月曜日, 4月 7, 2025
プロモーション
ホームつくば茎崎庁舎跡地に小売店誘致 保健センターは存続 つくば市

茎崎庁舎跡地に小売店誘致 保健センターは存続 つくば市

庁舎解体後、更地のままになっているつくば市の茎崎庁舎跡地(同市小茎)について市は、2年前に住民に示した案(20年8月7日付)を見直し、跡地に食料品や日用品を販売する1000平方メートル規模の小売店を誘致する方針を明らかにした。前回、解体するとしていた隣接の茎崎保健センターは解体せず存続させる。

10日と11日、地元説明会を開き、新たな方針を説明した。10日の説明会では参加者から「大賛成」「一刻も早く誘致してほしい」などの意見が相次いだ。

誘致する小売店は、跡地約2700平方メートルに、建築面積1000平方メートル程度の店舗を誘致する。店舗は平屋建て、駐車場は30台程度となる。土地は市が事業者に貸し付ける。賃料は固定資産税評価額の1000分の25という。7月中旬ごろから事業者を公募し、9月中旬ごろまでにプロポーザル方式で選定する。来年6月ごろまでのオープンを目指す。

市公有地利活用推進課は小売店の選定について、自宅に宅配する、地元産品を扱うなど、地域住民のライフスタイルに合わせた評価基準を示した上で、学識経験者、住民代表、市職員で構成する候補者選定委員会を開いてより優れた事業者を選定したいとした。

保健センターでは、集団健診や健康相談などを引き続き実施する。2階建ての建物は耐震基準を満たしている一方、老朽化していることから、トイレや冷暖房などの設備を一部改修したり、市民のたまり場となるオープンスペースを設置したり、会議室の貸し出し手順を見直し利用しやすくするなどを検討しているという。保健センターの改修も小売店の出店と同時進行で進める。ただし改修時期は未定。

10日夜開かれた地元説明会の様子=つくば市小茎、茎崎保健センター

出店、20年以上

10日の説明会では参加者から、小売店に対し「生鮮食品を売ってほしい」「重いものを配送してくれる事業者を誘致してほしい」「防災協定を締結して、災害時に水やティッシュ、タオルなどを市が買い上げる体制をつくってほしい」などの意見が出た。「バスを待つ時間、風雨をしのげるスペースをつくってほしい」「条件など付けず早くオープンしてほしい」などの声もあった。「人口が減少している地域で本当に定着してくれる見通しはあるのか」という質問に対し、市は「20年以上くらい(定着の)見込みがあると考えている」とした。

一方、保健センターの改修に対しては「エレベーターを設置してほしい、和式トイレを洋式にしてほしい、エアコンを取り換えてほしい、塗装し直してほしい、フェンスがみすぼらしい―などすでに15項目の要望を出しているのでお願いしたい」「前回の計画(2020年時点)では相当額(保健センター解体、埋蔵文化財調査、商業施設内の公共施設整備など計7億円)を考えていただいた。相当額で保健センターを改修してほしい」「改修内容を開示してほしい」などの意見が出た。

複数事業者が可能と回答

茎崎庁舎跡地は2010年4月に閉庁、16年1月に解体され、現在、跡地の一部はバスロータリーとなっている。

跡地利活用について市は20年8月、庁舎跡地に隣接する茎崎保健センターを解体し、庁舎跡地と保健センター敷地を一体的に活用して商業施設を誘致し、商業施設内に公共施設を併設させる案を住民に説明した。住民の間では、商業施設誘致に賛成する意見と、保健センターを存続してほしいとする意見の両方が出た。

一方、当初案について市が20年に事業者15社に聞き取りした結果「市の計画案は施設規模が過大で、建設費用、運営コスト、商圏を分析すると採算性が見込めない」などの調査結果が出て、市は利活用案の見直しを実施していた。

見直し案を再検討する中、市が21年に事業者5社から聞き取り調査をした結果、複数の事業者から、1000平方メートル規模の小売店なら出店可能との回答を得たという。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

