【伊藤悦子】江戸時代から大正時代に至る3組のひな人形を並べる土浦市博物館(土浦市中央1丁目)の展示を皮切りに、城下町・土浦におひなさまの季節がやってきた。2月4日からは旧市街の商店街を中心に「土浦のひなまつり」が始まる。関係者に話を聞いた。
立春の2月4日から節句の3月3日まで
土浦のひなまつりは、商家などの残る古くからのひな人形やつるしびな、今年の干支「子(ね)」をテーマにした人形、かすみ人形など、様々なおひなさまを楽しむことができる。土浦まちかど蔵(同市中央1丁目)を中心に周辺の店舗128軒に飾られる予定で、昨年より8軒多くなっているそうだ。
まつりの発案者が土浦市観光協会の主任浅川善信さん。2~3月は梅まつりなどで茨城県を訪れる観光客が増える時期だが、土浦は入込客が少なく、寄りたくなるようなイベントが何かないかと考えたのがきっかけだという。

土浦旧市街では、ひなまつりシーズンにつるしびなやひな人形を飾る店舗がすでにあったため、商家に残る古いおひなさまも一緒に展示しようと提案した。2004年に開催した第1回「ひなまつり」のために印刷したポスターは、わずか3枚だったという。地道な活動が実り、おひなさま目当ての来街者も増え、16回目を迎える今年は500枚ものポスターで誘客を図る。
まちかど蔵に展示するひな人形は、江戸時代の人形師、仲秀英(なか・しゅうえい)が作った明治時代のもの。数年前、埼玉県川越市の学芸員が人形を見たときに「もしかしたら貴重なひな人形では? 鑑定をしたい」との申し出があったという。玩具専門の鑑定士が見せた結果、3代目秀英の作と判明した。土浦は湿度が高めだが、人形の保存状態は良好だったそうだ。
浅川さんは「土浦のひなまつりは2月後半からは混むので、前半にいらしていただくとゆっくり見学できます」と来場を呼び掛けている。期間中はスタンプラリーや、和服来場者へのサービスなども実施される。
会期は3月3日まで。問い合わせは土浦市観光協会(電話029-824-2810)
3組並ぶ時代ごとのひな人形
土浦市博物館のひな人形展には、江戸時代後期の「古今(こきん)びな」、明治時代以降の「内裏(だいり)びな」、明治時代から大正時代の「享保(きょうほ)びな」3組が並ぶ。
同館の学芸員、関口満さんに話を聞くと、古今びなは30年以上前、前身の郷土資料館時代からすでに所蔵されていたという。「誰から寄贈されたかなど来歴は不明だが、かなり立派なおひなさま。市内でも1、2番の大きな商家にあったものでは」と話す。
江戸時代、豪商の間でひな人形を飾ることが流行した。過熱して人形がどんどん大きくなっていったため、幕府から大きさを制限するお触れがでたこともあるそうだ。その影響か、同館のひな人形も高さ30センチと大きめ。さらに「玉眼」といって目にガラスが入っているなど細部にもこだわって作られている。
関口さんは「なかなかお目にかかることのできない、一世を風靡(ふうび)した江戸時代のおひなさまに一目会いに来てほしい。時代ごとのひな人形の違いにも注目してほし」と来館を呼びかけている。
「博物館のひな人形展」は3月8日まで。入館料(一般105円、小中高生50円)がかかる。問い合わせは同博物館(電話029-824-2928)