土曜日, 1月 24, 2026
ホーム土浦「データ活用し次のステップへ」つちうらMaaS始動

「データ活用し次のステップへ」つちうらMaaS始動

【伊藤悦子】次世代の交通システム「つちうらMaaS(マース)」の実証実験が15日スタートするのを前に、開幕式典が14日、同市川口のりんりんポート土浦で開かれた。主催者の「つちうらMaaS推進協議会」会長で関東鉄道(同市真鍋)の松上英一郎社長は「MaaSの実装に向けて準備を進め、いよいよ明日から実験できることになる。15日から3月12にまで4週間実施する。今回の取り組みが土浦市の課題解決の一助になれば」とあいさつした。

電動キックボードに試乗する安藤真理子土浦市長

MaaSは複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、アプリを利用して検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービスのこと。土浦市は、国交省の「2020年度日本版MaaS推進・支援事業」に選定され、準備を進めてきた。市民の移動手段の確保、観光客の周遊促進などが目的だ。

同協議会副会長の安藤真理子土浦市長は「実証実験で集まったたくさんのデータを活用し、次のステップにいくことを大いに期待する。実証実験が成功することを切に願っている」と力強くあいさつした。

同副会長で、土浦商工会議所の中川喜久治会頭は「MaaSの実証実験は、土浦がテレワークやワーケーションに適した土地であることの大きな発信力にもなる。実証実験を成功させ、土浦の大きな発展の礎になるようにしたい」と抱負を語った。

式典では地元選出の衆院議員、県会議員、市議らがあいさつし「何としても実験を成功させたい」と訴えた。

式典終了後、りんりんロード駐車場内で電動キックボード試乗会が行われた。実際に乗った安藤市長は「やり方がわかれば誰でも乗れる。バランス感覚もそれほど必要ではない。力を使わず楽に、簡単に移動ができる」と感想を話した。

バス路線廃止区域で実験 「何がいいのか、データとる」

 式典後、同推進協議会会長の松上英一郎・関東鉄道社長は今回の実証実験の意義などについて次のように話した。

―実証実験の意気込みは?

松上 昨年の7月から会を発足させて半年でここまでこぎつけた。関係者の尽力に感謝したい。実証実験では(バス停から自宅までの)ラストワンマイルの移動手段として、電動キックボートとラクロ(自動運転一人乗りロボ)の2種類を提案している。電動キックボードはシニアから若い人まで各層で使える。折りたたんで電車やバスに持ち込み、自宅から駅、駅から会社までの移動手段など、1日4回使える乗り物になると提案している。ラクロは都市部で実証実験が済んでいるので、私どもは新治地区の、人混みはないが車がスピードを出して走っている地区で安全走行ができるかを試す。きわめて有効な乗り物だと私どもは思っている。

ラストワンマイルだけでなく、飲食店や交通機関が利用できるモバイルチケットも発売する。ぜひ市内、市外からお越しの方に、モバイルチケットを使ってもらい、土浦市の魅力を再発見していただけたら。

新治地区でコミュニティバスの実験もする。顔認証システムとマイナンバーカードを使った実験で、来年度に向けて、バスの自動運転やマイナンバーカードを使った完全キャッシュレスの実験をしていきたい。

ーデータをとるということだが、目指すところは何か?

松上 実験だから、私どもの仮説は当然ある。しかし、いろいろな方に使っていただいて、まず、不便だとか、もっとこうした方がいいとか、意見を頂戴したい。答えを求めて実験するわけではない。日本のいろいろな地区で参考になるデータが集まればいいと考えている。

ー「つちうらMaaS」は国交省の「日本版MaaS推進・支援事業」に選ばれた全国38カ所の一つだが、全国で初めて行われる実験はあるか?

松上 新たなテクノロジーを使った実験ではないが、「つくば霞ケ浦りんりんロード」で行う電動キックボードのすれ違い実験などは、初めて、安全性走行試験を長距離で実験する。そのデータを各関係者が活用していただければ幸いだ。

ー将来、今回の実証実験の組み合わせで新たな交通手段はできるか。

松上 バスやタクシーの運転手、物流トラックの運転手も国内では減っている。おそらく時間給に見合った労働ではないからだと思っている。バスの運転手は安全運転とお客さんの集金など業務は多岐にわたり、大変な仕事だ。運転手を続ける人が少なくなっている中で、こういった自動運転システムを早晩つくっていかないと公共交通はなくなってしまうかもしれない。こういった実験を我々もやっていこうと思う。

