木曜日, 3月 5, 2026
ホームつくば2,3回目も質問や意見途切れず 洞峰公園事業説明会

2,3回目も質問や意見途切れず 洞峰公園事業説明会

知事発言に異議も

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)のパークPFIを利用したリニューアル計画で、2日に引き続き12日と21日、県による2回目と3回目の説明会が同市谷田部の谷田部総合体育館で開催された。両日とも参加者からの質問や意見が途切れず、予定時間を30分延長した。2回目は約30人、3回目は約50人がつくば市内外から参加した。

参加者からは、大井川和彦知事による6日の記者会見での発言に対し、異議を唱える声が12日、21日の説明会で複数の参加者から上がった。大井川知事は2日開かれた第1回目の説明会を念頭に「反対だという方は会場内にはいらっしゃいましたが、明確な理由はあまりなかったのかなというふうに報告を受けております。とにかく、変えてほしくないから変えたくないと言っているというふうにも聞こえます」と発言。会場からは「知事に、市民の声が正確に伝わっているか疑問」だなどの声が出された。

ほかに、施設での飲酒による治安への影響、樹木の伐採による自然環境への懸念のほか、「慣れ親しんだ洞峰公園を変えてほしくない」という意見や、収支計画の不透明さへの不満など、計画に対する否定的な意見が数多く出た。一方で愛犬家からは、ドッグランへの期待など、肯定的な意見も出た。

一方、参加者からたびたび質問に上がった、年間8000万円が必要とされる公園施設全体にかかる大規模修繕費の内訳について、2日の説明会で県担当者は「ウェブサイトに公表できるかも含めて検討する」と述べていたが、21日には回答方法は未定であるとした上で「後日、公開する」と答えるにとどまった。

県、現計画を「より良いものに」

また今回のパークPFI事業に対して「知事はゴーサインを出したのか」との質問に対して県は「もちろん、そういうこと」と回答した。21日の参加者からの「説明会を開いて(参加者の声を聞いた上で)今後どうするのかを決めるのかと思っていた」という声に対しては、「PFI事業は4月1日からスタートしている」とし、「県民、市民の皆さんの声を伺い、現状のPFI事業をより良いものにしていくことで、皆さんのご理解をいただきたいと考えている」と説明した。

最終回となる4回目の説明会は、31日(日)午後2時~4時 洞峰公園体育館(つくば市二の宮 2-20)で開催される。

会場で記入可能なアンケートについては、県のウェブサイト(「洞峰公園パークPFI事業に関する説明会及びアンケート調査の実施について」)を通じて回答できる。(柴田大輔)

儲ける公園 あり得ない」「市の許可出なかったら 出来ない」

21日の第3回説明会の参加者と県・事業者との主なやりとりは以下の通り。

約50名が集まった21日の説明会=同

参加者1 現在の洞峰公園利用者の、目的別人数、人数比率などのデータは、県・長大は持っているのか。例えば、スポーツ目的とか、散歩目的とか。

 お金を払って利用していただいている方は把握をしているが、散歩や広場で遊んでいる方の数は把握していない。有料施設の来園者数は年間27万人程度。

参加者1 目的別の人数を把握していないにも関わらず、茨城県、長大は「公園の魅力向上」「満足度向上」「にぎわいの創出」「収益」「コストダウン」ということをうたっている。果たしてにぎわいの創出が公園利用者にとってプラスになっているのかもわからない状態でこの言葉を使っているのは、あまりにも非常識ではないか。にぎわいをつくってうれしいのは、県と事業者だけでは。公園利用者は、静かでのんびり、いい空気を吸って、鳥をみて、花を見てということを希望しているのではないか。本来、公園というのは、行政サービスの最たるものであって、コストダウンや収益という言葉はそぐわないものだと思う。繰り返すが、散歩やウォーキング、憩いの場として使っている人にはにぎわいというものは全く不要。この件に関してどう思われるか。

 貴重なご意見として承り、参考にさせていただきたい。さまざまな意見をいただいているので、そういったものを含めて、いろいろと検討させていただきたい。

参加者1 このPFI事業は、県知事はGOサインを出しちゃっているんですか。洞峰公園でやることは決定になってるんですか。

 その方向で進めさせていただいているので、こういった説明会をさせていただいているという状況。

参加者1 分かりずらい。県知事はゴーということで、もうハンコは押してるんですか。

 もちろん、そういうこと。

参加者2 質問が2点。まず1点、インクルーシブ遊具はさまざまな市町村等で導入されていることはよく耳にしているが、その際にトイレの方も拡張していただきたいという思いがある。(利用者の)ご家族の皆さんは、遊具によって公園に入りやすくなる分、排泄が困難だと、せっかくある遊具を有効に活用できない。トイレは障害のある方にとって大変重要なもの。その件については再検討をお願いしたい。もう1点、シンプルになるが、県職員の皆様、事業者の皆様、是非、洞峰公園の利用をお願いしたい。言葉を聞いている限り、皆さんから(実際に洞峰公園を)利用したという声がまったくない。県内で働いている皆さんが積極的に洞峰公園を活用していただいて、利用した感想を、県職員の声というものを聞いてみたい。事業として、都市公園法の下で進めていることもわかるが、公園をプライベートで使ったこともないのに公園のことを語る資格はないと思う。県職員の皆さんが公園をプライベートで活用していただいて、その声を県職員として活用していただくことが、筋だと思う。

