19日 つくば
筑波山麓の旧筑波小学校に8月25日開講したインターナショナルスクール「ワン・ワールド・インターナショナルスクールつくばキャンパス」(つくば市国松)の開校記念式典が19日、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長らを招いて催された(7月21日付)。

運営グループの本拠地「グローバル・スクールス・ファウンデーション」の創設者、アトゥル・テムルニカール会長がシンガポールから駆け付け「このスクールは国内における新たな国際学校で、茨城における初のキャンパス。日本とシンガポールは技術大国であり、人工知能やデータ分析といった新時代の技術を取り入れ未来に向かって前進している。このスクールは質の高い国際教育を理念として、グローバルな視野と異文化理解を育むなど、日本人家庭にも魅力的な選択肢になる」などとあいさつした。

大井川知事は「ここは英語でスピーチするのか」とスタッフに聞いた後、日本語で「数年前、東京・江東区でのインターナショナルスクール教育をテレビで見たことがきっかけとなって、シンガポールまで飛び、今回の橋渡しをした。予想以上に早く開校できて良かった。つくばは研究学園都市という科学に秀でた街なのでマッチしていると思う。今、つくば市と高校増設問題で軋轢(きれつ)が生じているが、これがきっかけで緩和してくれれば良い」と話した。
五十嵐市長は「知事の尽力に感謝し、スクールに対しても、市立秀峰筑波義務教育学校スクールバスの校庭でのターン(の際の利用)や地区のコミュニケーションへの協力などに感謝したい。社会では分断が問題になっているが、共通のメッセージをもって対話を繰り返し解決していく必要がある」と述べた。
式典ではあいさつの後、学校紹介、児童による合唱、箏演奏、テープカットなどが催された。
同スクールは、小中学校の統廃合により2018年に廃校になった旧筑波小学校(約8800平方メートル) に開校した。初年度の25年度は、つくば市在住者を中心に2歳半の幼児から小学5年生まで35~40人が通学している。教職員は15人でスタートし、生徒数の増加に応じて増員する。教員は全員外国籍で、国際的な教育プログラムに豊富な経験を有する。
今後、児童生徒の受け入れを拡大しながら、高校生まで400人規模の学校にしたい意向だ。開校から1カ月近くたち、職員は「順調に推移し、地元とも折り合いがよく、児童たちも楽しく学んでいる」と話している。校舎屋上には気象観測機器が設置されている。2022年に契約を結び、気象研究所が男体山頂上の観測所と連携した観測を行っているという。(榎田智司)