月曜日, 3月 1, 2021
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議会から違和感相次ぐ「市民活動よりオフィスに重点?」 つくばセンタービル改修

【鈴木宏子】つくば市中心市街地活性化の担い手として、同市が来春設立予定のまちづくり会社(地域運営会社)と、同まちづくり会社がつくばセンタービル1階アイアイモール部分と4階吾妻交流センターを改修して貸しオフィスとして運営する事業計画について、五十嵐立青市長は25日、市議会12月議会閉会後開かれた議会全員協議会で説明した。 議会からは、4日にようやく示された、つくばイノベーションプラザ部分1~3階を新たな市民活動拠点にするというリニューアル計画と合わせて「市民活動よりオフィスの比率が大きいと感じる」「高齢者、障害者、中高生など、幅広い世代や多様な市民が集える場なのか」「日本エスコンが開発する商業・業務の複合施設クレオとの連携を図るべき」「磯崎新氏の思想が込められた建築にエスカレーターはいるのか」などの意見が相次いだ。 一方、市が当初検討していた、市所有の地下駐車場と1階アイアイモールの床の区分所有権を、まちづくり会社にあげて現物出資する案について五十嵐市長は、現物出資と賃貸を比較した結果、賃貸することが望ましいとした。現物出資に対しては、12月議会一般質問でも、まちづくり会社が破綻したらどうなるのかという懸念が出ていた。五十嵐市長は「破綻した場合(地下駐車場と1階アイアイモールの)区画がつくば市のものから第3者にわたる可能性があるため」だとした。 議会での説明によると、1階アイアイモール2500平方メートルには、シェアオフィス約1300平方メートルとコワーキングスペース約400平方メートルが整備される。改修費は約2億7300万円で、来春設立される地域運営会社が改修工事をし、利用料をとって貸しオフィスを運営する。吾妻交流センター部分もシェアオフィスにする計画だが、センタービル内の他の場所と等価交換する場合もある。 シェアオフィスの利用料は1坪(3.3平方メートル)月額1万3000円、コワーキングは1人月額1万3000円で貸し出し、5年目の想定として、シェアオフィスは9割、コワーキングは個人40人、法人20社強が利用し、貸しオフィスの利用料収入と駐車場利用料収入として年間約1億1500万円の賃料収入を想定しているとした。 まちづくり会社7つのプロジェクト

つくば市のLIGHTzなど2社 ジェトロ事業に採択

【山崎実】日本貿易振興機構(ジェトロ)茨城は、海外サプライチェーン(供給連鎖)多元化支援事業に、県内からつくば市のAI企業、LIGHTz(ライツ、乙部信吾社長、つくば研究支援センター内)と、小美玉市のヨコハマモールドの2事業者を採択したと発表した。 この事業は、新型コロナ感染拡大に伴い、国内サプライチェーンの脆弱(ぜいじゃく)さが顕在化したことから、アジア地域における生産多元化などにより分断リスクを低減し、持続可能な供給体制を確立すると共に、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)の経済産業協力関係を強化するのが目的。 具体的には、ASEANなどの地域で、海外生産拠点の多元化を図るため、設備導入補助、実証事業、事業実施可能性調査の3つの事業に係る経費の一部を補助する。公募により採択事業を決定した。 つくば市のLIGHTzは第2回公募に申請、64件から21件が採択された。タイで、ものづくりに関する熟達者思考AI(人工知能)を活用したサプライチェーン高度化の実施可能性調査を行う。小美玉市のヨコハマモールドは、第3回公募(設備導入補助型)採択30件の1つ。タイでタイヤ生産用金型の整備導入補助を受ける。 新型コロナのASEANサプライチェーン強靭(きょうじん)化プロジェクトに、県内事業者2社が採択されたことは、産業振興だけでなく、企業の海外進出活動の面からも期待されている。

