水曜日, 11月 19, 2025
ホーム土浦霞ケ浦二橋構想25年「莫大な費用と時間要する」

霞ケ浦二橋構想25年「莫大な費用と時間要する」

霞ケ浦に二つの橋を架ける「霞ケ浦二橋架橋整備構想」ー。霞ケ浦二橋建設促進期成同盟会を構成する土浦市など8市町村は昨年11月、県議会に陳情書を提出し、二橋構想の早期具体化などを要望した。

この構想は、霞ケ浦の土浦入りと高浜入りの二つの入り江に橋を架け、北は茨城空港、東関東自動車道水戸線の茨城空港北インターチェンジ(IC)を経て茨城港常陸那珂港区へ、南は圏央道と利根川に架かる若草大橋を経て幕張新都心までをつなぐという壮大な構想だ。

土浦市、小美玉市、河内町など8市町村が、1996年に「霞ケ浦二橋建設促進期成同盟会」を設立し、以来、県はじめ関係機関に建設促進を訴え続けてきた。しかし未だ奏功せず、25年が経過している。

陳情書はほかに、美浦栄線バイパスと竜ケ崎阿見線バイパスの整備促進、千葉茨城道路と百里飛行場連絡道路の整備促進の早期実現を訴えた。

この問題について、開会中の県議会第1回定例会(2月26日~3月24日)で論戦が展開され、県側は、美浦栄線、竜ケ崎阿見線バイパスのほか、霞ケ浦周辺では、石岡小美玉スマートICと茨城空港をほぼ直線で結ぶ茨城空港アクセス道路などを整備し、さらに圏央道の4車線化、東関東道水戸線の整備などにより、霞ケ浦周辺地域は産業立地(企業進出)や、茨城港・鹿島港湾物流の増加、茨城空港による国内外との交流の促進など、地域振興のポテンシャルが極めて高いと指摘した。

その上で、現時点で霞ケ浦二橋構想は「その整備に莫大な費用と時間を要する構想」であり、公共施設の老朽化対策など、他の財政需要の拡大見込みを踏まえつつ、沿線開発の状況、費用対効果などを勘案しながら、「長期的な視点で取り組む必要がある」(知事答弁)との考えを示唆するにとどまった。

期成同盟会設立からすでに25年。霞ケ浦二橋構想は新たな視点からの練り直しが求められている。(山崎実)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

5 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

5 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

ウサギ捕り遊び仕事(3)《デザインを考える》26

【コラム・三橋俊雄】今回は、京都府北部・丹後半島で行われているウサギ捕りという「遊び仕事」について2つの事例を紹介します。「ククリワナ」(宮津市由良・南丹市大野)と「バイ投げ」(宮津市上世屋)です。 針金の「ククリワナ」 杉の新芽を求めて訪れるウサギのケモノミチに、針金で輪をつくり、近くの木へ仕掛ける―それが「ククリワナ」(図1)です。針金は藁(わら)で一度焼いて粘りを出し、柔らかくして用います。金属の匂いが消えるためか、よく捕れるといいます。罠(わな)の針金は使い捨てにし、山仕事の行きしなに仕掛けますが、同じ場所には続けて置きません。 ワナは7〜10カ所ほど設けておきます。ケモノミチはウサギがヒサカキの葉を食べたり、丸い糞を落としたりすることで見分けられます。猟の技術は大人から教わったものだといいます。 朝7時半に山仕事へ出発し、道中で仕掛けを確認します。ウサギが捕れていれば、仕事の間は木にぶら下げておきます。谷では仲間とともに山の作業をし、午後4時半頃には帰宅します。ある日には7羽もウサギが捕れて、近所に分けたこともありました。猟は10月から翌年4月まで続き、平均すると5日に1羽ほどの成果でした。 昔はウサギによる害が圧倒的に多かったようです。杉の苗木を春や秋に苦労して植えても、新芽を食べられてしまい、翌年には植え直しを余儀なくされることもありました。杉の木が一本でも助かればと思い、仇討ちのつもりでウサギを捕りましたが、それは同時に「楽しみ」でもありました。食料の乏しい時代でもあり、捕ったウサギは料理して食べました。 皮は喉から足まできれいに剥ぎ、なめすことはせず干して山の敷物にしました。内臓はうまく取り出せるので捨ててしまい、背や足の肉はすき焼きにして食べました。佃煮(つくだに)風の「コロ炊き」にすれば日持ちもしました。 二股枝の「バイ投げ」 「バイ投げ」は、まず雪山の陽の当たる斜面で、曲がった木の根元近くに眠っているウサギを探し出します。ウサギに気づかれないように近づき、バイ(二股の枝にアカマツの葉をくくりつけたもの)を用意します。そして、天敵のタカやトンビが襲いかかってきたかと思わせるように、続けざまにバイを空中へ投げ上げます(図2)。 バイはヒューヒューと風を切って唸(うな)り声を発し、その音に驚いたウサギは身をひるがえし、木の根元の隠れ穴へ一目散に逃げ込みます。間髪を入れず雪穴めがけて走り寄り、すばやく周囲の雪を踏み固めて逃げ道をふさぎます。テンズキ(木製の除雪具)で穴を慎重に掘り進め、ウサギの後ろ足を探り出して掴(つか)み、引きずり出します。 この「バイ投げ」は午前10時から午後3時頃まで行われ、猟期は節分(2月初め)までとされています。節分を過ぎるとウサギは発情期を迎え、行動が敏感になるため、追いかけるのが難しくなるといいます。(ソーシャルデザイナー)

