日曜日, 10月 25, 2026
ホームつくば付属中併設は泣きっ面にハチ 【つくば市に県立高校新設を】㊦

付属中併設は泣きっ面にハチ 【つくば市に県立高校新設を】㊦

今春、土浦一高に付属中学が併設され、高校入試の募集人数が削減された。つくば市近隣の竜ケ崎一高(2020年度から)、水海道一高、下妻一高(いずれも22年度から)などでも次々と付属中が併設され、高校入試の募集人数が削減される。

つくば市内に全日制の県立高校新設を求めて市議会に請願している市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」代表の片岡英明さんは「県立高校の付属中設置による募集枠減少は、もともとあったつくば市の県立高校問題を新たな事態に押し上げ、つくばの子どもたちや保護者にとっては泣きっ面にハチの状況になる」と憂慮する。

土浦一高の付属中併設が発表された19年、つくば市議会は「つくば市の児童生徒数の急増に対して、土浦一高の門戸を狭くすることは、一部生徒のみならず、つくば市全体の生徒に影響を及ぼす」などとして、高校の募集規模を当面維持するよう求める意見書を知事らに提出した。意見書では「近年、つくば市から県外の私立中学への進学者も1割を超え、県外への生徒流出に拍車をかける」と懸念を表明したが、知事の耳には届かなかった。

私立に定員増

県全体の子どもの数が減少し県立高校の再編が進む中、急増するつくば市の生徒の高校進学を支えてきたのは、私立高校だ。片岡さんによると、県は以前は私立高校の定員厳守を求めていたが、これを緩め、19年からは私立の定員増を認めるようになった。19年度から20年度に増えた県内の私立高校の増加定員の合計は575人。そのうちつくば市近隣では常総学院が105人増、土浦日大が100人増、霞ケ浦が50人増、秀英とつくば国際が40人増、江戸川学園が35人増、茗渓が10人増えたという。

片岡さんは「私学の教育に魅力を感じて入学する判断は大事にしたい」としつつ、「県は、つくば市の小中学生の急増を、私学の定員増と、生徒・保護者の負担増でしのいでおり、公教育の役割とは何かを改めて考える必要がある」と指摘する。

既存校の定員増、通学の利便性増、市内に新設を

こうした状況の中、県は県内を12のエリアに分け、つくば市を含むエリア10(つくば、牛久、常総、守谷、つくばみらい)では2学級増が必要だとして、23年度からつくば工科高校を2学級(科学技術1学科、1学級標準40人)増やす。

これに対し片岡さんは、県平均の中学3年生の生徒数に対する全日制県立高校の募集定員は76.3%であることと比べると、つくば市だけで868人、エリア10全体に広げても626人不足しており、まだまだ不十分だとして、具体策を提案している。

つくば市内の県立高校は▷竹園高校の定員を2学級増やす▷23年度から2学級増となるつくば工科にさらに普通科を2学級増やす▷全日制が廃止された茎崎高校に全日制の普通科を4学級を復活させるーなどだ。

市外の近隣の県立高校に対しても▷土浦一高の募集定員を減らさず6学級のまま維持する▷伊奈高校の定員を2学級増やす▷牛久栄進高校の定員を2学級増やす、など提案する。

通学の利便性向上も提案している。▷スクールバスの運行やコミュニティバス「つくバス」の路線見直しなどにより筑波高校、守谷高校の通学利便性を高める、などだ。そして、つくば市内のつくばエクスプレス(TX)沿線に県立高校を新設することを求める。

つくば市の子どもたちや保護者が直面している県立高校問題の解決に向け、まず「市民が課題を共有し、声を上げることが大切ではないか」と片岡さんはいう。(鈴木宏子)

第1部 終わり

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