県内農家2割減 7割が65歳以上 農業センサス

【山崎実】県統計課は、5年に1度の2020年農業センサスの概数値(速報)を発表した。県内の農家数は5年前に比べ18.1%(1万5898戸)減少していることが分かった。 県内の農家数は7万1780戸。うち経営耕地面積が30アール以上で年間販売額が50万円以上あった販売農家数は4万3939戸で、5年前より23.2%減少した。面積が30アール未満で販売額が50万円未満の自給的農家数は2万7841戸で、8.5%減少した。 一方、県内の農林業経営体数は4万4978経営体で、5年前に比べ22.6%減少した。うち農業経営体数は、4万4852経営体で、前回調査に続いて全国1位となったが、22.7%減少した。林業経営体数は396経営体となり、前回から68.7%減少した。 農業経営体のうち、個人経営は4万4010経営体で、前回から23.1%(1万3207経営体)減少したが、団体経営体は842経営体で9.1%(70経営)増加したのが特徴だ。団体のうち、法人経営は769経営体で全国9位(前回調査は12位)となった。 団体経営体数の増加は、農業経営の規模拡大に直結しており、経営耕地面積10万6916ヘクタールの規模別経営体数をみると、前回に比べ10ヘクタール以上の層で増加した。農産物の販売金額規模別でも3000万円以上の層が増加している。 これに比べ、個人経営体の自営農家従事者は5万7430人と、前回から25%(1万9149人)減少した。加えて65歳以上の農業従事者の占める割合は69.8%と全体の約7割に達し、高齢化農業の実態を浮き彫りにしている。

100年前の木桶のたが締め直す 土浦 柴沼醤油

【伊藤悦子】昔ながらの木桶(おけ)にこだわる柴沼醤油醸造(土浦市虫掛、柴沼和代社長)で、26本のしょうゆ桶のたがを締め直す作業が14日から16日まで3日間にわたって行われている。木桶が造られた大正時代以来、100年ぶりに締め直したたがもある。 たがは桶の周囲に巻いて緩まないようにする輪。今年の9月15日、1920(大正9)年に建てられたしょうゆ蔵「辰巳蔵」の桶のうち1本の底が抜け、しょうゆが漏れてしまった。通常は5年から10年ごとに桶職人が来社してたがを締め直していたが、桶と桶の間が狭く人が入れないなどの理由で、建造以来、締め直すことができなかった桶があった。 辰巳蔵には60石(約1万リットル)の木桶10本と、30石(約5400リットル)16本の計26本がある。 しょうゆは原料の大豆、小麦、塩を原料に、こうじ菌を加えて、もろみをつくり、木桶に移して発酵させる。木桶では、蔵や桶にすみついている100種類に及ぶさまざまな菌が発酵を促進させる。 一方、木桶醸造は微生物の管理が難しいことから、安定して大量に仕込めるタンクを使用する業者が増え、桶を作ることができる職人が少なくなった。 柴沼醤油でも、これまで桶の管理を依頼していた千葉県野田市の製桶所が廃業してしまった。今回は、大きな桶を作る製桶所としては国内唯一といわれる大阪府堺市の藤井製桶所に依頼し、社長で桶職人の上芝雄史さん(70)が駆け付けてくれた。

「農業の魅力を伝えたい」 JA水郷つくば大使に安達勇人さん

【伊藤悦子】いばらき大使で俳優、声優として活躍中の安達勇人さんが、JA水郷つくば大使に任命された。8日、土浦市田中の同JA営農経済事業本部で任命式が行われ、今後はレンコンをはじめとした生産物のPR役を担う。 安達さんは桜川市生まれ。畑と田んぼ、山に囲まれて育ったという。土に触れる大切さを伝えたいと、ファンと農業体験ツアーや畑を主役としたイベントも開催している。 今年は新型コロナ感染拡大の影響で、ツアーがすべて中止になったが、茨城を盛り上げようと、軽トラックの荷台に乗って、県内の畑や田んぼなどを会場にする野外ライブを行った。 安達さんは「名誉ある大使に任命されてうれしい。農業体験型のPRや、農家や販売している人たちを主役にしたPRで農業の魅力を伝えたい。地域密着のマーケットも作れたら」とし、「任命されたからには安達勇人にしかできないことをやる。自分が持っているものを全部出して、JA水郷つくばの方たちと協力してやっていきたい」と抱負を語った。 池田正組合長は「大使をお願いしたのは、人気があるから、かっこいいからだけではない。農業が大好き、レンコン大好き、軽トラックの荷台でライブをするなど、農業と密接な人。人柄も含めてJA水郷つくばとマッチングできると思った」という。「JAには食料自給率を高め、農産物をしっかり提供する使命がある。安達さんの力を借りて進めていきたい。軽トラックのライブもJAの広場でやってもらえたら」と期待を込めた。 農業と同じように長く続けてほしいという趣旨から、大使の任期は特に定めていないという。安達さんは「おじいさんになってもやっていたい」と意気込みを語った。

