土曜日, 1月 3, 2026
ホームコラム市民グループがつくば市長を追撃 《吾妻カガミ》121

市民グループがつくば市長を追撃 《吾妻カガミ》121

【コラム・坂本栄】今年5月に市民グループから「センタービル再生事業」の進め方がおかしいと指摘された五十嵐つくば市長。今度は「1期目退職金22円」はおかしいとその政治スタンスが追及されています。センタービル問題(監査請求→住民訴訟)に続く退職金問題(監査請求)。五十嵐さんの周辺がまた騒々しくなってきました。

22円市長は624万円を賠償せよ!

市に対する新たな監査請求は、五十嵐さんが2016年の市長選挙で掲げた公約「市長特権の退職金廃止」をめぐるものです。実際は、退職金ゼロは制度上無理と分かり、議会で特例条例を通してもらい(2020年9月18日)、最少額の22円を受け取りました。市民グループ(代表=酒井泉さん)は「自分を犠牲にして市民のために尽くす市長」像を市民の間に広げることを狙った選挙戦術と批判。公職選挙法上も問題があると主張しています。

退職金問題の監査を求めて、市に出された文書(11月16日付)のポイントはいくつかあります。その内容を紹介する前に、議論になっている数字を押さえておきます。退職金受け取りに備えて市が自治体職員退職金プール組合に払い込んだ金額=624万円、規定による1期分の市長退職金=2040万円―です。

ポイント1は、市長は22円しか受け取らず、市が払い込んだ624万円はムダになったのだから、市は市長に624万円の損害賠償を求めよ―。その2は、退職金制度では2040万円もらえることになっていたのに、受け取らなかったのだから、市は退職金プール組合に払い込んだ624万円を返してもらえ―。その3は、そもそも22円条例が問題なのだから、市は同条例が違法であることを認めよ―。いずれも面白い視点です。

順番が逆になりましたが、ポイント3の違法性は、公職の候補者は寄付行為をしてはいけないとしている公選法199条3に照らして、22円退職金は市に対する寄付(金額は624万円マイナス22円)に当たるから違法だ、という主張です。監査結果はどうなるでしょう? センタービル問題の方は、コラム113「五十嵐つくば市長 今度は被告席に」(8月16日掲載)をご覧ください。

つくば市民は市長に軽く見られた?

この問題についてはコラム91「つくば市長の退職金辞退に違和感」(2020年10月5日掲載)でも取り上げ、「五十嵐さんは選挙での『受け』を意識して、2016年の市長選で市長退職金廃止を公約、20年の市長選を前に公約を実行に移したのでしょう。廃止公約が市長選ではプラスに働き、公約を守らないとマイナスに作用すると判断したようです」と指摘しました。言い方は違いますが、市民グループの先の受け止め方と同じです。

退職金辞退は一種のポピュリズム(大衆迎合的な政治スタンス)であり、つくば市民は五十嵐さんから軽く見られたのではないでしょうか?

ある市長からこんな話を聞きました。五十嵐さんが22円退職金について記者発表(2020年6月5日)する直前、SNSの県南市長情報交換欄にその旨通告があったが、他の市長からは「賛」はもちろん「否」のコメントも出ず、白けムードが漂ったというのです。皆さん、対抗馬にこんな公約を出されたら、施策を競うべき選挙が歪(ゆが)んでしまうと思ったようです。(経済ジャーナリスト)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

