【コラム・川上美智子】両親の実家があった淡路島は、筆者が3歳近くまで過ごした故郷でもあり、今もほぼ年1回は墓参りに訪れている。神戸から明石海峡大橋を渡って間もなくの神戸淡路鳴門自動車道沿い(淡路市東浦町)に、東経135度の日本標準時子午線を示す搭が建っている。淡路島は経度(東西)、緯度(南北)から見て日本列島のほぼ中央に位置していて、温暖な気候に恵まれて古代より住みやすい地であった。
古事記にはイザナギ、イザナミ2柱の神による日本列島の国生み伝説が残されており、淡路島南端の海に浮かぶ沼島がその淤能碁呂島(おのごろじま)とされ、天の御柱(あめのみはしら)と言われる宮殿の一つが30メートルの高さの巨岩、上立神岩(かみたてがみいわ)とされている。
また、対岸にそびえる淡路島最高峰の諭鶴羽(ゆづるは)山頂に2神が鶴の羽に乗って舞い降り、第9代開化天皇の代には諭鶴羽神社が作られたとされる。私は、そこから海岸沿いに数キロ離れた家で沼島を眺めながら育った。その後の20年は父の勤務先が銀座であったので東京で暮らしたが、故郷の淡路島への思いは強い。
淡路島は神戸から近いので関西の観光地として発展を続けているものの、高齢化が進み、人口減少は深刻である。特に年少人口(0~14歳)の減少は顕著である。淡路島には北から淡路市、洲本市、南あわじ市の3市があるが、故郷の南あわじ市は本土から離れていることもあり人口減が心配である。
2026年の日本全体の年少人口比率は11.44%であるが、南あわじ市は10.14%で、2026年3月現在では4342人しかいない。つくば市の3万9400人や、水戸市の3万1828人と比較すると、いかに少ないかが分かる。0歳児は167人で、出生数は年々急減している。働く世代の20歳代が200人台にへこみ、70歳代が800人前後と突出しているのも特徴であり、高齢社会の縮図を見るようである。
子育て環境の向上と教育の充実
そのような南あわじ市であるが、「子育て環境の向上と教育の充実」が市政の根幹に関わる施策であるとして、新たなプロジェクトを始めようとしている。廃校を活用した子どもの屋内遊び場施設への改修である。2012年まではこの地域の夏季猛暑日は0日であったが、気候変動に伴い近年は20~30日に激増したそうである。屋内型の子どもの遊び場は、茨城でも人気が高く、利用者が多い。過疎化で放置建物や廃墟を目にすることが多くなっているが、その利活用である。
場所は、廃校になって4年ほど経つ1991年建築の小学校で、1万7000平米の敷地に校舎、体育館、プールなどが残されている。これらを活用し、フットサルコート、アスレチック、バスケットコートなどの屋内運動場、プレイルーム、図書館、工作DIY、音楽・ダンス室、レストラン、カフェに、プールはビオトープ、釣り堀に、運動場はバーベキュースペース、農園、駐車場などにする案が描かれている。
プロポーザル方式で計画設計事業者を決定するようである。夢のある話であるが、子どもたちの魅力的な遊び場となり、子育て世代の転入に結びつく施設になるか、過疎地のモデル事業として見守って行きたい。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)






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