 ありがとうございます。1点目のインクルーシブ遊具に関しては、障害者を支援している団体などからも何度かお話しを伺い、その際にもトイレのお話は伺っていた。トイレについては、既存のものを改修することに今後なる。その際は、その辺りの配慮は考えていかなければいけない。今後検討させていただきたい。それから我々県職員も、この洞峰公園を利用して、肌で感じることは重要だというご指摘、そういったことを感じながら、この計画を進めていき、説明会、アンケート調査等で寄せられた様々な意見を踏まえて、より良い公園にしていきたいと考えている。

参加者3 (洞峰公園を県は)稼げる公園にするというビジョンを持っているということでいいのでしょうか。

 稼げるというか、今回の計画の大きな柱として、公園内の区域を利用し、収益を上げて公園の管理費に充てるというのがパークPFI制度の大きな特徴。稼ぎながら適切な管理をしていくというのが趣旨だと考えている。

参加者3 収益を上げられるから、適切に管理できるというわけですね。公園というのは自治体の仕事。自治体が提供するサービス。警察や消防署と同じ役割があると思っている。なので、収益を上げなければ運営できない状況にしてしまうのは、自治体の怠慢じゃないかなというのが私の意見。特に、この洞峰公園はつくば市の中心にあり、街づくりの中心を担う公園。他の小さな公園とはまた役割が全然違う。そういった都市計画の中心的な公園を、簡単に民間に渡してしまうということに、私はとても不信感を持ち、残念に思っている。税金を使ってもいいので、ちゃんと運営してほしい。

 ご意見ありがとうございます。

参加者4 安全管理について伺いたい。不審者対策について、管理人が24時間常駐とのことだが、不審者というのは、通常の出入り口から出入りするとは限らない。壁を乗り越えるなど、それ以外から入ることも考えられる。これをどう防ぐのか。また、客同士のトラブル、飲酒をした際のトラブルはどう対処するのか。それを管理人が抑えられるのか。

 基本的には、事業所が説明している防犯対策、治安対策でまずは対応する。それ以上のことに関しては、今後、警察などと相談しながら検討していく余地はあると考えている。

参加者4 騒音調査について、酒を飲むと騒ぐ人がいる。宴会、音楽を流すなどでの騒音調査はしたか。

 騒音のシミュレーションをどういった条件でやったのかについては、土浦にあるグランピング施設で実際の騒音をチェックした。その際に、グループでの利用者など一般的な利用状況を踏まえて騒音状況を測定した。

参加者4 24時間のトレーニングジムは非常に危険だと思う。無人だ。もし利用者が心臓まひを起こしたり、けがなどした場合にどう対応するのか。また深夜の利用者同士のトラブルや犯罪につながるのではないか。

 24時間のジムが危ないのではということについては、実際に民間でも24時間のジムはある。詳細については、私の方からはなんとも言えないが、今の時点で考えられている安全対策がとられると考えている。

参加者4 パークPFIによる指定管理での収益還元の割合が分からない。あるいは、金額で想定されているか。どれくらいの割合の収益還元を考えているか。

 収益還元の割合は、改めて確認の上で回答する。

質問者4 グランピングの提案っていうのはそもそも県が提案しているのか。それとも長大の提案か。

 県が提案したものではなく、公募の段階で事業者から提案があった。

参加者4 茨城県の総合計画が、2022年から25年まで第2次のものが行われている。そのポイントとして「県民の声をすいあげていく」とある。県だけで決めるのではなくて、県民と協力しながら、協力・連携のもとでこの総合計画を進めていると思う。地域づくりの方向というのは、基本的に、その地域住民の自主性を尊重していく、その地域の住民の声を尊重していくということが書かれている。計画の中には「人に優しい魅力ある街づくり、快適で美しい街づくり、レクリエーション、交流空間を創出するための都市公園」とある。まさに洞峰公園がそうだと思うが「都市公園等の整備を通じ、地域の魅力を活かした街づくりを推進する」とある。静かな、緑の木々のある洞峰公園が魅力。それをにぎわいなるもので壊すことが、地域の魅力を活かした街づくりになるのか。是非、再考していただきたい。

 総合計画で位置付けられている県民の声を聞いてということについては、まさにこういった説明会やアンケート調査が、県民の声を聞くために行っていると認識している。

参加者5 グランピング施設の中で自由に飲酒できるか。

 それ(飲酒)は可能。

参加者5 ということは、飲酒した人が自由に(グランピング施設の区域外の)園内に出られることも考えられる。外からグランピング施設に入る人は監視できるが、中から酔っ払いが外に出て、例えばジョギングをしている女性や、早朝通学している子どもたちにさまざまな影響が出る。つまり、安心して夜の散歩やジョギングができないような環境が必然的にできるのではないか。グランピングするなら、飲酒した人はグランピング内から外に出させない。それができないなら、グランピングはやめるべき。普通の人が朝から夜まで楽しんでいたものが使えなくなってしまう。それが心配だ。

