木曜日, 9月 10, 2026
ホームつくば「報告書は不十分、第三者委設置を」つくば市職員の請願不採択 生活保護

「報告書は不十分、第三者委設置を」つくば市職員の請願不採択 生活保護

市議会特別委 

つくば市の生活保護行政をめぐり不適正な事務処理が相次いで明らかになった問題を受けて、市福祉部が今年6月にまとめた「生活保護業務の不適正な事務処理に関する報告書」(6月23日付)に対して、「報告書は業務の分かる私たちが読めばひじょうに不十分で不誠実だ」などとして、当時、生活保護業務を担当していた市職員(現在は異動)が市議会9月定例会議に、第三者委員会による徹底的な調査を求める請願を出した。25日、市議会請願審査特別委員会(小村政文委員長)で審議が行われ、賛成少数で不採択となった。10月3日の定例会議最終日に改めて審議される。

同職員の議会請願は3回目。今回の請願は99ページに及び、報告書の問題点を一つ一つ取り上げ、課題を指摘している。市議からは「(請願には)報告書に書かれてないものがあり、検証が足りない部分があると思う。(報告書は)不十分だとおっしゃる請願者の主張はごもっとも。どうしてこういうことになったのか、なぜこういうことに至ったのか、全庁的な総括が必要」(小森谷さやか市議=市民ネット=)などとする意見が出た。

500件超の手順誤り

併せて同特別委では、今年7月に一般監査を実施した県から、不適正な手順による診断書料などの支給が500件超あったと8月の結果通知で指摘されたなどの報告が市社会福祉課からあった。

500件超の誤りは、障害年金の受給を申請する際に必要となる診断書料の生活保護からの支給手順について、本来、市が検診命令を出し、医療機関からの請求に基づいて、市が医療機関に支払うべきものを、同市では、申請者が医療機関に診断書料を払い診断書をとった後、市が申請者に支給していたーなど。

監査での県の指摘に対して山中真弓市議(共産)は「6月に報告書が出て調査終了となったが、2カ月後に県の通知があり、これでは調査が不十分。報告書ではなぜこういうことが起きたのかの調査がない」などと話した。一方、同課は「以前から県に運用誤りの報告をしており、報告書にも記載していた。調査は十分行ったと考えている」とする一方「500件超という件数は市長に報告していなかった」とした。

請願を採択するか否かの討論では、採択に賛成する意見として「(6月の報告書は)問題の背景や根本的な原因に到達しておらず、市としての調査は限界がきている。忖度のない、利害関係のない弁護士などを選定した第三者委員会を設置すべき」(山中市議)とする意見が出る一方、反対意見として「このような事態に陥ったのはここ5年とか10年ではない。どこが悪かったのか、責任の所在と原因を明らかにしていかなくてはならない。職員は、不適正だと分かっていても不適正な事務をやらなければらなかった。根が深い問題があるが、最終報告を待ってから第三者委員会の必要性を判断したい」(小森谷市議)、「現時点で第三者委員会による調査を行うことはない。なぜなら、県の監査が有効に機能していて、外部通報窓口が遅くとも来年4月にはできる」(川久保皆実市議=つくばチェンジチャレンジ=)などの意見が出て、委員14人中、賛成は2人(山中市議、川村直子市議=市民ネット=)にとどまり、賛成少数で不採択となった。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

