日曜日, 1月 18, 2026
ホーム暮らし微生物で温室効果ガスに立ち向かう 茨城大 農学部中心に新研究組織 

微生物で温室効果ガスに立ち向かう 茨城大 農学部中心に新研究組織 

4月1日立ち上げ

二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの排出量削減に役立つ微生物を探して農業に取り入れ、気候変動緩和や環境保全につなげようとする研究が4月1日、茨城大学(太田寛行学長)でスタートする。新たな研究組織「グリーンバイオテクノロジー研究センター(Gtech)」を立ち上げるもので、18日、準備委員長の小松崎将一農学部教授らが記者会見して概要を明らかにした。

同センターは総合気候変動科学の推進を掲げる。さらに農業生態系の保全技術の革新、産学官連携を通じた社会実装を目指しており、阿見町中央の農学部を中心に、理学部(水戸)、工学部(日立)にウイングを広げて編成される。

農学部がある阿見キャンパスには1999年に設置された遺伝子実験施設(GRC)があったが、四半世紀が経過し、遺伝子研究は新たなステージに移行したとの判断から、同施設を発展的解消し、Gtech設置に向かった。

研究体制は、①微生物を活用した農業や生態系における温室効果ガス低減に取り組む「農業・生態系保全ユニット」②微生物による物質循環機能のゲノム解析の解明に取り組む「微生物遺伝子情報解析ユニット」⓷これらの研究の社会実装を促進する「社会共創ユニット」-の3つのユニットで構成される。

環境再生型有機農業の成果ベースに

世界の二酸化炭素(CO₂)やメタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)などの温室効果ガス(GHG)排出量のうち「農業・林業・その他の土地利用」はおおむね4分の1を占めるとされる。日本の農業分野からのGHG排出は稲作によるメタン排出(約39%)が最多で、畑地からのN₂O排出(15.5%)も多くを占める。

地中でメタン生成や硝化、脱窒などの反応が起こっての排出のプロセスだが、肥料を投入せず地中の微生物の働きに任せた有機農法を採用すると土壌の炭素貯留能力が向上し、土壌に健全性をもたらすことが分かっている。同農学部では不耕起栽培やカバークロップの活用などによる環境再生型有機農業で成果をあげてきた。

これらの実績をベースに今後は、農地における土壌炭素・窒素の動態や循環機能の解析などを行うとしている。作物としては稲作と穀物を中心とした畑作が対象となる。

小松崎将一教授は「農業活動は世界中で営まれており、特にアジアにおける農業の温暖化対策研究の拠点としたいが、農学部には霞ケ浦流域で培った研究実績もあり、まずは地域の農業や環境保全に貢献する成果を上げていきたい」としている。(相澤冬樹)

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