さん(25)=水戸市=は「原発のことも被災地のことも、他人事にしないでもっと興味を持ち、被災者に寄り添いたい」となどと語った。 主催者の山本千秋さん(77)=つくば市=によると、集会参加者数はここ数年伸び悩んでいるという。山本さんは「時間が経つと一人ひとりの原発問題についての意識が遠のいていく印象はある」と話し「この集会を継続し、行動を提起し、声を上げ続けたい」と意思を示した。 取手で200人が黙とう 同日午後には取手市新町の取手ウェルネスパークで「フクシマを忘れない3・11 STOP原発 県南総行動」(同実行委員会主催)が開かれ、参加者ら約200人(主催者発表)が、地震発生時刻の午後2時46分に黙とうし震災犠牲者を追悼した。 ステージ上ではバンド演奏に合わせて「花は咲く」「ふるさと」などの合唱や福島県の民謡「新相馬節」のステージ発表などが行われた。ステージからの「原発いらない」の掛け声に合わせて、参加者らが「原発ゼロの未来へ!」と書かれたプラカードを掲げた。 「震災当時は小学校のPTA役員をしていた」という英会話講師の加川ゆうみさん(52)=牛久市=は、小学校の卒業式で配布するクッキーを牛久市内のパン屋に受け取りに行った際、地震に遭ったと話した。クッキーは1枚も割れることなく受け取ることができたが、小学校の体育館が使用不能になったため、市内の中学校での卒業式を余儀なくされ「母校で卒業式が出来ず息子たちは泣いていた」と当時を振り返った。震災から丸7年を迎え「あれから日本は震災の教訓を生かして成長したのかと考えてしまう」と語った。 主催者の根本和彦さんは「原発事故から7年経っても故郷に帰れず苦しんでいる人が5万人以上いる。そういうことを考えれば原発は廃炉にすべき。一刻も早く政府はエネルギー政策を転換して再生可能エネルギーにかじを切るべき」と主張した。
【震災7年】犠牲者に黙とう 土浦市立図書館
2018年3月11日
【谷島英里子】東日本大震災から丸7年が経過した11日、土浦市立図書館(同市大和町)では地震発生時刻の午後2時46分に合わせ、職員や市民らが黙とうし、犠牲者に哀悼の意を表し復興を願った。 同図書館では震災7年に合わせて1日から、2階に企画コーナーを設け、震災関連図書展示」を15日まで行っている。11日は訪れた多くの利用者が手に取っていた。 同展は震災の記憶を伝え続けようと震災翌年の2012年3月から毎年行っているもの。被災者や病院の体験記録、写真集、備えや避難など防災に関する書籍38冊を並べた。子どもたちにも伝わるようにと震災関連の児童書も展示してある。 館長の入沢弘子さんは「本を通じて正しい情報を知っていただき、震災の記憶や経験を共有できれば」と話していた。 同市では、住宅3棟が全壊、43棟が半壊、3060棟が一部崩壊したなどの被害があったほか、断水などが長引く被害があった。
【震災7年】「生ある限り考え続けたい」 福島にこだわり毎年写真展
2018年3月11日
【鈴木萬里子】「日々探鳥びと」を名乗り、野鳥写真家として知られる阿見町、海老原信一さんは「生ある限り考え続けていきたい」と、東日本大震災以来、毎年3月に、福島にこだわった写真展を開いている。 つくば市二の宮の洞峰公園新都市記念館展示ホールで14日まで開催中の「鳥撮り三昧第32回写真展―七度目の三月に」では、福島県の海岸や帰還困難区域の現在の様子を伝える写真を展示している。 2011年3月11日、海老原さんは第11回写真展を同会場で開いている最中に、東日本大震災の大きな揺れを経験した。11年、11日、11回と11の並びに、巡り合わせを感じたという。 海老原さんは以前から、野鳥の撮影のためよく福島県裏磐梯に通っていた。しかし福島第1原発事故後は一時閑散としてしまった。北茨城にも通ったが、津波により美しかった海岸線は破壊され、現在は護岸工事が進み堤防が作られているという。 昨年12月、海老原さんは夫妻で福島県を訪れた。常磐道南相馬インターチェンジ(福島県南相馬市)で高速道路を下り、国道6号を双葉郡広野町まで南下するルートを走った。原発事故影響下の地域を自分の目で見てみようとの思いからだ。帰還困難区域の国道の両側に人の姿はなく、人々が息づいていた痕跡だけが残されていた。さらに南下し広野町に入ると様子は一変、人々の日常の姿に生活の響きがあり「その対比に戸惑った」と振り返る。脇道は今でも通行不可だが6号は全線開通している。海老原さんは「避けていると耳だけの情報しか入ってこない。実際に行って自分の目で見ることが大切だと思った。是非現実を見てほしい」と話した。会場の一画にはその時に撮った写真6枚が展示されている。 ほかに、野鳥の写真が、裏磐梯18点、つくば・土浦20点、その他北茨城など8点の計46点展示されている。 ◆会期は3月14日(水)まで。開館時間は午前8時30分~午後5時(最終日は3時)。入場無料。問い合わせは029・852・1432(洞峰公園管理事務所)
【震災7年】牛久駅前集会268回に 脱原発訴え5年半
