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つくば市職員が酒気帯び運転で検挙 停職5カ月の懲戒処分

【鈴木宏子】つくば市は16日、酒気帯びで乗用車を運転したとして、こども部幼児保育課主事の男性職員(24)を、同日付けで停職5カ月の懲戒処分にしたと発表した。 市人事課によると、男性職員は今月2日、同課の新入職員歓迎会に出席し、その後有志6人による2次会に参加、お開きになった午後11時30分ごろ、市役所の職員駐車場に停めてあった自家用車で1~2時間、仮眠をとった。 目が覚め、自家用車を運転して帰宅しようとしたところ、3日午前1時28分、同市天久保2丁目の天久保公園近くで、巡回中のパトカーに停止を求められ、酒気帯び運転で検挙された。 職員は1次会でビールやハイボール計4杯ほどを飲んだ。2次会ではハイボールに口を付けた程度だったという。市の調査に対し、職員は「仮眠をとり気分がすっきりしたと思い込んだ」などと話し、酒気帯び運転を認めているという。 1次会には課長らが出席していたが、2次会は管理職は参加しなかった。 市は、管理監督責任があったとして、こども部長と同次長を口頭で厳重注意、幼児保育課長と同課長補佐を文書による厳重注意処分とした。 ほかに、7月31日午後10時10分ごろ、同市上横場の県道で、市生活環境部次長の男性職員(56)が、飲食店駐車場から片側3車線の道路に右折で出る際、右から来たバイクと衝突した事故で、相手方が全治3カ月以上の重傷となっていることから、市は16日付けで、同次長を給料1カ月分に付き減給10分の1の処分とした。 五十嵐立青市長は「市の職員が市民の信頼を裏切り、多大なる迷惑を掛け、心からお詫びします。今後、再発防止に万全を期し、市民の不信を招く行為を厳に慎むよう、綱紀の保持を徹底させます」とするコメントを発表した。

農業テーマパーク、芸術活動拠点など提案 筑波地区の廃校利活用 つくば市

【鈴木宏子】廃校になったつくば市筑波地区の小中学校跡地10校の利活用について、地域住民と市担当課の意見交換会が14日から18日まで同地区9カ所で開かれている。具体的な利活用案について市側から、旧筑波東中学校(北条)跡地にファーマーズビレッジの誘致とジオパーク拠点施設設置、旧田水山小(水守)跡地に文化芸術活動拠点施設整備、旧小田小(小田)跡地を文化財収蔵施設として利用する案などの提案があった。 10校のうち9校は今年4月、7小学校と2中学校が統廃合され、市立秀峰筑波義務教育学校(同市北条)が開校したのに伴って廃校となった。すでに2013年3月に廃校となった1校を含め計10校の利活用について今年度から市の検討が始まっている。今回は市役所内の各課と市民、民間事業者から要望や意見を集め、実現可能性などを検討した結果について、地域住民に示された。 旧東中のファーマーズビレッジは、民間事業者を誘致して、イノシシなど野生動物の食肉や地場産物を食材にしたレストラン、スイーツやワインを提供するカフェ、農産物加工施設、体験型施設などつくり、農業のテーマパークにしようという構想。併せて教室棟の一部を利用し、筑波山地域ジオパークに関する情報を提供して各ジオサイト巡りの拠点となるジオパーク拠点施設を設置する案が示された。 旧田水山小の文化芸術活動拠点施設は、教室や体育館、グラウンドなど廃校全体を活用して、アトリエ、スタジオなどをつくり、作家と市民が芸術活動に親しむ拠点にしようという構想。芸術家が滞在しながら創作活動をしたり、プロを目指す芸術家の卵を応援したり、市の収蔵作品を展示したり、芸術文化に関する講座を開くなどを計画しているという。 旧小田小の文化財収蔵施設は、現在、市内各所に分散して収蔵されている、市内で出土した土器片などの埋蔵文化財や、寄贈された民具などの民俗文化財を集約して収蔵しようという構想。 14、15日に5カ所で実施された意見交換会では、住民から「地域には公民館が無い。公民館や交流センター的な利用と避難所とするのが一番いい」「自然や歴史、農業体験ができる場にしてほしい」「高齢者が健康づくりを施設にしてほしい」などさまざまな意見が出た。市の提案と地域のニーズとに隔たりがある地区もあった。 市の方針として、廃校を地域の集会所にすることについては「区会等に補助金を出して整備することになっているため新たな集会施設は必要ない」「学校の財産区分を今後、教育財産から普通財産に変更すると、使用料が有料になる場合がある」などの説明があり、住民からは不満の声が出た。廃校になってから現在も、各校とも警備や保安、草刈りなどに年間各300万円程度の維持管理費が掛かっているという。 一方、校舎や体育館などが耐震基準を満たしていないため使用を続けられない廃校があったり、市から目立った利活用提案がない廃校もあった。 民間事業者からは、広域通信制高校、消防車など特殊車両組立工場、ペット終末期ケアセンター、日本語学校兼寄宿舎、イチゴ工場、インターナショナルスクール、ベンチャー企業立地支援施設などを整備する提案があったことなども紹介された。 市は引き続き地域住民と協議を重ね、半年とか、地区によっては数年掛けて方向性を決めたいとしている。利用者の優先順位としては、まず市の方針を優先し、さらに地域の要望を取り入れ、市も地域も利用提案がない場合は民間の利活用を検討するという。 ◆筑波地区学校跡地の利活用提案に関する意見交換会の日程は以下の通り。 14日(水)▽午前10時~筑波小学校(会場は同小校舎)▽同午後2時~菅間小(同校舎)▽同6時30分~小田小(同校舎) 15日(木)▽午前10時~田水山小(同校舎)▽午後2時~山口小(同校舎) 16日(金)▽午前10時~田井小(同校舎)▽午後2時~作岡小(同校舎)▽午後6時30分~北条小(同校舎) 18日(日)▽午前10時~全校対象(筑波交流センター2階多目的室) 筑波地区廃校跡地10校の主な利活用提案 市の提案 地域の提案 筑波東中 民間事業者によるファーマーズビレッジの誘致/教室棟の一部にジオパーク拠点施設/体育館・武道場は市民に貸し出し/グラウンドは秀峰筑波義務教育学校のイベント時駐車場として利用など 北条小 プール用地に北条保育所の職員駐車場整備/敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など 北条まちづくり振興会が生活芸術体感施設として活用(文化・芸術に関するギャラリー、ネット販売を主とした店舗、創作活動のアトリエ、カルチャースクール、イベントの利用)など 小田小 教室棟の一部を文化財収蔵施設として利用 まちづくり勉強会を通して今後、利活用策を検討 山口小 高齢者の体操教室開催など区会が地域交流の場として利用中/一般財団法人が2教室を会議室として利用要望 田井小 敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など 地域住民が運営する放課後児童の居場所「里山わんぱく館」の整備(体育館、グラウンドと隣接する民有地の里山の一角を借りて冒険遊び場「プレイパーク」を整備するほか、子連れの親子や高齢者の居場所を併設し相互交流する地域拠点として整備 筑波小 筑波西中 体育館・柔剣道場を一般市民に貸し出しなど 田水山小 文化芸術活動拠点施設など 菅間小 敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など 作岡小 敷地の一部に消防団分団の詰所と消防車車庫新設など ※ほかに場所は未定だが、市が1校に教室を利用した認知症カフェを月1回程度設置など