83 コメント

83 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

定年後の「孤独」は病気ですか?《看取り医者は見た!》48

【コラム・平野国美】私は今、61歳になりました。 訪問診療医として、日々、多くの高齢者の人生の終幕に寄り添わせていただいています。しかし、医師として人の老いを診ることと、自分自身が老いていく実感を持つことは、全く別の体験です。 今後、知力も体力も確実に衰えていくという悲しみ。いつか必ず訪れるリタイアへの怖さ。その時、自分の居場所はどこにあるのだろうか? そんな不安が、ふと胸をよぎるようになりました。 そんな中、私にとって長年の「居場所」であったテニスクラブが閉鎖されてしまいました。 ただ運動する場所を失っただけではありません。仲間と顔を合わせ、笑い合い、職場を離れて一人の人間になれる場所。それらが突然消えてしまった時、私は言いようのない喪失感とともに、社会から切り離されるような心細さを覚えました。 「ああ、孤立とはこういうことなのか」。私は患者さんたちが抱えている孤独の正体を、身を持って理解した気がしました。だからこそ、私は書きたいのです。定年後も尊厳を持って生き、誰かとつながり続けるためには、どんな場所が必要なのか。今回は、医師としての提言であると同時に、居場所を求めてさまよう61歳の男性としての、切実な模索の記録でもあります。 社会的孤立という「見えない危機」 日ごろ、地域の患者さんのご自宅を回っていると、医学的な病気そのものよりも、もっと根深い「ある問題」に直面することがあります。それは「社会的孤立」です。皆さんは、定年退職を迎えた後、家族以外の人と会話する頻度がどれくらいあるでしょうか? 日本には「人との交流が週に1回未満」という高齢者が全体の10~20%も存在すると言われています。これは単に「寂しい」という感情の問題ではありません。公衆衛生上の、れっきとした「危機」なのです。 驚くべきデータがあります。日本において、社会的孤立で早期死亡に至るケースは年間約2万人にも上る可能性があると指摘されています。これは交通事故で亡くなる方の数をはるかに上回ります。「孤独はタバコや肥満と同じくらい健康に悪い」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、現場の医師としての実感もそうです。孤立は、うつ病のリスクを高め、認知症やフレイル(虚弱)の進行を加速させます。 これまでも、公民館での集まりやサロン活動など、多くの対策が取られてきました。しかし、「行けば元気になれる」とわかっていても、そこへ一歩踏み出すのは容易ではありません。「知らない人の中に入っていくのが怖い」「話題が合うか不安」といった心理的なハードルがあるからです。また、既存のプログラムは効果が見えにくく、継続的な予算が付きにくいという課題もありました。 さて、孤独な訪問医師、私の居場所はどこかにあるのでしょうか? (訪問診療医師)

読み聞かせの卒業と増えていく書物《ことばのおはなし》89

【コラム・山口絹記】この数年で読み聞かせを卒業した娘の読書スピードがみるみる上がり、休日には厚めの児童書を1冊以上読むまでになった。学校でもよく本を読んでいるらしく、担任の先生との面談でもその旨を「偉いですね」というニュアンスで伝えられ、「はぁ」とか「まぁ」と曖昧にうなずいているのだが、活字中毒患者の真意を伝えるのはなかなか難しいものである。 私自身は学生時代、母親に「本の犬食いはやめなさいよ」「本ばっかり読んでないで」とよく言われたのだが、真偽不明な情報スジによると、小さい頃に抑圧された欲は大人になって暴走することがあるらしい。 なので私は、『100万回生きたねこ』の白猫ように、娘の完読宣言を受けても、そっけなく「そう」とだけ答えている。実際のところ、私の母親もいわゆる本の虫で、口ではいろいろ言っても本当に読書を禁じていたわけではなかったし、ことあるごとに娘にも書籍をプレゼントしてくれるので、まぁつまり、そういうことである。おそらくどうしようもない。 そんなこんなで最近、娘と本屋に行くことが増えた。私が誘うこともあるし、娘が「本がきれたから買いに行きたい」というのでついて行くこともある。個人的には我が子の言動について不安を感じるところである。本が“きれた”という表現が完全に中毒患者のソレだ。おそらくもう手を付けられないところまで中毒症状が進行してしまったようである。 枕元に本が5、6冊 一方で、“きれた”という状況認識ができているうちは健全である、という見方もある。私くらい重篤な患者になると、自分の読書スピードをはるかに上回るスピードで書物が部屋に堆積していくため、目も当てられない。妻もすっかり諦めているようだ。 夜に寝室に入ると、寝ている娘の枕元には本が5、6冊積まれていて、(私も全く同じことをするのだが)客観的に見ると本は同時に1冊しか読めないのに、なぜ積む必要があるのだろうと疑問に思う。自問自答しても理由がよくわからないので、これもおそらく専門家のカウンセリングが必要な案件なのだろう。 あと数年すれば、娘と共有できる書籍もぐっと増えると思われるので、私の部屋と実家の数万冊の書籍が役に立ってくれることを祈るばかりである。(言語研究者)

