金曜日, 9月 11, 2026
ホームつくば事業効果ある TX 土浦と東京延伸一体整備目指す 県が事業計画素案

事業効果ある TX 土浦と東京延伸一体整備目指す 県が事業計画素案

つくばエクスプレス(TX)の県内延伸を検討している県は25日、土浦駅延伸の事業計画素案を発表した。土浦駅延伸のみを単独で整備する場合と、東京駅延伸と一体で整備する場合の両方を計算した。需要拡大や費用削減の観点から県独自の調査に基づく予測モデルでシミュレーションを行った結果、土浦延伸を単独で整備する場合、1以上であれば事業効果があるとされる費用便益比(B/C)は1.60と事業効果があり、黒字に転換するのは43年とした。東京駅延伸と一体で整備する場合は、費用便益比1.35、黒字になるのは27年と、黒字化が早まる見込みだとした。

今後についてはさらに関係者と調整を進め、必要な追加調査を実施し素案の磨き上げを進めるとし、次の国交省交通政策審議会答申で東京駅延伸と一体的に土浦駅延伸の位置づけを目指すとしている。

土浦駅延伸については、現在のJR土浦駅に隣接して新土浦駅を設け、TXつくば駅―新土浦駅間(約10キロ)の駅は1駅、可能な限り最短経路と仮定して計算した。開業目標は東京駅延伸と同じ20年後の2045年、つくば駅ー新土浦駅間の所要時間は約9分、運賃340円、JR土浦駅とTX新土浦駅間の乗り換え時間は約4分、つくば駅発着の全列車が新土浦駅に乗り入れると想定し、概算事業費は約1320億円、両駅間の輸送人数は1日当たり約2万2000人から2万5000万人とした。

事業費は既存の補助制度である国の都市鉄道利便増進事業費補助を活用し、事業スキームは営業主体と整備主体が異なる上下分離方式の導入を想定、整備費は国、地方、借入が3分の1ずつとし、開業後は営業主体か受益相当額である施設使用料の支払いを受けると想定した。

一方、東京駅延伸と一体で整備を進める場合は、TX秋葉原駅-新東京駅間(約2キロ)の所要時間約3分、運賃170円、TX新東京駅とJR東京駅間の乗り換え時間は約8分、秋葉原駅発着の全列車が新東京駅に乗り入れるとし、概算事業費はつくば駅ー新土浦駅間と秋葉原駅ー新東京駅間の2区間合わせて約3070億円、1日当たりの輸送人数は、つくば駅ー新土浦駅間が約2万人から2万6000人、秋葉原駅-新東京駅間が約13万3000人とした。

一体整備の需要予測については、TXつくば駅-新土浦駅間の中間駅周辺の開発を含めて検討し、開発面積約160ヘクタール、計画人口約5000人の開発を想定したとした。

県は2023年6月に、JR土浦駅に延伸する構想の具体化に向けた検討を進めることを検討し、2024年度中に採算性確保に向けた方策の調査・検討を実施するとしていた(23年6月24日付)。検討に先立って23年3月、県の第三者委員会(委員長・岡本直久筑波大教授)が提言を出し、その際の土浦方面の延伸の想定は、事業費約1400億円、つくば駅―土浦駅間の1日当たりの乗車人数は約8600人、建設コストを除き年間3億円の赤字が出ると予測し、1以上が望ましいとされる費用便益比は0.6で、1を上回るためには11万人規模の沿線開発が必要だとしていた(23年3月31日付)。

「一歩前進」土浦市長

県の事業計画素案について土浦市の安藤真理子市長は25日「つくばエクスプレスの土浦延伸は、長年にわたる私たちの悲願であり、市民の皆様の利便性が格段と向上することはもちろんのこと、県のみならず、首都圏全体に大きなメリットをもたらす。その中で今回、茨城県が発表した事業計画素案は、土浦延伸の実現に向けて一歩前進したことを意味しており、非常にうれしい。東京延伸と一体的に進めることで、地域経済の発展への起爆剤になるものと考えており、県との連携を密にし、2045年の開業に向けて、全力で取り組んでまいりたい」とするコメントを発表した。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

