来年4月、谷田部南と栗原小2校
来年4月から、つくば市立谷田部南小と栗原小の2小学校が小規模特認校になるのを前に(24年12月10日)、保護者説明会が3日、同市役所で開かれた。約300人の保護者らが参加し関心の高さを示した。募集人数は2校とも各学年17人(2校6学年で計204人)で、募集人数を超える申請があった場合、抽選となる。
小規模特認校は少人数を生かした特色ある教育をする学校で、通学区域を越えて市内どこからでも通学できる。ただし保護者が送迎するか本人が公共交通機関で通学することが必要。
森田充教育長は説明会で、同市の小規模特認校について「(子供一人ひとりを尊重し自律性や共生を重視するドイツ発祥の教育モデルの)イエナプランの教育理念や取り組みを参考にしながら、教職員が子供たち一人ひとりに深く関わりながら、子供自身が自分らしく、学ぶ意義に気付けるような支援をしていきたい」などとあいさつした。
特色として①きめ細かな学習支援などにより自分のペースで確実に学ぶ②異学年学習などにより友人・先生と深く関わる③体験や探求的学習を中心に、子供の問いにとことん向き合う④専門家や地域住民など外部人材を活用し多くの出会いや発見を得る⑤すべての児童に活躍と挑戦の機会があるーの五つを掲げる。
カリキュラムについては例として▽朝の会、昼休み、帰りの会などに異学年で活動する▽午前中、1~4時間目の国語、算数、社会、理科。英語などは一人ひとりの進度に合わせて自律的に学習に取り組む▽午後の5時間目の音楽、図工、体育、家庭科、市独自の総合的学習時間のつくばスタイル科などは少し長い60分授業とし、外部の研究者を招くなどして自分が疑問に思ったことを探求するーなどが示された。
2023年度から県のパイロット研究推進校として小規模校の良さを生かした実践が行われている谷田部南小と、今年度から準備をしている栗原小からは具体的な取り組みの紹介があり、他の人の話に耳を傾けることを重視しながら異学年で輪になって対話する「サークル対話」、授業前の朝の会で何をするか、自分で1週間分の学習計画を立てる「マイプラン学習」などの実践例が紹介された。
今後は、8月中旬に小規模特認校の就学意向アンケートを実施して希望人数などを把握し、11月下旬から12月中旬まで申請を受け付ける予定だ。卒業後の中学校進学については、自分が住む通学区域にある中学校または小規模特認校の通学区域にある中学校のどちらかを選択できる。
説明会では参加者から「小規模特認校になっても特別支援学級は継続するということでよいか」「成績はどのように評価するのか、他校と違いはどこにあるのか」「谷田部南小は現在児童数が56人で、来年度から児童数が(102人に)増えると思うが、教員の数は増えるのか」などの質問が次々に出て、質問者が途切れなかった。市教育局は「特別支援学級は継続する」「成績評価は原則、他の学校と同じだが、特徴的な取り組みについてどういう頑張りがあったのかは(通知表に記載するなど)お返しする」「少人数の教育を保つため1学年の上限を17人にしている。市として教員を採用し配置するか十分検討したい」などと答えていた。質問できなかった保護者については、市の問い合わせフォームで質問を受け付け、市ホームページで回答するという。
小学3年と5歳の2人の子供をもつ母親は「上の子は人数が多い大規模校に通っている。来年小学生になる下の子は、人数が多いと学習面で付いて行けるか心配なので、少人数の学校に通わせたい」と語った。現在、子供が4歳という母親は「どういったことをやるのか知りたくて参加した」などと話していた。
説明会の参加者が300人に及んだことについて久保田靖彦市教育局長は「小規模特認校に関心ある保護者が多いということが把握できた。我々としても情報発信なども含めしっかりと準備していきたい」などと話していた。(鈴木宏子)