火曜日, 7月 15, 2025
ホーム検索

TX -検索結果

If you're not happy with the results, please do another search.

1日40万人超え過去最高に TX 乗車人員 コロナ前の水準に

2024年度営業実績 今年8月開業20周年を迎えるつくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(東京都千代田区、渡辺良社長)は2日、2024年度(24年4月-25年3月)の営業実績を発表した。1日平均乗車人員は前年度比5.3%増の40万3000人と40万人を初めて超え、過去最高となった。これまで過去最高だった19年度の39万5000人を超えるなどコロナ禍前の水準に戻り、記録を更新した。 同社は、沿線の人口増加が寄与したとしている。2024年度の年間乗車人員は1億4598万3000人。 利益剰余金、過去最高に 24年度決算は、乗車人員の増加に伴い運賃収入など本業で稼いだ営業収益は前年度比6%増の479億4100万円、一方、本業にかかった経費である営業費は、人件費やレールの交換など鉄道施設の修繕工事経費などが増加したことから同比4.4%増の382億4000万円になった。 この結果、本業で稼いだ営業利益は同比12.7%増の97億100万円、通常業務で得た経常利益は同比14.5%増の71億9500万円となり、当期純利益は同比1.2%減の59億9400万円と3期連続の黒字となった。ここ10年間ではコロナ禍の20年度、21年度の2年間を除いて黒字経営が続いており、利益剰余金残高は過去最高の136億600万円となる。 一方、鉄道・運輸機構からの借入金である総事業費8000億円の建設資金のうち、24年度は194億円を返済する予定。これにより同機構に対する借入金の残りは3968億円になる。 同社は、乗車人員の増加に伴う混雑緩和のため車両を6両から8両編成にしたり、鉄道設備や車両の更新など経年劣化対策に取り組んでおり、「今後も安全輸送を徹底すると共に、充実したサービスの提供や経営基盤の強化に取り組む」としている。(鈴木宏子)

運賃値上げを申請 TX 開業以来初 来年3月から

小児運賃と通学定期は値下げ つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道は11日、来年3月に向けて全体で12.2%の運賃値上げを国交相に申請したと発表した。値上げ申請は、消費税の変更による申請を除き開業以来初。 一方、少子化が進行する中、子育て世代が沿線に定着することが重要だとして、SuicaやPASMOなど交通系ICカードによる小学生の小児普通乗車券と、小中高校生や大学生の通学定期は据え置きまたは値下げする。 値上げ率は、定期券以外が8.2%、通勤定期が20.2%。一方、通学定期は15.3%の値下げとなる。 普通券は、ICカードの場合、初乗りが現在の168円から180円に7.1%値上げ。最長距離のつくば駅から秋葉原駅までは現在の1205円から1280円に6.2%値上げする。切符の場合、初乗りは現在の170円から180円に5.9%値上げ、つくば駅から秋葉原駅までは現在の1210円から1280円に5.8%値上げする。 一方、小児運賃は、ICカードの場合、13キロまでは据え置き、14キロ以降は200円均一とする。つくば駅から乗車する場合、みどりの駅までは据え置き、みらい平駅以降は200円均一とする。切符の場合は大人の半額となり、つくば駅から秋葉原駅までは610円が640円になる。 定期券は、通勤定期は現在は平均割引率が40.6%なのに対し、値上げ後の割引率は37.4%と縮小して値上げする。つくば駅から秋葉原駅までの場合の通勤定期は1カ月当たり、現在の4万3300円から4万7500円に9.7%値上げになる。 一方、生徒や学生の通学定期は子育て世代の負担軽減のため、平均割引率を現在の60.4%から70.0%に大きくして、値下げする。つくば駅から秋葉原駅まで通学定期の場合、1カ月当たり現在の2万8870円から2万3040円と20%値下げになる。加えて小児の通学定期は19キロ以降は1カ月当たり5000円均一とする。つくば駅から乗車する場合、守谷駅以降の小学生の通学定期は一律5000円となる。 3カ月と6カ月の定期の割引率は、通勤定期、通学定期いずれも割引率を縮小し、3カ月は5%から2%に、6カ月は10%から4%にする。割引率を縮小したとしても通学定期は全区間値下げになるという。 開業20年、大規模更新が急務 TXは2005年8月の開業以来、乗客数は順調に増加し、19年度は、06年度の2倍の約1億4310万人になった。20年度はコロナ禍の影響で19年度の70%の1億45万人に落ち込んだが、その後徐々に回復し23年度は19年度の97%の1億3868万人になった。 利用者数の増加に伴いこれまで、6両編成の車両を当初の30本から現在41本に増やしたり、秋葉原駅の出入口の増設などを実施してきた。今年8月は開業から20年を迎え、経年劣化した車両や架線、軌道など鉄道施設の大規模更新や、混雑対策のため車両を6両編成から8両編成にする長編成化、総合基地の増強などが急務になっているとする。加えて、TXの建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構に対する債務残高が23年度末時点で約4357億円残っており、今後も約20年間、毎年約200億円の返済を行っていく必要があるとして、昨今の物価高騰に対応しつつ、将来にわたって持続可能な経営を行うため値上げを申請したとしている。