54 コメント

54 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最近のコメント

最新記事

ワイン用ブドウの収穫が最盛期 筑波山麓

筑波山麓で8月末からワイン用ブドウの収穫が始まり、最盛期を迎えている。収穫作業は9月末まで続く。つくば市は2017年に「つくばワイン・フルーツ酒特区」に認定され、現在市内には四つのワイナリーがある。 筑波山麓には、筑波大出身で、ワイナリー「ビーズニーズヴィンヤーズ」(同市神郡)を経営する今村ことよさん(53)のブドウ畑が広がる。今村さんは2015年から栽培を始めた。現在、山麓の沼田地区と臼井地区の2カ所に計約1.5ヘクタールあり、白ブドウのシャルドネ、黒ブドウのシラーなど10品種を栽培している。今村さんは今年6トンの収穫を目指している。 ブドウの栽培からワインの醸造まで今村さんが一人で担っているが、収穫作業は人手が必要になる。初日の8月30日にはSNSの呼び掛けで、ワイン作りを学びたいと、つくば市内や東京都、千葉県などから、50歳代の男女6人が集まり、ボランティアで収穫を手伝った。 ボランティアの6人はこの日、沼田地区のブドウ畑でジュースとして利用するメルローなどの品種を収穫した。今村さんから指導を受けながら、剪定(せんてい)ばさみを用いて、ていねいに収穫していった。千葉県習志野市から参加した公務員、角田圭吾さん(54)は「各地域のブドウ畑でボランティアとして収穫作業に参加している。今村さんの指示は的確で細かくありがたい」と語り、都内から参加した50代の男性は「つくばでワインが出来るのに驚いた。山麓の景色の良いところで作業できるのはうれしい」と話していた。 収穫作業と併せて、今村さんのワイナリーでは9月4日から、今シーズンのワインの仕込みが始まった。八千代町と埼玉県入間市の2軒のブドウ農家も加わり、それぞれ収穫したブドウを持ち込み、ブドウの品種や状態に合わせて、機械でブドウの茎や軸を取り除いたり、圧力をかけてブドウを絞る作業などを実施した。 この日持ち込まれたブドウは、今村さんが700キロ、八千代町のブドウ農家が700キロ、入間の農家が220キロの合計1620キロ。仕込み作業で出た搾りかすは、今村さんが肥料として利用する。2軒のブドウはそれぞれ、今村さんが受託しワインを醸造する。 今村さんは「今年はここ数年に比べて気温が低く、ブドウの色づきも良く、昨年よりも良いブドウが収穫出来そうだと期待している。収穫や仕込みの作業がまだまだ続くが、良いワインになるようにがんばっていきたい」と話している。(榎田智司)

「禍根を残す」「立つ鳥跡を濁す」《ハチドリ暮らし》65

【コラム・山口京子】どうやって始末をつけるのか? どう片づけを考えるのか? 個人であれ、社会であれ、「禍根を残さず」とか「立つ鳥跡を濁さず」という言葉は死語になってしまったのでしょうか? 科学技術が軍事利用、商業利用されるにつけ、「禍根を残す」「跡を濁す」ケースが増えているように思えます。 今、近代西洋科学には、自然を人間の都合で改変してしかるべし―という姿勢があるような気がしてなりません。科学を利用する人間の欲望のなせる業なのでしょうか。科学技術の成果が商品化され、社会がどんどん複雑化しているのに対し、人間の思考は単純化していると感じます。次第にお手上げ状態で生きるのではないか―そんな不安がよぎります。 人間のすることは自然にかなわないと分かった東日本大震災。福島原発事故のその後について、なぜ詳しい報道がされないのでしょうか? 緊急事態宣言が解除されたとは聞きません。福島の第一・第二原発の廃炉処理はどうなっているのか? 廃炉のロードマップ、時間・費用・技術など、素人には分かりません。それでも、廃炉の費用は税金から支出されるのでしょう。 経済破綻を戦争でウヤムヤに? パキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事した中村哲さんの本に、こんな言葉がありました。「(国連難民帰還の)机上のプランは事情を知らぬものには説得力があったが、我々にはまるで粗悪なカリカチュアとしてしか映らなかった」と。それは彼の地を見続けた医師の声ですが、廃炉にも当てはまるのではないでしょうか。 事態がどうなっていくのか…。あれだけの大きな被害があり、今も将来も続いていくのに、責任はだれも取っていないような…。日本列島は地震の活動期に入ったと言われます。その上に、いくつの原子力発電所が建っているのか…。いつ大きな地震が来てもおかしくない今、それらを稼働させることは悪夢でしかないのでは? 各国ともども軍事費が膨張していくとなれば、未来はどうなるのでしょう? 国家は経済破綻を戦争でウヤムヤにするかもという声を聞きます。将来世代に重い負担が課せられていくでしょう。大きな負担と危険が隣り合わせの暮らしを押しつけることは、許されないはずなのに…。(消費生活アドバイザー)

