木曜日, 3月 28, 2024
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還暦の科学技術週間 青少年向けにシフト つくばで一般公開

【相沢冬樹】「発明の日」の18日がめぐってくるとつくばは「科学技術週間」に入り、教育・研究機関はこの週末に一般公開のピークを迎える。今年は60回目の節目の年。つくば地区ではかつて、民間研究所を含め50以上の機関が一斉参加し、意匠を凝らした展示で華やかさを競ったが、平成の間に研究所の統合や規模の縮小などあって、今回の公開機関数は28となった。内容的にも企業向けに研究成果を発表する形式は姿を消し、青少年向けのプログラムを用意して研究者と交流するスタイルが目立ってきた。

「元素のチカラ」見せる黒い炎…物材機構

はっきり「若者向け」を打ち出したのは、物質・材料研究機構(NIMS)。「材料科学」はわが国の科学・経済のけん引役ながら、少子化や若者の理科離れの中、優秀な人材確保が難しくなっており、危機感を募らせている事情が背景にある。21日の一般公開では、子供たち向けの体験プログラムとは別に、高校生や大学生向けのプログラムを用意した。

折から2019年は元素周期表ができて150周年を迎えることから、「元素のチカラ」をテーマに講演や講座を開設する。特別講演は花火師の山崎茂男さんによる「花火“奇跡の3秒”を生む元素の力」、体験講座では食塩とメチルアルコールから「黒い炎」を作り出して、その元素の謎解きをする。公開は21日午前10時~午後4時、NIMS千現・並木・桜地区同時開催となる。

https://www.nims.go.jp/openhouse/

高校生・大学生限定で…国立環境研

今回から対象を高校生・大学生に限定し、一般公開を取りやめたのは国立環境研究所。20日午後1時から開催の「春の環境講座-地球のおくのほうまで見てみよう」は、環境問題について少人数で研究者と語り合う3つのイベントに、高校生・大学生を 50 人限定で募集した。職員採用に関する相談コーナーまで設けた。

http://www.nies.go.jp/whatsnew/20190326/20190326.html

キッズ・ユニバーシティ…筑波大学

筑波大学は、その名も「キッズ・ユニバーシティ」(子供大学)と銘打って、児童・生徒向けのプログラムを組んだ。20日午前9時~午後5時、最新のスーパーコンピューターの見学会やホタル飼育、科学遊びラボなどを設けるほか、高校生以上対象に知能機能システム専攻公開、地上ロケットエンジン燃焼試験などを行う。限定公開の大学地底探検ツアーも各回25人で4回行われる。

http://www.tsukuba.ac.jp/event/e201903181000.html

筑波大学の最新スーパーコンピューター「Cygnus(シグナス)」

このほかの主な公開は次のとおり。

国立公文書館つくば分館=20日までの午前9時15分~午後5時、企画展「明治を支えた情報通信」 新旧憲法、終戦の詔書(しょうしょ)などの展示。

Belle II 測定器=高エネルギー加速器研究機構

高エネルギー加速器研究機構=20日午前9時30分~午後4時30分、施設見学ツアー Belle II(ベルツー)測定器&フォトンファクトリー、サイエンスカフェなど。

https://www.kek.jp/ja/newsroom/2019/04/02/1600/

建築研究所=21日午前9時~午後4時、実大構造物実験棟など研究施設のツアー見学(予約制、電話029-864-2151)ほかドローンシミュレーターによる操縦体験など。

国土技術政策総合研究所・土木研究所=19日午前9時~午後4時、試験走路、京都・桂川の河川模型などの実験施設見学、VRで建築現場体験など。

NTTアクセスサービスシステム研究所=17日午前9時50分・11時50分・午後2時20分・4時20分の4回に分け光ファイバーを使った通信技術をツアー形式で紹介。

防災科学技術研究所=21日午前10時~午後4時、「生きる、を支える科学技術」をテーマに地震ザブトンによる揺れ体験、ゲリラ豪雨体験、ペットボトルで地震計を作るコーナーなど「ぼうさいミュージアム2019」の開催。

http://www.bosai.go.jp/event/2019/openhouse/index.html

国立科学博物館筑波研究施設・筑波実験植物園=21日午前10時~午後4時、「科博オープンラボ2019」。ツアー形式で標本室をめぐる見学会。動物研究部、植物研究部で参加型の特別企画など。21日は筑波実験植物園入園料が無料。

http://www.kahaku.go.jp/event/2019/04open_labo/

筑波技術大学=19日午後1時~、視覚障害に配慮した学習環境と支援機器の体験。

つくばエキスポセンター=21日まで入館料200円(子供100円)割引。20日と21日にサインスショー、宇宙アサガオの種プレゼントなど。21日は江戸川学園取手小、塚原佳那子さんの一日館長。