TX土浦延伸は東京延伸とセットで、知事 《吾妻カガミ》203

【コラム・坂本栄】大井川和彦知事の県政報告会が2月18日、霞ケ浦文化体育館(土浦市大岩田)で開かれました。知事は3期目への出馬をまだ表明していませんが、今夏の知事選を意識した1時間を超える講演になり、7年半の実績を説明する話の締めはTX土浦延伸でした。 水戸とつくばの経済圏をつなぐ 講演の最後の箇所を文字に起こして少し補足すると、以下のような内容です。つくば止まりのTXを土浦駅まで延ばすことのメリット、延伸実現に向けての手順が中心です。 「TXルートの土浦駅延伸は(学識者ら)第三者に検討してもらい客観的に決めた。私も土浦産まれだから(土浦延伸に)忖度(そんたく)しなかったとは言わない(笑)。そう言ってはいけないのかな?(笑)。大事なのはTXをJR常磐線に接続すること。それによって水戸・ひたちなか地域とつくば・土浦地域が結びつく。県の2大経済圏がつながる」 「県の行政を担っていて思うのは、『つくばはつくば』『水戸は水戸』というふうに分断してしまっていること。両公共交通機関をつなぐことで、つくばの人も水戸でお酒を飲んで電車で帰るとか、逆に仕事で水戸の人がつくばに行くとか、往来や交流が増える。こういう効果が非常に高い。これは茨城県にとって大きい」 「そろそろ(県によるフェーズⅠ)調査が終わるので、これから政府や関係都県(東京、埼玉、千葉)に説明を始める。大事なのはタイミング。東京延伸と一緒に土浦延伸を決めてもらうことが大事。いまTXは秋葉原駅で止まっている。これを東京駅に延ばし(都が計画している)臨海地下鉄につなげば羽田空港まで行ける。そういう話が進んでいる。そのタイミング(国交省の交通政策審議会による東京延伸答申)で勝負をしようと思っている」 「東京延伸と一緒に土浦延伸を(審議会に)持ち出すことが勝利の秘訣(ひけつ)。(茨城)単独で土浦延伸だけをやると皆(東京、埼玉、千葉)乗ってこない。茨城だけのためなら自分でお金を出せと言われてしまう。東京延伸のタイミングで、茨城も東京延伸に賛成するから土浦延伸も一緒にやってくれと持っていくつもりだ」 国交省・交通政策審が勝負の場 1週間後の2月25日、茨城県は「TX延伸構想―県の事業計画素案」(2月26日付、県HP)を公表しました。知事の県政報告を各種データで補強したものです。 タイトルは素案と控えめですが、東京駅延伸と土浦駅延伸をセットで進めることがいかに望ましいかを説明する内容になっています。ポイントは、一体整備の費用は3070億円だが27年で元が取れる(累積資金収支黒字転換)という試算に対し、土浦単独でも1320億円が必要で元を取るのに43年かかるという試算です。 分かりやすく言うと、一体整備ならば茨城の負担は767億円で済むのに(茨城、東京、千葉、埼玉で3070億円を均等負担すると仮定)、単独整備だと茨城だけで1320億円負担しなければならないという想定です。これでは一体延伸で勝負せざるを得ません。 素案では、土浦延伸について①開業目標は2045年②延長距離は10キロ③つくば~土浦間の駅は1つ④所要時間は9分⑤JR土浦への乗換時間は4分―などの概要を示し、その効果として①東京からの新たな人の流れを創出②つくばと水戸の2大経済圏の交流拡大③自動車に代わる公共交通サービスの向上④土浦延伸による茨城の一層の飛躍―が期待できるとしています。効果の②は知事による県政報告の肝でした。 延伸は大井川知事の政治案件 162「TX土浦駅接続計画…」(2023年7月18日掲載)では、土浦延伸実現に向けての県の作戦計画と知事の政治戦略を取り上げました。県の計画はフェースⅠ(たたき台作成)→フェーズⅡ(調整と磨き上げ)→フェーズⅢ(計画の総仕上げ)ですが、素案はフェーズⅠのひとつです。フェーズⅡは知事の3期目前半、フェーズⅢは3期目の後半(交通政策審で決定?)に重なります。 国交省の審議会で双方延伸を決めてもらうには知事の高度な政治工作が必要になるでしょう。TX土浦延伸は知事の政治案件でもあるわけです。(経済ジャーナリスト)

事業効果ある TX 土浦と東京延伸一体整備目指す 県が事業計画素案

つくばエクスプレス(TX)の県内延伸を検討している県は25日、土浦駅延伸の事業計画素案を発表した。土浦駅延伸のみを単独で整備する場合と、東京駅延伸と一体で整備する場合の両方を計算した。需要拡大や費用削減の観点から県独自の調査に基づく予測モデルでシミュレーションを行った結果、土浦延伸を単独で整備する場合、1以上であれば事業効果があるとされる費用便益比(B/C)は1.60と事業効果があり、黒字に転換するのは43年とした。東京駅延伸と一体で整備する場合は、費用便益比1.35、黒字になるのは27年と、黒字化が早まる見込みだとした。 今後についてはさらに関係者と調整を進め、必要な追加調査を実施し素案の磨き上げを進めるとし、次の国交省交通政策審議会答申で東京駅延伸と一体的に土浦駅延伸の位置づけを目指すとしている。 土浦駅延伸については、現在のJR土浦駅に隣接して新土浦駅を設け、TXつくば駅―新土浦駅間(約10キロ)の駅は1駅、可能な限り最短経路と仮定して計算した。開業目標は東京駅延伸と同じ20年後の2045年、つくば駅ー新土浦駅間の所要時間は約9分、運賃340円、JR土浦駅とTX新土浦駅間の乗り換え時間は約4分、つくば駅発着の全列車が新土浦駅に乗り入れると想定し、概算事業費は約1320億円、両駅間の輸送人数は1日当たり約2万2000人から2万5000万人とした。 事業費は既存の補助制度である国の都市鉄道利便増進事業費補助を活用し、事業スキームは営業主体と整備主体が異なる上下分離方式の導入を想定、整備費は国、地方、借入が3分の1ずつとし、開業後は営業主体か受益相当額である施設使用料の支払いを受けると想定した。 一方、東京駅延伸と一体で整備を進める場合は、TX秋葉原駅-新東京駅間(約2キロ)の所要時間約3分、運賃170円、TX新東京駅とJR東京駅間の乗り換え時間は約8分、秋葉原駅発着の全列車が新東京駅に乗り入れるとし、概算事業費はつくば駅ー新土浦駅間と秋葉原駅ー新東京駅間の2区間合わせて約3070億円、1日当たりの輸送人数は、つくば駅ー新土浦駅間が約2万人から2万6000人、秋葉原駅-新東京駅間が約13万3000人とした。 一体整備の需要予測については、TXつくば駅-新土浦駅間の中間駅周辺の開発を含めて検討し、開発面積約160ヘクタール、計画人口約5000人の開発を想定したとした。 県は2023年6月に、JR土浦駅に延伸する構想の具体化に向けた検討を進めることを検討し、2024年度中に採算性確保に向けた方策の調査・検討を実施するとしていた(23年6月24日付)。検討に先立って23年3月、県の第三者委員会(委員長・岡本直久筑波大教授)が提言を出し、その際の土浦方面の延伸の想定は、事業費約1400億円、つくば駅―土浦駅間の1日当たりの乗車人数は約8600人、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測し、1以上が望ましいとされる費用便益比は0.6で、1を上回るためには11万人規模の沿線開発が必要だとしていた(23年3月31日付)。 「一歩前進」土浦市長 県の事業計画素案について土浦市の安藤真理子市長は25日「つくばエクスプレスの土浦延伸は、長年にわたる私たちの悲願であり、市民の皆様の利便性が格段と向上することはもちろんのこと、県のみならず、首都圏全体に大きなメリットをもたらす。その中で今回、茨城県が発表した事業計画素案は、土浦延伸の実現に向けて一歩前進したことを意味しており、非常にうれしい。東京延伸と一体的に進めることで、地域経済の発展への起爆剤になるものと考えており、県との連携を密にし、2045年の開業に向けて、全力で取り組んでまいりたい」とするコメントを発表した。

強風で停電 TX 一時運転見合わせ 乗客、線路上を徒歩で避難

13日午前10時36分ごろ、つくばエクスプレス(TX)みらい平駅ー守谷駅間のつくばみらい市陽光台の線路内に、強風によりトタン屋根が飛来し、万博記念公園駅ー守谷駅間で停電が発生、TXはつくば駅ー守谷駅間で一時運転を見合わせた。約5時間後の同日午後3時37分、復旧作業が終了し全線で運転を再開した。 TXを運行する首都圏新都市鉄道によると、停電の影響により、上り列車2本がみどりの駅ーみらい平駅―間に停車した。乗車していた乗客は線路上を徒歩で、それぞれみどりの駅とみらい平駅に避難し、午後1時17分、乗客全員の避難が完了した。午後3時55分時点で、徒歩で避難した乗客に体調不調の申し出はないという。 つくば駅ー守谷駅間の運転見合わせにより、同日午前10時56分から、守谷駅ー秋葉原駅間で一時、折り返し運転を実施した。つくば駅ー守谷駅間は午後0時30分からでバス代行輸送を実施した。 13日は冬型の気圧配置が強まり、各地で強い北風が吹いた。県内には強風注意報、波浪注意報、乾燥注意報が出された。つくば市の13日の最大風速は11.4メートル。県南では龍ケ崎市で2月では観測史上最大の風速14.9メートルを観測した。 【14日午前9時40分追加】停電の影響でTXは13日、上り24本、下り25本の上下線計49本が運休し、乗客約1万5000人が影響を受けた。

