金曜日, 11月 22, 2024
ホームつくばつくば自動車研用地に茗渓学園が移転へ TX研究学園駅南側、大和ハウスが開発

つくば自動車研用地に茗渓学園が移転へ TX研究学園駅南側、大和ハウスが開発

日本自動車研究所(JARI)がTX研究学園駅南側に保有している未利用地(つくば市学園南2丁目、15.5ヘクタール)の売却先が決まった(4月19日付)。公募型プロポーザル(事業提案による入札)で選ばれたのは、つくば市内で多角的に事業展開する大和ハウス工業(本社大阪市)。同社はこの一等地に茗渓学園学校(つくば市稲荷前)を誘致するほか、マンション、商業施設、研究施設などを建設する。

未利用地の取得価格は142億円

JARIが20日、公募に応じた3企業グループから提案された事業計画の審査結果を公表した。それによると、取得価格や提案計画などを総合的に審査した結果、大和ハウス・グループが1位だった。JARIが提示していた最低価格92億4000万円に対し、同社は142億円の取得価格を提示した。11月に売買契約が結ばれ、未利用地は12月に引き渡される。

JARIはTX研究学園駅の南側に80ヘクタールの土地を保有している。今回売却されるのは、敷地のほぼ中央を縦断する市道5-1711号線の右側にある未利用地。TX鉄道とエキスポ大通りに挟まれた場所にあり、どこがどう開発するか注目されていた。

自動車研未利用地図(JARI提供)

中高学校+マンション+商業施設…

大和ハウスによると、開発のコンセプトは「活発」「学術」「加速」。具体的には、マンションで構成される居住区画、スーパーマーケットなどで構成される商業区画、中高一貫高などで構成される学術区画、先端研究施設などで構成される産業区画を設ける。総投資額は明らかにしていないが、用地取得代も含めると300~400億円になりそうだ。

土地の造成などを経て、2024年秋に建物の建設に入り、スーパーや運動ジムなどが入る商業施設は26年夏、中高層マンションは28年初の完成を目指す。用地の北・左側から南・右側に走る道路も計画されている。

TX駅前は便利で魅力的=茗渓学園

開発では「中高一貫校」が目玉になる。計画書に学校名は明記されていないが、中高一貫校の茗渓学園(現在の生徒数は1526人)を誘致する方向で話が進んでいる。

大和ハウスは、全体用地15.5ヘクタールの28%に相当する4.3ヘクタールを茗渓学園用に確保している。茗渓学園側も、TX駅側に移れば東京都や千葉県からの通学が容易になり、駅から徒歩で通えるのも魅力的と判断している。大和ハウスが用地を確保したことを踏まえ、近く、移転の可否を理事会と評議員会に諮る。

現在の茗渓学園は赤塚公園の西側、気象研究所の南側に位置し、開校は1979年4月。事務局によると、開校から45年ということもあり、建て替えも検討していたところ、大和ハウスからこの話が舞い込んだ。移転すると敷地は少し狭くなるが、学校棟の高層化により、寄宿舎やラグビー場などから成る施設は十分確保できそうだ。(岩田大志)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

