土曜日, 2月 28, 2026
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つくば学園都市は公立高過疎地 《吾妻カガミ》118

【コラム・坂本栄】困った数字がこのサイトで紹介されています。教育環境が自慢の学園都市には県立の全日制高校が少なく、つくばは公立高の過疎市だというのです。平均的な学力の中学生を私立よりも学費が安い公立に入れたいと思っている親にとって、つくば市は「住みにくいまち」のようです。

詳しくは「つくば市に県立高校新設を 市民団体が市議会に請願」(9月29日掲載)と「付属中併設は泣きっ面にハチ」(9月30日掲載)をご覧ください。

▼市内の県立高に進んだ中学生は18%に過ぎず、46%が市外の県立高に、36%が市内外の私立高に行った、▼以前は6つあった全日制高が、近隣市の県立高への併合、定時制への移行、中高一貫への衣替えによって半減した、▼この20年間に減った全日制学級数は、水戸が2%、日立が21%、土浦が20%だったのに、つくばは61%も減った―などがポイントです。

つくば市は県全体の流れとは逆に住民が増えているのに、県は少子化に伴う学校・学級の整理整頓という方針の下、実におかしな対応をしています。大井川知事の経歴(経産省キャリア→IT企業役員)も影響しているのか、県はエリート教育には熱心ですが、平均的な学生を抱えた平均的な家庭の事情に鈍感ではないでしょうか。

優秀な学生を育てることには賛成です。私は、今春に中高一貫を併設した県立土浦一高の評議員を10数年やっています。その議論の中で、中高一貫を導入するよう歴代の校長に進言、現知事の1期目にやっと実現しました。競争環境を整え、突出した学生を鍛えることが日本はもちろん世界に必要と思うからです。

「市設・県営」高校はどうか?

しかし、経済政策の尖(とが)った成長志向が格差を生み、その見直しが必要になっているように、教育分野でも平均層に目配りをしなければなりません。

岸田さんは成長に傾いたアベノミクスに「分配」を加味するそうです。「共同富裕」を掲げて超金持ちに寄付を強要する習さんも同じ発想です。「米国ファースト」を連呼したトランプさんの政策も中間層を意識したものでした。世界の政治リーダーは平均層の乱を敏感に察知、尖った政策は内外で修正されつつあります。

話が大げさになりました。元に戻します。リンクを張った先の記事によると、つくば市の要望にもかかわらず、県はおカネがかかる全日制の新設には腰が引けているようです。でも、学園都市の教育環境の劣化を無視はできませんから、既存校の学級増を言ってくるかも知れません。

ここまで書いてきて、昨秋の市長選挙に立った富島純一さんの公約を思い出しました。彼は、平均的な市民の声を聞いていたのか、県の冷たい態度を知っていたのか、主要公約に「市立高校設置」を掲げていました。この案を少しいじり、「市設・県営」はどうでしょう。ハード(校舎)は市が造り、ソフト(授業)は県が動かすという折衷案です。おカネの面では県立or市立よりも両者の負担が軽く、教育効果は県立と同じになります。

世の流れに敏感な政治家の皆さん―市議さん、市長さん、県議さん、知事さん、この案を検討してみてください。平均的な市民の怒りを買ったら終わりですよ。(経済ジャーナリスト)

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