2018年3月10日
【崎山勝功】JR牛久駅東口前で2012年9月から始まった、脱原発を訴える「金曜日牛久駅前反原発集会」が今月9日で通算268回目を迎えた。都内の首相官邸前脱原発集会に連動する形で毎週金曜午後6時から行われている。 集会では主に東海第2原発(東海村)の再稼働反対や廃炉などを訴える。昨年11月下旬には子ども連れの主婦(32)=つくばみらい市在住=が飛び入り参加するなど、常時20人前後の市民が集まっている。 「震災当時は守谷市に住んでいた」という主婦は、「当時は放射能の知識が無かったけれど、夫から『茨城にいたら危ない』と言われ、親せきのいる(東京都)八王子市に3週間逃げた。それがきっかけで放射能の影響を調べるようになった」と話した。子どもの習い事で牛久駅前を通るので、以前から気になっていた集会に飛び入り参加したという。 主催者の森川辰夫さん(82)=牛久市=は、福島第1原発事故が発生したので、東海第2原発は2~3年で廃炉になると期待していたという。だが「今晩(3月9日)で268回目。集会を100回やれば済むと思っていたのに長引いてしまった。予想外だった」と事故から7年を振り返った。 その上で、今年で運転開始から40年を迎える東海第2原発の再稼働問題について、「再稼働は経営的に無理だろう」との思いを話した。理由として立憲民主党や共産党など野党4党が共同で国会に提出した「原発ゼロ法案」の存在や、東海第2原発から半径30km圏内の避難計画が整備できていないことなどを挙げ「大井川知事はそんなリスクを負う人ではない」と期待を寄せる。 県内では、取手駅前(西口と東口で交互に開催)でも脱原発金曜集会が現在も続けられている。主催者の「くらしと平和を守るネットワーク取手」事務局の根本和彦さん(64)は、昨年の県知事選投票所のNHK出口調査で有権者の76%が「東海第2原発の再稼働反対」と答えたことを挙げ「県民世論は『東海第2原発は再稼働すべきではない』が圧倒的。取手はホットスポットになったという点でも(再稼働に)市民は不安を持っている」と話した。
【震災7年】 消えたキーワード「放射性物質」
2018年3月9日
【鈴木宏子】「放射性物質については、一つの分科会のキーワードに明示する方向で議論しております」。10月に、つくば国際会議場で開かれる第17回世界湖沼会議に関して、主催者の県が2017年3月9日付けで環境保護団体、NPOアサザ基金(牛久市、飯島博代表)に出した回答だ。しかしその後発表された9つの分科会のキーワードに「放射性物質」の文字は無かった。 もう一人の主催者、国際湖沼環境委員会も16年12月28日付けで同NPOに同様の回答をしていた。「放射性物質については一つの分科会のキーワードに明示する方向で議論が行われております。東日本地域での湖沼では、原発事故による放射性物質についての調査研究が多く行われていることから、これらについての発表は基本計画等で示される枠組みの中で行うことができるものと考えております」。 分科会のキーワードどころか「発表されている同会議の開催案内書のどこにも放射性物質の文字が一切見られない」などとして、同NPOは2月13日と15日、県と国際湖沼環境委員会にそれぞれ要望と質問書を提出した。 飯島代表は「世界中の人が福島原発事故に衝撃を受け、経過を注視してきた。原発事故は霞ケ浦を始め東日本の湖沼に影響を及ぼした」とし、「今回の湖沼会議は原発事故の影響を受けた地域で初めての開催となる。原子力災害や放射性物質の文言が一切無いとしたら、かえって不自然で、都合が悪いから意図的に議論を避けたと解釈されてしまう恐れがある」と指摘する。 その上で「事故直後に水環境を保全するために行政はどのような対策をとったのか、霞ケ浦や流入河川のモニタリング手法は適切だったのか、今後霞ケ浦をどう管理していくのかなど、湖沼会議は教訓を共有する場として開催されるべきで、きちんと議論することが行政や研究者の姿勢を世界に示すことになる」と強調する。 これに対し、主催者の県環境対策課・世界湖沼会議実行委員会事務局は「専門委員会の中で先生方に議論していただいた結果、分科会の文言(キーワード)そのものには明示しなかった。しかし放射性物質を取り上げないということではなく、第5分科会(流域活動と物質循環)の化学物質というキーワードの中で討議したい」としている。 湖内はほぼ横ばい 霞ケ浦の放射性物質は現在どういう状態なのか。環境省と県が昨年11、12月に実施した最新の霞ケ浦と流入河川の放射性物質モニタリング調査結果によると、霞ケ浦湖内8地点の放射性セシウムは底泥1㎏当たり50~350ベクレル(最大地点は西浦・玉造沖)、平均は304ベクレルとほぼ横ばい傾向、流入河川56河川は不検出~649ベクレル(最大は土浦市の備前川)、平均は157ベクレルと減少傾向で推移している。 アサザ基金は、事故翌年の2012年3月から15年3月まで年2回、独自に霞ケ浦・北浦に流入する56河川で放射性セシウムを調査した。特に備前川、新川、小野川、清明川では数百m間隔できめ細かく調査し、流入河川にたまった放射性セシウムが霞ケ浦に流れ込んでいった実態を明らかにした。10月の世界湖沼会議では、これまでの調査をもとに「原子力災害と湖沼環境」について発表したい意向だ。