9 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest


最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

9 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




Advertisement
spot_img

最近のコメント

最新記事

見事に矢が的中 日枝神社で流鏑馬祭 土浦

土浦市沢辺の日枝(ひえ)神社で6日、流鏑馬祭(やぶさめまつり)が催された。伝説の登場人物にふんした鎧(よろい)武者が、馬にまたがって長さ150メートルほどある境内の馬場をゆっくり進み、立ち止まって、3カ所に立てられた的に向かって馬上から矢を放った。 一の矢から三の矢まで見事に命中すると、大きな拍手がおこった。当日はあいにくの雨模様だったが約600人の見物客が訪れ、写真愛好家らが矢を打つ瞬間を待ち構えるなど、にぎわった。 境内にすみついた大ザルが村里の作物を食い荒らし村人に害をなしたことから、領主と、弓の達人である家臣が大ザルを退治したという言い伝えをもとにした祭りで、県指定無形民俗文化財に指定されている。山ノ荘地区の平和と五穀豊穣を祈願し、毎年4月の第1日曜日に催される。 開会式には、青山大人、国光あやの衆院議員、土浦市観光協会の中川喜久治会長などがあいさつし、伝統行事の大切さなどを述べていた。日枝神社総代代表で同流鏑馬保存会の宮本勉会長(75)は「これからも未来に向けて続けていければよいと思う。昨年から稚児行列の衣装が変わるなど工夫している。地域全体でもっと盛り上がってくれれば」と話した。 日枝神社は、山ノ荘と称される小高、沢辺、東城寺、小野、大志戸、本郷、永井、今泉、粟野の9カ村の総社で、796年に創建されたと伝えられている。(榎田智司)

コラムの執筆陣が少し変わります《吾妻カガミ》205

【コラム・坂本栄】新年度に入りました。4月からコラム欄の構成を少し変えます。これとの関連で、5月から新しい執筆者に参加してもらいます。コラムは原則として1日1本ですが、行政記事や催事記事とは色合いの違うコラムを引き続きお楽しみください。 執筆回数は月1回に統一 これまでの執筆者は、月2回の方、月1回の方、隔月の方に分かれていました(ほかに随時出稿の方も)。4月からは月2回を止め、月1回に統一します(隔月執筆はそのまま)。仕事で多忙の方もおり、月2回はきついとの声が寄せられたからです。月2回の田口哲郎さんは研究活動の都合もあり、109回(3月29日掲載)が最後になりました。 研究学園駅周辺の地域活動を紹介してもらった「けんがくひろば」は、15回(2月25日掲載)が最終回になりました。題材が尽きてきたとのことで、4月から「随時」に移ってもらいます。12回(24年11月7日掲載)の後、忙しくて休載が続いた医療通訳の松永悠さんも「随時」に移行します。 親友の瀧田君が昨秋逝去 告知はしませんでしたが、国際政治について独自の分析を執筆してくれた瀧田薫さん(茨城キリスト教大学名誉教授)は2024年秋、逝去されました。バイデンとトランプが争う米大統領選挙の構造を取り上げた62回(24年8月4日掲載)が最後です。 瀧田さんは、幼稚園-小学校-中学校-高校の同級生でした。土浦聖母幼稚園(土浦市大町)の第1回卒園で、いろいろな場でいろいろ議論してきました。彼の茨キリ大での専門分野は国際政治、私の通信社での専門分野は国際経済でしたから、「解」を見つけるための情報をお互いに補完できました。田中角栄は米情報機関によって抹殺されたとの陰謀論については盛り上がりました。 茨キリ大で、彼は常務理事として大学運営にも携わっていました。経営学部を立ち上げた後、「新しい学部で兼任講師として国際経済を教えてくれないか」と誘われました。もちろん私は快諾し、毎週1回、大学がある日立市まで常磐高速道を飛ばしました。若い同僚講師との懇親会、好奇心あふれる学生との交流は実に愉快でした。 水戸の元広報課長も参加 逝去、多忙などで生じた「穴」は埋めていきます。2月から古本屋店主の岡田富朗さん(初回は2月1日掲載)に加わってもらいましたが、5月からは写真家の海老原信一さん、元水戸市課長の沼田誠さんにも参加してもらいます。海老原さんは鳥類の撮影が得意で、毎回2枚アップしてもらいます。今休載中のオダギ秀一さん(直近は1月16日掲載)に続き、写真家は2人目です。 沼田さんは、水戸市の「みとの魅力発信課長」を務めていました。変わった組織名ですが、他の役所で言えば広報課長に当たります。数年前に市役所を辞め、今はつくば市に住み、環境問題や街づくりの分野で活躍しています。好奇心が強い方で、水戸地域の話だけでなく、「水戸っぽ」の視点から学園都市のことも書いてもらいます。 ほかの執筆者についても、現在リクルート活動を続けています。独自の視点や面白い話題を提供してもらい、ネット媒体ならではのコラムにしたいと思います。ご期待ください。(NEWSつくば理事長)