元数学教師と美術教師 油絵2人展 つくば

【鈴木万里子】つくば市二の宮の洞峰公園筑波新都市記念館で、千葉県柏市在住の毛利敏雄さん(89)とつくばみらい市在住の沼尻正芳さん(67)とによる「第4回絵画二人展」が、開かれている。毛利さんの油彩画26点と沼尻さんの油彩画46点、計72点が展示されている。 2人は同じ公立中学校の教員だった。数学教師だった毛利さんと美術教師だった沼尻さん。教科は違うがウマが合った。毛利さんが退職後、子ども向けに数学を解説した本を出版し沼尻さんが表紙とさし絵を描いた。その後毛利さんが独学で絵を描くようになり、今回4回目となる2人展を開いた。 毛利さんは「来年は卒寿を迎えるが、描こうという気持ちは衰えないし、皆さんに観てもらえる幸せがあるから絵が描ける」と話した。出展した26点中18点はこの1年間に描いた作品だという。日光や会津などの風景画が多く、緻密な作風にファンも多い。千葉県流山市と埼玉県所沢市から訪れた2人は「丁寧に描き込む作風が好きです。つくばは遠いけど毛利さんの新作を観るのが楽しみ」と作品に見入っていた。 筑波山、筆を加えて進化 沼尻さんも自然を描写した作品で四季折々の筑波山を描いた9点が目を引く。「5、6年前から筑波山を描いてきた。同じ絵でも筆を加えて進化させている。楽しんで観てもらえればうれしい」と話した。7点あるヤマユリの絵は、自宅や付近の林の中に点在して咲くヤマユリを描いたもの。自生して咲く、力強い花の生命力を感じさせる。 展示作品の中でも迫力ある「雪の日(不動院)」は、沼尻さんの地元に鎮座する板橋不動尊を描いた作品。柏から訪れた60代と80代の女性2人は「初めてつくばに遊びに来て、偶然この絵画展に出合ってラッキーだった」「寺が雪化粧されていて故郷の北海道を思わせる。冷たい風景なのに、なぜか暖かさが感じられる絵で不思議です」と感想を話した。 ◆同展は21日(水)まで。入場無料。開館時間は午前10時~午後5時(最終日は午後3時)。問い合わせは毛利さん(電話04・7143・5754)、沼尻さん(電話090・7277・2328)まで。