ゲーム通しつくば駅前に交流空間 筑波大生が月1回開催
2018年3月8日
【鈴木宏子】ゲーム好きの筑波大生が、つくば駅前に新たな交流空間を出現させている。駅前の商業施設BiViつくば2階の交流サロンで月1回開かれているゲーム会だ。まちなかの一角が、見知らぬ人同士、テーブルを囲んでカードゲームなどに興じる空間になる。 筑波大生4人でつくる「つくばテーブルゲーム=メモ=交流協会」が毎月1回、最終土曜日の午前10時30分から午後8時30分まで開催している。参加者は、会場の8つの丸テーブルを囲んで、居合わせた人とカードなどを使ったゲームを楽しむ。毎回40~50人が集まりテーブルはすぐに満杯になる。子ども連れの参加者もいて、市内のほか、水戸、鹿嶋市などからも集まる。 「10年後につくばをテーブルゲームのまちにしたい」と、代表を務める人文・文化学群比較文化学類4年、高野大さん(22)さんが、理工学学群・工学システム学類3年、亀沢和史さん(21)や人文・文化学群比較文化学類3年、福田哲郎さん(22)さんらに呼び掛けて2016年12月に発足させた。 「ルールが簡単なのでだれでもすぐに始められるし、初対面でも楽しめる。子供も、学生も、社会人も一緒に楽しめるし、留学生など日本語がうまくしゃべれない人とも遊べる」と福田さんはいう。 「つくばはいろいろな人が移り住んで、出てゆくまちなので、ゲームを通して人と人が出会えれば」と高野さん。「テーブルゲームはつくばのまちの特性を生かせる魅力的なコミュニケーションツールになる」と強調する。 カードやボードを使ったゲームは100種類ほどあり、自宅からゲームを持参したり、新しいゲームを考案する参加者もいるという。 ほかに同大近くのコワーキングスペース(事務所スペース)「つくばプレイスラボ」や、同大留学生らの宿舎「グローバルビレッジ」などでも開催。市内各所で年間40回ほど開いているという。3月17日にはカスミのフードスクエア学園店(つくば市竹園2丁目)の飲食ができるイートインスペースで初めてゲーム会を開く予定だ。 「将来、銀行や郵便局、病院などの待合室にもテーブルゲームが置いてあって、待ち時間にだれでも楽しめるようなまちになったらうれしい」と高野さんは話す。 ※メモ 【テーブルゲーム】参加者がテーブルを囲んで行うゲームの総称で、トランプや絵札などを使ったカードゲームや、盤と駒を使ったすごろくなどのボードゲームなどがある。
障害者らアートへの情熱発信 チャレンジフェス つくば
2018年3月7日
【鈴木萬里子】障がいがある人の絵画や造形作品などを展示し、芸術活動を発信する「第17回チャレンジアートフェスティバルinつくば」の作品展示が6日から県つくば美術館(つくば市吾妻)で始まった。市内28カ所の社会福祉団体による、個人や共同制作作品が広い会場を埋め尽くしている。 立体造形「おばけの森」(NPO法人にっこりの森)のゾンビやカラフルお化けなどは、みんなで楽しんで考え出した。古屋正太郎さんの墨絵「流れ」(アートクラブふぉれすと)は第21回「国際現代」水墨画展こどもの部金賞受賞作品。単色なのにカラー以上の迫力で強く迫ってくる。このほか貼り絵、手芸、習字、ちぎり絵など作品は多岐にわたる。つくば市の友好都市、東京都荒川区から特別参加の絵画も展示されている。 6日のオープニングイベントでは、子育て仲間の友人らで結成した「たけとんぼ」によるミニコンサートが催され、来場者らは演奏に合わせて合唱を楽しんだ。ワークショップ「ペーパーフレームをつくろう!」では講師の伊藤三千代さんの指導で額縁が出来上がった。 社会福祉法人関係者の女性は「この展覧会は障がいのある人が自分を表現できる場となっている。施設の日々の活動の中で作り上げた作品、アートに向ける情熱を感じてほしい」と話した。来場者の女性は「どれも素晴らしい作品ばかり。障がい者、健常者とくくるのではなく、芸術性で見たいですね」と絶賛していた。 主催者で同実行委員会の笹本健一委員長は「素晴らしい作品が多い。関係者だけではなく一般の人にも是非足を運んで見てほしい。障がいのある人とない人が共生する社会への意識を高めて、より素晴らしいまちにしていきたい」と話した。一部の作品は5月頃、常磐道谷田部東パーキングエリアで展示される予定だ。 ◆会期は3月11日(日)まで。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は3時)。入場無料。問い合わせは029・883・1111(つくば市障害福祉課)
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