火曜日, 5月 19, 2026
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異星人と犬 《短いおはなし》15

【ノベル・伊東葎花】
若い女が、ベンチで水を飲んでいる。
傍らには、やや大きめの犬がいる。
「犬の散歩」という行為の途中で、のどを潤しているのだ。
なかなかの美人だ。身なりもいい。服もシューズも高級品だ。
彼女に決めるか。いやしかし、犬が気になる。
動物は敏感だ。余計なことを感じ取ってしまうかもしれない。

私は、遠い星から来た。今はまだ体を持たない。水のような流体だ。
ターゲットを探している。性別はどちらでもいいが、女の方に興味がある。
すっと入り込み脳を支配して、地球人に成りすますのだ。
そして我々の星にとって有益なデータを持ち帰ることが目的だ。
誰でもいいわけではない。容姿は重要。生活水準も高い方がいい。
あの女は、大企業に勤めている。申し分ない。
犬さえいなければ。

私には時間がない。地球時間で5時間以内に入り込まないと、気体になって宇宙に戻ってしまうのだ。
意を決して、女に近づいた。耳の穴から入り込む。一瞬で終わる。
一気に飛び込もうとジャンプした私の前に、犬が突然現れて大きくほえた。

しまった。犬の中に入ってしまった。

「ジョン、急にほえてどうしたの?」
女が、私の頭をなでている。どうしたものか。
地球人については学習してきたが、犬についてはまったくの無知だ。
逃げようと思ったが、首からひも状のものでつながれている。
とりあえず、犬になりきって様子を見よう。そしてチャンスを狙って女の方に移るのだ。
立ち上がって歩き出した私を見て、女が目を丸くした。
「ジョン、2足歩行が出来るの? すごいわ。ちょっと待って、動画撮るから」
しまった。犬は4本足だった。

それから私は「人間みたいな犬」として、ユーチューバー犬になった。
ソファーでテレビを見たり、フォークを使って食事をするところをネットでさらされた。
想定外だが、女と同じベッドで寝られることだけは、まあよかった。
女は優しくて、いつも私をなでてくれた。
「いい子ね」と褒めてくれた。
女が眠っている間に、犬の体から女の体に移動することは易しい。
しかし女の無防備な寝顔を見ると、なぜか躊躇(ちゅうちょ)してしまうのだ。

ある日、散歩中に女子高生と目が合った。
彼女は「かわいい」と言いながら近づいて、私の耳元でささやいた。
「地球時間0:25に集合よ。帰還命令がきたわ」
仲間だった。

女が眠るのを待って、犬の体からそっと抜け出した。
最後に女の顔を見る。美しい。天使のようだ。
ありがとう。有益なデータは手に入らなかったが、地球の女の美しさを十分に伝えよう。

そのとき、急に犬がほえた。
女がぱちりと目を開けて、私を見た。しまった。正体を見られたか。

「ジョン、こんなところでオシッコしないでよ。バカ犬!」

あっ、私、液体だった…。(作家)

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土浦市は15日、同市都市整備課の男性職員(33)が昨年7月4日から8月13日までの間=当時は別部署に在籍=、運転免許が失効した状態で自家用車で通勤していたほか、同期間中の8日間、計9回にわたって公用車を運転するなど交通法規違反を行ったとして、同日付で男性職員を1カ月間減給10分の1の処分にしたと発表した。 市人事課によると、男性職員は有効期限が7月3日までの運転免許証の更新手続きを失念した。8月13日に本人が免許証を更新していないことに気付き、翌14日に更新手続きを実施した。 今年4月、本人から申し出があり発覚した。同市では毎年4月、職員に対し、運転免許証の有効期限などを含めた自動車運転報告書を提出させている。同報告書提出の際、本人が申し出たという。 処分内容については、市職員分限懲戒審査委員会を開き、同市の前例や他市の状況などから減給処分とすることを決めたとしている。併せて、管理監督責任があったとして、異動前の当時の課長を口頭注意とした。 安藤真理子市長は同日「運転免許の確認についてはこれまでも再三にわたり指導してきたが、このような交通法規違反により市民の信頼を損なってしまったことを心よりお詫びします。二度とこのようなことがないよう、法令遵守、服務規律の確保を徹底し市民の信頼回復に努めます」などとするコメントを発表した。今回の事態を受け、職員全員を対象に、各所属長が運転免許証の原本をチェックし有効期限を確認するとしている。