第1回大賞に医療相談アプリ「リーバー」 いばらきイノベーションアワード

【山崎実】今年度、県が創設した「いばらきイノベーションアワード」の大賞に、つくば市のベンチャー企業、リーバー(伊藤俊一郎社長)の医療相談アプリ「リーバー」が選ばれた。優秀賞には同じくつくば市のアークメディスン(田中圭悟社長)の新薬候補化合物の提供技術と、古河市のロックガレッジ(岩倉大輔社長)のドローンAIシステムが選ばれた。 つくば開催のシンポジウムで紹介 21日につくば国際会議場(つくば市竹園)で開かれる「Soiety(ソサエティ)5.0シンポジウム」で受賞者が紹介され、製品・サービスが展示される。大賞のリーバーには賞金100万円が授与された。 イノベーションアワードは、先端技術を活用した新製品、新サービスを表彰することで、より一層の製品化や、地域経済を支える新産業の成長、促進を図るのが目的。県内企業が概ね3年以内に発売した製品やサービスなどが対象となる。 公募には26件の応募があり、外部有識者などによる審査の結果、大賞と優秀賞が選ばれた。 大賞、優秀賞の新製品・新サービスの主な内容は以下の通り。

コロナ禍、資金供給最大に 筑波銀行中間決算

【鈴木宏子】筑波銀行(本店 ・土浦市、生田雅彦頭取)は13日、2021年3月期第2四半期決算を発表した。新型コロナに見舞われた半年間(20年4~9月)について、中小企業への貸出金が前年度末と比べ501億円増加するなど、預金、貸出金ともに中間期ベースの1年間の増加額としては、同行誕生(2010年)以来、最大となった。 預金は、個人の特別定額給付金(1人10万円)の入金のほか、地元中小企業の手元資金確保などにより大幅に増加し、前年度末比1427億円増の2兆3944億円になった。貸出金は、コロナ関連融資に力を注いだ結果、中小企業貸出金が前年度末比501億円増の7021億円、貸出金全体でも同比621億円増の1兆7478円となった。 貸出金は業種に関係なく万遍なく増えているという。一方、コロナ倒産は現時点で限定的だとしている。 生田頭取は「第1フェーズが(地元中小企業への)資金供給だとすると、資金供給のピークは過ぎた。これから第2フェーズとなる」とし、「これだけ膨らんだ融資を(企業は)今後、返済しなくてはいけないが、(収益が)元に戻っただけでは返済できない。元に戻して、プラスアルファの超過収益を得るためにどうしていけばいいかを一緒に考えないといけない」「販路拡大、業態転換、事業継承支援など、超過収益が得られるようビジネスモデルをつくらないといけない。できることはたくさんあるので、いろいろな手段を使いながらお客さんと向き合っていきたい」などと話した。 第2四半期の業績(連結)は、銀行本来の業務の収支である業務粗利益は、投資販売手数料や法人関連手数料の増加により役務取引利益は増加したが、有価証券利息配当金の減少により資金利益が減少したことなどから前年同期比12億2500万円減の141億800万円となった。 銀行の通常の活動から生じた利益を表す経常利益は、営業経費や与信関係費用の減少に加え、株式関係損益も改善したが、業務粗利益の減少により、前年度期比5700万円減の13億6500万円となった。

採石現場「石切山脈」へのプレミアムツアー 笠間に14日お目見え

【相澤冬樹】筑波山地域ジオパーク構成5市のひとつ笠間市に、地質年代的には6000万年以上、地表に表れてからでも120年以上という稲田石の採石現場「石切山脈」をめぐるツアーが、14日お目見えする。「茨城のグランドキャニオン」「地図にない湖」などとSNSで話題になったわが国最大級の採石現場を、専用ガイドと車でめぐる「プレミアムツアー」などが用意された。 ツアーは、現地で高級石材「稲田白御影石(稲田石)」の産出を行っている想石(そうせき、笠間市稲田、川畑真彦社長)が、新たに観光事業会社「U-A」社を立ち上げ、笠間名産の栗を使ったモンブランを石臼コーヒーで味わえるカフェの営業と合わせ、同日午前9時スタートする。 白い岩肌が染み出る水や雨水によって黒くすだれ状に変色した奥山の石屏風 稲田石は白い石肌が特徴の花崗岩で、日本橋や東京駅、国会議事堂など全国有数の建造物に使われてきた。その岩石帯は東西約10キロ、南北約5キロ、地下1.5キロに及び、日本最大という。露天掘りによる採掘は1899(明治32)年から始まり、岩肌が石屏風のように切り立つ威容から「石切山脈」の名がつくようになった。 想石社によれば前山と奥山の2カ所にある採石場のうち、良質の石が採れなくなった前山では2014年に操業を止めた。その跡地に貯まった水が「地図にない湖」を作り、今では水深16メートルにもなっている。断崖から見下ろし撮影した景色などがSNSを通じ紹介され、話題になった。 筑波山地域ジオパークの活動では生産現場が除外されるため、奥山での操業を続けている石切山脈はジオサイトに登録されてはいないが、2019年には見学に約2万人が訪れた。同社では独自に、観光事業会社を立ち上げ、有料化して紹介の充実を図った。プレミアムツアーに同行するガイドとして、地元青年会議所や商工会青年部のメンバーが協力する。