日本自動車研究所=20日午前10時~午後4時、「のぞいてみよう! クルマの研究所」。真冬の試験環境体験や水素・電気で走るクルマに同乗体験。

JAXA筑波宇宙センター=19日まで午前9時30分~午後5時、筑波宇宙センタークロスワードパズル(プレゼント付き)、超小型三軸姿勢制御モジュール紹介(実演付き)など。

産総研・地質標本館=16日~7月7日開催の特別展「宇宙(そら)から地質(ジオ)―衛星でみる地質」関連特別講演会=20日午後2時~4時 2講演を予定。入場無料。

産業技術総合研究所つくばセンター=20日午前9時30分~午後5時、ミニトーク「トンボの不思議」、研究室見学「両生類ふれあいツアー」ほか、いずれも予約制。

https://www.aist.go.jp/sst/ja/event/sq20190420/index.html

気象研究所・高層気象台・気象測器検定試験センター=17日午前10時~午後4時、気象研では講演会「異常気象と地球温暖化」など、高層気象台ではジェット気流の発見に関わる展示など、試験センターでは気象測器の展示・説明。

国土地理院・地図と測量の科学館=18日午前10時~と午後4時~、測量用航空機「くにかぜ」内部公開。

国際協力機構JICAつくば=20日午前10時~午後4時、展示「アフリカを知ろう!」、高校生国際協力実体験プログラム成果発表など。

農研機構=19日午前9時~午後4時、⾷と農の科学館でもみすり体験や植物⼯場で栽培されたトマトの試⾷など、農業環境インベントリー展示館でミニ農村⾒学ツアーなど。

森林総合研究所=18日午前10時~午後4時、企画展示「サクラを観る・守る・利用する」、樹木園の案内(研究者のガイド付き)など。

国際農林水産業研究センター=19、20日の午前10時~午後4時、講演「地球温暖化に負けないトマトを作る~遺伝資源を用いた耐暑性研究」(19日)、ハイビスカスなどの苗木の配布(先着順)など。

詳しくは、2019年度イベント総合ガイドのダウンロードページへ。

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次長級の統括監を新設 つくば市人事異動’24

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地元スタジアムから声援 常総学院、ベスト8届かず 

第96回選抜高校野球大会(兵庫県西宮市、甲子園球場)は27日、第4試合で常総学院が報徳学園(兵庫)と対戦した。常総学院は1-6で敗れ、9年ぶりの春甲子園ベスト8には届かなかった。地元の土浦市川口、J:COMスタジアム土浦では、試合のパブリックビューイングが実施された。 同球場のスコアボードがフルLEDに全面改修された記念として、1回戦に引き続き観客席および外野芝生エリアが無料開放され、熱心なファンが試合を見守った。 阿見町から来た信夫蒼太さん(11歳)と宮本航大さん(同)は、本郷イーグルスで活動する野球少年。常総学院の試合や練習にも足しげく通っている。この日の観戦については「球場の芝生の上で試合が見られるのは最高。負けたのは残念」との感想だった。 蒼太さんの母・美恵子さんは常総学院の給食センターに勤務し、選手たちが練習の合間に食べる補食のご飯も炊くなど、野球部とも関係が深い。航大さん・友美さん親子も、ここ数年にわたって一緒に応援している仲。友美さんは「夏に期待。甲子園まで応援に行くので絶対優勝してほしい」と、次のシーズンに向けてさっそく意欲を高めていた。 第96回選抜高校野球 2回戦(27日、甲子園球場)報徳学園 001130010 6常総学院 000000010 1 試合は、常総学院のエース小林芯汰から報徳学園が10安打を放って大勢を決した。また報徳学園は、常総学院の守備の小さなミスも見逃さず得点につなげた。 常総学院の先発小林は、25日の1回戦で119球を投げて完投しており、中1日での連投の影響もあったようだ。立ち上がりからストレートの制球がいま一つで、カットボールなどの変化球の多投が見られた。報徳学園の先発はエース間木歩。22日の1回戦では3回38球を投げており、この日は初回こそ2四死球を与え2死一・三塁のピンチをつくったが、徐々に持ち直し、8回まで常総打線を5安打に抑えた。 常総学院の失点は3回表。死球と盗塁で報徳学園に1死二塁とされ、3番打者の左飛には近藤和真がわずかに追いつけず、4番打者の中前打には池田翔吾がホームへ好返球を送るものの走者の生還が一瞬早かった。4回表には2死三塁の場面で、9番打者の三ゴロは渡辺翔太が横っ飛びで抑えたが、一塁への送球がワンバウンドになり2点目を失った。 5回表には3安打と2四死球で1点を奪われ1死満塁。ここから小林は直球主体に切り替え、ギアを1段上げて臨むが、四球押し出しと左前打でさらに2点を失った。6回からは平隼磨、8回からは斎藤一磨がマウンドに上がっている。 常総学院は8回裏、先頭の3番・若林祐真が四球を選び、5番・森田大翔の右越え二塁打と、6番・片岡陸斗の右犠飛で1点を奪取。この試合唯一の得点だった。9回表には小林が再登板、3者凡退でピシャリと締めたことは、夏に向けての好材料といえた。(池田充雄)