引退競走馬の可能性を広げたい 馬耕ワイン、セラピー 美浦村に拠点

2026年は午(うま)年。日本中央競馬会(JRA)美浦トレーニング・センター(トレセン)がある美浦村に、引退した競走馬のセカンドキャリアを模索し、馬耕によるワイン作りやホースセラピー、子供たちとの触れ合いなど、さまざまな取り組みに挑戦している拠点がある。 引退競走馬の可能性を広げたいと、JRAの調教師でもある大竹正博さん(56)が2023年10月に開設した。施設の設計には筑波技術大学(つくば市天久保)の梅本舞子准教授と建築系の学生らが関わり、大竹さんの夢を形にした。施設を中心に様々な活動が評価されて25年グッドデザイン賞を受賞した。 地域の人が集う 拠点は約1ヘクタールの広さで、美浦トレセンの西側にある。敷地北側に、木造平屋建ての建物が弧を描くように3棟並び、隣りに広さ約800平方メートルの砂地の馬場が設けられている。南側には約5000平方メートルのブドウ畑が広がる。拠点の名前は「ブリコラージュ」。手元にあるものを寄せ集めて新しいものを作り出すという意味のフランス語だ。 3棟の建物はそれぞれ、8畳間4部屋分(約56平方メートル)の広さで、正方形の形をしている。3棟のうち2棟は厩舎(きゅうしゃ)で、現在、競馬を引退したサラブレット4頭とポニー1頭の計5頭が暮らす。1棟は引退馬に関わる地域の人々が集うクラブハウスだ。 ブリコラージュには、元のオーナーから引退競走馬を引き取った今の所有者らが通い、馬の体をブラッシングしたり、馬場で運動させたり、乗馬を楽しんだりしている。発達障害児などを支援する放課後等デイサービス「きゃっちぼーる」を利用する子供たちが毎週1~2回来て、えさを用意したり、乗馬に挑戦したりする。地域クラブ「美浦ホースクラブ」は、土日に厩舎を掃除したり、えさを用意したり、乗馬を体験するなどしている。調教師の大竹さんのほか、近くに住む美浦トレセンの元厩務員が馬の手入れなどを手伝う。 南側のブドウ畑では10品種が栽培されている。つくば市のワイナリー「つくばヴィンヤード」の高橋学さんからブドウ栽培の指導を受けた牛久市の畠山佳誉さん(53)が、2022年から苗を植え毎年増やしてきた。引退競走馬は畑で鋤(すき)を引っ張り、横に伸びるぶどうの根を切るなど「馬耕」をする。年3回ほどまく堆肥は、つくば市若栗にある「つくば牡丹(ぼたん)園」の関浩一園長が開発した馬ふん発酵堆肥だ。競走馬の育成牧場などから大量に出される馬ふんからつくられている。 畑を耕しているのは「サモン」という名の8歳の元オス馬。2017年に北海道日高町で生まれ、19年にデビューした。12回レースを戦ったが1勝ができないまま、20年に中央競馬の登録を抹消された。地方競馬への転籍を検討したが、骨折していることが分かり引退となった。サモンの管理調教師だった大竹さんと、デビュー時からサモンをずっとひいきにしてきた美浦村の関亮子さん(52)の2人が共同所有者となって、元のオーナーから引き取った。 関さんは「サモンは人懐っこくて、ずっと応援していた」と話す。大竹さんは、サモンに馬耕をさせる際、周囲から「競走馬に馬耕させるのは聞いたことがない」と驚かれたと振り返る。「馬耕をするようになって、サモンはむしろたくましくなった」と大竹さんは目を細める。 サモンが耕した畑のブドウで2025年春、初めて赤ワインを醸造し362本が出来上がった。「綴(つづり)」と名付け、美浦村のふるさと納税返礼品にもなった。ブドウ畑を担当する畠山さんは「馬が畑を耕す『馬耕』のほかに、これからは収穫したブドウや堆肥を馬に運んでもらう『馬搬』にも取り組み、引退競走馬のセカンドキャリアを応援したい」と話す。畑にブドウの苗をさらに植えて、ワインの種類も3種類くらいに増やす計画だ。 年5000頭近くが引退 中央競馬では毎年、5000頭近くの競走馬が引退するという。馬の寿命は長いと30年ほど。引退後は地方競馬に転籍したり、乗馬クラブが引き取ったり、競馬ファンが譲り受けるケースなどがある。しかし活躍の場が用意されない引退馬も少なくないと大竹さんはいう。 大竹さんは東京都出身。父親は騎手で、子供の頃から馬に親しんで育った。麻布大学獣医学部を卒業後、北海道で働いた後、JRAの調教師になり、2009年、美浦トレセンに厩舎を開いた。18年に有馬記念を制したなどの実績がある。 調教師の仕事の傍ら、大竹さんは個人で、引退競走馬支援団体を応援するなどの活動を続けてきた。「かつて、母屋と厩(うまや)が一体になった曲がり屋で人と馬が隣り合って暮らしてきたように、人と馬が一緒に過ごせる現代版のコンパクトな曲がり屋をつくりたい」と思うようになり、2020年ごろから、馬がストレスなく過ごせる、馬が主役で人が集まる場所づくりの構想を温めてきた。 実現に向け、筑波技術大の梅本准教授らと構想を練り上げた。美浦トレセンそばの畑を大竹さんが一部購入したり、借りるなどしてブドウ畑をつくり、厩舎とクラブハウス3棟を建て、ブリコラージュが完成した。3棟の建物の骨組みには、岩手県の森林で切り出された木材を馬が運んだ「馬搬出材」を用いている。弧を描くように配置された3棟は、人と馬が常に気配を感じられるように設計されている。施設には視覚を遮る垣根などは設けず、通り掛かった人だれもが、馬がいる風景を眺められるにした。 引退馬を引き取ると通常、管理費用として1頭当たり月15万円、年間で200万円程度かかる。大竹さんは、引退馬を引き取った所有者や、引退馬に関わりたいと希望する地域住民が自ら、馬のえさやり、手入れ、運動などを手伝うことでコストダウンできる仕組みをつくり、だれもが支援の担い手となれるようにした。厩舎の清掃やえさやりをする地域クラブ「美浦ホースクラブ」代表の阿部彩希さん(37)は「一人一人、ブリコラージュに集う目的は違うが、馬を通じて、地域のたくさんの人が自分の目標に向かって活動し、協力し合う場所になっている」と話す。 人と馬が一緒に過ごす3棟の建物で構成される現代版の曲がり屋を、だれもが引退競走馬に関わることができる支援拠点として、地域にさらに増やしていくのが大竹さんの次の目標だ。大竹さんは「まずここに来て馬を知ってもらって、興味をもってくれたら」と話す。(鈴木宏子)