 貴重なご意見として承り、ご参考にさせていただきたい。

参加者6 アンケートの集計結果の公表はされるのか。その日程と方法を示してほしい。というのも、第1回終了後の知事の定例記者会見の知事の発言は、説明会でのやりとり全てが知事にきちんと伝えられたとは思えない内容だった。アンケートの集計結果を含めて、知事に伝えられた内容を我々が共有して初めてアンケートの信頼性が保たれると思う。計画そのものに対する反対意見を含めて(アンケートの)選択肢にない、その他の質問などのスペースに書かれた一字一句が知事に伝えられるのかとても心配。つくば市と共有すれば県民に対してアンケートの透明性を保持できると考えているのか。

 アンケートの取り扱いについて、まずはつくば市と共有するということでアンケート調査を行なっている。結果を公表しないということは全く考えてない。集計の上で、なんらかの形でお示しすることになるかとは思うが、現段階で、どういった形で集計して発表していくかというのは、今後もつくば市と相談しながら検討していくことになる。知事へもその結果というのは当然報告する。

参加者6 グランピングのエアコンの排気について、室外機について調査されたということが以前の説明会でなされたが、排気による気温の上昇については調査されたか。夏場のエアコン排気はヒートアイランド現象の要因の一つ。これまで草地だった野球場にグランピング18棟と共用棟などの人工物が設置されることで、風通しが悪くなるだけでなく、エアコンからの高温の排気が24時間垂れ流されることになる。グランピングの施設はテントタイプ、コテージタイプ共に断熱効果の期待できない造りであり、快適な室温に保つために周囲のランニングコースの気温が上昇することは明らか。これでも従来の利用者が尊重されているといえるのか。

 グランピング施設のエアコンによる排気については、具体的に何か検証したわけではない。一般論として、根拠があるわけではないが、ある程度のエアコンから出る排気については、許容される範囲ではあると個人的には考えているが、必要に応じて検討する必要があるとは考えている。

参加者6 県からは電力需給のひっ迫により節電するよう再三要求されている。世界的にCO₂削減が叫ばれている中で、地球温暖化を促進するような事業を推進することの整合性についての説明を。

 温暖化についても同様で、一般的に新しい建物が造られればエアコンは付いてくる。それに対して電力がひっ迫している中でそれを止めるというのは、ちょっと論点が違うのかと、個人的には思っている。

参加者6 これまでの質問で答えをいただけなかったことに対しては、ホームページでお答えいただくと伺っている。もうホームページで回答はされているのか。

 その回答につきましては、全4回の説明会が終わってから、なるべく早く整理をしてホームページに掲載したいと思っている。

参加者7 洞峰公園は自然の中でぼーっとするのが好きなのでよく行っている。先ほどから聞いていて、春ごろに見た地図と今日拝見した地図で、計画の変更があった。皆が取り入れてほしい計画に内容を修正したようだが、結果、それで非常につまらなくなった。グランピングって自然の中でおいしいものを食べて、お酒を飲んで、アウトドアの気分を楽しんだりするんでしょうけど、いろいろ配慮をして、部屋から出るなとか、酒飲むなとか、柵を立ててそこから出るなとか、そんなふうな計画になってるので、そもそもこの場所に造ることに無理があるのではないか。

 我々も洞峰公園にとってどういった形がいいのかというのは常に考えながら、事業者も計画の見直しを考えて、3月のオープンハウスでお示ししたものから、今日ご説明したものへと修正を行なっている。そのせいで使い勝手が悪くなるのではないかというようなこともあろうかと思うが、その点もバランスを見ながら検討しており、今日いただいたご意見を参考にさせていただきたい。

参加者7 県と事業所の方が、皆同じような年齢で、男性ばかり。(会場の)住民の方々はいろんな年齢、立場、女性もいる。計画を進める方にも、いろいろな年齢や性差が入ってくれたならば、もうちょっと細かいところが見えるのかなと思う。私たちは有志で自腹でここにきた。私たちは真剣に、今まで慣れ親しんだ洞峰公園のこの現状を変えてほしくないという意志でこれだけの人が集まり、様々な意見が出ている。

参加者8 プール、体育館の大規模修繕に年間8000万円かかっているというご説明だったが、その8000万円をかけてどういったことをするのか説明してほしい。リニューアルしてものすごい施設ができるのか、現状維持のために8000万かかるのか。

 大規模修繕にかかる費用の根拠としては、プールや体育館に限らず、公園全体の将来的な維持管理、修繕に関わる費用を平均して算出している。例えば、フィールドハウスという建物の改修費用、プールなどの目に見えないところもある。そのほかに修繕しなければならないところも将来出てくるため、そういったところも見込んでいる。で、あくまで修繕費用であって、建て替えなどは考えていない。建て替えが必要となれば、さらに費用が必要になると思う。最低限の維持管理、修繕。施設をなるべく長生きさせるためにも一定の費用がかかるということで、積み上げ試算をした。内訳については、後日お示しする。

参加者8 6000万円の経費を削減するという。また指定管理面積が減るから、指定管理費が2000万円減ると。その分、事業所がそこを維持管理する。残りの4000万円が「にぎわい創出」によるものであるという想定かと思うが、この4000万の内訳を教えてほしい。

 4000万円の収入増の内訳は、駐車場拡張による単純な収入増、テニスコートの拡張による利用増、また、もろもろの「魅力向上」による今の体育館やプール、テニスを含めたスクールに通われている方の増加を、事業所が想定し、約4000万円の増収というものを見込んでこの収支計画が建てられた。