霞ケ浦の経済価値年間1217億円 世界の湖沼・河川の4倍高い

【相澤冬樹】霞ケ浦から得られる⾃然の恵み(⽣態系サービス)を経済的価値で見積もると、少なくとも年間1217億円に及び、単位⾯積当たりの試算では、世界の湖沼・河川の平均的な価値の約 4 倍⾼い-とする研究成果が10日、報告された。 経済評価は、国⽴環境研究所(つくば市)⽣物・⽣態系環境研究センター、県霞ケ浦環境科学センター(土浦市)、いであ(神奈川県横浜市)国⼟環境研究所の共同研究チームにより行われた。個別の湖沼を対象に、多様な⽣態系サービスの価値評価を統合的に⾏った研究は国内では初めてという。 複数の経済学的な評価⼿法を⽤いて、⽣態系から提供される価値を多⾯的に評価した。霞ケ浦の⽣態系サービスを供給・調整・⽂化的・基盤の4つに分類し、計25項⽬の指標を整理した。1945年から2018年までの各指標の推移をまとめたのが下表だ。 霞ケ浦の⽣態系サービスの指標の推移と経済価値 主に農産物や取⽔、洪⽔調節、環境学習、観光帆引き船など⼈間活動を豊かにする項⽬で増加したが、漁獲や養殖、⽔辺遊び、⿂種や植物など⽣物多様性や⼈々が霞ケ浦と触れ合うような項⽬では減少していた。経済的な価値で最も⾼かったのは洪⽔調節で、堤防整備や常陸川⽔⾨の設置等の⼈⼯資本の投⼊によってサービスが強化された結果とみられる。

土浦・ほっとONEにホットな足湯 月例で「マルシェ」開催へ

【伊藤悦子】土浦市川口・モール505のまちなか交流ステーション「ほっとOne(ワン)」で31日、月例イベントの「マルシェ」がスタートする。ハロウィン開催の今回は、仮装で来場するともれなくプレゼントがもらえるほか、毎回ホットな「足湯」がいただけるというお楽しみ付きだ。 ほっとOneマルシェは、JA水郷つくばによる朝採り野菜の移動販売はじめ、カレーやれんこんおろしそば、ポップコーンなど飲食店の出店がある。施設前の広場では紙芝居や音楽ライブも開かれ、Vチャンネルいばらきで配信される。入場は無料。 「足をのばしてほしい」 マルシェの目玉は「足湯」。ラクスマリーナ(同市川口)から移動式足湯を毎回持ってくる。ほっとOneの菅谷博樹さんによれば「モール505ができたのは、つくばで科学万博が開催された1985(昭和60)年のこと。35年がたち、店舗もテナントも減り、訪れる人も少なくなった。やっぱり魅力がないと人は来ない」と6人のスタッフとアイデアを出し合い、イベントでは珍しい足湯はどうかと考えたそうだ。 ラクスマリーナには地下700メートルから湧き出る「霞ケ浦温泉」があり、移動式足湯の設備があることから、協力を呼び掛けると快諾してもらえたという。“入浴”の前には検温のほか、足のアルコール消毒までして感染予防を徹底するそうだ。 11月以降の日取りと内容は未定だが、月例開催と足湯企画は決まっている。「サイクリングのお客様たなど観光客や市民の方がたに足をのばしていただき、楽しく触れ合ってもらえれば」とアピールしている。