28 コメント

28 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最近のコメント

最新記事

別館宴会場「昴」を大改修 ホテル日航つくば

ホテル日航つくば(つくば市吾妻1丁目)は別館大宴会場「昴(すばる)」の大改修を進めていたが、このほど工事が完了、10日、報道機関などへの内覧会を開いた。天井照明装置、影像音響装置、床カーペットなどが一新され、「幅広い用途に対応できる宴会場として生まれ変わった」(古澤聡総支配人)。改修費は約3億円という。 同ホテルは、1985年開催のつくば科学万博に合わせ、1983年「筑波第一ホテル」として開業。別館は1990年に完成した。その後、ホテルオークラ(本社東京都港区)が運営を引き継ぎ、2001年「オークラフロンティアホテルつくば」に名称を変更。さらに経営権もオークラが継承、同社による日本航空系ホテル買収から10年後の2020年、現ホテル名になった。 筑波山稜線、桜川水面をイメージ 改修は大きく分けると3分野。天井照明は蛍光灯からLEDに換え、明るさを従来の3倍にし、スポット照明に動作性を持たせた。プロジェクターは後方壁面に備え付け(これまではフロアーに設置)、壁面スクリーンも電動操作(同手動操作)にし、音響器機には音質劣化抑制システムを導入した。カーペットは、紫峰・筑波山の稜線、市内を流れる桜川の水面などをイメージできるデザインのものに張り替えた。 古澤総支配人は「3分割可能な大宴会場は約700平方メートルの広さがあり、県南にある宴会場としては最大級。式典、宴会、結婚式などの快適性だけでなく、各種の会議に対応できるよう、照明器具や会議装置の機能性もアップした」と話す。 新装で増収目指す 同社の2025年度の売上高は18億2000万円。今年度は20億円を見込む。収入の半分を占める宿泊部門は外国人観光客を呼び込むことで増収を図り、宴会部門は新装会場の稼働率アップで増収を目指す。さらに、両部門の活性化を飲食部門につなげ、レストラン「セリーナ」、中国料理「桃李」、「常陸牛 山水」などの利用者増も狙う。(坂本栄)

投票時間1時間繰り上げ午後6時まで つくば市選管

つくば市は9日、今後実施される選挙について、投票日当日の投票時間を、これまでの午後7時までから1時間繰り上げて午後6時までとすると発表した。1日開いた市選挙管理委員会(野尻等委員長)で決めた。12月4日告示、13日投開票の県議選から実施される。 繰り上げの理由は、期日前投票を利用する投票者が増加していること、当日投票者の9割が午後6時までに投票を済ませていることなど。市選管事務局によると、昨年9月の知事選での同市の期日前投票の投票率は39%、今年2月の衆院選は54%だった。投票所立会人の従事時間が長時間に及んでいることを懸念する意見も出されたという。 投票日当日の投票開始時間に変更はなく、午前7時から。期日前投票の投票時間も変更はなく、市役所投票所の場合、午前8時30分から午後8時まで。 投票時間が繰り上がるのに伴い、12月の県議選の開票作業は、これまで午後8時20分から開始していたものを、午後8時からに20分繰り上げる予定だという。 公選法は午後8時まで 一方、公職選挙法は投票時間を午前7時から午後8時までと定め、特別の事情があり投票に支障をきたさない場合に限り、4時間以内の範囲内で繰り上げなどを認めている。 つくば市では2012年から、投票時間を法定の午後8時までから1時間繰り上げて午後7時までとしてきた。 県選管によると、今年2月の衆院選では、県内44市町村中、38市町村が午後6時で当日の投票を締め切り、つくば市を含め5市町が午後7時までとしていた。公選法の規定通り県内で唯一、午後8時までだった牛久市は今年度から、当日の投票時間を2時間繰り上げ、午後6時までとすると発表している。12月の県議選の各市町村の投票時間について、県選管はこれから調査する予定だとしている。(鈴木宏子) 【訂正 10日午後1時10分】3段落目、市役所投票所の期日前投票の開始時間は午前9時ではなく8時30分からの誤りでした。

