つくば市や周辺地域を拠点に活動する音楽家をはじめ、もの作り作家、農家などが集まるイベント「つくば音楽祭」が30日、同市吾妻の中央公園芝生広場で開かれる。主催団体「夢創」代表の山崎誠治さん(67)は、「つくばにはこんなに多彩な人がいるということを可視化したかった。人と人がつながる場所にできれば」とイベントに寄せる思いを語る。
イベントには、ジャズやゴスペル、マリンバ、民族音楽、ちんどん屋さんなど、多様な16組の音楽家が演奏し、ハンドメード作家、無農薬野菜農家、クラフトビールやピザを販売する飲食店などがブースを構える。
イベントを企画した山崎さんは、つくば市平塚で家屋のリフォームや家具製作の「にれ工房」を営む傍ら、研究学園での屋外イベント「トワイライト音楽祭」や小さな子を持つ母親のためのコンサート「ママコン」など、音楽を通して人が集まり楽しめる場づくりをしてきた。活動を通じて出会ったのが、地域に暮らす多様な人たちだった。
音楽祭のトリを務めるつくば市在住のマリンバ奏者、倉田沙紀さん(35)もママコンでの演奏が今回参加のきっかけになった。国内の音大を卒業後、ドイツや米国でもマリンバを学び、その後も海外の音楽祭に多数参加するなど国際的に活躍しながら、自宅で教室を開き、学校などで子ども向けのコンサートも積極的に開催している。当日は、荒井由実の「ひこうき雲」、ブラジルの名曲「イパネマの娘」や「マシュ・ケ・ナーダ」などを演奏する予定。
山崎さんは、「つくば市などこの地域には、倉田さんのような音楽家や作家など、もの作りに打ち込む沢山の方が暮らしている」とし、「地域を拠点に活動する、より広いジャンルの作家を地域の方々に知ってもらい、参加者同士だけでなく、来場者ともつながる場をつくりたい」と考えていたと話す。そんな思いを形にした「つくば音楽祭」は、今回が初めての開催となる。
「コロナ禍では、みんな活動を自粛してきた。ようやくイベントを開催できるようになった。参加するみなさんには、今後の活動再開とともに、新たな一歩の場づくりにしてほしい」とし、「みんなと一緒に夢を作りましょう」と、来場を呼びかける。(柴田大輔)
◆つくば音楽祭 30日(日)午前11時~午後4時、つくば中央公園芝生広場。入場無料。詳細は主催者facebookページへ。