参加者8 このパークPFIをやろうとやるまいと、(結果として)体育館やプールがなくなることが一番悲しい結末だと思っている。そのリスクをどのようにお考えか。たとえば4000万円の収益が出なかった時にどうなってしまうのか。公金を使ってその分の維持管理費を負担するのか、事業者が負担をするのか、地域住民が利用料という形で負担しなければいけないのか。

 制度の仕組みとしては、万が一収入が見込めない場合でも、税金を使って、いわゆる指定管理料は10年間の固定の金額というのが決まっているので、そこで追加で税金を使って何かをするということはない。事業者が工夫し、この収入を確保しながら公園の維持管理をするということが前提となっている。

参加者9 地球温暖化について心配している。この事業は地球温暖化に無関心で、SDGsにも逆行している。グランピング施設建設により駐車場建設に伴い樹木が伐採されるが、これに反対する。グランピングやドッグランが野球場跡地に建設予定だが、あそこには木が一本もなく、木陰がない。こんなところでグランピングの稼ぎ時と考えられている夏には、朝から猛烈な暑さが予想される。人間にも犬にも居心地がいい場所ではないのでは。ドームテントには断熱材は使われているのか。ドーム内は炎天下に置かれた車内のようにならないか。管理棟を含めると40台以上のクーラーの設置になるかと思う。省エネを考慮していないものをつくるのは、地球温暖化に即したものであるのか、県、事業者それぞれの意見をいただきたい。

 回答はまた改めてさせていただきたい。

参加者9 大規模修繕については、まだ計画が立っていないという話だった。どのようにして8000万という数字が出てきたのか。

 指定管理者の筑波都市整備、東京アスレチッククラブの2社で指定管理をしてきた中での、いわゆる小規模の修繕とは別に、県の方から発注している修繕工事というのがあり、それを積み上げている。それを整理して、改めてそこはお示ししたい。将来の計画もないわけではなく、計画があるものを積み上げて算出している。そこはきちんとお示ししたい。

参加者9 年間8000万円で20年かければ16億。16億の金が、プールや体育館の修繕費に本当に必要なのか。普通なら最初に修繕費がいくらかかるか金額を出して、そこから逆算していくんじゃないか。16億というお金はについてどう考えているのか。

 (修繕費が)プールと体育館だけではないということを先ほどからご説明している。公園全体の修繕費というのはそれなりにかかってくる。その中でも体育館とプールというのは、高額だというように考えている。

参加者9 しかし「ここにいくらかかる」という具体的なものが一切出てこない。私たちはこの金額をどう信用すればいいのか。

 出さないと言っているのではない。出させていただく。なぜ後から出させていただくかと言えば、参加者の中には1回目だけ出席されて、その後(別の回に)出席しない方もいる。そういった方に公平に情報を提供するためには、(質疑やアンケート等で)提案していただいたものを、私共でまとめて、説明に来ていただいた方全員に提供するという趣旨で、個別の説明会での説明を避けている。(4回目の)説明会が終了し次第、速やかに公表する。しばらくお待ちいただきたい。

参加者10 洞峰公園はつくば市だけではく日本が誇る公園の一つになっていると思っている。自然の中を散策し、森林浴、セラピーとしてのリフレッシュなどの効果が出ている。そういった中で、利用者にとっての共有地を切り売りするような、儲けるための公園っていうのはありえないと思っている。グランピング、ドッグラン、トレーニングセンター、ビール工房は、(公園外の)至る所にある。なぜそれを公共の土地でやらなければならないのか。さらにPFIで業者が収益を上げる前提だが、それが崩れるということは有りうる。どのくらい還元させるのかといえば、それも答えがない。私は、(県と事業者が)説明会を開いて今後どうするのかを決めるのかと思っていた。でもそうじゃないらしい。もう決まっているんですよね。もう一度立ち止まってほしい。こんな状況で進めるのは無理がある。この説明会の意図を説明してほしい。

 説明会の意図というのは、何度も説明しているので、出席回数の多い方はご存知かと思いますが、今回の説明会、それからアンケートについては、事業の内容について丁寧に説明し、県民・市民の意見を聞きたいというのが唯一の趣旨だ。

参加者10 私たちの意見をどう反映させるのか。

 ですので、どう反映させるかを含めて、説明会が一旦終わって意見を取りまとめ、その上で対応について告知をさせていただければと考えている。その方法については、ホームページに載せるのか、改めて説明をするのか、その他の公表という形でやっていくのかは、現在決めているわけではないので、その方法については改めて発表させていただきたいと思っている。

参加者10: パークPFIは決まっているという前提なのか。これは覆ることはないのか。

 事実、パークPFI事業は4月1日からスタートしている。覆らないのかと言えば、現在進んでいるものについては、もうスタートしているというお答えになる。ただ、こうして県民、市民の皆さんの声を伺い、反映させるべくやっているのは、全てを覆させるのかどうかというのは別にして、より良いものにしていくための検討を、私共の方でもさせていただきたいという趣旨で意見を聞かせていただいているというところ。そういったことでご理解をいただければ。それから、PFI事業が覆らないのかとのことについては、現状のPFI事業をより良いものにしていくことで、皆さんのご理解をいただきたいと、考えている。