延伸計画には慎重姿勢 TX 8月に開業20周年

つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道(本社・東京都千代田区)の渡邊良社長は28日、つくば市内で記者会見し、今年8月24日に迎える開業20周年記念の特別企画について発表した。安全・安定・安心の運行で沿線価値を高めてきたと20年間を総括。秋葉原から東京駅、つくばから土浦の両方向で立ち上る延伸論議には慎重な姿勢を崩さなかった。 利用者増も借入返済道半ば TXは2005年8月に開業、20年間で累計21億人を運んだ。1日当たり利用者数は2023年度で38万人超、24年度は40万人を超えると見られ、コロナ禍で27万人台にまで減少した20年度から立ち直った。 渡邊社長は、沿線の人口増もあったが、自治体や企業・法人、利用者と鉄道事業者との「共創」によって沿線価値を高めてきた結果で、「今後も地域と情報交流、意見交換をするコラボレーション型での発展の方向をめざしたい」とした。 「TXは開業時こそ最新鋭の高速鉄道だったが、20年も経つと経年劣化から設備の更新、車両の更新が求められる。特に混雑緩和のため車両を6両から8両編成にする計画で北千住駅のホーム改修などに取り組んでいる」のを優先課題に挙げた。 順調な利用者増で当初計画より早く単年度黒字を実現したが、資金状況を依然険しくしているのが借入金の返済負担だ。同社によればTXは総事業費約8000億円で建設され、うち6000億円は借入金。無利子だが、毎年200億円を鉄道・運輸機構に返済している。今後20年以上続く見通しという。 このため新たな投資には慎重だ。秋葉原駅から東京駅まで延伸させる「臨海地下鉄」の構想があり、沿線11区市が参加する事業化促進期成同盟会も設立されている。具体化は国の運輸政策審議会の結論次第だが、渡邊社長は進展を見極める必要があるとした。「資金的に債務過剰にならないか、株主である沿線1都3県の自治体としっかり検討していきたい」 また茨城県で検討されているつくば駅からJR常磐線土浦駅(土浦市)への延伸については「茨城県が交通体系をどうされるのか、その検討結果を受けてTXは対応を考えるという立場だ」と述べるにとどまった。 ロゴマークと新キャラ発表 開業20周年の特別企画としては記念のロゴマークと新マスコットキャラクターが発表された。ロゴマークは都心部や緑の多い地域、マンションが立ち並ぶ居住区などのさまざまな場所と、走り抜けていくTXを組み合わせ、沿線の街や人々と共に成長してきた20年をイメージしたビジュアルに仕上げた。 新マスコットキャラクターは、力強く純粋で幸運を呼ぶと言われているユニコーンをモチーフにした。未来につながる鉄道であるTXを体現し、共に駆けていく思いを込めた。3月にもネーミング投票を開始する予定だ。(相澤冬樹) ◆開業20周年記念特設サイトはこちら ➡渡邊良社長の記者会見の様子 https://www.youtube.com/watch?v=55wXZoof-l0

TX3駅の駐輪場有料化へ 来年4月から つくば市内

現在利用料が無料となっている、つくば市内のつくばエクスプレス(TX)研究学園駅、万博記念公園駅、みどりの駅3駅近くのTX高架下駐輪場(自転車駐車場)が、来年4月から有料化される方向で検討されている。つくば市が5日開会の12月定例会議に関連議案を提案している。 市によると新たな利用料金は、近隣のみらい平駅(1日150円、1カ月定期一般1880円~、学生940円~)や守谷駅(1日110円、定期1カ月一般1670円、学生1150円)などと同程度になる見通しだという。市議会最終日の26日に可決されれば、市が来年3月末に3駅の駐輪場用地を、TXを運行する首都圏新都市鉄道に返還し、来年4月から同鉄道が有料化して運営する予定だ。 3駅の駐輪場は2005年のTX開業以来、市が高架下用地を同鉄道から無償で借り受け、同鉄道に対する駐輪場用地の固定資産税を減免して、市が利用料無料で運営してきた。2023年度は3駅合わせて1日平均1710台が利用している。 利用状況は、最も利用率が高い研究学園駅東が収容台数216台に対し、2023年度の1日平均利用台数は362.1台で利用率は167.6%、同駅西が収容492台に対し利用482.5台、利用率は98.1%と、新たな駐輪場スペースの確保が課題となっている。これまでもみどりの駅は収容台数を2020年度に325台から624台に拡張、万博記念公園駅は22年度に189台から315台に拡張している。 同市公園・施設課によると、市が同鉄道に駐輪場用地の拡張について相談、つくば駅を含めTXの他17駅の駐輪場は有料となっていることなどから、市が駐輪場を有料化して運営する方法も選択肢の一つと打診したところ、有料化して同鉄道が運営する方向になった。駐車スペースの不足に対しては、同鉄道が2段式サイクルラックの設置を検討するなどしているという。

TX研究学園駅前イルミネーション《けんがくひろば》12

【コラム・高野武雄】私は2年前からTX研究学園駅前商店会の会長を務めておりますが、研究学園駅前イルミネーションは今年で18年目を迎えます。TXが開通した翌年には駅前にイルミネーションの光がともっていました。当時は駅前が薄暗く寂しい状態でした。そこで少しでも明るくしようと、地元苅間(かりま)の地権者の方々が手作りでスタートさせました。 今年は11月30日から来年2月28日まで光がともる予定です。ただ、諸般の事情により点灯式は中止になりました。 駅前イルミネーションは地域の皆様の支援と協力によって成り立っています。毎年、多くの方々が訪れ、この美しい光景を楽しんでいます。冬の寒さを忘れさせるような温かい光で訪れる人々の心を癒やしてくれます。このイベントは、地元の方々の思いの結晶であり、その光が地域を見守っています。 地域の絆を深めるイベント 研究学園は未来の希望にあふれた場所であり、多くの人々が集うことで文化が育まれています。私たちの商店会は、研究学園が全国の地域モデルとなるよう活動していきます。暖かく見守っていただければと思います。 イルミネーション飾りには多くのボランティアの方々が関わっており、その努力と情熱がこのイベントを支えています。また、地元の企業にも協力していただき、地域全体で盛り上げています。駅前に光がともると、街全体が一体となり、温かい雰囲気に包まれます。 研究学園駅前イルミネーションは地域の絆を深める重要なイベントであり、これからも続けていきたいと思います。多くの方々ご支援とご協力があってこそ、このイベントは成功します。これからもよろしくお願いします。(TX研究学園駅前イルミネーション実行委員会 会長)