「分からないことだらけ、不安たくさん」住民団体が設立総会【つくばに国内最大級のデータセンター】

周辺住民ら約200人集う つくば市大穂で建設が始まった国内最大級のデータセンター計画に対し、市や事業者に公開説明会の開催を求めている住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)が6日、計画地近くの同市筑穂、大穂交流センターで設立総会を開いた。 会場には周辺住民など約200人が集まった。参加者からは「分からないことだらけで、不安がたくさんある」「なぜつくばにこんな大きな施設をつくらないといけないのか。1棟や3棟はやむを得ないかもしれないが、住宅地周辺なので(事業者が計画している)100万キロワットには反対していただきたい」などの意見が相次いだ。 守る会は今年4月から活動を始め、周辺住宅を回って住民アンケート調査と署名活動に取り組み、事業者のグッドマンジャパンに説明会開催を要望してきた(6月8日付)。2日開会した市議会9月定例会議に向けては、つくば市による市民向け公開説明会の開催を求める請願を出したばかり(8月31日付)。 4月から活動を続ける中、周辺住民などから入会申し込みなどが相次いでいたなどから、6日、改めて設立総会を開き、規約などを定め、役員を紹介した。 設立趣意書や規約によると、市が所有していた45ヘクタールを売却し用途地域を変更して進められている国内最大級のデータセンター開発は、市全体に関わるまちづくりの重要な課題だが、市民や周辺住民などから「排熱による気温上昇、騒音、水利用などについて、十分な説明が行われていない、正確な情報が分からないという声が数多く寄せられている」などとし、将来にわたり安心して暮らせる地域づくりを進めるため、今後の活動として①市民への情報提供と情報共有➁行政と事業者への要望・提案③公開説明会の開催要望④環境と生活環境の調査・研究などを行うとしている。 歌川学さんが講演 設立総会では、つくば市内の研究機関に勤務し温暖化対策を研究する歌川学さんが「データセンターの地域への影響」と題して講演した(5月19日付、5月20日付)。歌川さんは、事業者の計画通り100万キロワット(1000メガワット)のデータセンターが完成した場合、現在つくば市全体で排出されている2倍の二酸化炭素が大穂のデータセンター1カ所から排出され、市全体の2倍の排熱が発生するなどの試算結果を改めて示した。その上で「夏の猛暑日などは周辺住民、特に健康弱者の健康影響が懸念され、農業などにも影響が懸念される」と改めて述べ、「地域に影響が出ないか、悪い気象条件も想定して、地域の気温上昇分布を予測試算し、地域の健康弱者、農業などに影響がないかを確認することが必要だ」と述べた。 データセンター業界が今年5月に策定した地域との共生をうたう「地域共生ガイドライン」に対しては「数値目標が一つもない」と批判。自治体や住民が事業者と協定を締結している事例を紹介したり、自治体が地区計画を見直した例などを紹介した。(鈴木宏子)

バイシクル・ダイアリーズ ⑸《ことばのおはなし》96

【コラム・山口絹記】前回の記事では、深く考えずに「ツール・ド・つくば2026」にエントリーしてしまったところまで書いた。 エントリーしてしまったものは仕方ない。自転車屋に向かい、店長さんに「ペダルをビンディングにしたいんです」と伝えた。ビンディングペダルとは、ペダルと靴をカチッとくっつけて、より力強く走るためのペダルのことだ。 「乗り始めて半月も経ってないですけど、そんなに急いでどこに行くんですか?」 もう少し慣れてからでもよいと言われたものの、こちらには時間がない。ツール・ド・つくばにエントリーした旨を伝えると、店長さんは拍手をしながら取り付けを了承してくれた。ビンディングペダルにシューズ、お尻にクッションの入ったピチピチのパンツ(ビブショーツという)も購入。準備は整った。あとはエンジン、つまり自分の体力だけが問題だ。 この日から、毎晩、家の周りを何十周と走る自転車妖怪となった。 約1週間走り続け、5月半ば、ついに実地練習。店長さんから「家からスタート地点までをウォーミングアップにするといいですよ」とアドバイスをもらい、自転車で筑波山へ向かう。 本番は絶対1時間を切ってやる スタート地点からしばらく景色のよいストレートが続くが、カーブを曲がると突然クライムが始まる。なんというか、思っていたのと違う。具体的に言うと、八幡崎の坂より勾配がきつい。あ、帰りたいかも。 不動峠までのコーナーには、あと何回カーブが残っているかを教えてくれる立て看がある。コイツがメンタルをゴリゴリ削ってくる。ヨタヨタ走る私の横を、ランニングのおじいさんが追い越してゆく。不動峠でその名の通り動けなくなり座り込む。これは割とホントにまずい。 気を取り直して再び登るも、辛い、苦しい、以外何も考えられない。スカイラインに入ると爽快な下り坂が始まるが、下るということは、その分また登らねばならないということだ。勘弁してほしい。 なんとかゴールして、タイムは01:07:04。登りきりはしたが、途中で座り込んでしまった。コレって大会的にはOKなんだろうか。わからない。不安だ。 ということで、また毎晩の走り込みが始まった。特に練習したのがギアチェンジだ。重すぎるギアで踏めば当然脚を使うし、下りから登りに変わるところで軽いギアにしておかないと、とんでもなく失速する。毎晩、家の周りのカーブを曲がるたびにギアを変えた。 そして本番1週間前、再び本番コースへ。 前回脚をついた不動峠を気合で突破。ギアチェンジの練習も少しは効いたようで、そのまま一度も脚をつかずゴールできた。 タイムは01:00:34。あと34秒。 本番は絶対1時間を切ってやる、と意気込んで下山した。(言語研究者)