「悩み抱える人たちの救いに」 男性専用の電話相談10年 つくば市

【橋立多美】つくば市男女共同参画室が、誰もが自分らしく生きていけるように様々な悩みを抱える男性の電話相談に応じている。男性専用の相談窓口で、奇数月の第2木曜の受付時間中に電話がかかってくる。男性の専門相談員が応じる。 男女共同参画社会の実現に向けて、これまで女性に対する雇用や暴力などへの支援が推進されてきた。が、非正規雇用の拡大など男性を取り巻く環境が大きく変動し、男性の生きづらさにも注目が集まる。しかし、悩みがあっても「男は弱音を吐くべきではない」と一人で抱え込んでしまいがちだ。 同市では男女共同参画を推進する上で、精神的に孤立しやすいと言われる男性が気軽に悩み等が相談できる体制の整備が必要と、2009年度に男性を対象にした電話相談の窓口を開いた。10年に策定された、第3次男女共同参画基本計画に男性が相談できる体制の確立が盛り込まれたことを機に、男性専用相談窓口を設ける地方自治体は増えてきたが、茨城での取り組みは同市のみ。 夫婦関係の相談が最多 当初は年2回の開設だったが今年度から年6回と充実を図った。スタート時から約10年間の相談件数は85件。内容は夫婦関係が27件と最多。次いで対人関係、暮らし、法律問題、家族関係、労働と続く。2時間30分の受付時間内に毎回3~5人からの相談が寄せられ、10分ほどで通話が終わる場合もあれば、1時間を超えるケースもあるそうだ。 氏名を名乗る必要はないので不確かだが、相談内容こそ違うが同一人物と思われる男性から何度も電話がかかってくるという。岡田健一室長は「誰かと話すことで心の安定を保っているのかも知れない」と話す。また「悩みの深い夫婦や人間関係など、傾聴することで相談者の心を和らげことを基本にしている」とした上で「電話相談は一種のセーフティーネット。悩みを抱える人たちの救いになっていると信じたい」とも。相談内容によっては専門窓口につなげる。岡田室長は「気軽に相談してほしい」と呼び掛ける。 ◆男性のための電話相談 ▽相談日時は奇数月の第2木曜日午後6時~同8時30分▽相談料無料(通信料は相談者負担)▽対象は同市在住、在勤、在学の男性▽相談内容は守秘義務によって守られる▽相談員は男性 【相談電話】029(883)1188

スーパーで部屋探し 無人物件検索機 一誠商事がカスミ筑波大店に設置

【谷島英里子】不動産仲介業の一誠商事(つくば市、五十嵐徹社長)は、10月にオープンしたカスミ筑波大学店に「スタッフレスショップ」(無人物件検索機)を設置した。大学構内への設置は全国初で、アパート・マンションなど筑波大周辺の賃貸物件に絞り、学生に特化したサービス向上につなげる。 店内のイートインコーナーにタッチパネル式の卓上型端末2台を設置。希望する地域や部屋の間取り、設備などを画面上で選び、物件を検索し、閲覧する。好みの物件が見つかればQRコードで読み取ることができる。学生のニーズに合わせ検索できる物件は筑波大周辺の天久保、春日、桜、研究学園に絞った。 つくば桜支店賃貸開発課兼賃貸営業課の片岡智一課長によると、端末には1日平均40件のアクセスがある。物件検索はパソコンやスマートフォンでも可能だが、利用者が多いイートインコーナーに設置することで、食事をしながら友人同士で気軽に閲覧したり、不動産会社は敷居が高いと感じている人でも身近に感じてほしいという考えだ。「同店には中国出身で筑波大卒の社員もいるので留学生への対応もできます。これから学生の部屋探しのピークを迎えるので、ぜひ役立ててほしい」と話している。 カスミ筑波大学店の営業時間は平日午前8時から午後9時、土・祝日は午前10時から午後7時。日曜定休。同端末から物件検索して成約すると生活雑貨詰め合わせのプレゼントがある。 問い合わせは一誠商事つくば桜支店(電話029・863・0111)まで。