中学校保護者の個人情報漏えいの恐れ つくば市 写真販売会社が不正アクセス受け

つくば市は17日、市内の中学校1校が写真販売を委託しているフォトクリエイト(東京都新宿区)が不正アクセスを受け、宿泊学習などの行事写真を購入した保護者の個人情報が漏えいした可能性があると発表した。市教育局学び推進課によると、写真を購入した保護者の人数は現時点で不明。実際に個人情報が漏えいしたなどの被害は現時点で確認されていないという。 同社のウェブサーバーが今年7月までに第三者から不正アクセスを受け、同社が調査した結果、同社が保有する個人情報が漏えいした恐れがあることが判明したと今月14日、同社から同校に連絡があった。 漏えいした可能性がある個人情報は、2022年から25年に、同社が運営するインターネット写真販売サービス「スナップスナップ」で写真を購入した保護者の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、購入時のニックネームなど。 市によると、22年から25年の4年間に、同校が同社に写真販売を委託した宿泊学習や修学旅行に参加した生徒数は計225人。そのうち何人の保護者が写真を購入したかは不明。写真は、宿泊学習や修学旅行に同行した地元の写真館のカメラマンなどが撮影したスナップ写真などという。 写真を購入した保護者に対し同社は、個人情報漏えいの恐れがある旨を個別メールで通知、さらに使用中のパスワードを変更するよう依頼し、二次被害を防ぐ対策を行ったとしている、 一方、市は同社に対し、個人情報の厳正かつ適正な管理について徹底するよう強く申し入れたとしている。

