日曜日, 4月 6, 2025
ホームつくばファッションで自由を表現 デザイナー墳崎嵩史さん つくばで作品展

ファッションで自由を表現 デザイナー墳崎嵩史さん つくばで作品展

「ファッションには自分を自由にしてくれる力がある」。そんな思いを込めて衣服を作るファッションレーベル・デザインオフィス「Design lab “Lights”(デザイン ラボ ライツ)」代表で、デザイナーの墳崎嵩史(つかざき・たかふみ)さん(38)の作品展が、28日からつくば市天久保のギャラリーYで始まった。

稲敷市出身の墳崎さんは、2014年に地元で同社を立ち上げ、以来、様々な素材を組み合わせて作る衣服によって独自の世界を表現してきた。「真っ白な空間に自分のやりたいことを表現できる」と語る同ギャラリーでの展示は5回目を数える。会期は11月5日まで。

今回のテーマは、螺旋(らせん)を意味する『スパイラル』と、寄せ集めて自分で作るという『ブリコラージュ』。前者には、迷いながらも少しずつ階段を上る墳崎さん自身の思いを、後者には、「世界にまだない新しいものを、すでに手元にあるものの中から作り出す」という強い思いを込めたと話す。

テーマ設定の背景には、アパレル業界で加速度的に広がる大量生産・大量消費の問題があると、墳崎さんは指摘する。「新作の衣服がすぐに廃棄されるか中古市場に回される」状況に直面し、「自分は何のために服を作っているのか、どこに向かっているのか」と、服作りへの疑問が膨らんでいたという。こうした中で思い至ったのが「少量でも納得できる一着を作る。無駄なものは作らない」ことだった。そんな、自身が抱く思いを表現したのが、余った素材や既存の服を活用し制作した今回の作品群だ。

シャツに開けた穴や裂け目から見えるよう裏地にビンテージ生地をあてがう、縫い合わせに伸縮の大きい糸を利用しシャツにしわをよせる、組み合わせた複数の襟をシャツの半身に縫い付けるなど、通常なら「失敗」と捉えられることを積極的に取り入れた。すでにある素材を利用し新しい価値を生み出すことで、素材の「再利用」に留まらない「ブリコラージュ」の世界を表現した。

自身が中学生の頃から好きだったという服の魅力について墳崎さんは「全部が正解であり、間違いがない」ところだと語る。「裏返しで着ても、穴が空いていてもいい。自分がいいと思った着方ができる。そんな、常識にとらわれない服に出会った時に、ふわっと心が軽くなった。自分を自由にしてくれるもの、それがファッションだと思っている」

地方に拠点、ロールモデルの一つに

東京でファッションを学んだ墳崎さんは28歳のときに地元の稲敷市で現在の会社を立ち上げた。間もなく10年を迎える。都市部が主となる業界で、拠点を地方に置くのはまだ珍しかった。「当初は若さもあって、周囲から『面白いね』と持ち上げられた。それも今は、プロとしてのサービスを評価されるようになってきた。これからも自分の感覚を信じて、周りの意見に左右されずに精一杯サービスを提供していきたい。地域ごとに、いろいろな働き方が増えるといい。自分もそんなロールモデルの一つになれたら」と思いを語る。

実務としてファッション、デザインに携わる一方で、作品展は2018年から毎年開催してきた。展示への思いを「周囲に楽しみにしてくれる人もいるし、自分のための展示でもある」と語ると共に、「僕にとって作品作りは自由への、人生を通じての挑戦。ファッションは自由への入り口ですから」と強調。「自分から何かを打ち出していくことは、自分の人生をデザインしていくこと。積極的に人生を生きることで、自分が感じている楽しさやワクワク感で周りにいい影響を与えていけたらうれしい」「会場には毎日いるので、いろいろ聞いてもらえたら」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆墳崎嵩史さんの作品展「 “SPIRAL” bricolage(スパイラル ブリコラージュ)」は10月28日(土)から11月5日(日)まで、つくば市天久保1-8-6 グリーン天久保201、ギャラリーYで開催。開館時間は午後1時から午後7時。最終日は午後5時閉館。入場無料。詳しくはギャラリーYのホームページへ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