TX研究学園駅に「駅ピアノ」を設置 《けんがくひろば》8

【コラム・髙野勝憲】7月1日、TX研究学園駅の構内(改札口外側コンコース)に「駅ピアノ」を設置させていただきました。今回のコラムでは、誰でも自由に弾ける駅ピアノをなぜ研究学園駅に寄贈したのか、私の思いを述べたいと思います。 一つは、駅利用者や近隣住民の皆さんに癒しや潤いを与えることができればと思っています。通勤や通学で研究学園駅を利用される方々は、気分のいい日もあれば気分が乗らない日もあるでしょう。そのとき、誰かが奏でる駅ピアノで前向きな気持ちになってもらえたらと思います。 二つ目は、この駅ピアノが地域のコミュニケーションの場になればということです。老若男女、市在住・在勤を問わず、この新しい街で生活する人たちに触れ合いが生まれる場所になればと思います。学校帰りの子供の演奏を通りがかった方が耳にして拍手を送る、といったように。 そういった思いを込め、ピアノのバックボードには、この地域で活動されている方々の団体名を記載させていただきました。 学園の思い出のシンボルに もう一つ、研究学園駅が駅利用者や近隣住民の愛される場所となることです。私は生まれも育ちも仕事もつくばで、そしてこの地を愛しています。先祖代々からの地元の方々、学園都市開発のために越して来られた方々、この街に魅力を感じて新たにお住いになられた方々―すべての方々に、この地を愛してもらえたらと思います。 特に子供たちに、です。価値観が多様化している現代社会において、子供たちには様々な経験をし、活躍をしてもらいたいと思います。その上で、この地に縁がある子供たちには、この地を忘れずに愛するふるさとと思ってもらえるよう、駅ピアノがこの地の思い出のシンボルになればと思います。 そういった願いを込め、茨城県出身のデザイナーに駅ピアノの企画を練ってもらい、つくば市出身のアーティストに学園都市にまつわる絵を描いてもらいました。また、1日の開設セレモニーでは、つくば市出身のピアニストに記念演奏をお願いしました。 このピアノが末永く愛され、皆さんの心に潤いを与え続けるとともに、研究学園の心のふるさにとなってくれることを願っています。(株式会社ホテルベストランド 代表取締役)

TX沿線県立高問題 知事の答弁に希望《竹林亭日乗》15

【コラム・片岡英明】茨城県の3月議会で星田県議(つくば市区)が「TX沿線開発と今後のまちづくり」について質問。大井川知事から、TX開通後東京圏から多くの子育て世代が移住し、沿線の人口が8万4000人も増え、今後も増加が見込まれる沿線3市(守谷市、つくばみらい市、つくば市)を一体として魅力あるまちづくりを進めたい―といった趣旨の答弁があった。 TX沿線3市の現状、特に教育環境はどうなっているのだろうか? 先につくば市と守谷市の県立高への進学や通学状況を取り上げたが(23年10月10日付、24年1月12日付)、今回はつくばみらい市も含めた3市の県立高について考えたい。 県立高環境、常磐線>TX 2023年度入試時のつくばみらい市の市立中卒業者は442人。県立高への進学者は、伊奈高79、水海道一高48、守谷高36、藤代紫水高23、藤代高22、取手一高21、竹園高15、水海道二高14、牛久栄進高10、つくばサイエンス高9、竜ケ崎一高8、取手二高8―と、分散している。 人口が増えている同市にとって、通学手段や定員を含む県立高問題は市の将来に関わる重要テーマと言える。そこで、TX沿線3市の市内県立高への入学状況を見ると、以下のようになっている。      市立中卒業数 市内県立高入学  割合▽つくば    2183   318    14.6%▽守谷      642    69     10.7%▽つくばみらい  442    79     17.9%▽合計     3267   466    14.3% 3市とも市内入学は1割台にとどまっている。この数字は常磐線沿線の土浦38.4%、牛久24.0%、取手39.4%に比べると大幅に低い。そこで、TX3市を一体とした県立高入学割合を見ると、以下のようになっている。         生徒 3市県立高入学 割合▽つくば    2183   413   18.9%▽守谷      642    164   25.5%▽つくばみらい  442    139   31.4%▽合計     3267   716   21.9% 常磐線沿線3市を一体として計算した割合は、土浦45.2%、牛久54.4%、取手44.6%、3市合計で47.8%。TX沿線3市合計で21.1%だから、常磐線沿線3市の半分以下という圏内入学率である。 沿線の県立高充実=沿線発展 TX沿線、常磐線沿線のいずれに住むかで県立高校進学条件に大きな違いがある。そのため、TX沿線の中学生には高校選択・通学に大きな負荷がかかっている。今後もTX沿線の人口・子ども増が見込まれることから、このまま放っておくと一層悪化する。 県は、県立高校の定員不足がTX沿線発展のボトルネックになっている事実を見てほしい。その上で、TX沿線・つくばエリアの中学生に県平均水準の県立高枠を確保してほしい。県立高の入学枠を広げることが、TX沿線の発展、ひいては県の発展につながると考える。 3月議会での知事の答弁を聞き、知事も多くの地域住民の願いと同じ方向性を持っていることが分かった。ここにTX沿線3市の中学生の希望を認めた。そして、つくばの高校新設問題の外堀は埋まったと感じた。知事答弁の延長線には、TX沿線への県立高新設があると思うからだ。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

みどりの南小・中学校開校 つくば TX沿線

駅近くの義務教育学校から分離 つくばエクスプレス(TX)沿線のつくば市みどりの南に、市立みどりの南小学校(市村毅校長)とみどりの南中学校(野村光弘校長)が新設され、3日開校式が開かれた。人口増加により、みどりの駅近くに2018年4月に開校した小中一貫のみどりの学園義務教育学校から分離し、新設された。 同南小には718人、南中は65人が入学する予定。同じ区画に小中学校が隣接して建つ。校舎は小学校が鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積約8500平方メートル、中学校は同3階建て、延べ床面積4200平方メートルで、小中の校舎は連絡通路でつながっている。高速道路に隣接していることから、騒音対策として校舎の建具に遮音性の高いものを使用している。 体育館は小中それぞれあり、グラウンドは小学生用の1周150メートルトラックと、中学生用の200メートルトラックがある。ほかに主に中学生が部活動で使用するサブグランドがある。プールはなく、4月に近くにオープンするみどりの学校プールを使用する。 休日は体育館、図書室、家庭科室、音楽室、多目的室などを地域住民に開放する予定だ。 新設計画がスタートした2020年時点では、みどりの学校プールがオープンする用地に小中学校を建設する予定で県有地を購入した。同用地はTXの線路をはさんでつくばみどりの工業団地に隣接し、近くに産業廃棄物施設が立地していることなどから、議会から「教育環境として問題があると心配の声が上がっている」などの指摘があり、建設用地を600メートル南の高速道路脇の県有地に移転した。その後も、みどりの地区に3カ所目の小中学校を建設する否かや、通学区をめぐって学区審議会などで議論が交わされた経緯がある。 通学区域は、同南小は同市中野、片田、西栗山、飯田、根崎、みどりの東、みどりの南。同南中は、南小と、隣り合う谷田部南小校区となる。一部の地域は、みどりの学園義務教育学校、谷田部南小学校と新設校との選択制となる。 一方、さらなる児童・生徒数の増加が見込まれることから、増築する計画がある。 開校式には学校関係者や県議、市議、市職員ら約100人が参加した。同小の市村校長は「9年間の学びを通して子どもたちが未来に向けて幸せな人生を築くための基盤となる学校を目指していく」とし、「小学校では一人一人の個性を大切にし、中学校では自立と共生という教育理念のもとで自ら考え行動し社会の一員として責任を果たせるような人材育成に努める」と理念を述べ、「地域と連携しながら、地域に愛され貢献できる学校づくりを目指す」と語った。 あいさつに立った五十嵐立青つくば市長は、23年につくば市が人口増加率で日本一になったことに触れ「人口が増えたからといって、ただ学校をつくればいいというわけではない。学校は子どもたちが学び、人と関わり成長してく居場所としての機能を持つところ」とし、「教えから学びへ、管理から自己決定へ、テスト重視ではなく子どもたちが協調する力を育める教育を目標とする市教育大綱に基づき、子ども達にとってどのような場所がいいのか、近代公教育の大きな転換を図っていくことを目指していく」と語った。また「先生たちの負担を少しでも軽くしながら、校内フリースクールやスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを置くなどし、学校が子ども達にとって安心した居場所になるよう努めていく。課題はあると思うが、みんなで新しい学校をつくっていきたい」と語った。 両校の校歌は、歌手・松田聖子の曲を多数手掛けてきたことで知られる、つくば市出身の作曲家、小倉良さんが手がけた。開校式に参加した小倉さんは「校歌を依頼されたことは大変名誉。何百年も歌われることに責任とこれまでにないプレッシャーを感じた。これまで450曲以上作ってきたが校歌は初めて。児童・生徒の皆さんが歌うところを思い描きながら作った」と笑顔を交えながら語った。(柴田大輔)

