筑波銀行(本店土浦市、生田雅彦頭取)は10日、2024年3月期第2四半期(23年4月から9月まで半年間)の決算を発表した。財政状況は、貸出金残高が前年度末比531億円増の2兆43億円となり、2010年の同行設立以来初の2兆円台となった。
エネルギー価格など物価高騰の影響を受けた地元中小企業の資金繰り支援や本業支援に積極的に取り組んだ結果、中小企業の貸し出しが増えたことに加え、TX沿線の宅地開発やマンション需要の増加に伴う住宅ローンなど個人向け貸し出しや、地方公共団体向け貸し出しが増加したことが要因。貸出金残高のほか、預金残高(2兆5844億円)、預り資産残高(3124億円)も第2四半期としていずれも過去最高となった。
生田頭取は「貸出金が初めて2兆円の大台に乗った。3行(関東銀行、つくば銀行、茨城銀行の)が合併した時の貸出金は1兆円だった。合併して13年、ワンチームとして皆で積み上げてきた結果」だとし、「2兆円をクリアし、一つの節目を通過した」と強調した。
増収減益に
連結の中間決算は、売り上げに当たる経常収益が前年同期比11%増の206億2300万円と増収となる一方、国債など債券の売却損の計上や外貨調達コストの増加に伴う経常利益の減少などにより、中間純利益は同比14.5%減の19億3000万円となり、増収減益となった。
経常収益は、銀行本来の利息や手数料で稼ぐ本業はほぼ順調に推移した一方、国債など債券の売却損の増加を、株式などの売却益で相殺した形という。
要管理債権が増加
一方、不良債権の状況は、正常債権から要注意の要管理債権にランクダウンした債権が前年度末の80億円から41億円増えて121億円となった。
生田頭取は「新型コロナの影響や、その後の原材料高、エネルギー高、人件費などから、企業が収益を出しずらく、キャッシュフロー不足になる先があった」とし「(新型コロナ対策として国が実施した無利子・無担保の)ゼロゼロ融資の返済も重なって要管理債権が増えた。これをどう支援していくかが当行の役目。膝詰めで(企業の)経営計画をつくって、どうすれば価格転嫁を図れるかや、販路拡大などの支援を一緒にやっていきたい」とした。