月曜日, 3月 30, 2026
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カーボンナノチューブ研究者に江崎賞 つくばで発見の材料に理論的基礎

茨城県科学技術振興財団(つくば市竹園、江崎玲於奈理事長)は10日、第18回江崎玲於奈賞に東北大学大学院、齋藤理一郎教授(63)を選んだ。カーボンナノチューブ(CNT)が発見された直後の早い時期から研究に取り組み、理論的基礎を築いた。東北大学から2年連続の受賞となったが、選考委員の一人で2000年ノーベル賞受賞者の野依良治さんは「CNTは、つくばで発見されており、今後もつくばが材料研究の中心を担うという意味で、最も正統的な江崎賞になった」と評価した。

江崎賞はナノサイエンスやナノテクノロジーに関する研究に携わり、顕著な研究業績を挙げた研究者を顕彰する。ナノ分野の学会や研究機関、大学などから推薦された研究者の業績を江崎玲於奈さんを委員長に、歴代のノーベル賞受賞者らで構成する委員会で選考する。関彰商事(関正樹社長)が特別協賛しており、江崎玲於奈賞には副賞1000万円が贈られる。

今回は推薦15件のなかから、「カーボンナノチューブの電子状態と共鳴ラマン分光の理論」研究で齋藤教授が選ばれた。CNTは、炭素によって作られるグラフェンシート(平面)を丸めて円筒状にしたような構造の物質で、直径は0.4~50ナノメートル。その名の通りナノメートル単位で、細さや軽さ、柔軟性から、次世代の炭素素材、ナノマテリアルといわれ、様々な用途開発が行われている。

ナノチューブは1991年に、当時NEC筑波研究所研究員だった飯島澄男さん(74)により発見された。CNTはハチの巣状に炭素が結合するグラフェンをどのように巻くかによって、金属にも半導体にも物性が変わる。齋藤教授は1992年に、この巻き方と電子状態の関係を理論的に明らかにした。この論文は明快で分かりやすく、その後のナノチューブ研究の原動力となったという。

さらにCNTにレーザー光を当てることで、材料の物理特性を見分ける「共鳴ラマン分光」の手法研究でも成果をあげた。これら理論的研究は、ナノチューブの研究を開始するにあたって必ず最初に学ぶべき基本的事項となっており、その後の研究をけん引していることに各委員の評価が集まった。

つくば賞には櫻井武筑波大学教授

【つくば賞】筑波大学・櫻井武さん(同)

この日は第32回つくば賞、第31回つくば奨励賞の発表も行われた。両賞合わせて22件の推薦があった。

茨城県内で科学技術に関する研究に携わり、顕著な研究成果を収めた研究者を顕彰するつくば賞には、筑波大学医学医療系、櫻井武教授(57)が選ばれた。

授賞の対象となった研究は「冬眠様の低体温・低代謝状態を誘導する神経回路の同定」。ヒトの人工冬眠の可能性を追求する研究で、実現されれば、重症患者の救急搬送や臓器・組織が低栄養に陥る緊急事態などへの臨床応用や臓器保存などにつながるという未来技術だ。

第31回つくば奨励賞には、実用化研究部門で物質・材料研究機構機能性材料研究拠点、樋口昌芳グループリーダー(52)の「メタロ超分子ポリマーを用いたエレクトロクロミック調光デバイスの開発」(20年9月8日付)、若手研究者部門で筑波大学生命環境系、豊福雅典准教授(39)の「細胞外膜小胞を介した微生物間コミュニケーションの研究」を選んだ。(相澤冬樹)

【つくば奨励賞】物材機構・樋口昌芳さん(左)と筑波大学・豊福雅典さん(同)

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塗装完了、ライトアップ再開 つくばエキスポセンター H2ロケット