慶喜と茨城をテーマに講義 つくば「楽楽大学」

【相澤冬樹】「誰でも入れる楽楽大学、生徒を称してラクダイ生、いつまで経っても卒業できません」と毎度の口上で始まるつくば市の市民大学「楽楽大学」が11日、第49回の開催を迎えた。主催はNPO法人スマイル・ステーション(松浦幹司代表)、明治維新150年にちなみ「徳川慶喜と幕末の茨城」をテーマに取り上げた。講師は県立江戸崎総合高校教諭、由波俊幸さんで、ラクダイ生約60人が聴講した。 由波さんは元県立歴史館主任研究員。丹念に調べ上げた史料を素材にしながら、場慣れした講釈口調で、幕末期のダイナミックな歴史をひもといてみせた。幕末の水戸藩といえば、桜田門外の変に象徴される過激な尊王攘夷思想に走ったように思われているが、「尊王攘夷」という言葉を生み出した水戸学の会沢正志斎の考え方は狭あいなナショナリズムを排し、開国を進めるうえで「日本」という国家像を初めて提示したところに意味があるという。 徳川慶喜(1837 - 1913年)は水戸徳川家第9代当主、徳川斉昭の7男として生まれているが、幼いころから英明さを知られていた。薩摩藩島津斉彬の引き立てなどにより、将来の将軍候補として一橋家に養子に入っている。26歳で14代将軍の後見役に任ぜられてからも、その洗練された物腰、話術は会う人を引きつけてやまなかった。由波さんはその根源には、母親・吉子(登美宮)が有栖川親王の王女であったという出自に由来するところが大きいのではないかとみる。 すなわち「慶喜は徳川家の人間というより公家の出であることに誇りを持っていた。日本の統治機構は幕府でなく朝廷こそが本来担うべきものであると思っていた」。それが京都・二条城での大政奉還(1867年)という歴史につながってくるというのである。NHK大河ドラマ「西郷どん」での描かれ方に異議を唱えつつ、分かりやすい歴史講釈で好評だった。 ◆次回12月23日開催が第50回 楽楽大学第1回は2009年8月に開かれ、次回開催が第50回の節目となる。12月23日午後1時40分から、つくばイノベーションプラザ大会議室で、モーハウス代表取締役、光畑由佳さんによる講演を聞く。演題は「まぁるい子育て、ひとりじゃないよ~子育ての扉を開いて繋がろう」。参加費300円、定員100人で、要事前申し込み。問い合わせ電話090-5502-6322(藤原さん)

筑波大、流経大に引き分け リーグ優勝逃す 関東大学サッカー

【崎山勝功】第92回関東大学サッカーリーグ戦1部後期第20節の筑波大₋流通経済大(通称、茨城ダービー)が10日、龍ケ崎市中里の市陸上競技場たつのこフィールドで行われ、筑波大が2-2で流経大と引き分けた。筑波大の引き分けにより、関東大学サッカーリーグ1部の優勝が早稲田大学に決まり、筑波大は今期のリーグ優勝を逃した。 筑波大は、前半32分にMF西澤健太(4年)がペナルティーキックで先制点を決めた。流経大は同点に追いつこうと筑波大ゴールを攻めるも、GK阿部航斗(3年)の堅守に阻まれ、筑波大優勢のまま前半を折り返した。 勢いに乗る筑波大は、後半5分に西澤がFW三笘薫(3年)のアシストを受けてゴールを決め2-0と点差を広げた。しかし、同40分に流経大MF鈴木哲平(4年)に失点を許したことから試合の流れが変わり、後半終了間際のアディショナルタイム5分に流経大FW高澤優也(4年)にペナルティーキックを与え失点、筑波大は茨城ダービーを制することができなかった。 6月9日に行われた前期第9節の茨城ダービーでは、筑波大が流経大に5-0で圧勝していた。後期は流経大が「ホームグラウンドでの連敗は避けたい」と、筑波大に意地を見せた格好になった。 筑波大の小井土正亮監督は「結果は残念。ただ我々に甘さがあっての失点」と険しい表情を見せた。今期のリーグ優勝は逃したものの10日時点ではリーグ2位。残り2試合を前に全日本大学サッカー選手権(インカレ)出場圏内の上位6チーム入りをほぼ確実にしている。小井土監督は「(リーグ戦が)あと2試合ありインカレもあるので、まだまだ成長しないといけない」と話した。 流経大の中野雄二監督は「今日負けるとインカレ出場が危うくなるので首の皮一枚でつながった」と安堵の表情を見せた。その上で「筑波大と緊迫感のあるゲームをやれたことは良かった。前回は0-5と歴史的大敗をした。今日も0-2になって嫌な雰囲気だったが、追いつけたのは(選手が)成長したからだと思う」と振り返った。 筑波大は2017年度の関東大学サッカーリーグ1部で13年ぶりの優勝を果たし、16年度のインカレでは13年ぶり9回目の日本一に輝いた。流経大は17年度のインカレで3年ぶり2回目の日本一を果たすなど、両大学とも毎年Jリーグに選手を送り込んでいる強豪同士。