茗渓の学園運営に磨き TX駅南移転は29年 《吾妻カガミ》170

【コラム・坂本栄】日本自動車研究所(JARI)の未利用地(TX研究学園駅南側)売却は、売り手=JARI、買い手=大和ハウス工業、主な活用者=茗渓学園学校の3者にとって好ましい、WIN-WIN-WINの形になりました。今やつくば市の中心区になった研究学園駅周辺は、北側の商業ゾーンに加え、南側の開発も進むことで、一層にぎわいそうです。 人材育成と中高一貫が一致 記事「…自動車研用地に茗渓学園が移転へ …研究学園駅南側、大和ハウスが開発」(10月20日掲載)にもあるように、広い土地の売却は「公募型プロポーザル」で行われました。取得希望企業の提示価格(配点500)と事業計画(配点500)を採点し、合計点が一番高い企業に売却する方式です。JARIは、「高く売りたい」だけでなく、「どう使われるか」も重視したわけです。 公募要領には「環境配慮、産業発展、人材育成…を意識した取り組み…」と記載し、応募企業に学園都市にマッチする事業計画を提出するよう求めました。結果は、計画に「中高一貫校」を盛り込んだ大和ハウスが897点と、805点の2位企業、783点の3位企業を大きく引き離しました。JARIと同社の考え方が合致したと言え、WIN-WINです。 話があったのは今年の3月 大和ハウスの計画では、取得用地の30%弱が「中高一貫校」に割り当てられ、「人材育成」が事業計画の目玉になっています。同社は、その学校として私立の茗渓学園(つくば市稲荷前、学生数1526人、1979年創立)に狙いを定め、水面下で話を進めてきました。 茗渓学園の宮崎淳校長・理事によると、この件が大和ハウスから提案されたのは今年3月でした。「それまでは、創立70周年に向け、現在地に新しい施設を造り、体育館に冷暖房を入れるといった、長期計画を立てていた」。思わぬ話に上層部は驚いたそうですが、今では「茗渓にとって駅南移転は大きなプラス」とのコンセンサスができています。 大和ハウスのスケジュールでは、売買契約=2023年11月、受け渡し=23年12月、商業施設完成=26年夏、マンション完成=28年初、中高一貫校完成=28年初となっていますから、28年4月のTX駅南開校(学園移転)が可能です。しかし、今の中学1年生の通学先が途中で変わらないよう、駅南開校=29年(創立50周年)春を考えているそうです。 強力な筑波大&経済界人脈 茗渓学園は、筑波大学とその前身の東京教育大学のOB会「茗渓会」によって設立されました。14人の理事の中には筑波大の現・元教授が3人います。経済界との関係も強く、現理事長は中川喜久治氏(中川ヒューム管工業社長、土浦商工会議所会頭)です。理事には関正樹氏(つくば市に本社機能がある関彰商事の社長)も名を連ねています。前理事長は常陽銀行頭取を務めた西野虎之介氏(東教大OB、故人)でした。 こういった強力な筑波大&経済界人脈を背景に、茗渓学園は駅南移転を機に大化けし、3者中1番のWINNERになるかもしれません。 現在の生徒概要は、▼県外から32%/県内から68%(つくば市内39%)▼帰国子女約300人▼留学生約40人▼寄宿舎利用者約230人▼海外大合格者約120人(累計)―ですが、TX駅南への移転によって首都圏からの生徒が増え、「入口も出口も海外」(宮崎校長)という学園の特性に磨きがかかると予想されるからです。(経済ジャーナリスト) <駅南開発模型の説明> ▽左の模型:斜めに通る道路の左上はマンション区。道路の右上が中高一貫校区。道路の下は商業施設区と研究施設区。一番下は物流倉庫区。 ▽右の模型:中高一貫校区を拡大。ブルーは学校棟や寄宿舎など建物。グリーンはラグビー場など校庭。

茗渓の学園運営に磨き TX駅南移転は29年《吾妻カガミ》170

【コラム・坂本栄】日本自動車研究所(JARI)の未利用地(TX研究学園駅南側)売却は、売り手=JARI、買い手=大和ハウス工業、主な活用者=茗渓学園学校の3者にとって好ましい、WIN-WIN-WINの形になりました。今やつくば市の中心区になった研究学園駅周辺は、北側の商業ゾーンに加え、南側の開発も進むことで、一層にぎわいそうです。 人材育成と中高一貫が一致 記事「…自動車研用地に茗渓学園が移転へ …研究学園駅南側、大和ハウスが開発」(10月20日掲載)にもあるように、広い土地の売却は「公募型プロポーザル」で行われました。取得希望企業の提示価格(配点500)と事業計画(配点500)を採点し、合計点が一番高い企業に売却する方式です。JARIは、「高く売りたい」だけでなく、「どう使われるか」も重視したわけです。 公募要領には「環境配慮、産業発展、人材育成…を意識した取り組み…」と記載し、応募企業に学園都市にマッチする事業計画を提出するよう求めました。結果は、計画に「中高一貫校」を盛り込んだ大和ハウスが897点と、805点の2位企業、783点の3位企業を大きく引き離しました。JARIと同社の考え方が合致したと言え、WIN-WINです。 話があったのは今年の3月 大和ハウスの計画では、取得用地の30%弱が「中高一貫校」に割り当てられ、「人材育成」が事業計画の目玉になっています。同社は、その学校として私立の茗渓学園(つくば市稲荷前、学生数1526人、1979年創立)に狙いを定め、水面下で話を進めてきました。 茗渓学園の宮崎淳校長・理事によると、この件が大和ハウスから提案されたのは今年3月でした。「それまでは、創立70周年に向け、現在地に新しい施設を造り、体育館に冷暖房を入れるといった、長期計画を立てていた」。思わぬ話に上層部は驚いたそうですが、今では「茗渓にとって駅南移転は大きなプラス」とのコンセンサスができています。 大和ハウスのスケジュールでは、売買契約=2023年11月、受け渡し=23年12月、商業施設完成=26年夏、マンション完成=28年初、中高一貫校完成=28年初となっていますから、28年4月のTX駅南開校(学園移転)が可能です。しかし、今の中学1年生の通学先が途中で変わらないよう、駅南開校=29年(創立50周年)春を考えているそうです。 強力な筑波大&経済界人脈 茗渓学園は、筑波大学とその前身の東京教育大学のOB会「茗渓会」によって設立されました。14人の理事の中には筑波大の現・元教授が3人います。経済界との関係も強く、現理事長は中川喜久治氏(中川ヒューム管工業社長、土浦商工会議所会頭)です。理事には関正樹氏(つくば市に本社機能がある関彰商事の社長)も名を連ねています。前理事長は常陽銀行頭取を務めた西野虎之介氏(東教大OB、故人)でした。 こういった強力な筑波大&経済界人脈を背景に、茗渓学園は駅南移転を機に大化けし、3者中1番のWINNERになるかもしれません。 現在の生徒概要は、▼県外から32%/県内から68%(つくば市内39%)▼帰国子女約300人▼留学生約40人▼寄宿舎利用者約230人▼海外大合格者約120人(累計)―ですが、TX駅南への移転によって首都圏からの生徒が増え、「入口も出口も海外」(宮崎校長)という学園の特性に磨きがかかると予想されるからです。(経済ジャーナリスト) <駅南開発模型の説明> ▽左の模型:斜めに通る道路の左上はマンション区。道路の右上が中高一貫校区。道路の下は商業施設区と研究施設区。一番下は物流倉庫区。 ▽右の模型:中高一貫校区を拡大。ブルーは学校棟や寄宿舎など建物。グリーンはラグビー場など校庭。