9 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

9 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

街の文化とは何か《遊民通信》101

【コラム・田口哲郎】 前略 前回(11月9日掲載)は街の文化について書きました。文化とは言っても、人それぞれ考え方が違うので、定義はさまざまでしょう。同じ一人の人間でもその時々、気分によって文化の捉え方は異なると思います。 文化を二つに分類すると、いろいろなモードがわかりやすくなるかも知れません。いわゆるハイ・カルチャーとサブ・カルチャーです。ハイ・カルチャーはハイをとって単にカルチャー、サブ・カルチャーはサブカルなどと呼ばれますね。 たとえば、近所にホールがあってクラシックのコンサートを鑑賞する、美術館で絵画を見る、劇場で歌舞伎を見る、寄席で落語を聞くといったことはカルチャーでしょう。短歌や俳句の会、お茶席もカルチャーですね。 一方、サブカルは幅広いです。あらゆることがサブがつけば、カルチャーになる。趣味も多様性の時代で皆さんさまざまな活動をされています。ハイが上位でサブが副的な意味ではなく、古くからあるか、新しいかとか、すでに定着しているか、これから普及するのかとか、区別はあまり重要ではないと思います。 「ふるさと」を思わせるなつかしさ 街の文化を考えるときに私が挙げたいのは、喫茶店と古本屋です。これはサブカルですね。そもそも街歩きがサブカル的だと思います。 とある地方都市に住んでいる大学の先生が感動していた、狭い路地に並ぶ飲食店、とくにバーや喫茶店。そして、神田神保町などにある古書店は文化の香りに満ちています。郊外の街にあるチェーンのカフェや古書店も、安定したサービスを提供してくれる点では街になくてはならないものだと思います。 でも、古い家並みになじんだ喫茶店や古書店にはなんともいえない雰囲気があり、不思議です。機能性を追い求める現代社会で、何かを守り続ける意志を感じるからでしょうか。時流から置いていかれたような場所に、われわれは安心を感じるのかも知れません。 それは「ふるさと」と呼べるものなのだと思います。たとえ初めて見るお店であっても、そこに時の流れに消されない何かを見とめたら、自分の心に響く懐かしさといとおしさが込み上げてくるでしょう。そんな文化的な場所が住んでいる街にあれば、生活が豊かになりますね。ごきげんよう。 草々 (散歩好きの文明批評家)

県営赤塚公園の秋《ご近所スケッチ》13

【コラム・川浪せつ子】今年のつくば市周辺の紅葉は例年より遅めのようです。つくば市で一番大きい洞峰公園のイチョウ並木も、今年は11月中頃でもまだ緑色。温暖化のせいでしょうか? ですが秋は日々深まりつつあり、至る所で紅葉が見受けられるようになりました。 つくば市役所のホームページによりますと、市内の公園は209カ所だそうです。面積の小さな、駐車場もないような近隣公園もあります。私のお薦めは県営の赤塚公園。駐車場は40台分。市営になった洞峰公園と遊歩道でつながっています。小さな池とかわいらしい水路もあります。 春の桜の季節は見事。とても静かで、近隣の方でないと気付きにくい穴場の公園です。絵のような東屋、ベンチも配置されていますので、ユックリできます。先日は、家族連れの外国の方々が、お子さん達を遊ばせながら、ランチタイム。また、大きな袋を持った女性が、木の枝や実を拾っていました。 近くには、映画館、日帰り温泉… お隣には茗溪学園や住宅。子供たちが遊びに来るからでしょうか、大きな時計も設置されています。先日は、全く水鳥は見えなかったのですが、鳥たちも集まっていることが多いです。自然をそのままに残しているような公園、小さいながら本当に素晴らしいです。 最近、研究学園駅周辺など、新しく移住してくる方が多いですが、どうぞ少し足を延ばしてみてください。赤塚公園の前には、映画館、日帰り温泉、ジム施設などもあります。ジムのボルダリング施設は、オリンピックに出場したスポーツクライミング選手、森秋彩(あい)選手が練習もした所です。(イラストレーター)