参加者10 公園自体は、私たちだけでなく、次の世代が使っていくもの。やっと40年かけて森が育ってきたんですよ。そういった視点で是非考えていただきたい。

 併せて、私どもで説明してなかったと思うんですが、4月に事業がスタートしているんですが、事業自体が進行しているかというと、今のところストップしている状況。県が説明している中で事業を進めるのはよろしくないだろうということで、今は止めている。

参加者11 南側駐車場の拡張について伺いたい。グランピングには各棟にシャワー・トイレなどがつくと思うが、配管はどこを通すのか。

 詳細の設計はこれからということで、今は説明できる材料がない。

参加者11 配管の設計もなくて、ここまで(計画を)出すというのはおかしくないか。グランピングの位置まで全部書いているのに、配管をどこに通すかというのがないというのはおかしい。これ、当然(設計を)やってますよね。沼には流さないというのはさっき聞いているが。

長大 今のご質問ですが、変更後の概略設計を、今、手続き作業をしているところだが、我々は設計者ではないから、現時点で回答できる概略図面等の材料を持ち合わせていないため、後日改めてご回答したい。

参加者11 では、配管の行き先はどこか。上・下水道の本管はどこに。

 既設のつくば市の下水道に接続する。大通りの方に本管が通っていますのでそこに接続する。

参加者11 沼に出さないということは(配管は)駐車場の下か、園路を通すのか。

 駐車場であったり、園路の下であったり。

参加者11 園路は壊さないという話だった。園路には影響は与えないという契約と聞いていたが。そうすると、駐車場の拡張というのは、みなさんが駐車場のことで困っているからというよりは、自分達の配管を通すためのものだったのでは。

 園路を壊すということはないが、実際に園路の下を通すかどうかわからないが、仮にそうなった場合、必要な工事の後に現況に復旧するというのは通常これまでの維持管理の中でやっていることで、許容されることと考えている。

参加者11 質問を変える。この駐車場の拡張の際に木を切らないよう努力すると長大さんはおっしゃっていたが、拡張エリアに木は何本あるのか。

 そこもこれから調査して、なるべく影響がないように設計していく。

参加者11 私、前に数えたんですが、400本あった。長大さんの計画に入る別の場所も合わせると全部で600本。これを全部伐採しないと計画を進められないと思う。これはものすごく影響があると考えている。

 実際、樹木の調査に入れていないのが現状。これから適地がどこかということも含めて、なるべく影響が少ないようにするいう考え方のもと(計画を)提案させていただいている。

参加者12 洞峰公園を変えてほしくない。グランピングなんて誰も来ない。ビール工房とかつくったり、なんで公園の中で酒を提供したり、こんな施設をつくらなければいけないのか。全然、つくば、茨城らしくない。私がやるなら、にぎわいとしてやるなら、北側駐車場の方に科学の展示物を置いて、茨城は農業県だから農作物が買えるような場所をとりあえず駐車場の方に置いて、道の駅みたいに農作物が買えるようにする。(公園の)中はいじる必要はない。駐車場は広げる必要はない。土日は利用料を倍にするなど値上げすればいい。利用者のほとんどは土日だから。それだけで稼げる。グランピングなんて儲かると思えない。とにかく酒とか、そんなの公園じゃない。やめてください。

 貴重なご意見ありがとうございます。検討いたします。

参加者13 今回の指定管理事業とパークPFIの中で、声高々にインクルーシブ遊具を語るのをやめてほしい。そういうことは本来、私たちが払っている税金でやらなければいけないことで、パークPFIをやらないとインクルーシブ遊具を入れられないというのはおかしい。福祉、誰も取り残さないなど言葉はいろいろあるが、やっぱり、皆が楽しめるっていう、ハンディキャップっていうのは、メンタルのこともある。そういう人にとってもにぎわいがあるところでよくなるのかと。仕事に疲れた人とかがいう視点だと、癒しとかっていうのがベースにあって、そういうところから公園というものを考えていただきたい。

 貴重なご意見ありがとうございます。

参加者14:事業者募集の際に、Q&Aというのが県のホームページに出ている。建築基準法第48条のただし書きに基づく許可を受けるための事前相談について、いつ、どのような書類で相談すればいいかという問いに対して「提案書提出前に、配置面積等の概要が確認できる資料で県に事前相談の上、つくば市に確認協議」ってお答えされてるんですよね。で、このことが6月のつくば市議会で問題になった。(洞峰公園は)宿泊施設が本当は建てられない場所。だからグランピング施設を建てるとしたら、つくば市の許可が必要。もしもこの許可が出なかった場合、今回のメーン事業であるグランピングができない。だけど、このグランピングを前提とした事業者を県は選定されて、年間8800万円の指定管理料で足りると、10年間の契約をしたわけだが、もし市が許可を出さなかったら、この事業、成立しない。それを分かって県は契約した。この許可が出るという前提でやっているのか。市とそんな相談してるのか。市はどこかで「できますよ」って言ったんでしょうか。そうでないとしたら、やれるかやれないかも分からない事業を、県は契約したということ。つくば市は許可を出すって言ったんでしょうか。許可が出なかったら誰が責任を取るんですか。