紅葉始まる 幹線道路沿い街路樹 つくば

【橋立多美】日中は10月中旬並みの暖かさだが朝晩は冷え込み、つくば市でも紅葉が見られるようになった。ことに主要幹線道路沿いの街路樹が虹色に染まる自然の営みは、季節を実感させてくれる。 同市の街路樹は、土地に合った10種類の樹木から東・西大通りは主としてケヤキ、シラカシ、トウカエデ、ユリノキを、土浦学園線にはイチョウ、北・南大通にはトチノキ、牛久学園線はアメリカフウが選ばれている。 また、樹木は植え方に工夫を凝らして美しい景観づくりがされている。樹木を等間隔に並べず、2本の樹木を3㍍の間隔で植樹する方式を採用したことで幹の緑の量が多く見え、樹根が交錯して強くなった。 牛久学園線(国道408号線)の背の高い街路樹・アメリカフウはモミジバフウとも言われ、紅葉が美しい樹木。都市の動脈として同線が開通してから40年。根をどっしりと大地に張り、日当たりの良い東側の樹木から紅葉が進んでいる。季節は少しずつ初冬へと移りつつある。 また同市にはイチョウの黄葉を楽しめるスポットも多く、二の宮の洞峰公園内のイチョウ並木は人気がある。8日現在、葉は緑濃く、鮮やかな黄色のじゅうたんを堪能するにはまだ時間がかかりそうだ。同市春日在住の初老の夫妻は「まだ色づいていなくてがっかり。また来ます」と話した。

旧総合運動公園用地に土砂、がれき不法投棄 つくば

【鈴木宏子】つくば市は7日、同市大穂、旧総合運動公園用地(つくば市土地開発公社所有)入り口の門扉とかぎが壊され、敷地内に土砂やがれきが不法投棄されていたと発表した。 市財政課によると、10月25日、市職員が、入り口の門扉の南京錠が切断され、門扉がよじれて、約50㍍ほど入った敷地内にがれきなどが投棄されているのを発見した。6月上旬から10月25日までに不法投棄されたとみられるという。 がれきには住宅廃材などが混じり、近くには車両のタイヤ跡などが残っていた。捨てられた量は、大型ダンプ4台程度、約100立方㍍という。 市は同29日、つくば北警察署に器物損壊の被害届けを提出。同日午前11時30分、同署が市職員立ち会いで現場検証した。 今後、市は土砂やがれきの成分を分析し有害物質がないかなどを調査した上で撤去する予定という。 再発防止のため、かぎを二重にし、防犯カメラや看板を新たに設置したほか、今後、つくば市防犯、環境美化サポーターなどによるパトロールを強化するという。

早くもお歳暮商戦 京成百貨店つくばショップ ピークは12月上旬

【橋立多美】京成百貨店つくばショップ(つくば市吾妻)が今月1日に「お歳暮ギフトセンター」を開設した。京成百貨店(本社水戸)創業110年の感謝を込めた『「ありがとう」がいっぱい』がテーマ。近年はスーパーがお歳暮に力を入れたり、通販を活用して老舗がお歳暮商戦に参入する中で、こだわりのギフトを揃えた。 伝統が息づく和菓子や西京漬けなどを選りすぐった食品ギフト、鍋の食材をセットにした団らんギフトなど美味しさを追求した。また納豆や干し芋、涸沼のしじみ、常陸秋ソバなど地元特産品のうち、2、3品を選んで風呂敷に包んで送る「選べる県産品ギフト」と工夫を凝らしている。 若い世代が古い慣習にとらわれず、形だけの礼儀をしなくなったことがお歳暮離れの一因となり、お歳暮商戦は厳しい状況が続いているという。同店の斉藤智店長は客1人当たりの平均単価は前年並みの3000円~5000円と予想する。さらに店長は「宅配便大手のヤマト運輸が宅配便料金の値上げをしたことが追い打ちをかけなければいいが」とも。長引く不況で財布のひもは固くなりがち。同店では全国送料均一ギフト、送料込ギフトを打ち出している。 同店に立ち寄った市内に住む主婦(57)は「京成のお中元を贈ったら喜ばれたのでお歳暮の下見にきました。懐は厳しいが年末の贈り物はちゃんとしたい。お金は多くかけられないけど見栄えの良い品を選びたい」と話していた。 ギフトセンターが込み合うのは、公務員にボーナスが支給された後の今月末から12月9日と見込まれる。斉藤店長は「早めのご来店がおすすめです」と呼びかけている。 京成百貨店つくばショップは、つくばクレオスクエアキュート2階。電話029-897-3321

