県立筑波高校(つくば市北条、永井信一校長)の1年生43人が、地元の筑波山麓地域で製造・販売されている魅力的な商品を高校生目線で集め、カタログにし、販売にまでつなげようと、カタログギフト「TSUKUBAKO(つくばこ)」のデザインを作成した。12月には冊子とウェブのカタログギフトを実際に印刷、作成し、オンラインショッピングモール「みらふるモール」(一般社団法人くるみらい運営)で販売を開始する。
高校生が選んだ8業者の10品目は
▽しょうゆ・みそ醸造蔵元、沼屋本店(同市谷田部)の筑波山麓地域特産の福来みかんの果汁を使用した「福来ぽんず」
▽地元の果物を使ったジャムと、焼き菓子のスコーンを手作りしているジャムファクトリー(同市小田)の「ジャムとスコーンのセット」
▽北条商店街の老舗菓子店、エクレール林家(北条)の「カステラ」
▽筑波山中腹の老舗旅館、江戸屋(同市筑波)による、江戸屋の湧水を配合した「ガマの油リップクリーム」とハンドクリームとリップクリームのセット「元祖陣中油セット」
▽自家焙煎のコーヒー豆店、もっくん珈琲(同市大曽根)による、店舗近くの高エネルギー加速器研究機構への寄付付きで、同機構が研究する素粒子をパッケージにデザインしたブレンドコーヒーの「素粒子ドリップバック」
▽老舗の七味唐辛子製造所、苅谷七味加工所(同市百家)の「福来みかん入り七味」
▽筑波山麓の自家農園で栽培された自然薯(じねんじょ)を使った料理や商品を提供する新関フードサービス(同市上横場)の「じねんじょチーズケーキ」と「じねんじょギフトセット」
▽御菓子処いとう(同市並木)の福来みかんを寒天で薄氷のように固めた乾燥菓子「福来氷(ふくれごおり)」。

カタログギフトの作成は、地域と関わりながら実習や探求をする同校独自のカリキュラム「つくばね学探求Ⅰ」の授業の中で1年生43人全員が参加して実施された。
同校の飯村好和教諭が、高校生の教育を支援する「くるみらい」(熊本県)の活動をインターネットで知ったことがきっかけ。熊本では、くるみらいの支援を受け、高校生たちが地元の魅力を取材し発信するカタログギフトを作り販売していた。飯村教諭は、くるみらいの支援を受けながら、筑波高校でもカタログギフトの作成ができるか、オンラインなどで打ち合わせを重ね、支援の了解が得られたことから取り組みを始めた。カタログ作成にあたって熊本ではくるみらいのスタッフが教室で対面授業を行っているが、筑波高校ではオンラインで授業を受けることができた。
週1回の「つくばね学」の授業の中で、生徒たちは商品班、広報班、デザイン班に分かれ、役割分担して進めた。商品班の生徒たちは地域の特産品などについて調べ、事業者に対し、カタログに掲載させてもらえるかどうか交渉した。広報班は活動の様子を学校のインスタグラムに掲載したり、学校内でプレゼンテーションしたりした。デザイン班は選定された商品のページデザインに取り組み、それぞれの商品の特徴をとらえ、より魅力的に見えるように工夫するなどした。
三菱みらい育成財団から100万円の助成金を得て取り組んだ。商品の選定には、つくば市が認定する市内の優れた物産品「つくばコレクション」なども参考にした。

28日、カタログギフトデザインの完成報告会が関係者や保護者を招待して同校で催された。報告会は司会進行からプレゼンテーションまで1年生が務め、商品一つ一つについて、担当した生徒が、商品を選んだ理由、商品の特徴、デザインの意図などを説明した。
カタログ作りに協力した、つくば駅構内の特産品セレクトショップ「つくばの良い品」の沼尻和宏さん、「小田地域まちづくり推進機構」の鈴木真人さん、つくば市経済部職員なども集まり、高校生の新しい試みにエールを送った。
報告会の中で高校生たちは「店主や製造会社担当者と直接話さなければならず、電話のかけ方や話し方が慣れてなくて大変だったが、地域の人を知り、地域の魅力をも知ることになり、ためになった」などと話した。
報告会で発表した佐藤星莉(あかり)さん(16)と飯田百恵さん(15)は「今日の報告会はとても緊張した。『つくばこ』の作成は普段の授業よりもずっと面白かった。自分が住んでいるところがどういうところかわかった。これからも魅力的な商品を見つけ、広めていきたい」などと話していた。
1学年主任の吉山翔太教諭は「生徒たちがメーンでプロジェクトを進めた。われわれはサポート側に回った。最初は不安もあったが努力の結果、形になったのでとてもうれしい」とコメントした。(榎田智司)