 まず建築基準法上の手続きとして、48条の特例許可が必要になってくるのですが、その中で、48条の許可を下すのは、つくば市になりますが、つくば市も「建築審査会」という第三者委員会に諮らなければならない。では事業者募集の段階で、正式にそこに諮れるかというと、まだ正式に決まってもいないのに、それはできない。だから(事業者は)県に一声かけて、事前に市の建築指導課に相談をしてくださいということ。当然、つくば市も、建築審査会にかけているわけではないので、できる、できないの判断はできない。それは事実。ただ、こういう手続きを踏めば、可能性はありますよと我々は認識し、事業者も認識し、それに沿って手続きを進めてきた。そこでできるとも、できないとも、市は判断していないが、一般的に建築基準法48条の特例許可を受けるための要件というのはあるので、その要件に照らし合わせれば、この計画は決してダメな計画ではないということが分かる。そこはつくば市から「絶対できない」というような回答は得ていないので。もちろん、絶対できる、できないということはないが、その可能性はあるということで、この(グランピングを含む)計画を(県が)認定したということ。

 つくば市の判断を待っては事業者の決定はできないため、事前の相談の上、対応しましょうというのが、パークPFI上のやり方でございます。

※12日開催の2回目説明会については、ハウリング等の録音の不備により、質疑の主なやりとりを掲載しませんでした。

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6日から 自閉症スペクトラムなどの障害のある粘土作家で、水戸市在住の松橋克希(よしき)さん(20)の作品展「イマジネーション クリエイト 想像から創造へ」が6日から、つくば市千現、二の宮公園前のギャラリーネオ/センシュウで始まる。アニメや映画などのキャラクターをモチーフにした新作を含む約250点の粘土作品とイラスト15点を展示する。22日まで。 普段は地域の保育園などで毎週、子どもたちに作品作りを教え、「よっちゃん先生」の愛称で親しまれている。制作活動を通じて自分の世界を広げてきた松橋さんの十数年の歩みに触れる作品展だ。昨年12月には、障害のある人の芸術活動を支援する拠点として県に設立された「障害者芸術文化活動支援センター」が、県つくば美術館で開いた作品展「めぐる展2025」に出展。創作実演や対話型鑑賞会も行われ、多くの来場者の関心を集めた。 地域の中で活動を広げる 克希さんは、粘土で作った小さなパーツを一つ一つ繋ぎ合わせてオリジナルのキャラクターを生み出している。その数は、数千体。頭の中には、常に新しいキャラクターのイメージがあふれているのだという。 幼い頃から創作に打ち込んできた。幼稚園のころから小麦粘土や折り紙を用いた工作に夢中だったと、母親の裕子さん(54)は振り返る。地域の小学校に進学すると、支援クラスの教員や放課後に通った学童保育の担当者らが制作活動に寄り添った。さまざまな粘土を試す機会をつくり、時には1日6時間に及ぶ制作を共に見守った。 幼い頃はコミュニケーションが難しく、裕子さんは戸惑うことも多かった。夕方になると長時間泣き続けることもあったという。しかし成長とともに落ち着き、作品を通じて人とのつながりが広がっていった。展示会では「すごい」「また見たい」と声を掛けられるようになり、それが創作の励みになった。 裕子さんは「当時、頭の中は大好きな怪獣でいっぱいだったのだと思う」と話す。克希さんは2、3時間に一つほどのペースで、思い浮かんだ怪獣を次々と形にしていった。 小学6年の時、障害のある他の子どもたちと地元のホテルで初めて展示会を開催。さらに水戸市内の空き店舗を使った販売会やワークショップにも参加し、地域との交流が生まれた。裕子さんは「できるだけ地域の中で、いろいろな人と同じ場所にいてほしかった。障害のある子どもは外との接点が少なくなりがち。だからこそ作品を見てもらう場をつくりたかった」と語る。 映画制作が転機に 活動の大きな転機となったのが、自身も出演し、克希さんの作品をもとに制作された映画「欲望の怪獣」(2019年松本卓也監督)だ。母親がイベントで出会った人との縁から企画が動き、映画制作の中で克希さんがオリジナルキャラクターを考えるようになった。「そこから自分の世界を形にする力が強くなった」と裕子さん。上映会などを通じて、さらに人との出会いが広がったという。 人との交流を重ねる中で、徐々に会話などのコミュニケーションも増えていった。「人に興味を持ってもらえることはとても大きい。作品について意見を聞きたいなど、人との関わりにも意欲的になった」と裕子さん。 克希さんの作品の源は、戦隊ものや海外映画、人気アニメ「ONE PIECE(ワン ピース)」などのアニメやゲームの世界だ。特に仮面ライダーシリーズの敵怪人デザインを多数手掛けた韮沢靖氏は大きな目標の一人。怪人や恐竜、特撮のキャラクターなど、独自のデザインを粘土や絵を通して生み出していく。思いついた瞬間に制作に取りかかる。多い時は短時間で複数の作品を作ることもあるという。 展示について克希さんは「デザインを見てほしい。作品を見た人から『かっこいい』『すごい』と言われるとうれしい」とし、「詳しい人が来たらアドバイスもほしい」と話す。将来については「なるべく認知されて、作品と自分のことをみんなに知ってほしい」と語った。出会いが増えたことについて尋ねると、「言い方が思いつかないんですが」と考えを巡らせながら、「うれしい気持ちです」と言葉を選んだ。 会場では完成作品だけでなく、キャラクターのアイデアやデザインのメモがぎっしりと詰まったスケッチブックも公開される。主催者でギャラリーの山中周子さんは「想像から次の創造へというタイトルに込めた思いとして、たくさんの作品とともに、よっちゃんの想像力が詰まっている制作過程がわかるスケッチブックの膨大なメモも含めて見てほしい」と話す。(柴田大輔) ◆松橋克希個展「イマジネーション クリエイト 想像から創造へ」は、つくば市千現1丁目23-4マイコーポ二の宮101、ギャラリーネオ/センシュウで、3月6日(金)から22日(日)まで開催。開館は金・土・日曜。開館時間は金曜は午後3~7時、土日は午後1~5時。入場無料。問い合わせは、メール(info@neotsukuba.com)でギャラリーへ。