「卓越大学院」に採択 筑波大 改革を先導、高度な専門人材育成

【田中めぐみ】文科省の公募型新事業「卓越大学院プログラム」に筑波大学(つくば市天王台)の「ヒューマニクス学位プログラム」が採択された。卓越大学院は産官学それぞれの部門をけん引する卓越した博士人材を育成するために文科省が7年間補助を行う。大学院の教育改革を先導する事業だ。 今年4月から公募が行われ、申請した大学は38校54件、うち13大学15件が採択され、競争率は3.6倍だった。 採択を受け筑波大は、来年4月からヒューマニクス学位プログラムを開講する。生命医科学と理・工・情報学の両分野で高度な専門性を備えた博士人材の育成を目指す。同プログラムは、ヒトの生理・病理の解明と快適生活を実現するためのバイオテクノロジーや医療福祉技術分野などの教育、研究課程だという。 1人の学生に2人の指導教員 同プログラムのコーディネーターは、睡眠に関わる神経伝達物質オレキシンの発見者で、同大国際統合睡眠医科学研究機構(IIIS)機構長の柳沢正史教授が務める。柳沢機構長に話を聞いた。 —4倍近い競争率を勝ち抜いて採択されたのは、どのような点が評価されたからと感じていますか。 柳沢 筑波大学は睡眠研究を含むライフサイエンスも、コンピューター分野の計算科学研究センターも有名なので強みを生かした。また、IIISのみならず、筑波研究学園都市の他の研究所、企業も教育・研究に参画しやすいという地の利を生かし、プログラムを作り込んだ。医学を中心とするライフサイエンスと理・工・情報の融合は、日本が遅れている分野でもあり、日本がめざす「Society5.0(ソサエティーゴテンゼロ)」=メモ=実現のため今後重要視される。AI(人工知能)普及の戦略とも重なり評価されたのではないか。 —ヒューマニクス学位プログラムの特徴は何ですか。 柳沢 一番の特色は、1人の学生にライフサイエンスと理・工・情報の2人の指導者を立てる完全ダブルメンター(指導者)制をとっていくということ。一つの博士論文を2人の指導教員の下で書く教育体制で、両分野にわたり共同研究をしなければならないという縛りの中、研究を進めていく。 医学・薬学、生物系の学生が入ってきた場合は理・工・情報系の基礎を学んでもらい、逆に理・工・情報系の専門の学生には医学や生物系のことをきちんと学んでもらう。両分野で指導教員を1人ずつ立て、学生が来たことによって共同研究を始めてもいいし、既存の共同研究に学生が加わるのでも構わない。今までばらばらだった異なった分野の人たちを結びつける体制を作ったことが評価されたのではないか。 —文科省の公募要領で補助金の漸減策(4年目から半額、7年目に3分の1になる)が示されました。戸惑いはありましたか。 柳沢 戸惑いどころかほとんど怒りを感じている。補助金の一部は、優秀な学生への教育研究支援経費やTA(ティーチングアシスタント)、RA(リサーチアシスタント)による学生への給料など、安心して研究に専念できる環境を作ることに使う予定だ。しかし、学生は年度ごとに増えていくわけで、学生支援に要する経費は減るのではなく増えていくはず。また、初年度の補助金が一番多いが、初年度はまだ学生が入学しておらず、学生にとって最も重要な教育研究支援経費への使用もできない。 さらに、補助金はたった7年で終わる。博士課程は5年一貫なのに、5年間フルに支援できるのは2期生までということになってしまう。世界に向けて卓越した人材を育成する事業であるのにこうした財政状況は残念に思う。 共同研究にハードル感じない人材 —学位プログラムでは、学際教育の先進的モデルとして「プレアドミッションプログラム」(大学と大学院の枠を取り払った一貫教育システム)を構築するとあります。具体的にどのようなプログラムなのでしょうか。 柳沢 例えば医学の人であれば、希望すれば学部生からでも理・工・情報学の要素を学ぶことのできるシステムのこと。同時に、学際的な研究に関心を持つ優秀な学生・社会人を見出し、能力をさらに伸ばして本学位プログラムへの進学を促す役割もある。このシステムを利用するなどして複数分野の知識を身につけ、博士論文研究の基礎力があるかどうかを測る試験(Q.E.)の認定を受けて博士論文を書けば、早期修了も可能だ。専門外の分野も学ぶわけなので大変だが、専門家と同じレベルを要求しているわけでは無く、専門家と対等に話せる言語を獲得することを目的としている。例えば、工学系出身者でも医者と医療について語ることができる能力を身に付けてもらい、共同研究にハードルを感じない人材を育成したいということだ。 eラーニング(主にインターネットを利用した学習)システムの構築も行う予定で、そのための経費も計上している。eラーニングの導入により、講義がよく分からなければ繰り返して視聴できるし、時間が無い時も分割して視聴し勉強することができる。また、プレアドミッションプログラム(入学前学修)での活用も考えており、筑波大生だけでなく外部の学部学生や社会人も興味があればアクセスできる。つまり、興味がある人材を逃さず養成できるということだ。 サイバーダイン支援で自走化 ―サイバーダインヒューマニクス学位プログラム(仮称)を設置し、国の支援終了後は完全自走化を図るとありますが、ロボットスーツで知られるサイバーダイン社(つくば市学園南、社長・山海嘉之筑波大教授)に資金を提供してもらうということですか。 柳沢 山海社長に協力してもらい、将来的には学位プログラムを移行し自走化する予定だ。今回の「卓越大学院プログラム」採択も、企業との連携をうたい、実現性が高いことが評価されたと思う。 ―博士号取得者の就職率が学部・修士卒よりも低いという現状があります。博士離れが進む中での人材育成についてどのように考えていますか。 柳沢 他の分野は分からないが、ライフサイエンス分野にとってそれは真実ではない。「ヒューマニクス学位プログラム」の特徴は、例えば工学や理学の分野で博士号を取ったとしてもバイオの分野に行くことができる。またバイオ系の企業もそういう人材を欲しがっている。工学系の企業でも生命医科学の知識があるということは強みになると感じている。 ―来年4月からどのような学生を受け入れたいですか。 柳沢 医・歯・薬の6年制の学部出身者や臨床医を含め社会人も大歓迎で、工学系出身で何年か実務経験がありもう一度勉強したいという人、企業から派遣されてくる形でも構わない。医学・生物系出身であれば工学、情報学的なセンス、AIなどについても学び、博士論文を書いてほしい。逆もまた然り。そういう研究をしたいという人に来てほしいと思っている。 ※メモ 【Society 5.0】仮想空間と現実空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会のこと。2016~20年度の第5期科学技術基本計画で日本が目指すべき社会のあり方として提唱されている。