あけましておめでとうございます【吾妻カガミ】214

【コラム・坂本栄】高市さんのピント外れには唖然(あぜん)としています。デフレは終わりインフレが心配なのに安倍さんの経済政策をまねしているからです。トランプさんは唖然どころか呆然(ぼうぜん)です。関税政策と移民政策で国を壊しながら外交では敵と味方の区別もできないようです。以上、今年80になる高齢者の繰り言でした。 私は年相応の病を抱えながら仕事をしています。昨夏には隔月刊フリーペーパー「ふるさと通信」の会長職を引き受け、定款に広告代理店業を加えました。NPOネット媒体の活動費を補うだけでなく、地域のFM放送、ネットTV、ケーブルTVなどの広告取りを手伝うためです。 日米の首相と大統領に唖然 上の2パラは年賀状の文面ですが、少し補足します。デフレ脱却を目指したアベノミクスは金融緩和+財政出動+規制緩和で需要をつくり出すことでした。ところが世界のあちこちで戦争が起き、このところモノやサービスの価格アップが目立ちます。安倍さんの時代とは様変わりなのに、高市さんは師匠の財政大出動をなぞっています。経済の現実よりもアベノミクスに目が行くようです。 方向性が違うメニューもあります。国の内外で広がる排外的な動きに便乗したのか、高市さんは外国人の受け入れでは規制を強化しています。先進国の社会・経済は外国人の世話にならないと成り立たないのに、入国や滞在を規制するのは愚策です。 トランプさんの思考がよく見えてきました。2期入り早々、軍事・資源上の必要からデンマーク領のグリーンランドがほしい、経済圏として見るとカナダは米国の一部だ―などと言っていましたが、最近では嫌いなベネズエラの大統領を力で排除すると公言しています。こういった身勝手には友好国も付いていけません。 トランプさんの暴言を見聞きし、プーチンさん、習さんはさぞ喜んでいるでしょう。ロシアの一部だと言ってウクライナに攻め込んだプーチンさん、台湾をいずれ中国に組み込むと言っている習さん。トランプさんの思考は彼らと同じです。これでは相手の振る舞いに文句を付けられません。 告知記事・広告記事も掲載 年賀状の後段についても補足します。NPO法人 NEWSつくばは、新聞など信頼できる媒体と同じように、きちんとした取材による行政やイベントなどの記事のほか、地域の識者によるコラムを掲載しています。それに必要な経費は、企業などからの大口寄付やバナー広告収入、個人や法人の正会員と賛助会員から納めていただく会費で賄っています。 「ふるさと通信」との連携は、本サイト運営に必要な経費確保の多様化を図ったものです。取材編集と経費確保の両面で、私たちは柔軟なマネジメントを追求していきます。今年もよろしくお願い申し上げます。(経済ジャーナリスト、NEWSつくば理事長) <事務局から> 告知記事と広告記事の掲載についてはinfo@newstsukuba.jp宛て事務局に問い合わせてください。