日本薬史学会の資料《くずかごの唄》155

【コラム・奥井登美子】うちの薬局の隅に、薬の歴史コーナーがある。薬研(やげん)、薬缶(やかん)、薬用の植物片などが置いてある。 やかんは、昔、薬をつくる時に使った道具なので、薬缶という。今、漢方薬はインスタントコーヒー並みに抽出液が粉末になっているが、昔、我々の祖先が医薬品として使用してきたのは熱い液体の抽出液である。 今の粉状の漢方薬も、お湯に溶かして匂いをかぎ、口の中で味わいながら飲むと、自分の身体に合うか合わないかがはっきり分かって、治療に役立つ。薬の歴史が面白いので、私は日本薬史学会に入っている。 義兄 誠一の遺稿集「いのち」 最近送られてきた学会誌に、前会長の森本和滋先生の論文が載っていた。論文の最後に、私が贈呈した奥井誠一の遺稿集「いのち」が役に立ったことが書かれていて、うれしかった。 45歳で皆に惜しまれながら病気で亡くなった義兄の誠一は、東京大学薬学部で、裁判化学の助教授だった。国鉄総裁の下山事件や森永砒素ミルク事件のほか、いろいろな事件の解明に関わった毒薬の大家である。 「霞ケ浦の水が水道水として使えるかどうか、聞かれて困っちゃった。霞ケ浦は広いから、取水の場所にもよるけれど、どこも水道水としてはぎりぎり。土浦港にアオコが発生しているが、アオコの毒性問題は、きちんと調査して発表した人がまだいないんだ」 当時、義兄とおしゃべりしながら、薬学と環境倫理学の視点を持ち、地球規模で考える難しさを私は知ったのだった。 難癖をつけられながら編集 「いのち」の本は、当時、近藤信行さん(中央公論社)の協力を得て出版されたもので、義兄の友人、知人、遺族ら76人の原稿が載っている。親戚の人たちにいろいろ難癖をつけられながら、私が編集を担当した。いつの間にか、その本が薬学の歴史的資料の一つになったのが、懐かしいだけでなく、私にとって意外な重みになってしまっている。(随筆家、薬剤師)

