【日竎若菜】新型コロナウイルスの感染拡大により全国でコンサートや舞台公演などが中止となる中、つくば市のノバホール(同市吾妻)やつくばカピオ(同市竹園)でもコンサートやイベントの中止が相次ぎ、両館の3月の収益は約半分となり、今後数百万円の減収が予想されている。その一方で、スポーツの練習や習い事のレッスンで使用するため、つくばカピオでは予約が増加し、最近では開館前に予約のための列ができるという珍しい現象も起こっている。
ノバホール 予約の2/3がキャンセル
ノバホールでは3月26日~31日の5日間(休館日を除く)に予約されていた36件中、 3分の2の21件がキャンセルとなった。カピオでもキャンセルの届けが昨年1年間で60件だったのに対し、今年は3カ月間だけで138件と2倍以上となっている。つくばカピオの山田和穂館長によると、2~3月のイベントはほとんど中止となり、4~5月にかけてもキャンセルが出始めているという。
両施設を運営するつくば文化振興財団理事長の飯野哲雄つくば副市長は、主催者だけでなく両館の窓口などで入場券を購入した観客への返金の対応にも追われていると話す。カピオではイベント開催の有無に関する入場券購入者などからの問い合わせが、これまで数百件にも上るという。
施設は対策を徹底
つくばカピオでは、施設としてイベント中止の要請はしておらず、対策を徹底して行っている。消毒用アルコールを施設内7、8カ所に設置し、利用者に手洗い、マスクの着用、アルコール消毒を呼び掛けている。
座席にすわる間隔を空けるよう呼び掛けたり、休憩時間に換気をするなどの対策も積極的に行っている。同施設は2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)流行を受けアルコールやマスクを備蓄しており、従業員のマスク着用や清掃員によるアルコール消毒の徹底など、イベントを開催する施設として早めの対策を行ってきた。利用者も、大人数での演奏や集合写真を控えているという。
施設使用料を全額還付
貸し館公演のキャンセルが相次ぐ一方、つくばカピオのアリーナや会議室などではスポーツの練習や習い事のレッスンで使用するため、予約が増加している。他の施設の閉館による影響とみられるという。アリーナは毎日予約が入っている状態となっている。
両施設では現在、2月26日から3月31日までの間に新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由として使用を中止したものを対象に、施設使用料を全額還付している。4月以降も実施するかは現在つくば市に照会中ということだが、4月末まで延長する方向だ。この場合、新型コロナウイルスを理由として、既に4月予約分のキャンセル手続きを済ませた人にも全額還付する予定だという。(ひび・わかな=筑波大学1年、ドットジェイピーインターン生)
◆施設使用料還付についての最新情報はつくば文化振興財団ホームページから確認できる。
➡新型コロナウイルスの関連記事はこちら