つくば市が出資するまちづくり会社、つくばまちなかデザイン(同市吾妻、内山博文社長)の資金調達問題(10月16日付)で、内山社長は17日開かれた市議会中心市街地まちづくり調査特別委員会(ヘイズ・ジョン委員長)に出席し、前日の16日にファンド(投資信託)から資金調達の承認を受けることができ、3億1600万円を調達できると報告した。
同社は10月に、つくばセンタービル1階内部のアイアイモール解体工事を始めた。一方、貸しオフィスに改修する工事費用は10月時点でまだ調達できておらず、「資金調達ができない限り、改修工事に着手しない」としていた。16日に調達できたことから工事を継続して改修を実施する。
内山社長の議会での説明によると、国交省の「老朽ストック活用リノベーション推進型まちづくり事業」を活用し、政府系金融機関の民間都市開発推進機構(民都機構)が約2億円、地域金融機関の常陽銀行が約1億円を出資して、投資事業有限責任組合という形態のファンドを設立する。ファンドは、まちなかデザインが発行予定の3億1600万円の劣後社債を引き受ける。NECキャピタルソリューションの100%出資会社、オハナパナ(OHANAPANA、東京都港区)がファンドを運営する。
年利3%の社債で、まちなかデザインは10年間で返済する。10年目の2031年は未返済の残り1億4600万円を借り換えて、32年以降は約3000万円ずつをさらに4年間で返済していくという。
市内の飲食店などと協働運営
一方、改修後の貸しオフィスなど「働く人を支援する場」は来年4月オープン予定で、運営について、カフェは飲食店「フィンラガン」(つくば市天久保、松島壮志さん経営)、子連れワーキングスペースはNPO子連れスタイル推進協会(同市梅園、光畑由佳代表)とそれぞれ協働運営するほか、コワーキングスペースでのイベントは、市内で同様の施設を運営するしびっくぱわー(同市天久保、堀下恭平社長)と協働運営するとした。(鈴木宏子)