中止による減収2億3千万円 土浦花火大会 市が追加負担を決定

市長らの給与減額し道義的責任 土浦市は20日、第93回土浦全国花火競技大会の中止に伴って桟敷席などの収入が無くなり2億3000万円の減収があったとして、同額の補正予算を19日、専決処分で決定したと発表した。併せて、中止により多くの人に心配と迷惑をかけた道義的責任を明らかにするため市長と副市長の給料を減額するとした。 同花火大会は11月2日に開催する予定だったが台風21号の影響により中止。荒天の場合、3日または9日に延期する予定だったが、労働力不足により順延日の警備員を確保できず大会自体を中止とした(11月1日付、5日付、17日付)。 桟敷席の設営や撤去などすでに実施済みの委託業務や、中止に伴い新たに発生する経費を速やかに支払うため、議会の議決を経ないで決定する専決処分としたとしている。2億3000万円は、市が事務局を務める土浦全国花火競技大会実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)に追加補助する。市は当初予算ですでに同実行委に8500万円の補助金を計上しており、中止となった大会の事業費は計3億1500万円になる。全額を市が負担する。 給与の減額は市長が月額20%、副市長が10%を12月から来年2月までの3カ月間減額する。12月の期末手当も市長が20%減、副市長が10%減となる。3カ月間減額する条例についても19日、専決処分とした。 安藤市長は「中止による減収を補うため新たに補助金を増額する結果となってしまったことについて、市民の皆様に心よりお詫びします。開催を心待ちにしていた皆様、 煙火業者の皆様、全ての関係者の皆様に対し、多大なご心配とご迷惑をお掛けしたことについて会長として責任を強く感じています。 今後は花火大会への信頼回復に努め、大会の運営等、様々な課題を検証し、次回の大会につなげて参ります」とするコメントを発表した。

オリジナルレンコン料理専門店開業へ 土浦市産業祭で一部メニューお披露目

日本一の産地である土浦のレンコンを使用したレシピを開発し提供するオリジナルレンコン料理専門店を開業しようと、同市でインターネットテレビ「Vチャンネルいばらき」を運営する会社社長の菅谷博樹さん(55)と、つくば市下広岡で軽食店「ニッチDEキッチン」を運営する増田勇二郎さん(53)が準備を進めている。開業に先立って23、24日開催の第48回土浦市産業祭でオリジナルメニューの一部をお披露目し販売する。 店名は「土浦れんこん物語」。来年1月ごろ土浦駅西口近くの同市川口、ショッピングモール「モール505」の空き店舗に開業し、ランチを提供する予定だ。店を運営する合同会社「土浦れんこん物語」を近く設立する。 菅谷さんによると、土浦にスイーツ店を構えたことがある増田さんと今年9月頃、土浦の活性化について話した際、「レンコン専門店で土浦をもっとアピールしたい」と意気投合したのがきっかけ。 菅谷さんは「レンコンといえば土浦市だが、あまり県外に浸透していないと感じている」と言い、「レンコンを使ったオリジナルメニューを提供し、市内はもちろん全国、海外にも発信したい」と、食を通じた観光促進と地元産業の活性化を目指したいと語る。新店舗のコンセプトについて「農家+料理の職人がコラボレーションしてオリジナルの新しいレシピを作り出していくこと」だと話す。 提供するメニューには、土浦市とJA水郷つくば主催の「日本一のれんこんグランプリ」で2022年と23年に2年連続最優秀賞を受賞した「市川蓮根」(同市田村、市川誉庸代表)」が生産したレンコンを使用する。メニューの開発と監修は、筑波山温泉ホテル一望(つくば市筑波)の料理長を務めた逸見千壽子さんに依頼した。 提供するランチは700円から2000円程度とする予定で、ほかにキッチンカーでの販売も予定し、インターネット販売なども模索している。 コロッケとお焼きを販売 すでにいくつかのオリジナルメニューが完成しており、そのうち「れんこんコロッケボール」と「れんこんお焼き」を23日、24日、モール505で開かれる産業祭で、「ニッチDEキッチン」のキッチンカーで販売する。 れんこんコロッケボールは、レンコンのすりおろしとジャガイモを9対1の割合で配合し、真ん中にカットしたかみ応えのあるレンコンが入っている。食べやすいよう一口大のボール型にしカップに複数入れて販売、クシで刺して食べてもらう。「れんこんお焼き」は、逸見さんオリジナルのレンコン甘辛味噌が入ったお焼きだ。 菅谷さんは「レンコンを使ったオリジナルメニューを今後も開発、提供し、モール505の活性化にもつなげたい」と意気込みを語る。(伊藤悦子)