【コラム・片岡英明】7月28日の県教育長の定例会見で竹園高校学級増に注目していたが、発表はなかった。残念である。10月末の県立高校入試の実施細則発表時に期待したい。
このままつくばエリアでの定員増がないと、2018年の高校審議会を受け2019年の高校改革プランで決めた流れに滞りが生じる。つまり、改革プランで2019年~26年につくばエリアの中卒生が440人増に、本来なら県立高平均収容率68%に合わせて7学級増とするところを、県は控えめに2学級増としたが、その学級増の課題を積み残すことになる。
竹園高の学級増に触れない会見が信じられず、翌29日に県に出向き、会見資料を確認すると、県立高定員の項目はなかった。ならば、私たちの学級増要望(7月5日付記事)に対する「検討する」との言葉はどうなったのかと、高校改革推進室を訪問した。係の方と話をすると、意見書・要望書などは多くの方に共有されていた。しかし、まだ改善を決断するに至らず、このままではつくばエリアの改革プランの積み残しが生まれることが分かった。
受験生・保護者の声を聞いて!
この状況の中で同日、2027年~33年の県立高配置などを検討する新たな高校審議会が開かれた。早速、この高校審議会第1回総会を傍聴した。
審議会の参考資料のエリア別中学校卒業見込に注目した。全県的な人口減のなかで、つくばエリアは人口・生徒増という事態が起きている。資料から、県立高には生徒減・魅力アップ対策と共に、つくばエリアの子ども増を受けとめ、県の発展にどう生かすかというテーマが存在することが分かった。
前回の審議会スタート時の2018年と今回の検討期間の最終年2033年の中卒生を比較すると、全県では5895人(2万7455人→2万1560人)減少するが、つくばエリアは650人(3969人→4619人)増加する。これに県立高収容率の68%を掛けると、つくばエリアは442人の定員増(40人学級として11学級増)が必要となる。
しかし、つくばエリアの現実はどうか? 改革プラン実施後の市立中学生の高校入学枠は増加せずに53学級のままで、つくば市の市内県立高入学は6人に1人である。受験生や保護者は高校受験や入学後の通学に悩んでいる。
現高校改革プランは未完成
難しい面があることも分かるが、公教育としてつくばの生徒にも基本的に県平均水準の教育条件となるよう、県には努力をお願いしたい。今回の審議会では、生徒減・県立高魅力アップ対策とともに、前回の審議会答申に基づく高校改革プランの積み残しがあることを認識され、その解消と共に生徒・保護者に希望を与える答申をお願いしたい。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)