つくば自動車研用地に茗渓学園が移転へ TX研究学園駅南側、大和ハウスが開発

日本自動車研究所(JARI)がTX研究学園駅南側に保有している未利用地(つくば市学園南2丁目、15.5ヘクタール)の売却先が決まった(4月19日付)。公募型プロポーザル(事業提案による入札)で選ばれたのは、つくば市内で多角的に事業展開する大和ハウス工業(本社大阪市)。同社はこの一等地に茗渓学園学校(つくば市稲荷前)を誘致するほか、マンション、商業施設、研究施設などを建設する。 未利用地の取得価格は142億円 JARIが20日、公募に応じた3企業グループから提案された事業計画の審査結果を公表した。それによると、取得価格や提案計画などを総合的に審査した結果、大和ハウス・グループが1位だった。JARIが提示していた最低価格92億4000万円に対し、同社は142億円の取得価格を提示した。11月に売買契約が結ばれ、未利用地は12月に引き渡される。 JARIはTX研究学園駅の南側に80ヘクタールの土地を保有している。今回売却されるのは、敷地のほぼ中央を縦断する市道5-1711号線の右側にある未利用地。TX鉄道とエキスポ大通りに挟まれた場所にあり、どこがどう開発するか注目されていた。 中高学校+マンション+商業施設… 大和ハウスによると、開発のコンセプトは「活発」「学術」「加速」。具体的には、マンションで構成される居住区画、スーパーマーケットなどで構成される商業区画、中高一貫高などで構成される学術区画、先端研究施設などで構成される産業区画を設ける。総投資額は明らかにしていないが、用地取得代も含めると300~400億円になりそうだ。 土地の造成などを経て、2024年秋に建物の建設に入り、スーパーや運動ジムなどが入る商業施設は26年夏、中高層マンションは28年初の完成を目指す。用地の北・左側から南・右側に走る道路も計画されている。 TX駅前は便利で魅力的=茗渓学園 開発では「中高一貫校」が目玉になる。計画書に学校名は明記されていないが、中高一貫校の茗渓学園(現在の生徒数は1526人)を誘致する方向で話が進んでいる。 大和ハウスは、全体用地15.5ヘクタールの28%に相当する4.3ヘクタールを茗渓学園用に確保している。茗渓学園側も、TX駅側に移れば東京都や千葉県からの通学が容易になり、駅から徒歩で通えるのも魅力的と判断している。大和ハウスが用地を確保したことを踏まえ、近く、移転の可否を理事会と評議員会に諮る。 現在の茗渓学園は赤塚公園の西側、気象研究所の南側に位置し、開校は1979年4月。事務局によると、開校から45年ということもあり、建て替えも検討していたところ、大和ハウスからこの話が舞い込んだ。移転すると敷地は少し狭くなるが、学校棟の高層化により、寄宿舎やラグビー場などから成る施設は十分確保できそうだ。(岩田大志)

TX土浦駅接続計画 空港延長も再議論《吾妻カガミ》162

【コラム・坂本栄】茨城県の大井川和彦知事は6月下旬、現在つくば駅止まりのTXをJR常磐線土浦駅まで延ばしてもらい、これが実現した後、同駅から茨城空港につなぐことを議論してもらうという計画を発表しました。この中には土浦駅延伸に向けた3フェーズ(段階)も記載され、土浦駅接続&空港延長(?)が県の計画に位置付けられました。 延伸実現に向けた3段階の作戦 発表文TX県内延伸に係る方面決定についての結論部(いわば戦略目標と作戦要綱)を整理すると以下のようなことです。 ▼目標:常磐線土浦駅への接続を実現→その後に茨城空港延伸を議論 ▼フェーズ1(たたき台の作成):沿線開発による需要拡大策・費用削減方策、採算性が確保できるルート・事業のスキームなどを検討→関係機関との調整に向けて県の素案を策定 ▼フェーズ2(調整と磨き上げ):関係者との調整と追加調査→国交省・交通政策審議会答申に盛り込み ▼フェーズ3(計画の総仕上げ):関係都県や関係者と調整→路線計画・建設計画・事業計画を決定→TX運行会社などと共同して事業許可を取得 沿線開発→乗客増という好循環 私はコラム155「…土浦駅延伸 次の焦点は…」(4月17日掲載)や147「…延伸実現へのシナリオ」(2022年12月19日掲載)などで、茨城空港の首都圏第3国際空港化、研究学園都市の米ボストン化を想定して、TXを空港まで延ばすよう主張してきました。こういった声が県に届いたのか、戦略目標には空港延伸が余韻として残りました。 また155で「(第三者委員会の提言には)実現可能性が優先され地域開発の夢が見えない」(地元経済人)との声を紹介しましたが、フェーズ1に「沿線開発による需要拡大策・費用削減方策を検討」が入りました。記事「…『祝賀集会』…」(7月2日掲載)でも言及されているように、つくば駅―土浦駅間には新駅が2~3設置されるようですから、沿線開発→乗客増加という好循環が起き、県が心配する採算性はクリアされるでしょう。 延伸沿線開発では、現TX敷設の際に県土地開発公社とUR都市機構が沿線土地を分担して先行取得した先例に倣(なら)い、県、つくば市、土浦市の土地公社による土地取得も検討課題になります。 知事任期と微妙に重なる時間表 記事「土浦駅に決定…」(6月24日掲載)によると、知事はフェーズ2の交通政策審議会答申を2028年と想定しています。この中に、土浦駅← 現TX(つくば駅―秋葉原駅)→東京駅の両方向延伸を入れさせ、総経費を東京、埼玉、千葉、茨城で分担する形に持ち込む(茨城の負担を抑える)―これが知事の基本作戦ですから、同年が決戦の年になります。 面白いことに、大井川知事の任期(現2期目は2021年夏~2025年夏、出馬当選すれば3期目は2025年夏~2029年夏)と作戦要綱のタイムテーブル(実現可能な県の素案を作るフェーズ1は2期目後半、1都2県と中央政府に諸工作するフェーズ2は3期目前半、計画を具体化するフェーズ3は3期目後半)がほぼ重なります。延伸作戦は政治作戦でもあるわけです。(経済ジャーナリスト)

