【コラム・片岡英明】9月は中学3年生が受験高校の選択を迫られる時期である。今回は2026年度(私学就学支援初年度)の全日制高校入試の流れを分析し、受験生を応援したい。2025年度(県立高無償化初年度、所得制限なし)に続き、私学も今年度から年45万7200円(月3万8100円)の支援が行われた。これによって受験の流れに変化が生まれた。
県立960人減、私学365人増
今春(2025年度)の県内中学卒業者は2万4555人で、前年より637人(2.5%)減少した(高校審議会資料)。高校入学者数は、県立高が1万4741人(前年度比960人、6.1%減=県教委入試報告書)。一方、私立高入学者は6939人(同365人、5.1%増)となった。単純に考えると、私学就学支援効果で、受験生の1.5%が新たに私学に入学したと言える。
ところが、私学には危機感が高まっている。確かに、1月の推薦入試では、私学23校(AO中心の江戸川取手を除く)で前年比460人増だったが、一般入試の受験者が約1000人減少したからだ。最終的な入学者数は私学24校で365人増えたものの、推薦が460人増だったので、一般入試の入学者は前年比約100人減少した。
これは、中学卒業者数減に加え、今までよりも受験生が私学の推薦に流れ、県立の入試倍率が低下したからである。県立の不合格者減に伴い、私学も県立合格発表後の入学手続きが減少したのだ。私学側も、今年1月の入試から入学者数確定までの生徒の流れの変化に驚いている。
就学支援金による新たな流れに伴い、私学の戦略は「推薦で入りたい魅力ある学校」を目指すことになる。今まで以上に地域に必要な学校、「マイブーム」として積極的に入る生徒を増やす―そんな学校づくりを見せる必要がある。これは公私共通のテーマである。受験生は、大学進学やスポーツの実績だけでなく、学びの場としての魅力を見定めてほしい。
受験者と保護者の動向
県立高受験者にも新たな流れがある。県立高の定員は昨年度より80人減の1万7150人。一方、応募者は1万5714人と、前年度比1341人減だった。ここから、応募者減の背景として、生徒637人減と私学推薦470人増に加え、もう一つの流れがあることが分かる。私学の県立併願合格者の単願への切り替えだ。
さらに、今年の県立入試で応募者と受験者の差が221人ある。これは昨年より34人多い。ここでも県立への応募後に私学の単願への切り替えがある。私学の多様なコース設定のなかで、当初は県立高併願の生徒・保護者が、2月末の県立高入試と3月の合格発表まで待たずに、特に県立高の志願先変更前後に、単願に切り替える生徒が増えている。
「私学への波」は続くか?
就学支援初年度は、確かに私学への波が生まれた。しかし波は必ず引く。本物の波はこれからだ。1回限りの波か本物かを見てほしい。受験生は、2026年度入試の新たな流れを参考にして、自分のこだわりを大切にして、志望高校を調べ、価値のある青春・学び・進路を見つけてほしい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会 代表)





