つくば市が、9月の敬老の日前後に「箸とスプーンセット」を70歳以上の高齢者全員に贈るとしていることに対し議会から異論が出ていた問題で(17日付)で、市議会予算決算委員会(山本美和委員長)が22日開かれ、付帯決議を全会一致で可決した。
付帯決議は①(記念品は)華美にならず、敬老の敬意を表すものとする②(物品調達や梱包、発送作業などは)障害者優先調達推進法の主旨にのっとり、障害者施設が受注機会を拡大できるよう体制づくりに努めるーの2点に配慮するよう求めている。
一方、付帯決議に対し市高齢福祉課は「(箸とスプーンセットは)華美でなく、敬老の敬意を表すものと考えており(記念品の)変更は考えてない」とし、物品調達や発送作業については「(障害者就労施設が)発注機会を拡大できる体制、組織づくりができるよう働き掛けたい」などとしている。
記念品は、コロナ禍で敬老福祉大会を中止するのに代わって、市が70歳以上の高齢者計約3万7200人に贈るとして、開会中の6月議会に、敬老祝品贈呈委託料(記念品購入費と包装代など)約6300万円と郵送代約1300万円の計約7600万円を提案している。
修正案は賛成少数で否決
22日の予算決算委員会ではまず、小森谷さやか市議らが同贈呈事業の予算を削除する修正案を出し、「障害者就労施設の作業として適切なのか、税金の使い方として市民の理解が得られるのか、いったん立ち止まって再考いただきたい」となどしたが、賛成少数で否決となった。
続いて小野泰宏市議から付帯決議案が出され、全会一致で可決された。25日の6月議会最終日に改めて審議される。(鈴木宏子)