日米に見る軍隊のおかしな使い方《吾妻カガミ》212

【コラム・坂本栄】東北地方のクマ出没に対処するために県知事が自衛隊に出動を求め、話題づくりが上手な防衛相がこれに応じたとのニュースには驚いた。小銃や機関銃を使って掃討するのかと思っていたら、どうやら「前線」で駆除する猟銃の使い手やライフル警察隊の「後方支援」を担当するらしい。これなら災害出動の小規模団だが、最近、軍隊の使い方が内外でルーズになっているのが気になる。 麻薬船爆撃、デモ隊鎮圧 何かと思い付きが目立つトランプさんは、米国に麻薬を運んでいるという理由でベネズエラの小船を撃沈するよう米軍に命令し、すでに何隻か沈めた。爆撃によって麻薬組織の運び屋が数十人殺されたという。この命令に抗議してカリブ海域を管轄する米海軍の司令官が辞表を出したというから、ホワイトハウスのボスと米軍指揮者の間で軍隊活用の是非について意見の対立があったのだろう。 軍隊組織は外国軍の侵略や政戦略を踏まえた対外作戦を想定して整備されている。麻薬取引への対応は麻薬取締部門の担当であり、この部門に密輸船に対応できる備えがないのであれば、沿岸警備隊(日本では海上保安庁)に任せるのがスジだろう。密輸船対応に軍隊を出すということは、ベネズエラに戦争を仕掛けるようなものだ。 ベネズエラの大統領が「麻薬マフィアのボス」(トランプさんのコメント)なのかどうかは知らないが、民間小船を爆撃せよとの命令は常軌を逸している。世界最強の軍隊を擁する国の大統領のこのような雑な軍隊運用を見ると、米国の軍事機構は正常に機能していないのではないかと思う。 別の分野でもトランプさんはおかしなことをしている。彼の移民政策に反対するデモを州兵に鎮圧させるという使い方だ。連邦制の米国には中央政府の軍隊のほかに州政府の軍隊がある。州兵が一種の予備力とは言え、抗議デモ程度の取り締まりに動員するのは異常といえる。交通整理の警察官で対応が無理なら、せいぜい機動隊が担当する分野だろう。 軍隊運用の線引きが曖昧 クマ退治、小船爆撃、デモ鎮圧。日米で軍隊運用の線引きが曖昧になっている。相手がクマにせよ、麻薬船にせよ、デモ隊にせよ、強力な装備を持つ軍隊がこの種のケースに関わると、軍隊に与えられた本来の仕事から逸脱する。軍隊の自立性を生かす災害出動は別にして(もっともクマ退治程度の後方支援は自治体の仕事だが)、国内問題に関与させるのは抑えた方がよい。 外交経験が少ないトランプさんは、ワンマン不動産経営の延長なのか、中国の習さん、ロシアのプーチンさん、北朝鮮の金さんの強権政治に憧れているという。いずれの国も対外用軍隊と国内治安隊が独裁者によって事実上セットで運用されている。トランプさんが沿岸警備隊や警察機動隊の役割を正規軍に持たせるのは、実力組織の運用でも強権国のまねをしたいのだろう。(経済ジャーナリスト)

ホーム開幕戦で敗れ2勝1敗 つくばサンガイア

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は15日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で今季ホーム開幕戦を迎え、レーヴィス栃木(本拠地足利市)にセットカウント1-3で敗れた。これでサンガイアは2勝1敗で東地区4位。16日も午後2時から同会場でR栃木と再戦する。 2025-26 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(11月15日、霞ケ浦文化体育会館)サンガイア 1-3 R栃木22-2520-2525-1623-25 第1セットは互いにサイドアウトを取り合う流れでスタート。中盤にはサンガイアがレフト浅野楓のブロックやスパイク、ライト長谷川直哉の多彩な攻撃などでリードを広げるが、終盤にR栃木が曾根裕也のサービスエースなどで追い上げ逆転に成功、22-25でサンガイアは最初のセットを落とした。 第2セットも序盤は拮抗した展開だったが、中盤にR栃木が5連続得点などで引き離し、結果20-25でサンガイアはこのセットも落とした。 「自分たちのやりたいことの半分くらいしか出せなかった。細かいつなぎやコンビネーションが良くなく、相手にチャンスボールを渡し、点につなげられてしまった」と武藤茂主将。「選手の良さを出しきれなかった。相手のポジショニングに想定と違う部分があり、高さでミスマッチが出たところを特に第1セットは突かれた」と加藤俊介監督。 R栃木の先発メンバーにも目を見張らされた。6人のうち架谷也斗、十文字龍翔、奥村航の3人がサンガイア出身。在籍時期やポジションは違うといえ、それぞれに一時代を築いた選手たちだ。 「出身選手だからという意識はなかったが、特に架谷と奥村には相当ポイントを取られたので、この2人を抑えなくてはと選手に話した」と加藤監督。武藤主将は「架谷は去年のうちのエースで、難しいボールも上手に打ちこなすやっかいな選手」と評し、長谷川直哉も「チームメートだったから特徴もよく分かっている。絶対負けたくない」とライバル意識を燃やしていた。 試合は第3セット、サンガイアがメンバーチェンジなどで流れを引き寄せた。セッターを森居史和から浅野翼に変更、村松匠のバックアタックをお膳立てするなど攻撃の幅を広げた。「森居はサイドへの速い供給が得意で、浅野はインサイドをうまく使う。それぞれに良さを出してくれた」と加藤監督。 第3セットを25-16で奪ったサンガイアは、第4セットも終盤まで粘りを見せるが、一歩及ばず23-25でセットを落とし試合終了。 明日の再戦に向けて長谷川は「今日できなかった守備のやり方や、かみ合わなったポイントなどを動画やミーティングで確認し修正したい」、また加藤監督は「うちの良いところが出ればリベンジできる。みんなコンディションは良く、その試合のベストメンバーを出す」と前を向いた。(池田充雄)