シニア世代のいろいろな活動紹介します《けんがくひろば》4

【コラム・椎名清代】新しいまち研究学園駅エリア。住民の多くは若い世代ですが、シニア世代も徐々に増えています。今回はシニア世代の活動を紹介します。  体にいいこと、楽しいことしよう 約14年前、研究学園駅前公園でのラジオ体操は1人でした。そのうち、仲間が2人、3人、…、10人と増え、その人たちから「もっと体にいいことをしよう」「もっと楽しいことをしよう」との声が上がり、木曜日に遊ぶ会=『木遊会』が発足しました。 TX駅前マンションを中心に、口コミで仲間が増え、この活動を知った遠隔地の人の参加もあり、ピーク時、この会は160余名に成長しました。  毎月の定例会のほか、年2回のバス旅行会、新年会、観桜会、そば打ち会、芋煮会など、季節ごとのお楽しみ会も行われてきました。趣味が同じ人たちが集う同好会も次々とでき、多くの人が楽しい時を過ごせていたと思います。  ところが、コロナ禍を経て高齢化が進み、役割を担える人が減少してきたこと、この地域に交流センターのような施設がないこともあり、活動を縮小せざるを得ない状況となっています。現在の会員は約120名に減っています。 会では、春の観桜会、夏の納涼会、暮れの忘年会のほか、ゴルフ会(原則隔月コンペ、筑波東急ゴルフクラブ)、麻雀会(毎週金曜日午後、マンション・レーベン研究学園内の林技術事務所)、パソコン会(毎週木曜日午前、同)、グラウンドゴルフ会(毎週水曜日、研究学園駅前公園)、ウォーキング会(毎月1回不定期、徒歩と公共交通機関で近隣へ)などを開いています。 シニアサロンで勉強とおしゃべり 研究学園地域に暮らすシニア世代の多くは、子供世帯と同居あるいは近くに住むため、全国各地から転居してきました。高齢になってから、新しい土地になじみ、友人をつくることはなかなか難しいことです。 自宅にこもりがちになってしまわないか…。そんな懸念から、気軽に楽しく交流できる場が必要と、長年つくば市で在宅診療と認知症ケアに携わってこられた元開業医の先生により、2003年に「サロンゆうゆう」が開設されました。 先生の長い経験から、健康づくり、介護予防、体調変化の見分け方、薬の飲み方など、多くのことを学びました。講話のほかに、軽い体操、歌、ゲーム、おしゃべりで、楽しい時が流れています。  コロナ休止期間を経て、現在、民生委員の方数名がサロンの運営を担っています。知りたいこと、楽しいことを皆で考え、つくっていくこのサロンは月1回開かれています(第2月曜日13:30~、林事技術事務所)。毎回20数名の参加があり、緩やかにつながって、互いに気遣いあう関係ができたように思います。  たくさんの人と交流して、これからの時間を大切に過ごしてゆきたいと思います。(けんがく活動団体協議会代表)