逆転で開幕戦勝利 アストロプラネッツ

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは5日、ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川町)で今季開幕戦を迎え、栃木ゴールデンブレーブスに8-6で逆転勝利した。 【ルートインBCリーグ2025公式戦】(4月5日 ノーブルホームスタジアム水戸)茨城アストロプラネッツ-栃木ゴールデンブレーブス栃木 013 002 000 6茨城 001 000 61X 8 茨城は5点ビハインドで迎えた7回裏、打者一巡の猛攻で6点を奪い逆転に成功した。この回先頭の5番打者ジョ・ミンヨンが四球で出塁、6番の山本仁が右前打でチャンスを広げ、7番・秋川正佳の敵失と8番・原田京雅の遊ゴロ、9番代打・草場悠の内野ゴロで計3点を奪う。この時点で2死走者なしとなったがむしろここから本領発揮。1番・新太郎が遊撃への内野安打、2番・高田龍が右翼線への安打、3番・原海聖の中前打で1点を加え、とどめは4番・北原翔の中越え三塁打で2点を加えた。 「打ったのはストレート真ん中高め。上がりすぎたと思ったが、思ったより飛んでくれた。タイムリーになってよかった」と北原の談。「打線はいい当たりをしていたが、野手の正面をつくなど乗りきれてなかった。みんなで勝ちに行こうという気持ちが全員に伝わり、この回爆発できた。負けてても返せるという自信につながったと思う」とも語る。 新太郎はこの日5打数4安打の活躍。3回に迎えた第2打席のタイムリーでは、バントの構えで初球を見送った後の2球目、インコースのストレートを右前へ運んだ。「第1打席でもこの球があったので頭に入れていて、次来るなという予感があった」とコメント。オフには体づくりに取り組み、筋肉量が増えパワーやスイングスピードがついた。その成果がオープン戦からの好調につながっているという。 今季はチームとして初めて沖縄・宮古島で10日間にわたる春キャンプを実施。「寒い時期に合宿でしっかりスイング量を確保したことで、他チームよりもバットが振れている。このアドバンテージを生かしてスタートダッシュしたい」と巽真悟監督は期待を込める。 投手は7回表を投げた清原浩斗に勝ち星が付いた。「死球でピンチを招いて苦しいピッチングだったが、無失点で抑えれば野手が点を取ってくれると思い、全力で腕を振って投げた。逆転に感謝」とコメント。今季は直球が最速150キロと5キロアップした。決め球のフォークやスライダーの切れ味も増し、成長を実感しているという。 8、9回は佐藤友紀と石野田拓斗が1イニングずつ投げ、いずれも3者凡退と安定感抜群。先発陣も試合で経験を積ませながら、持ち前の高い能力を発揮させていきたいと巽監督は目論んでいる。 次の試合は11~13日、さくら運動公園野球場(つくば市流星台)などで読売ジャイアンツ三軍との交流戦3連戦を行う。(池田充雄)

消費者トラブルと対処法《ハチドリ暮らし》48

【コラム・山口京子】定期的に学習会をしている市民グループから、消費者トラブルとその対処法についてのセミナーを依頼されました。訪問販売の点検商法、インターネットを使った契約トラブル、詐欺まがいの投資話、強引な訪問購入、食品混入事件や薬害、不当表示など、消費者を取り巻く様々なトラブルについて話しました。 トラブルを避けるために、不意打ち的な勧誘による契約などには、消費者保護の立場からクーリング・オフ制度があります。クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや締結をした場合でも、契約を考え直す時間を与え、一定の期間内であれば契約の解除ができるものです。 たとえば、自宅に来た業者に「無料で屋根を点検します」と言われて、屋根を見てもらったところ、「瓦がだめになっていて、このままでは雨漏りする。すぐに修理しないと家がだめになる」と言われて、その場で押し切られ工事の契約をしてしまった場合などは、クーリング・オフが使えます。 クーリング・オフができる取引は法律で定められています。また、事業者が約款で定めている場合もあります。店舗での直接購入や通信販売などは適用されません。インターネット契約は通信販売の一種であり、クーリング・オフ制度はありませんが、使えると誤解している消費者が少なくありません。この場合、事業者が表示する返品特約に記載された返品の可否や条件に従います。 消費生活センターに相談しよう 通信販売については、返品特約がどうなっているか、契約前にしっかり確認することが大事です。以下の点を知っておいてください。 ▽消費者と事業者の間には、大きな情報の量と質、交渉力などの格差がある。 ▽生産と消費が分離し、消費者に生産工程が見えなくなっている。 ▽科学技術の発展や、化学合成物質の多種類・大量使用で、問題が複雑化している。 ▽事業者は利益を出すために低コストの生産を強いられ、その無理が被害につながる。 ▽被害が出ても、因果関係が証明されないとして、実態を企業がなかなか認めない。 ▽被害者が訴訟を起こしてもなかなか認められない。認められても損害賠償金が不十分。 ▽そもそも、諦めてしまう。 悪質事業者による被害から消費者を守るために、全国で「適格消費者団体」が立ち上がっています。総理大臣の認定を受けた法人で、全国に26団体あります。茨城県ではまだ設立されておりませんが、「消費者サポートいばらき」が適格団体になる活動を進めています。困りごとや不安があれば、居住地の消費生活センターに相談しましょう。(消費生活アドバイザー)