TX土浦駅接続計画 空港延長も再議論《吾妻カガミ》162

【コラム・坂本栄】茨城県の大井川和彦知事は6月下旬、現在つくば駅止まりのTXをJR常磐線土浦駅まで延ばしてもらい、これが実現した後、同駅から茨城空港につなぐことを議論してもらうという計画を発表しました。この中には土浦駅延伸に向けた3フェーズ(段階)も記載され、土浦駅接続&空港延長(?)が県の計画に位置付けられました。 延伸実現に向けた3段階の作戦 発表文TX県内延伸に係る方面決定についての結論部(いわば戦略目標と作戦要綱)を整理すると以下のようなことです。 ▼目標:常磐線土浦駅への接続を実現→その後に茨城空港延伸を議論 ▼フェーズ1(たたき台の作成):沿線開発による需要拡大策・費用削減方策、採算性が確保できるルート・事業のスキームなどを検討→関係機関との調整に向けて県の素案を策定 ▼フェーズ2(調整と磨き上げ):関係者との調整と追加調査→国交省・交通政策審議会答申に盛り込み ▼フェーズ3(計画の総仕上げ):関係都県や関係者と調整→路線計画・建設計画・事業計画を決定→TX運行会社などと共同して事業許可を取得 沿線開発→乗客増という好循環 私はコラム155「…土浦駅延伸 次の焦点は…」(4月17日掲載)や147「…延伸実現へのシナリオ」(2022年12月19日掲載)などで、茨城空港の首都圏第3国際空港化、研究学園都市の米ボストン化を想定して、TXを空港まで延ばすよう主張してきました。こういった声が県に届いたのか、戦略目標には空港延伸が余韻として残りました。 また155で「(第三者委員会の提言には)実現可能性が優先され地域開発の夢が見えない」(地元経済人)との声を紹介しましたが、フェーズ1に「沿線開発による需要拡大策・費用削減方策を検討」が入りました。記事「…『祝賀集会』…」(7月2日掲載)でも言及されているように、つくば駅―土浦駅間には新駅が2~3設置されるようですから、沿線開発→乗客増加という好循環が起き、県が心配する採算性はクリアされるでしょう。 延伸沿線開発では、現TX敷設の際に県土地開発公社とUR都市機構が沿線土地を分担して先行取得した先例に倣(なら)い、県、つくば市、土浦市の土地公社による土地取得も検討課題になります。 知事任期と微妙に重なる時間表 記事「土浦駅に決定…」(6月24日掲載)によると、知事はフェーズ2の交通政策審議会答申を2028年と想定しています。この中に、土浦駅← 現TX(つくば駅―秋葉原駅)→東京駅の両方向延伸を入れさせ、総経費を東京、埼玉、千葉、茨城で分担する形に持ち込む(茨城の負担を抑える)―これが知事の基本作戦ですから、同年が決戦の年になります。 面白いことに、大井川知事の任期(現2期目は2021年夏~2025年夏、出馬当選すれば3期目は2025年夏~2029年夏)と作戦要綱のタイムテーブル(実現可能な県の素案を作るフェーズ1は2期目後半、1都2県と中央政府に諸工作するフェーズ2は3期目前半、計画を具体化するフェーズ3は3期目後半)がほぼ重なります。延伸作戦は政治作戦でもあるわけです。(経済ジャーナリスト)

県の発表受け「祝賀集会」 TX土浦延伸を実現する会

茨城県がつくばエクスプレス(TX)の県内延伸先を土浦方向に絞り込み、JR常磐線と土浦駅で交差させる構想を決定したことを受け、TX土浦延伸を実現する会(会長=安藤真理子土浦市長)は2日、クラフトシビックホール土浦(市民会館)で活動報告会を開いた。集会には、多くの市民のほか、土浦を選挙区に持つ国会・県会議員も参加、土浦駅接続に向けて活動を続けることを確認した。 大井川和彦知事は6月23日の記者会見で、学者らで構成される第3者グループの提言と、提言に対するパブリックコメント(意見公募)を踏まえ、昨年示した4候補(筑波山、水戸、土浦、茨城空港)から延伸先を土浦駅に絞り込んだと発表した。土浦延伸を実現する会の報告会はこの決定を受けたもので、あいさつ者からは土浦延伸のメリットと実現に向けての課題について発言があった。 「TXのTを土浦と読み替えたら」 安藤市長は「土浦延伸決定は私たちの熱く強い思いが実を結んだもので喜ばしい。皆さまが描いた夢が現実へと大きく動いたものと実感している。ただ、今やっとスタートラインに立ったということだ」と述べ、クリアーしなければならない課題が多い延伸に向けて気を引き締めた。 出席議員からは「つくば市から国会へTXで通っているが、TXで街が変わることを実感している。土浦にとってこの素晴らしい恵みの実現に向けサポートしていく」(国光あやの衆院議員)、「今、私が属する委員会では国土形成計画を審議しているが、これが終わったら広域地方計画をまとめる。この中にTX土浦延伸を盛り込みたい」(青山大和衆院議員)、「集会の名称『活動報告会』は控えめであり、『お祝い会』ではないか。この際、TXのTを土浦と読み替えたらよい」(八島功男県議)などの発言があった。 つくば―土浦に2~3の駅を整備? 最後に土浦商工会議所の中川喜久治会頭がこの日採択する宣言内容を説明。「実現する会のこれまでのスローガンは『TXを土浦へ』だったが、これからは『TXが土浦に』になる」とし、「常磐線とTXの接続により、筑波山・霞ケ浦などの県南観光地のみならず、茨城空港や県内全域の観光地へのアクセス向上が図られる」と、観光ビジネスの活性化に期待を示した。 報告会に先立ち、土浦延伸を実現する会の技術アドバイザーに就任した塚本一也氏(元JR東職員、元県議、大曽根タクシー社長)が講演。土浦方面決定の論点、現TX成功の原因、延伸ルートの決め方、新たな沿線開発―などを説明する中で、「総延長54キロの現TXには駅が20あり、単純に割ると2.8キロに一つ。TXつくば駅とJR土浦駅の間は約10キロだから、2~3の新駅が造られると予想される」と述べた。 さらに、土浦延伸実現に向けての課題として、①新たな利用者の確保②これまでの沿線開発を補完する都市機能の整備③JR常磐線と共存できる接続プラン④1都2県(千葉、埼玉)の理解を得られる延伸計画―などを挙げた。(岩田大志)