2団体で共同運営に 不登校児童・生徒の支援施設、つくばセンタービル内に移転 

つくば市の施設である市産業振興センター内(同市吾妻)で不登校児童・生徒への学習支援を行ってきた「むすびつくばライズ学園」(NPOリヴォルヴ学校教育研究所運営、小野村哲理事長)が4月から、近くのつくばセンタービル1階、貸しオフィスco-en(コーエン) 内に移転する。移転後は、2009年から18年まで市内で市民講座「つくば市民大学」を開いてきた市民団体「ウニベルシタスつくば」(徳田太郎代表)との共同運営になる。 平日5日間は不登校支援事業に使用し、土日は市民大学による市民向け講座を開催する。また施設の一部を利用し、区画を分け合う希望者がそれぞれ自分の本を持ち寄るオーナー制の一箱本棚図書館「リブラリウム(コミュニティ・ライブラリー)」をウニベルシタスのメンバーで、石岡市で市民による私設図書館「つながる図書館」を営む同市在住のアーティスト平方亜弥子さんが担当する。 使い分け家賃負担軽減 同NPOは2000年から同市谷田部で不登校の学習支援施設を運営し、20年から市と協働でむすびつくばをスタートさせた。21年12月に市が実施した次年度の運営事業者選定に漏れると利用者の家族などから運営継続を求める陳情が市に出され、迷走。五十嵐立青市長は謝罪しリヴォルヴとの事業を継続、1年間の事業延長が認められた。23年度からは市が創設した民間フリースクールへの補助金を受け産業振興センター内で事業を実施、24年度からは市の施設からの移転を迫られていた。 新しい移転先は現在の施設から徒歩5分ほど。同学園代表の北村直子さんは「(移転先は)最後の最後まで悩んだ。今いる子どもが通えなくならないことを第一に考えた」と話す。「子どもや保護者からは『よかった。これからも通える』という意見が多かった。新しい場所でも一緒につくっていこうと協力してくれている。みんな楽しみにしている」という。 2団体での共同経営や移転先決定の経緯について小野村理事長は「ここに来る子どもはいろいろなことに関心を持っている。市民大学に来るいろいろな人たちと触れ合う機会があるといいと思った。その中で、本を介してつながることもあればとコミュニティライブラリーの話にもつながってきた」とし、移転先については「物件候補が3カ所あったが雑居ビル3階などでは地域とのつながりがなくなってしまう。人の出入りがあるところがいいとの考えもあった。ウニベルシタスさんと平日と土日を使い分けられるなら、家賃負担も(センター地区から)離れたところで借りるのと変わらずにできる。であれば家賃が高くても価値があるということになった」と話した。 つくば市民大学は09年から9年間、同市東新井のろうきんビルで約1300講座を開講し、延べ1万2500人が参加し17年末に活動を休止した。徳田さんは「何らかの形でつくば市民大学を復活させようという話はあった。ウニベルシタスという団体は継続していてむすびつくばの運営協議会にも参加していた。子どもたちの支援は平日なので土日は使える。きちんとした場を持つ市民大学を復活しようという形になった」と語る。今後については「市民大学のキャッチコピーは『まなぶ、つながる、つくりだす』こと。互いの対話を通じて学び合い、集まる人同士の出会いがあって実際にアクションにつながるものにしていきたい。積極的に社会に働きかけていくような人へと皆で育っていこうという場にしていきたい」と語る。 一箱本棚図書館を担当する平方さんは「それぞれの本棚を通じて『この人はこんな本読むんだ、こんな側面あるんだ』と知ることができる。図書館の利用者同士が知り合い交流が生まれたら」と話す。 収益上げる体制づくりへ リヴォルヴの小野村理事長は今後の課題を「収益を上げられる体制づくり」だとして、放課後の時間帯に開く新事業「ライズプラス」に期待する。「ライズプラスは『放課後教室』で、誰もが気軽に通えるところ。学校に行っているが自分のペースで学びたい子ども、自分の興味関心に合わせたことはすごく学べるがその環境がない子どもがいると感じている。そういう子を対象に社会科、英語科、国語科などの教室を開いていきたい」と話す。 北村さんは「不登校事業は決して収益性の高い事業ではない」とし、「ライズプラスと教材開発で安定した基盤をつくり子ども達のサポートに当てていきたい。教えることがうちの強みなので、そこをしっかりやっていきたい」と話す。(柴田大輔) ◆31日 (日) 午後2時からオンラインでオープニングイベント「むすびつくば ライズ学園 × 市民大学 + コミュニティ・ライブラリー」が開かれる。参加費無料。詳細は同ホームページへ。