つくばワイン特区第1号のワイナリー稼働 進む醸造横目に土壌チェック

【相澤冬樹】農地所有適格法人株式会社の看板のあるヴィンヤード(Vineyard、ブドウ農園)で育ったブドウは10月、すべての収穫を終え、果実酒醸造免許の交付を受けて醸造所の看板を掲げたワイナリー(Winery)での初仕込みを済ませた。ほぼ一人で切り盛りするTsukuba Vineyard(つくばヴィンヤード、つくば市栗原)代表の高橋学さん(65)は息つく間もなく、枝葉の剪定(せんてい)と土づくりに取り掛かった。ワイン造りの正念場である。 11月中旬にも初出荷 「ワイン・フルーツ酒特区」に認定されたつくば市で第1号となるワイナリー。酒類の製造免許を申請する際の最低製造数量の基準が6000リットルから2000リットルに緩和され、「つくば産ワイン」と銘打って販売できる。(19年度産から販売を始めたカドヤカンパニーのワイナリーは特区制度に拠らない) 高橋さんが、栗原地区の再生された耕作放棄地約7000平方メートルを借りたのは2014年のこと。産業技術総合研究所(つくば市)で岩石や岩盤の力学試験などに携わっていたが、農地の土壌研究とは無縁、ことさらワイン党でもなかった。「定年後の生き方を探していた時、故郷の北海道を訪れ、ブドウ栽培とワイン醸造をしている農家を見学した」のがきっかけでワインづくりを学んだ。 最初は1000平方メートルの農地に「プティマンサン」という品種の苗150本を植え栽培をスタート、6年目のことしまでに約2.3ヘクタールに拡大した。15種類のブドウを栽培し、つくばの気候と土壌に合った品種を模索してきた。これまで醸造は筑西市の酒造会社に、販売はつくば市の地酒専門店に委託していたが、ようやく2000リットルの生産にめどが立ち、自前のワイナリー「栗原醸造所」を設置した。

プカプカ「水に浮く」耐水害住宅 メーカーがつくばで実証実験

【相澤冬樹】浮かぶなら浮かしてしまえ-と逆転の発想で、洪水時の浮力対策を講じた耐水害住宅の実証実験が13日、防災科学技術研究所(つくば市天王台、林春男理事長)で行われた。大型降雨実験施設の水槽に一条工務店(東京、岩田直樹社長)が新機軸の「水に浮く」木造住宅を設置、水位3メートルの洪水状態を再現して、住宅性能をチェックした。係留装置でつながれた住宅は地面から1.5メートル前後浮かび上がり、浸水、逆流、水没や浮上に伴う被害は見られなかった。 水位1.4メートルで浮き上がる 今回の実験では降雨設備を封印し、浸水対策を施した木造住宅と施していない住宅の2棟を水槽に設置し、6基の水流ポンプで約1500トンを注水した。2棟の2階建て住宅から各種計測データや動画を収集した。流速は洪水時の勢いを想定して最大秒速3メートル。水位3メートルに達するまで約1時間半かかった。 耐水害住宅は基礎が二重構造となっており、べた基礎から上部が浮き上がる。四隅に係留装置を配し、復元装置付きのワイヤなどで住宅をつなぎとめる。水の引いた後の着地対策も施したほか、電気の引き込み線や水道管などの接続にも工夫をした。 実験では予想通り、水位が1.4メートルに達したあたりで基礎が外れ、プカプカ揺れながら「船のように」浮上を続けた。比較対照の1棟は早々に床下浸水から1階部分が水没、停電したのに対し、モニターで見る限り耐水害住宅に被害はなかった。 同社の耐水害住宅は、1年前にも同施設で実験を行った(19年10月2日付)。床下換気口や排水溝にフロート弁を設けるなどして床下浸水に備え、外壁のサイディングやサッシガラスなどを強化仕様として床上浸水を防いだ。

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グランプリは「KA.TA.MI」 つくば短編映画祭

【池田充雄】つくばからの文化発信と次世代の才能発掘を目指したムービーフェスティバル「つくばショートムービーコンペティション2021」(つくば市、筑波学院大など主催)の審査結果が2月27日発表された。10分以内の短編映像が対象となるグランプリには「KA.TA.MI(カタミ)」(監督・脚本・編集/タイム涼介)が選ばれ、賞金10万円と副賞を獲得した。8回目となる今回は計148作品の応募があった。 受賞作の「KA.TA.MI」は、新人女優が映画のオーディションに挑み、審査員の発する「言葉の銃弾」にさらされるが、大切な人たちからもらった「言葉の形見」に守られ、審査を乗り切るという話。互いに言葉の銃弾を撃ち合うシーンや、形見の品が銃弾を弾き返すシーンなどの、斬新な特殊撮影も見どころの一つだ。 制作者のタイム涼介さんは映像作家であると同時に「日直番長」「セブンティウイザン」などの作品で知られる漫画家でもある。今回の受賞については自身のツイッターで「中村義洋監督のコメントに感涙しました! コロナ禍においての私たちなりの作品作りをご理解いただきこんなにうれしいことはありません! ありがとうございました!」とコメントしている。 「コロナと正面きって向き合う」 審査員長の中村義洋さん(映画監督)は受賞作について「この作品の面白さは時間・空間を行き来するところ。コロナ禍になって窮屈な世の中だからこそ、そういう自由自在なものを、自分自身が見たかったんだなあと思った。このコンペティションでは毎年、やりたいことをやってほしいとずっと言ってきた。コロナはあるが、それとは別に自分のやりたいことがある。それで正解じゃないか。自分のこの1年の仕事を達観できるような感想を持てて、感謝したいくらい」と総評で述べた。

