【山崎実】サイクルツーリズム(自転車観光)王国を目指す茨城県の代表的な「つくば霞ケ浦りんりんロード」(全長約180キロ)が、国土交通省のナショナルサイクルルートの第1次指定候補ルートに選定された。
同ルートは、日本を代表し、世界に誇れるサイクルルート制度の創設に合わせて指定される。候補ルートはほかに琵琶湖を一周する「ビワイチ」(滋賀県、約190キロ)、瀬戸内海を渡る「しまなみ海道サイクリングロード」(広島県・愛媛県、約70キロ)の2カ所。
自転車活用推進法の施行以来、2018年6月には推進計画が閣議決定され、サイクルツーリズムによる観光立国の実現が位置付けられた。併せて「ナショナルサイクルルート」の創設を明記した。大井川和彦知事は今年6月、国交省に「つくば霞ケ浦りんりんロード」を選定するよう要望してきた経緯がある。
ナショナルサイクルルートに指定されると、同省は統一ロゴを作成するほか、専用ポータルサイトを活用し、ルート全体の情報発信などを行う。つくば霞ケ浦りんりんロードでは県などが、インバウンド(訪日客)対応のサポートライダー養成講座などを開いているほか、広域レンタサイクルの利用料金割引を実施するなど=9月13日付=、利用者の利便性向上(環境整備)対策に力を注いでいる。
それだけに指定候補ルートの一つに挙げられたことは、サイクルツーリズム茨城の実施に弾みが着くものと期待され、大井川知事は「大変ありがたいことであり、引き続き本指定に向けハード、ソフト両面からの取り組みを推進。国内外からの観光誘客につなげていきたい」とコメントした。
今後、第3者委員会による審査を経て、10月にも本指定が行われる。