「動物に触れ合い、愛情と根気を」 つくば国際ペット専門学校で入学式

動物分野で国内有数の専門学校、つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、東郷治久理事長)の入学式が5日、つくば国際会議場で催された。ペットビジネス学科のドックトリマー、愛玩動物看護師・動物衛生看護、ドッグトレーナー、ペットケア総合の4つのコースに、全国各地から206人が入学した。 高橋仁校長は「皆さんがこの学校を選んでくれたことはとてもラッキーなこと。美しい場所で学べる幸福も含めて、新しいことに挑戦してほしい。皆さんには(在学中ずっと生徒1人が1匹の子犬を世話する)パートナードッグが待っている」と式辞を述べた。 東郷理事長は「来年30周年を迎える(犬のテーマパークの)『つくばわんわんランド』をバックボーンにしている当校は最高の環境。必要なものは愛情と根気であり、動物に触れ合うことによって身に付く。皆さんの夢をかなえるために教職員一同尽力します」と祝辞を述べた。 続いて在校生代表を代表してドッグトリマーコースの大須賀新奈さんが歓迎の言葉を述べ「学校生活は忙しかったが、発見の連続でやりがいがあった。投げ出さず、あきらめずやっていければ、技術を身に付けることができると思う。学校、先生、自分自身を信じて思い出をたくさんつくりましょう」とエールを送った。 これを受けて新入生を代表しドッグトレーナーコースの松島リザさんは「大きな期待と希望をもって、夢の実現のため頑張っていきたい。動物たちとの触れ合いや仲間たちとの支え合い、助け合いを通じて成長していきたい」と決意を述べた。 入学式に参加した新入生の中山桃夏さん(18)は「動物が大好きなので、この学校に入れてうれしい。友達もたくさんつくりたい」と話していた。 式典では併せて、3月29日に東京ビッグサイトで行われたジャパンケネルクラブ主催のトリミング競技大会で、トリマーコースの小堀美空さんと大友愛希が最優秀技術賞、遠藤晴希さん、小橋川花蓮さん、田島由紀乃さんが優秀技術賞を受賞し、同校が優秀養成機関賞を受賞したことが報告され、同クラブトリマー試験委員の高尾諭さんから東郷理事長に賞状とトロフィーが授与された。(榎田智司)

悠仁さま、筑波大入学

開式を待つ間に談笑も 筑波大学(つくば市天王台)で5日、大学と大学院の入学式が開かれ、生命環境学群生物学類に入学した秋篠宮家の長男、悠仁さま(18)も参加した。大学の入学式は学群ごとに2回に分けられ、悠仁さまは午前9時から始まる最初の式典に参加した。 悠仁さまはスーツにネクタイ、黒いリュックを背負い、式典開始45分前に席に着くと、隣りに座る他の新入生と談笑しながら開式を待った。入学後は、東京・元赤坂の秋篠宮邸から通学するほか、大学近くにある単身用の民間の集合住宅の一室を借り、併用していくという。 一人の夢のみならず豊かな未来社会実現へ研鑽を 式典であいさつに立った永田恭介学長は「現代の社会課題の解決には複数の分野にわたる総合的な知識と、それぞれの分野の原理的な概念が必要になる。皆さんにはぜひ、グローバルな視点で社会の変化に関心を持ち、これらの課題を自分のこととして認識し、専門分野にとらわれずに学びの幅を広げ、社会に出てから責任ある考え方に基づいて行動できる力を身につけてほしい」と新入生に語りかけると、「一人一人の夢の実現のみならず、豊かな未来社会を実現するために、ともに日々の研鑽に励んでいきましょう」と呼び掛けた。 医学群に入学する水戸一高出身の益子隆生さん(18)は、地域医療を担う医師を養成する「地域枠」で入学した。「期待より不安も多い」としながら「県内には医師不足に直面する地域があるが、各地の特色を理解し医療に取り組み、地域の方々に安心を届けられるような医師になりたい」と目標を語った。中国・北京市出身で、情報学群に入学するホウ・シキさん(20)は「大学では図書館の検索システムとともに、AIを活用した図書推薦システムについて研究したい。中国では登山が趣味だった。つくばには、日本百名山の筑波山がある。在学中に、他にもいろいろな山を巡ってみたい」とつくばで過ごす学生生活への思いを膨らませていた。 同大の今年度の入学者数は、学部にあたる学群が2230人、大学院が2568人、はり、きゅう、あん摩・マッサージ指圧を視覚特別支援学校で教える教員を養成する理療科が9人。午後からは大学院の入学式が開かれた。(柴田大輔)