つくば市北部の大穂地区に国内最大級となる1000メガワット(100万キロワット)のデータセンター建設計画が進み、周辺住民から不安の声が出ている中、つくば市は2日、市南部の高須賀、上郷地区約74ヘクタールに、新たなデータセンター集積拠点を誘致するため、民間事業者の募集手続きを開始した。市南部に誘致するデータセンターは受電容量が最大1000メガワットで、大穂と同規模になる。
圏央道つくば西スマートインターチェンジ(IC)周辺の、同市高須賀、上郷に誘致する。開発にあたっては、事業者(企業グループ)が一括して、用地買収、土地造成、建設、管理運営などを実施する。付属施設として排熱を利用する施設や蓄電池を設置・保管する施設などデータセンターと関係のある施設などは立地を認める。
計画地は現在、田んぼ、畑、山林、宅地などで、面積の半分が農業の振興を図るべき農業振興地域の農用地区域となっている。地権者は計251人。産業用地とすることについて意向を確認したところ、96.8パーセントの243人から同意を得ているという。未同意の残り8人は所有者不明や未相続など。一方、2025年1月からこれまで4回地権者説明会を実施しているが、データセンター集積地とすることを地権者に説明したのは10月31日が初めてという。
今後のスケジュールは、12月中に事業者から参加申込を受け付け、市が事業提案書やプレゼンテーション、ヒヤリングなどで審査を実施、来年3月までに事業者を選定する。その後、用地買収価格などについて市及び地権者団体と協議し、市と協定書を締結する。2027年度以降、用地買収を開始し、28年度に農業振興地域の除外申請や開発許可などの手続きを実施、29年度に造成工事に着手し、30年度に建設工事に着工、32年度に1棟目のデータセンターが操業を開始する想定だ。

同地区は2024年12月、地域経済をけん引することを目的とする地域未来投資促進法に基づく重点促進区域となり、開発の際に農業振興地域の除外などの手続きが簡素化されたり、税制優遇などを受けることができる地域となった(25年1月10日付、25年1月26日)。さらに今年9月、つくば市が、脱炭素電源を核とするデータセンター集積型のGX戦略地域に認定されたことを受けて、市が事業者に伴走しながら環境配慮・地域共生型のデータセンターを目指すとしている。
具体的な環境配慮として、自主的な環境影響評価の実施、サーバーや機器の冷却は液冷却や液浸冷却など高効率な技術を導入、排熱の活用、環境データの測定など。地域共生として住民説明会の開催、地域振興施設の整備、市内の大学や研究機関との連携、想定される市税、用地買収価格などを審査し、事業者を選定する際の加点にするなどとしている。
市立地推進課によると、昨年6月から9社を対象にサウンディング調査を実施、併せて50社以上にヒヤリングを実施してきた。当初、製造工場や物流施設の誘致も検討したが、資材高騰などの中、データセンター以外を一括開発により誘致するのは厳しいと判断したという。データセンターに関しては、すでにかなり多くの企業から問い合わせなどがあるとしている。
大規模データセンターの立地に対しては、莫大な電力使用や排熱、水利用、騒音、振動などの環境影響について専門家が課題を指摘、大穂地区では大きな不安の声が出ており、住民団体「データセンターから市民を守る会」が結成されている。(鈴木宏子)