土浦駅に決定 TX県内延伸先 県

つくばエクスプレス(TX)の県内延伸先を検討してきた県は23日、第3者委員会からの提言(3月31日付)と5月に実施したパブリックコメント(意見募集)の結果を踏まえ、延伸先を土浦方面に決定したと発表した。 JR常磐線と接続する駅は土浦駅とし、今後は県内延伸構想の具体化に向けた検討を進める。さらに土浦駅延伸が実現後、自衛隊との共用空港である茨城空港の着陸制限の緩和など空港を取り巻く状況が変化した場合、改めて茨城空港延伸について議論するとした。 5月1~30日に実施したパブリックコメントは個人と団体計283人(団体)から意見が寄せられ、県内延伸に賛成は82%、反対は12%だった。 延伸先については土浦方面が最も多く全体の44%で、理由としては「4方面の中で費用がかからず実現可能性が高い」「事故・災害時の代替交通の確保につながる」などの意見があった。 延伸先を茨城空港方面とする意見も全体の25%あったほか、水戸方面は7%、筑波山方面は5%あった。反対意見の中には「採算性に乏しく赤字となる延伸は必要ない」などの意見があった。 意見を寄せた283人(団体)の内訳は、土浦市在住者が25%と最も多く、次いで小美玉市が22%、つくば市が17%の順。年代別は50代が20%と最も多く、次いで40代が18%、60代が17%の順。 「採算性の懸念共有している」 意見募集の結果について県は、土浦や茨城空港も含めて、延伸に賛成する意見が圧倒的に多く大きな期待が確認できたとした。土浦と決定した理由について大井川和彦知事は23日の記者会見で「実現可能性のある延伸先であることがまず最も重要」だとした。 一方で大井川知事は「反対の主な理由が採算性に対する懸念で、延伸したはいいが、赤字をずっと出し続けるのであれば最終的には県財政の負担につながるだけ、というような趣旨だった。我々も懸念は共有している」と述べ、「今後、単なる運賃収入だけじゃなくて、周辺開発なども含め事業採算性をいかに向上させていくかの方策を練ることが、反対意見の不安を払拭する最大の答えになる」と述べた。 県は3月に、土浦駅に延伸する場合の概算事業費や需要予測について、事業費は約1400億円、つくば駅-土浦駅間の1日当たりの乗車人数は約8600人と見込まれ、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測される、鉄道事業の採算性を評価する指標の一つで、1以上が望ましいとされる費用便益比は0.6にとどまり、1を上回るためには11万人規模の沿線開発が必要だとする見通しを示している。 東京延伸と同時、28年の答申目指す 今後の進め方については第1段階として、土浦駅であっても赤字であることから、沿線開発なども含めてどうやって採算性を確保していくかを調査検討し、県としての叩き台(素案)をつくっていく。 第2段階として素案をもとに、国や、TX出資者の東京都、埼玉、千葉県、TXを運行する首都圏新都市鉄道などの事業者と調整をし、2028年の国の交通政策審議会の答申に位置付けていくことが大きなステップになるとした。最終の第3段階では路線計画、建設計画、事業資金などを決めていく。 大井川知事は事業費1400億円の負担について「県内延伸は茨城県が全部やれ、という竹内知事時代の覚書があって(20年12月22日付)、それを1回チャラにしてもらって、各都県に協力もいただいた上で、県内延伸と東京延伸を同時にやりましょうという構図に持っていきたい。マイナスですけれどもお願いします、は多分通らない。是が非でも知恵を絞らなきゃいけない」と述べた。 事業費負担の理解を得る見通しについては「一にも二にも採算性。採算性がマイナスの時点で周辺近隣都県に理解を求めることは非常に難しい。これからの検討において、いかに採算の見込みを向上させていくかということが次の鍵になる」と強調した。理解を得る鍵として「(土浦延伸により)首都圏を中心とした経済圏をバックアップする後背地が大きく広がることの経済的メリットと、首都直下型地震などの大きな災害時に、常磐線とTXがつながることによって交通の代替性が確保されること」の二つを挙げた。

TX、3年ぶり黒字 22年度 乗客数は一定程度回復

つくばエクスプレス(TX)を運行する首都圏新都市鉄道(柚木浩一社長、東京都千代田区)は29日、2022年度(22年4月-23年3月)の営業実績を発表した。コロナ禍で落ち込んだ乗客人員は一定程度回復し、営業利益、経常利益、当期純利益いずれも黒字を計上した。黒字は19年度以来3年ぶり。ただしコロナ前の19年度のレベルまでは回復しなかった。 22年度の1日当たりの平均乗客人員は前年度比14.3%増の約34万9000人と一定程度回復した。一方、コロナ禍前の19年度の約39万5000人に比べ12%減にとどまった。 決算は、運賃収入など本業で稼いだ営業収益は前年度比17.3%増の約408億6800万円となった。ただし19年度と比べると12.6%減の水準にとどまった。本業にかかった経費である営業費は、燃料費単価の上昇により動力・水道光熱費が約11億2100万円増加したが、減価償却費が約10億4200万円減少し、同比1%減の約366億200万円となった。 この結果、本業で稼いだ営業利益は約42億6500万円の黒字、通常業務で得た経常利益は約19億5900万円の黒字、当期純利益は約21億4100万円といずれも黒字となった。前年の21年度はいずれも赤字で、営業利益が約21億7900万円の損失、経常利益は約43億2300万円の損失、当期純利益は約43億3100万円の損失だった。 コロナ禍で20年度と21年度は2年連続損失を計上し、22年度当初の残高は約5億9800万円の赤字だったのに対し、22年度は当期純利益が約21億4100万円になったことから、利益剰余金残高は約15億4300万円となった。

「土浦方面・土浦駅接続」で意見を募集 TX延伸で茨城県

つくばエクスプレス(TX)県内延伸について、茨城県のTX県内延伸第三者委員会が3月31日、延伸先は土浦方面が最善だとする提言書を大井川和彦知事に提出した(3月31日付)のを受けて、県は1日、延伸先を「土浦方面とし、JR常磐線と接続する駅は土浦駅として、県内延伸構想の具体化に向けた検討を進めていく」とする県の方針案をまとめ、同日からパブリックコメント(意見募集)を開始した。30日まで広く県民の意見を募集し、6月下旬ごろ県の方針を決定する。 土浦駅に延伸する場合、約1400億円の事業費がかかり、つくば駅-土浦駅間(8.4キロ)の1日当たりの乗車人数は約8600人で、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測され、第三者委から、需要の呼び起こしや事業スキームのさらなる検討が課題だと指摘されたことなどから、県方針案は今後の進め方について①関係機関との調整に向けて県としての素案を策定する②国の交通政策審議会答申での位置づけを目指す③事業主体となる鉄道事業者と共同して延伸事業の許可取得を目指すーの3段階に分けて進めていくとした。 第1段階の素案策定時期について県交通政策課は、2025年度に県の総合計画が改定されることから、改定に間に合うよう国やTX沿線都県、延伸市の土浦、つくば市などと調整を進め、素案策定を目指すとし、その後、第2段階として、国の審議会答申で位置付けられることを目指すとしている。 ほかに意見募集では新たに、年間運営費として経費や人件費に計22億円かかる一方、運賃収入などは19億円にとどまるなど年間3億円の赤字になる根拠となる数字や、1以上が望ましいとされる費用便益比が0.6にとどまるとされた算出データについて、30年間の合計を現在の価値で評価すると、総費用が718億円なのに対し、時間短縮や費用節減、混雑緩和、環境改善などの便益は415億円にとどまるなどのデータも公表されている。 ◆パブリックコメントの詳細は県交通政策課のホームページへ。方針案に対する意見は郵送、ファクス、電子メールなどで提出することができる。

Most Popular