【シルバー団地の挑戦】6 自治会がごみ出し支援 利用広がらず 心理的抵抗感課題

【橋立多美】つくば市茎崎地区の森の里自治会(倉本茂樹会長)は、ごみ出しなどの生活支援をする「高齢者支援隊」を結成して弱者支援を行っている。相互扶助の先駆的な取り組みだが、思ったほど利用世帯が集まらない。加齢で支援隊員を辞退する例も後を絶たず、さらに高齢化が進んで利用世帯が増えたときの対応が懸念されている。 高齢などで自力でごみを出せなくなった「ごみ出し困難世帯」は、朝日新聞の調査によると全国で少なくとも5万世帯に上るといわれる。中でも独り住まいの高齢者はごみ屋敷になる可能性があり、内閣府はごみ屋敷の予備軍は1万人以上と予想する。 結成6年 利用世帯もボランティアも減少 40年前に開発された森の里団地は世帯主の多くが団塊世代で、1300世帯中2割が高齢の1人暮らし。このうちの3割超を75歳以上の後期高齢者が占める(2016年10月1日現在)。 同自治会は高齢化に伴う弱者対策として燃やせるごみと粗大ごみのごみ出し、電球など簡易な器具の交換をする「高齢者支援隊」を12年に結成した。隊員は住民からボランティアを募った。高齢者は利用券1枚100円でごみ出しを依頼できる。支援隊員には、森の里自治会有償ボランティア規則に基づいて謝金(時給700円)が支払われる。利用券収入との差額は自治会が補てんしている。 開始からの利用は6世帯と広がりに欠け、現在は歩行困難な80代の独り住まい1世帯のみだ。支援隊員の担当は斉藤一夫さん(74)。週1回、燃やせるごみを玄関から集積所まで運ぶ。毎回利用者に署名捺印してもらう決まりで「何か変わったことはないか、安否確認に役立っている」と斉藤さんは話す。 ごみ出し支援を受けている人がいる一方で、老々介護の90代の男性は重いごみ袋を持つことが大変で、台車に載せて集積所まで運んでいる。近隣住民が手伝いを申し出るが「おむつが入っているごみ袋を人に頼むのを妻が嫌がる」。ある女性は「半透明のごみ袋はスナック菓子の袋や封筒などが透けて見える。暮らし向きが分かるし遠慮もあって団地住民に頼みたくない」と打ち明けた。ごみを見られることへの抵抗感が相互扶助システムの広がりを阻んでいるようだ。 自治会長の倉本さんは児童の登下校を見守る防犯パトロール隊の団長を兼務し、児童の安全を見守りつつごみ集積所を丹念に見て回る。ごみ出しに台車を使うなど自力でのごみ出しが困難な高齢者に支援隊の利用を呼びかけてきたが、「動けるうちは自分で」と返されることが多いという。一方で、加齢による体調不良などで支援隊員4人が活動できなくなり、現在は前出の斉藤さん1人になった。 来年4月「プラ容器分別が心配」 倉本さんは「今は(ごみ出しを)頑張る人が多くて支援隊員1人で足りているが、もっと高齢化が進むとみんなが支援を受けたくなる。その時、支援する側とされる側のバランスはとれるか」と眉を曇らせる。 民生委員でごみ出し支援の窓口を担当する浅田紀子さん(64)の心配は、来年4月から同市で始まるプラスチック製容器包装の分別収集だ。「資源の有効活用という趣旨は分かるが、認知症でなくても高齢者には細かい分別収集は大変だと思う。できない人には緩やかな収集方法を考えてほしい」と話した。 国立環境研究所(つくば市小野川)資源循環・廃棄物研究センター循環型社会システム研究室の鈴木薫研究員は、超高齢化社会におけるごみ集積所管理のサポート手法を解明することを目的に、同市内全域の自治会(区会)にごみ集積所の課題についてヒアリング調査を行っている。「地縁血縁でごみ出しを助け合う旧集落と比較すると、組織ぐるみで支援する森の里は取り残される人が少ない。利用を左右する心理的要因を考慮する必要はあるが、『ごみ出し支援はこれから考える』という区会もあり、森の里の支援システムに学ぶことは多い」という。