逆転で開幕戦勝利 アストロプラネッツ

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは5日、ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川町)で今季開幕戦を迎え、栃木ゴールデンブレーブスに8-6で逆転勝利した。 【ルートインBCリーグ2025公式戦】(4月5日 ノーブルホームスタジアム水戸)茨城アストロプラネッツ-栃木ゴールデンブレーブス栃木 013 002 000 6茨城 001 000 61X 8 茨城は5点ビハインドで迎えた7回裏、打者一巡の猛攻で6点を奪い逆転に成功した。この回先頭の5番打者ジョ・ミンヨンが四球で出塁、6番の山本仁が右前打でチャンスを広げ、7番・秋川正佳の敵失と8番・原田京雅の遊ゴロ、9番代打・草場悠の内野ゴロで計3点を奪う。この時点で2死走者なしとなったがむしろここから本領発揮。1番・新太郎が遊撃への内野安打、2番・高田龍が右翼線への安打、3番・原海聖の中前打で1点を加え、とどめは4番・北原翔の中越え三塁打で2点を加えた。 「打ったのはストレート真ん中高め。上がりすぎたと思ったが、思ったより飛んでくれた。タイムリーになってよかった」と北原の談。「打線はいい当たりをしていたが、野手の正面をつくなど乗りきれてなかった。みんなで勝ちに行こうという気持ちが全員に伝わり、この回爆発できた。負けてても返せるという自信につながったと思う」とも語る。 新太郎はこの日5打数4安打の活躍。3回に迎えた第2打席のタイムリーでは、バントの構えで初球を見送った後の2球目、インコースのストレートを右前へ運んだ。「第1打席でもこの球があったので頭に入れていて、次来るなという予感があった」とコメント。オフには体づくりに取り組み、筋肉量が増えパワーやスイングスピードがついた。その成果がオープン戦からの好調につながっているという。 今季はチームとして初めて沖縄・宮古島で10日間にわたる春キャンプを実施。「寒い時期に合宿でしっかりスイング量を確保したことで、他チームよりもバットが振れている。このアドバンテージを生かしてスタートダッシュしたい」と巽真悟監督は期待を込める。 投手は7回表を投げた清原浩斗に勝ち星が付いた。「死球でピンチを招いて苦しいピッチングだったが、無失点で抑えれば野手が点を取ってくれると思い、全力で腕を振って投げた。逆転に感謝」とコメント。今季は直球が最速150キロと5キロアップした。決め球のフォークやスライダーの切れ味も増し、成長を実感しているという。 8、9回は佐藤友紀と石野田拓斗が1イニングずつ投げ、いずれも3者凡退と安定感抜群。先発陣も試合で経験を積ませながら、持ち前の高い能力を発揮させていきたいと巽監督は目論んでいる。 次の試合は11~13日、さくら運動公園野球場(つくば市流星台)などで読売ジャイアンツ三軍との交流戦3連戦を行う。(池田充雄)

消費者トラブルと対処法《ハチドリ暮らし》48

【コラム・山口京子】定期的に学習会をしている市民グループから、消費者トラブルとその対処法についてのセミナーを依頼されました。訪問販売の点検商法、インターネットを使った契約トラブル、詐欺まがいの投資話、強引な訪問購入、食品混入事件や薬害、不当表示など、消費者を取り巻く様々なトラブルについて話しました。 トラブルを避けるために、不意打ち的な勧誘による契約などには、消費者保護の立場からクーリング・オフ制度があります。クーリング・オフは、いったん契約の申し込みや締結をした場合でも、契約を考え直す時間を与え、一定の期間内であれば契約の解除ができるものです。 たとえば、自宅に来た業者に「無料で屋根を点検します」と言われて、屋根を見てもらったところ、「瓦がだめになっていて、このままでは雨漏りする。すぐに修理しないと家がだめになる」と言われて、その場で押し切られ工事の契約をしてしまった場合などは、クーリング・オフが使えます。 クーリング・オフができる取引は法律で定められています。また、事業者が約款で定めている場合もあります。店舗での直接購入や通信販売などは適用されません。インターネット契約は通信販売の一種であり、クーリング・オフ制度はありませんが、使えると誤解している消費者が少なくありません。この場合、事業者が表示する返品特約に記載された返品の可否や条件に従います。 消費生活センターに相談しよう 通信販売については、返品特約がどうなっているか、契約前にしっかり確認することが大事です。以下の点を知っておいてください。 ▽消費者と事業者の間には、大きな情報の量と質、交渉力などの格差がある。 ▽生産と消費が分離し、消費者に生産工程が見えなくなっている。 ▽科学技術の発展や、化学合成物質の多種類・大量使用で、問題が複雑化している。 ▽事業者は利益を出すために低コストの生産を強いられ、その無理が被害につながる。 ▽被害が出ても、因果関係が証明されないとして、実態を企業がなかなか認めない。 ▽被害者が訴訟を起こしてもなかなか認められない。認められても損害賠償金が不十分。 ▽そもそも、諦めてしまう。 悪質事業者による被害から消費者を守るために、全国で「適格消費者団体」が立ち上がっています。総理大臣の認定を受けた法人で、全国に26団体あります。茨城県ではまだ設立されておりませんが、「消費者サポートいばらき」が適格団体になる活動を進めています。困りごとや不安があれば、居住地の消費生活センターに相談しましょう。(消費生活アドバイザー)