半世紀の集大成 光を描く水彩画家 中野瑞枝さん回顧展 つくば美術館

土浦市在住の水彩画家、中野瑞枝さんの回顧展が3日、つくば市吾妻の県つくば美術館で始まった。画家として歩んだ50年余りの集大成として、過去25年間に描いた作品を中心に180点余りを展示している。 北海道や東北の農村、ドイツやスイスの風景から、茨城県内の身近な自然まで。一貫して追い求めてきたのは光だ。「光はどこにでもある。光が全ての事物を美しく見せてくれる。なるべく身近なものを描いていきたい」と語る。 回顧展は、以前にも開催を考えたことがあったが、「まだ早い」と踏みとどまった。だが体の衰えと進行性の病気が重なり、「今やらないともうできない」と決断した。8日まで。 「白」に命を宿す 中野さんの描く光は、水彩紙の白そのものだ。「水彩画の白は、色を乗せない。周囲に塗り重ねた色が、白を浮かび上がらせる」という。描きたい光をあえて描かずに、周辺の影や背景を塗り重ねることでモチーフを際立たせる、透明水彩の技法「ネガティブペインティング」を駆使する。 「あの木を見てください」と中野さんが指差す絵には、斜めから射す陽光に輪郭が照らされる3本の白樺の木がある。幹の光る部分を紙のどこに置くか、描き始めたら動かすことはできない。「塗ったら白は終わり。どこに光を残すか、描き始める前に決めなければいけない。描いてしまったら、波も雲もピカッと光らない」。緊張感の中で、光に命を宿していく。 会場入り口正面に置かれた作品「帰り道」は、山形県西村山郡の岩根沢をモデルにした風景画だ。刈り取りを終えた田んぼに沿う小道が画面の奥へと緩やかに伸び、柔らかい穂をつけたススキが土手を覆う。夕日に染まる雲が一面を赤く包む。車移動を重ねながら「心に響く光」を求めて旅した北海道・東北の景色や、スイスやドイツで出合った風景も並ぶ。 一方で、暮らしに近い場所にある風景にも眼を向ける。豊かな緑に囲まれる湿地と森の奥にのぞく階段、広い敷地に咲き誇る桜の木々は、つくば市の自然公園「高崎自然の森」だ。「桜なんて、以前は描く気はなかった。でも教室を始めて生徒たちと行ってみると、やっぱりきれいで、この世界がやっぱりすごくきれいに見えるんです」と笑みを浮かべる。ほかにも、つくばみらい市の小貝川沿いにある「福岡堰」、牛久市岡見町の「上池親水公園せせらぎの里」など、地域住民に馴染み深い場所の絵が並ぶ。 けがが開いた絵への扉 東京 伊豆大島で生まれた中野さんは、幼少期から自然に親しみ、高校時代はアルピニストを夢見た。「リュックの中にいろんなものを詰めて、お弁当を入れればパッと山へ行けるようにしていた。明日学校で試験だと言っても山へ行っちゃう、そんな人間だった」。そんな高校時代にアキレス腱の断裂を経験、さらに治療中の感染症が重なり、登山を断念することになった。「山登りしたかった子がそうなったんだから、人生絶望状態でした」と振り返る。 大学卒業後、20代半ばに「元々関心があった」絵画を始めた。芸大を目指す高校生たちとともに美術学校で腕を磨き、「やり始めたらすごく面白かった。一度も描くのが嫌だと思ったことはない」。 わが子が幼い頃は、1年で1万枚を目指して毎日子どもを描いていた。1990年に初めて開いた展覧会を30年以上に渡り毎年開催し続けてきた。 「お裾分けできれば」 けがによって限られた選択肢の中で手にしたのが「絵を描くこと」だった。しかし、いつの間にか絵のない生活はありえないほどに人生そのものとなっていた。「絵を描くことで私はプレゼントをいっぱいもらった。絵そのものも頂き物、人との出会いもそう」 「(病により)1週間前にできたことが今日できないこともある。でも、そう生きている人は山ほどいる。老いや病は誰もが通る道。かわいそうだという見方はすごく嫌なこと。そこにフォーカスするより、私が絵を通して頂いてきたものをお裾分けできればいい。そんな思い」と静かに話す。 16年前、牛久市に転居したのを機に始めた絵画教室は、土浦に引越した現在も、つくば市内で月2回続けており、現在約10人の生徒が学ぶ。 「自分が培ってきた技術や、いろいろなものをできるだけ人に伝えていきたいと思うし、絵を通して人と関わることによって、与えたり与えられたりすればいいと思っている」と話し、「高校時代、足のけがで山に登れなくなったのは、今は本当に良かったと思っている。あのまま突き進んでいたら、雪山で命の保証はなかった。けがで命拾いをして、絵を描き始めた」。時間はかかったが、そう思えるようになったと微笑んだ。(柴田大輔) ◆「中野瑞枝水彩画回顧展」は、つくば市吾妻2-8 県つくば美術館で3月3日(火)~8日(日)まで開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分、最終日は午後3時まで)。入場無料。詳しくは県つくば美術館ホームページ内の展示会情報へ。

「普通」だけに頼る危うさ《続・気軽にSOS》170

【コラム・浅井和幸】寒い日に寒いと言う。普通ですね。暑い日に暑いと言う。普通ですね。嫌なことを忘れたいと思う。普通ですね。好ましくない状況を解決したい、好ましい状況にしたいと考える。やっぱり普通ですね。 寒い日や暑い日にエアコンをつけて快適な室温にする。解決できますね。室温が低いから寒いと感じる。間違っていません。だから、エアコンで室温を上げれば解決する。外気が低いとか冬だからとか文句を言っていても、暖かくはなりません。文句を言えば、誰かがエアコンをつけてくれるかもしれませんが…。 寒い時に体が震えますね。あれは筋肉を震わせて体温を上げる反射だそうです。寒い日に運動をすれば体が温まり、寒いと感じないどころか、暑いと感じることもあるでしょう。寒いと感じるのは、体が冷えていることの方が本質に近いかもしれません。 部屋にいる状況で、外気が寒くても部屋が暖かければ寒いと感じない。部屋にいる状況で、部屋が寒くても体温が高ければ寒いと感じない。どちらも正しく普通だと思います。寒さを解決するには、エアコンをつけてもよいし、運動をしてもよいし…、他にもたくさんの解決法がありそうです。 嫌なことを忘れる方法 さて、嫌なことを忘れるにはどうすればよいでしょう。人には、忘れようと意識して忘れるという機能はないそうです。嫌な奴や出来事を忘れようと意識するほど、長い時間考えるほど、その意識か強く記憶に刻まれ、嫌な気持ちは大きくなり、よろしくない状況が起きそうです。 嫌なことは忘れようとすると、逆に嫌な気分が強くなることもあります。普通ということがいつも正しく、よいものではなさそうです。嫌なことを忘れる、いくつか方法がありますので、いくつか挙げておきます。これらがあなたの「新しい普通」になることを願いながら、詳しくは、機会に取り上げたいと思います。 (1) 嫌なことが思い浮かんでも、そのまま放っておき、別のことを行う。 (2) 嫌なことに少し近づき、思ったよりも嫌なことが起こらない体験をする。 (3) 身体的なリラックス方法を試してみて、呼吸をゆっくり行ってみる。 (4) 嫌なことを味方と思える人と共有して、安心できる時間や空間をつくる。 (5) 嫌なことを乗り越える対応策に悩み、計画を立て実行する。 (精神保健福祉士)