【コラム・小泉裕司】シーズン到来で、2023年の花火事情が見えてきた。隅田川花火のように、コロナ禍を経て数年ぶりの開催に至る大会が増える一方で、資材や火薬そのものの高騰、安全対策への不安などから、開催をあきらめた大会もあると聞く。

開催を決めた土浦や大曲のように、やむなく有料観覧席の値上げで支出の増大に対応する大会もある中、今回のタイトル付けに逡巡(しゅんじゅん)したが、それでも、「主催者おすすめのビューポイントから花火を見上げてほしい」(2022年7月17日付の本コラム)の思いは、揺らぐことはない。

それはさておき、これまで全国の主要な花火大会の魅力を取り上げてきたが、この時期に至っては、遠方の宿泊施設を個人で確保することは困難。旅行会社のツアー頼みも割高感は否めない。ということで、今回は、つくば・土浦方面から日帰り可能な都内および茨城県内の花火大会をラインアップしてみた。

東京編

国は一昨年11月、基本的対処方針を決定し、大規模イベントの開催にあたり、細部の運用は都道府県に委ねた。結果、昨年、土浦をはじめ多くの花火大会が3年ぶりの開催を決める一方、東京都は国の対応への不満から、開催に難色を示し、都内ほとんどの大会が中止となっていた。

そして今年、方針の撤廃に伴い、東京の夏の風物詩「隅田川花火大会」が4年ぶりに帰って来る。7月29日(土)、第1会場(桜橋~言問橋)は、午後7時打上開始、最大5号玉(直径15センチ)。1.5キロ下流の第2会場(駒形橋~厩橋)は、午後7時30分から打上開始、最大3号玉(同9センチ)。打上玉数は2会場合計2万発、第1会場では選抜業者10社による「花火コンクール」も行われる。

間断なき高密な打ち上げが印象に残る花火大会だ。ちなみに、川幅が狭く、観客の安全確保のために定められた「保安距離」が確保困難のため、大玉の打ち上げはない。市民協賛席と呼ばれる有料観覧席の募集はすでに終了したが、ビルや船上など、鑑賞スポットの選択肢の多様さは都会ならでは。道路上、ビルとビル、街路樹の枝の隙間から花火を見上げる「東京人」のたくましさに圧倒される。

東京23区内で、打上総数1万発以上で、これからでも有料観覧席が購入可能な大会をまとめてみた。

開催日 大会名 会 場 打上玉数/煙火業者
7/22(土)19:20 足立花火大会 荒川河畔 1.5万発、北陸火工
7/25(火)19:20 葛飾納涼花火大会 江戸川河畔 2万発、イケブン
8/5(土)19:00 ※対岸同時開催 いたばし花火大会 戸田橋花火大会 荒川河畔 合計1.3万発 ホソヤエンタープライズ
8/5(土)19:15 ※対岸同時開催 江戸川区花火大会 市川市民納涼花火大会 江戸川河畔 合計1.4万発、宗家花火鍵屋

茨城編

4月16日付の本コラムで紹介した「おみたま花火大会」が加わり、さらに分散化した日程は、見る側、打ち上げる側の両者に好都合でもあり、「いばらきの花火暦2023」は、今までにない充実ぶりだ。

開催日 大会名 会 場 打上玉数/煙火業者
7/29(土)19:30 水戸偕楽園花火大会 千波湖畔 5千発、野村花火工業
8/12(土)19:00 とりで利根川大花火 利根川河畔 7千発、山﨑煙火、筑北火工等
9/16(土)18:00 利根川大花火大会 利根川河畔 3万発、野村、山﨑など4社
9/30(土)18:00 大洗海上花火大会 大洗海岸 1.2万発、野村花火
10/7(土)18:00 おみたま花火大会(新) 霞ケ浦湖上 5千発、山﨑煙火
10/21(土)18:00 ちくせい花火大会 小貝川河畔 2万1発、山﨑、森煙火、野村
10/28(土)17:30 常総きぬ川花火大会 鬼怒川河畔 詳細未定(4年ぶり)
11/4(土)17:30 土浦全国花火競技大会 桜川河畔 2万発、55業者(実績)

※昨年開催した「いなしき夏まつり花火大会」(8/19)、「鹿嶋市花火大会」(11/26)は、出稿時点で日程が未発表のため表から除いた。

どの花火に行こうか迷ったときは、土浦全国花火競技大会の結果など参考にして、打ち上げ業者で選ぶのも一興だが、いずれも申し分ない実績を誇ることだけは保証付き。本日は、この辺で「打ち止めー」。「ドン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

<注>表中の煙火業者は過去の実績であり、あくまでも参考