【池田充雄】第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」(9月28日~10月8日)の会期前実施競技として13日、水球が土浦市の県立土浦二高プールで始まった。初日は少年男子のトーナメント1回戦が行われ、茨城県チームは岐阜県チームと対戦した。1-11で敗れ準々決勝進出を逃した。
県内で水球部がある高校は土浦二高(土浦市)、並木中等(つくば市)、水城(水戸市)の3校のみ。今大会には土浦二、並木、霞ケ浦スイミングクラブ(土浦市)のメンバーが選抜チームを組んで出場した。普段から合同練習をしている仲の良さに加え、夏休み中の厳しい練習でチームプレーを磨いてきた。ホームプールは大会会場でもある土浦二高。「本番では立派な観客席が設営され、大勢の観客が来てくれてめちゃくちゃ盛り上がった」と、主将の岡哲也(土浦二3年)。
対戦相手はユース日本代表もいる強豪・岐阜。「1対1では劣る相手にチーム全体で守り、カウンターで勝機を作る」と、岩佐弘之監督は狙いを語る。序盤はその守備が機能した。シュートは打たれながらもゴール前をしっかりと封じ、狙い通りのロースコアの試合に持ち込む。だが攻撃の部分では緊張もあり、仕掛けきれずシュートを打ちそびれる場面もあった。
第1ピリオド終盤に先制を許すと、第2ピリオド以降は徐々に点差を広げられ、後半には地力の差が出て突き放された。だが第4ピリオド、茨城がついに念願の初得点を挙げる。右サイドの岡が起点となり、左サイドの安田龍志(土浦工3年)を経て、中央の佐藤直輝(土浦二3年)へ。
これは練習でもずっと磨いてきた形。安田がシュートを打つと見せかけてパスを出し、相手GKが釣られたところを佐藤が決める。狙ったのはわずかに空いたゴール左下。「めちゃくちゃ強い相手だったが、このときは強いと感じず、思いきり腕を振り抜いた。地元開催なので絶対に1点は取ろうと思っていた」と佐藤。
チームは惜しくも敗れたが、全国を目指した経験は次にも生かされる。「来年は後輩が後を引き継ぎ、自分たちの悔しさを晴らしてくれればいい」と岡。「夏のつらい練習をみんなで乗り越えてきた。この経験を思い出して今後の活力にしたい」と佐藤は話した。