【震災10年】1 つくばで100年の歴史をつなぐ 原田功二さん

東日本大震災から10年を迎える。福島原発事故から避難し、つくば、土浦で生活を再建しようとしている6人に話を聞いた。 【柴田大輔】「浪江に住み続けたい」と誰もがそう思える街をつくりたかった。震災は、原田功二さん(44)らが未来を見据えた街づくりの最中に起きた。 つくば市学園の森の新興住宅地に、元・浪江町商工会青年部長の原田さんは眼鏡店「グラン・グラス」を2018年にオープンさせた。真新しい店内だ。 グラン・グラス店内=つくば市学園の森3-10-2 地域おこしのさなかに起きた

《吾妻カガミ》101 つくば市長の名誉毀損提訴を笑う

【コラム・坂本栄】つくば市長の五十嵐さんが、期間を限って発行されたミニ無料新聞に市長としての名誉を傷付けられたと、その発行人を名誉毀損(きそん)で裁判所に訴えました。1期目の市政を批判されて面白くなかったのでしょうが、五十嵐さんには、関連する記事に対し自分の後援会紙などで反論する機会があったのに、言論に対し言論で対抗しないで司法の場に持ち込むとは…と、思わず笑いました。 言論による名誉毀損には言論で対抗すべき 五十嵐さんの訴えは、昨秋の市長選挙の前(6月~8月)、ミニ新聞の記事(計3号中の22箇所)によって、市長としての評価を傷付けられたから、その損害(130万円)を賠償せよという内容です。訴えられたのは、元つくば市議で「つくば市民の声新聞」発行人の亀山大二郎さん。提訴の概要や亀山さんのコメントは、本サイトの記事(2月17日掲載)をご覧ください。 この無料紙第1号については、本コラム「紙爆弾戦開始 つくば市長選」(昨年7月20日掲載)でも取り上げ、「五十嵐市長の2大失政(運動公園問題の後処理の不手際、つくば駅前ビル再生計画の失敗)などのリポートを掲載、現市長にマイナス点を付けました」と紹介しました。「権力の監視」を編集方針の柱の一つに掲げる本サイトとしても、シンパシー(共感)を覚えたからです。 提訴の話が耳に入ったとき、知り合いの弁護士に名誉毀損のポイントを解説してもらいました。彼によると、「言論による名誉毀損にはまず言論で対抗すべき」という法理論があるそうです。これには「相手に対し対等で反論が可能であれば」との前提が付くそうですが、五十嵐さんは、後援会紙、SNS、記者説明などで反論できたわけですから、発信力は対等どころか、ミニ新聞よりも優位にありました。 そこで、五十嵐さん後援会紙「Activity...

ロボッツ、佐賀に連勝「シーズンベストの守備」

【池田充雄】男子プロバスケットボールB2リーグの茨城ロボッツは27、28日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナで、西地区の佐賀バルーナーズと2連戦し、27日は101対93、28日は74対59で連勝した。茨城の現在の成績は29勝12敗、勝率7割7厘で東地区2位。レギュラーシーズンの残り試合数は20で、プレーオフ進出マジックは10。 2020-21 B2リーグ第43戦(28日、つくばカピオアリーナ)茨城 74-59 佐賀茨 城 |18|15|17|24|=74佐 賀 |14| 9|17|19|=59 第4Q、平尾のドライブからのレイアップシュート(同) 前日は終盤まで激しい点の取り合いだったのに対し、この日は一転してロースコアのゲームとなった。要因は、互いに昨日の結果を受けて守備の改善を図ったこと。茨城は、相手のガードの選手によるドライブやピック&ロールに注意し、高いプレスで陣形を崩さず守りきることに成功。外からの攻撃に対しても隙を見せることなく「相手の得点源を抑え、シーズンベストの守備で結果を残せた」とリチャード・クレスマンヘッドコーチ(HC)は胸を張った。