筑波銀行OB会土浦支部美術展が9日から、つくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで始まった。4年ぶりの開催となる。油彩画、水墨画、写真、書、彫刻、陶芸など約70点を展示している。
同OB会に所属する25人が退職後に制作した作品を展示する。年齢層は60代後半から70代後半が中心。同銀行は2010年に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し誕生した。水戸支部、下妻支部、土浦支部の3つのOB会支部がある。これまで合同展覧会を開きながら親睦を深めてきたが、コロナ禍で中断していた。今回の美術展は土浦支部が主催した。
土浦支部美術部会長の染谷則嘉さんは旅先で出会った風景や花の写真「森の妖精」など4点を制作。心に残る瞬間をレンズにとらえた。「コロナ禍の間、悶々(もんもん)としていた。ここに出すために撮っているというのはある。作品を出すと批判を受けたりし、張り合いがある」と話す。
石川仁巳さんが撮影した「Season#1春うらら」など4点の作品は、筑西市の寺や大洗町の鳥居といった茨城の風物をモチーフに、四季折々の風景を切り取る。モチーフに合わせてカラーとモノクロで表現した。
堀越喜代子さんは「阿修羅」など、写実的な鉛筆画2点を描いた。他の会員たちは足を止めて見入り、その緻密な筆致に驚きの声をもらしていた。
OB会会長の徳宿彰さんは、水墨画の作品「夜寒の月」など3点を制作。墨の濃淡を巧みに使って描いたのは想像上の幻想的な風景だ。水墨画は銀行退職後に始めたという。「今回は趣味で取り組みを始めた人や、他の展覧会の入選者まで幅広く参加した。この展覧会を通して交流を深められれば」と話す。作品を通して、職場では知らなかった人となりに触れることもあるという。会での交流を通し「前よりうまくなった」、「作風が変わった」など互いに気付きがあり、作品に刺激を受け合っているという。(田中めぐみ)
◆会期は15日まで。会場はつくば市竹園1-7。開館時間は午前9時30分~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中無休。入場無料。