40周年、エメラルドグリーンに つくば駅近くの科学館、つくばエキスポセンター(同市吾妻)のシンボルであるH2ロケット実物大模型の全面塗装工事が25日完了し、約4カ月間の工事を経て、一新された姿が披露された。同日夜にはライトアップも再開され、エメラルドグリーンの光が高さ約50メートルのロケットを照らし出した(25年12月11日付)。 今回の全面塗装は2014年以来、11年ぶり。昨年11月25日から足場の組み立て作業が始まった。1990年に同所にH2ロケット模型が設置されて以来、おおむね10年ごとに、基部から先端部分まで全面的に塗り替えが行われてきた。 ライトアップは工事完了に伴い、25日夜から再開された。今年エキスポセンターは、1986年4月の開館から40周年を迎えることから、ライトの色を、ロゴや看板、横断幕などに使用される40周年記念イメージカラーのエメラルドグリーンとした。これまでも、乳がん啓発月間にはピンク、世界糖尿病デーには青など、イベントに合わせてテーマカラーに変えながら常時、ライトアップを行ってきた。 館内では40周年を記念して、来場者用の記念スタンプや、館内限定で利用できる特設オンラインフォトフレームなどが用意されている。 今回の塗り替えについて、エキスポセンターの中原徹館長は「つくばエキスポセンターのH2ロケットの再塗装が無事終了した。つくばのランドマークであるロケットをきれいな姿で皆様に披露できることをうれしく思っている。是非、新品のようになったロケットを見にきていただけたら」と語った。 エキスポセンターは、1985年に開かれた「科学万博つくば’ 85」の第2会場として建てられ、万博閉幕翌年の1986年に科学館として再オープンした。当時、世界最大だったプラネタリウムをはじめ、万博関連資料が展示されているほか、最先端の科学技術をわかりやすく紹介している。 今回、お色直しされるH2ロケットの模型は、初の純国産大型ロケットとして1994年に1号機が打ち上げられた「H2」を模したもので、1989年の横浜博覧会で展示された模型を1990年6月にエキスポセンター屋外展示場に移設した。(柴田大輔)

J:COM茨城が「JCOMマーケティング茨城支社」に 4月から

茨城県南を中心に事業展開するJ:COM茨城(登記名は土浦ケーブルテレビ、本社土浦市真鍋)の名称が4月から「JCOMマーケティング茨城支社」に変わる。親会社JCOM(本社東京千代田区)のグループ組織再編に伴うもので、J:COM茨城は存続会社ジェイコム東京(4月からJCOMマーケティング)の地方部門になる。サービス内容は変わらないという。 土浦ケーブルテレビは1983年、土浦市や地元有力者の出資で設立された。元々は有線によるテレビ番組を提供する会社だったが、現在では、通信ケーブルや光ファイバーケーブルを使い、多チャンネルテレビ、インターネット接続、固定電話サービスのほか、ネット防犯カメラ、太陽光発電パネル設置なども扱う会社になった。 事業拡大の過程で、住友商事が出資するJCOMの傘下に入ったが、登記上の社名は「土浦ケーブルテレビ」を維持してきた。ところが親会社のJCOM(現在はKDDIも折半出資)が大規模な組織再編を実施。全国展開するケーブルテレビ子会社9社のうち、ジェイコム東京が存続会社になり、J:COM茨城など残り8社を吸収合併することになった。 県央にも進出へ J:COM茨城の海老澤孝一社長(4月から支社長)は再編の利点について ①契約者が東京などに引っ越した場合、そのエリアに支社(3月までは系列会社)があれば契約が社内の手続きで済むので、契約者には便利になる ②現在のサービス地域を広げる場合、同じ社内の人事で要員確保が可能になるので、スムーズに事業展開ができる―などを挙げた。 J:COM茨城の現サービ地域は、かすみがうら、つくばみらい、つくば市の一部(茎崎地域など)、阿見町、美浦村、牛久、取手、守谷、常総、石岡、土浦市、利根町、龍ケ崎市。2月末の加入世帯は、ケーブルテレビ5万3000件、インターネット5万900件、固定電話4万5400件、モバイル8638件。 同社は「茨城はケーブル事業者が少なく、県庁所在地に事業者がない唯一の県。すでに事業者が存在する日立、県西、つくばの各エリアには出ないが、今後、県央、県北、鹿行には、他社ケーブルを借りる形で出て行く」(海老澤氏)と話す。特に水戸エリアを重視している。(坂本栄)