水曜日, 4月 29, 2026
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経営者の怠慢を糾弾した東京地裁の判決 《邑から日本を見る》116

【コラム・先﨑千尋】専修大学名誉教授の原田博夫さんは24日の「文京町便り」で、原発は再開すべきか、脱・原発を目指すべきかを論じていて、2011年3月に起きた東京電力福島第1原発事故を巡る2つの裁判に触れている。私も前回のコラム(7月11日掲載)で、「最高裁の裁判官は結局国の番人?」を書いた。今回は13日の東京地裁判決について、そのあらましと私見を書く。

13日午後、東京地裁の朝倉佳秀裁判長は、東京電力の勝俣恒久元会長ら4人に13兆3210億円の支払いを命じる判決を出した。「ひとたび発生すれば『国そのものの崩壊』につながりかねないのが原発事故だ。ところが津波の襲来が予想されたにもかかわらず、担当役員は対策を先送りし、会長らもそれを是認した。そろって取締役としての注意義務を怠り、地域と社会に甚大な被害を与えた」

東電の株主は、同電力の福島第1原発事故を巡り、旧経営陣が津波対策を怠ったことで東電に巨額の損害が生じたとして、元会長らに22兆円の損害賠償を求めていた。今度の裁判の争点は2つ。「政府機関が2002年に公表した地震予測『長期評価』に基づき、巨大津波の予見が可能だったか」と「浸水対策などで事故を防げたかどうか」だ。

判決は、長期評価について「科学的信頼性を有する知見」と認めたうえで、旧経営陣の過失の有無を検討した。東電は08年、長期評価に基づき、福島第1原発に最大15.7メートルの津波が到来すると試算しており、「最低限の津波対策を速やかに指示すべき取締役としての注意義務を怠った」と指摘した。浸水対策については、「主要な建屋などで対策を実施していれば重大事故に至ることを避けられた可能性は十分にあった」としている。

長期評価の報告を受けながら津波対策をすぐに指示せず放置したことは不作為であり、対策を先送りしたものだ。政府機関には地震や津波のトップレベルの研究者が多く集められ、段階的な議論を経て取りまとめられた地震の長期評価には信頼性がある、という判断だ。

そして、「02年以降の東電経営陣の対応は、安全確保の意識に基づいて行動するのではなく、いかに現状維持できるかで、そのために有識者の意見のうち都合のいい部分を利用し、悪い部分を無視することに腐心してきた」と断罪している。

東海第2原発の再稼働に反対

私は、東海第2原発の再稼働反対を訴えている「首都圏ネットワーク」の一員として20日、大井川知事に「東海第2原発の廃炉と再稼働への不同意を求める要望書」を提出した。

その際、水戸地裁でも不備が指摘された広域避難計画について、「事情を最もよく知っている立場の橋本前知事が現職のときに、問題点が多すぎて実効性のある計画は作れないと言っていた。東海第2原発を再稼働させないことが最良の避難計画だ」と述べた。

原発は、福島の事故が示しているように、ひとたび事故を起こせば取り返しのつかない被害を生命と環境に与える。原発を運転する会社の役員には、他の会社とは比較にならないほど大きな責任がある。そのことを東京地裁の判決は示している。私はそう考えている。(元瓜連町長)

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障害者の余暇活動充実へ つくばで新団体スタート 

地域のネットワークで課題解決 障害者の余暇活動の充実を目指す「つくば市障害者の余暇活動を考える会」の発起式が26日、同会の実行委員会によってつくば市内で開かれ、福祉事業者や障害者のスポーツ団体、行政職員、支援者、当事者や家族らが参加した。実行委員会には、市内で障害者の余暇活動や運動・スポーツ活動、生活支援に取り組む福祉専攻科シャンティつくば、障害者のスポーツ事業や余暇活動支援を行う一般社団法人ウルラ(ULURA)、NPO法人ユアフィールドなどが名を連ねる。今後も行政を含めた地域のネットワークづくりや課題解決に向けた取り組みを進めていく。 2025年初頭、関係者間で課題を共有したことをきっかけに準備を進めてきた。世話人の一人、ウルラ代表で筑波大学准教授の澤江幸則さんによると、障害者の余暇を取り巻く環境には、家族の負担の大きさ、当事者のニーズに合った福祉サービスの不足、活動の場や情報のマッチング不足などが課題に挙げられ、特に「(活動の)場」「移動」「時間」の3点が大きな壁となっているという。 同会は現時点で実行委員会形式でのスタートとなるが、今後は行政や支援団体、当事者や家族などの活動への参加を想定している。発起式には会場定員の60人を上回る約80人の申し込みがあり、オンライン対応も行われた。澤江さんは「関心の高さを感じる一方で、その期待に応える責任も感じている」と述べた。今後は6月に初のセミナーを予定しており、当事者や家族、相談員の声を反映しながら、具体的な施策づくりを進めていく考えだ。 余暇は労働と同じくらい大切 発起式で澤江さんは「余暇とは単に余った時間ではなく、人生や生活を豊かにする重要な要素」だと強調した。かつては労働中心の価値観が主流だったが、現在はワーク・ライフ・バランスの考え方が広がり、「労働と同じくらい余暇が大切な時代になっている」と指摘した。余暇活動が心身の回復や人とのつながりを生むとする理論にも触れ、「社会との接点を広げ、人生を豊かにするための大切なツール」だと語った。 一方で、障害者の余暇を取り巻く環境には課題も多いと指摘する。澤江さんによると、当事者家族への調査では、外出や余暇の満足度は「満足している」と「満足していない」がほぼ半々だった。 活動の場自体は一定数存在するものの、情報が十分に共有されておらず、活用されていないケースも少なくない。移動手段についても既存の支援制度だけでは対応しきれていない現状があると話す。また、施設職員の勤務体制などの影響で、平日に比べて休日の活動が乏しい点も課題とされる。 こうした状況を受け、同会は、行政、民間団体、支援者、当事者らが緩やかにつながる「ネットワークづくり」を重視する。澤江さんは「一つの主体だけで解決できる問題ではない。みんなで考える必要がある」と語った。 今後の取り組みとしては、定期的なセミナーやワークショップの開催、ホームページやSNSを活用した情報発信、寄付の呼びかけなどを計画する。多様な関係者の参加を促し、「市全体で障害者の余暇活動を支える仕組みづくり」を目指す。 また、学校卒業後の学びの機会が限られる現状を踏まえ、生涯学習の視点から余暇の充実を図る必要性も強調する。「学びの場を広げることが、余暇をより豊かなものにする」と話した。 課題出し合えたのは重要な一歩 実行委員会の世話人で、シャンティつくば代表の船橋秀彦さんは「地域で地道に取り組んでいる人たちが初めてこういう場で交流し合い、障害のある人たちの余暇活動に関する課題を出し合えたのは重要な一歩。さらに、そこに行政の参加があったことは大きい。シャンティつくばでも余暇活動を進めてきたが、より一般に広げるためには行政も含めた取り組みが必要になる。市が余暇活動に視点を当てた取り組みである『余暇活動支援事業』を始めたことは高く評価しており、障害のある人たちの余暇活動の発展につながる第一歩になると感じている」と語った。(柴田大輔)