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【高校野球代替大会】常総 佐々木監督に聞く1 「気持ちの整理つかない」

【伊達康】いまいましい感染症の流行が世界のスポーツシーンを激変させた。高校野球においてはセンバツ甲子園だけでなく夏の甲子園までもが中止となり,その前段の地方大会も中止となった。 時を刻めない、区切りが付かない、最後の夏を奪われた球児たちの救済策として、県高野連は独自の代替大会の開催を決定した。 大会の名称は「2020年夏季茨城県高等学校野球大会」。今月11日から始まる大会は茨城の夏の頂点を決めるチャンピオンシップである。交流戦のような形を取って終わりにする他県高野連もある中で、選手に寄り添った茨城県高野連の英断にはとびきりの賛辞を送り敬意を表したい。 大会は原則無観客だが、野球部員1人に付き保護者2人まで入場できる。また登録人数に制限はなく野球部員は全員が出場可能とする柔軟な方針が示された。 コロナ禍を経て、最後の夏とどのように向き合うのか、代替大会を間近に控えた有力校の監督に話を聞いた。 春季大会中止、全体練習禁止

《続・気軽にSOS》64 低気圧と不安と

【コラム・浅井和幸】梅雨の真っただ中。じめじめして憂鬱(ゆううつ)な人も増えているのではないでしょうか。古傷が痛んだり、喘息(ぜんそく)がひどくなったりということもあるかも知れません。 私の知り合いにも、これらの症状を持たれている方がいます。ある人は、遠い南の海に台風などが発生して日本に近づいてくるとき、どんどん気圧が低くなっていくとき、心身ともに不安定になって一番苦しいそうです。低気圧や台風が自分の住んでいるところに居座ってしまったら、調子が悪いのは確かだけれど、悪いなりに安定するからまだマシなどと言っていました。 雨が降るときに心身の調子を崩す人たちに上記のことを伝えると、そこまで細かく気にしたことはなかったけれど、そうかも知れないという回答が返ってきます。 雨だろうが低気圧だろうが、関係ない人にとっては、そんなものは気のせいだろう済んでしまうかも知れません。しかし、インターネットで「低気圧不調」や「天気痛」などのワードを検索してみるとよいでしょう。意外と不調に悩まされている方が多いことも分かるかも知れません。実際、大学病院内に「天気痛外来」というものもあります。 さすがにここまでくれば、医学的に、生理学的に、体調に天気が関係してくることは分かりますよね。もちろん、体調に不具合が生じれば、精神的、心理的にも不調をきたしても不思議ではありません。 安心感を得る心理的な対処法

鈴木一彦土浦市議らを不起訴に 残土無許可搬入問題

土浦市沢辺の土地に無許可で土砂を搬入したとして、市が昨年9月、市残土条例違反の疑いで、事業者の鈴木一彦市議と、施工業者、下請け業者の3者を水戸地検土浦支部に告発した問題(19年9月11日付)で、市は2日までに、同支部から不起訴の通知があったと発表した。 市によると、不起訴理由は明らかにされてない。 市環境保全課によると、業者は昨年7月18日ごろから8月末ごろまで、鈴木氏の親戚が所有する同市沢辺の約4000平方メートルに計約3万2000立方メートルの残土を無許可で搬入した。残土には汚泥を固めた改良土などが含まれ、県外から持ち込まれたとみられるという。 市は搬入が始まった昨年7月から鈴木市議ら3者に口頭などで搬入停止と撤去を指導し、9月に水戸地検と土浦警察署に同条例違反で告発していた。10月4日付で水戸地検は告発状を受理、その後、今年5月1日、3者を不起訴とする4月30日付けの処分通知書が市に通知された。 一方、残土は、搬入からほぼ1年経った現在も撤去されることなく、平均高さ8メートルほどに積み上げられたまま残っている。同課は「撤去に向け引き続き指導していきたい」としている。

《くずかごの唄》64 スペイン風邪の恐怖

【コラム・奥井登美子】大正8年(1919年)、日本で大流行したインフルエンザ、いわゆる「スペイン風邪」と、今度の新型コロナが、同じような規模になるのではないかと、歴史的な注目が集まっている。 スペイン風邪は土浦でも流行し、奥井の祖父も第2波の大正8年2月、53歳で亡くなっている。父親の死で、アメリカの大学に進学する夢を挫折させられた姑(しゅうとめ)は、スペイン風邪が憎らしくて仕方がなかったらしく、生前、よくそのことを話していた。 「スペイン風邪のとき、消毒なんか、誰が町の指導者だったの?」 「巡査が、やたら威張りくさっていたわよ…」 「保健所は、なかったの?」 「保健所なんて、なかったわよ、すべて、お巡りさんの仕事でね」