ワイン用ブドウの収穫が最盛期 筑波山麓

筑波山麓で8月末からワイン用ブドウの収穫が始まり、最盛期を迎えている。収穫作業は9月末まで続く。つくば市は2017年に「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定され、現在市内には四つのワイナリーがある。 筑波山麓には、筑波大出身で、ワイナリー「ビーズニーズヴィンヤーズ」(同市神郡)を経営する今村ことよさん(53)のブドウ畑が広がる。今村さんは2015年から栽培を始めた。現在、山麓の沼田地区と臼井地区の2カ所に計約1.5ヘクタールあり、白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのシラーなど10品種を栽培している。今村さんは今年6トンの収穫を目指している。 ブドウの栽培からワインの醸造まで今村さんが一人で担っているが、収穫作業は人手が必要になる。初日の8月30日にはSNSの呼び掛けで、ワイン作りを学びたいと、つくば市内や東京都、千葉県などから、50歳代の男女6人が集まり、ボランティアで収穫を手伝った。 ボランティアの6人はこの日、沼田地区のブドウ畑でジュースとして利用するメルローなどの品種を収穫した。今村さんから指導を受けながら、剪定(せんてい)ばさみを用いて、ていねいに収穫していった。千葉県習志野市から参加した公務員、角田圭吾さん(54)は「各地域のブドウ畑でボランティアとして収穫作業に参加している。今村さんの指示は的確で細かくありがたい」と語り、都内から参加した50代の男性は「つくばでワインが出来るのに驚いた。山麓の景色の良いところで作業できるのはうれしい」と話していた。 収穫作業と併せて、今村さんのワイナリーでは9月4日から、今シーズンのワインの仕込みが始まった。八千代町と埼玉県入間市の2軒のブドウ農家も加わり、それぞれ収穫したブドウを持ち込み、ブドウの品種や状態に合わせて、機械でブドウの茎や軸を取り除いたり、圧力をかけてブドウを絞る作業などを実施した。 この日持ち込まれたブドウは、今村さんが700キロ、八千代町のブドウ農家が700キロ、入間の農家が220キロの合計1620キロ。仕込み作業で出た搾りかすは、今村さんが肥料として利用する。2軒のブドウはそれぞれ、今村さんが受託しワインを醸造する。 今村さんは「今年はここ数年に比べて気温が低く、ブドウの色づきも良く、昨年よりも良いブドウが収穫出来そうだと期待している。収穫や仕込みの作業がまだまだ続くが、良いワインになるようにがんばっていきたい」と話している。(榎田智司)

「禍根を残す」「立つ鳥跡を濁す」《ハチドリ暮らし》65

【コラム・山口京子】どうやって始末をつけるのか? どう片づけを考えるのか? 個人であれ、社会であれ、「禍根を残さず」とか「立つ鳥跡を濁さず」という言葉は死語になってしまったのでしょうか? 科学技術が軍事利用、商業利用されるにつけ、「禍根を残す」「跡を濁す」ケースが増えているように思えます。 今、近代西洋科学には、自然を人間の都合で改変してしかるべし―という姿勢があるような気がしてなりません。科学を利用する人間の欲望のなせる業なのでしょうか。科学技術の成果が商品化され、社会がどんどん複雑化しているのに対し、人間の思考は単純化していると感じます。次第にお手上げ状態で生きるのではないか―そんな不安がよぎります。 人間のすることは自然にかなわないと分かった東日本大震災。福島原発事故のその後について、なぜ詳しい報道がされないのでしょうか? 緊急事態宣言が解除されたとは聞きません。福島の第一・第二原発の廃炉処理はどうなっているのか? 廃炉のロードマップ、時間・費用・技術など、素人には分かりません。それでも、廃炉の費用は税金から支出されるのでしょう。 経済破綻を戦争でウヤムヤに? パキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事した中村哲さんの本に、こんな言葉がありました。「(国連難民帰還の)机上のプランは事情を知らぬものには説得力があったが、我々にはまるで粗悪なカリカチュアとしてしか映らなかった」と。それは彼の地を見続けた医師の声ですが、廃炉にも当てはまるのではないでしょうか。 事態がどうなっていくのか…。あれだけの大きな被害があり、今も将来も続いていくのに、責任はだれも取っていないような…。日本列島は地震の活動期に入ったと言われます。その上に、いくつの原子力発電所が建っているのか…。いつ大きな地震が来てもおかしくない今、それらを稼働させることは悪夢でしかないのでは? 各国ともども軍事費が膨張していくとなれば、未来はどうなるのでしょう? 国家は経済破綻を戦争でウヤムヤにするかもという声を聞きます。将来世代に重い負担が課せられていくでしょう。大きな負担と危険が隣り合わせの暮らしを押しつけることは、許されないはずなのに…。(消費生活アドバイザー)