ー今回、実証実験をする新治地区は、以前、コミュニティバス「新治バス」の試験運行を実施したが、成功しなかった(2019年10月29日付)。今回はラクロ(自動運転一人乗りロボ)やAIバスの実証実験をするが、ラクロはバスの運行に寄与するのか。

松上 ラクロも電動キックボードも自宅からバス停までや、駅までの移動手段として有効だと思う。都市部では実証実験が進んでいる。地方都市も同じだ。我々は新治地区でコミュニティバスの実験をやる。以前、関東鉄道のバスが走っていたが1年足らずでやめた。今回は、利用者のデータをもとに、どんな要望があるのかということからバス停の場所を決める。バスが走っても人が乗らなかった地域で、タクシーがいいのか、自転車がいいのか、ラクロがいいのか。私どもはラクロがいいと考えて今回、実証実験をする。

➡つちうらMaaSの過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

4年間の里山活動を振り返る《宍塚の里山》132

【コラム・谷本旭陽】私が宍塚の里山を初めて訪れたのは2022年7月のことです。幼いころから磯遊びや虫取りなど自然の中で遊ぶことが大好きだった私にとって、この活動は自分の好きなことを追求できるものでした。しかし大学のサークルという今までと全く違う環境、そして同期生が少なく内向的な性格だったことから、最初はとても緊張していました。 初めての活動は外来種であるセイタカアワダチソウの駆除でした。その作業中、先輩たちは歌いながら楽しそうに駆除を進めており、その和やかな雰囲気に驚きました。1年生で初参加の私にも気さくに話しかけてくれ、自然の中で誰一人として孤独にならず、みんなで夢中になって作業を楽しむ光景が印象的でした。 印象に残った3つの活動 この経験がきっかけとなり、私は毎回のように活動へ参加するようになりました。 特に印象に残っている活動が3つあります。 1つは、宍塚大池の保全活動(2022年8月)です。池の中に入り、熊手でヒシを駆除し、日光が届くようにする作業は、自然を守る手応えを感じられるものでした。 2つ目は、地元の子どもたちとの交流(2023年11月)です。ひたすら鬼ごっこをして、学生たちの方がバテバテになったのも良い思い出です。里山はただ活動する場所だと思っていましたが、地元の方々との交流やウォークラリーなど、いろいろな楽しみ方があることも知りました。 3つ目は、階段プロジェクト(2025年12月)です。森林内の坂道となっている箇所に階段を造ることで、安全に通れるようになりました。1日中の土木作業で筋肉痛や腰痛でしんどかったですが、大学卒業前に大きなプロジェクトを終えることができ、うれしかったです。 私の人生の貴重な財産に 里山活動の魅力は自然を満喫できるだけではありません。先輩、NPOの方々、地元の方々と、長期的な交流ができます。人見知りだった私にとって、こういった方々と関われたことは、社交性を培う良い機会でした。 また実践的な学びがあるところも魅力です。セイタカアワダチソウ、カシナガキクイムシ、ヒシなどの問題について、座学ではなく現場でその実態を知ることができました。 最後に、直接的な貢献が実感できます。月に一度の活動が里山保全につながっているという実感が励みになりました。 何となく参加してみた活動が、結果として私の興味や関心を深め、知識を広げ、人間的な成長をもたらしてくれました。この4年間で得た学びと経験は、私の人生においてかけがえのない財産だと思っています。(法政大学キャンパス・エコロジー・フォーラム4年)

ごみピット内で出火 一時白煙が充満 土浦市清掃センター

21日午後3時ごろ、土浦市中村西根、市清掃センターで、集められた可燃ごみを一時的に貯蔵する可燃ごみピット内から出火し白煙が発生、ピット内は一時白煙が充満した。 施設の運転管理委託業者が初期消火活動をしたが白煙の発生が止まらず、午後3時2分に119番通報。駆け付けた消防隊員が水をかけるなどして消火活動を実施し、午後4時55分に鎮火が確認された。けが人はいない。 同清掃センターによると、ピット内でごみの一部がくすぶった状態になり、白煙によりピット内を目視するのが難しいほど充満したという。 どのくらい焼けたかや、出火原因は現在のところ特定できていない。鎮火後、ピット内の可燃ごみを調べたところ、ごみ自体に大きな焼け跡などはなかった。ごみ処理施設の設備や建物の躯体にも損傷はなく、同センターは、22日以降のごみの受け入れや処理に支障はないとしている。

立憲の青山氏「中道」に加わらず 衆院選茨城6区 4氏が立候補へ

23日の解散に伴い、27日公示、2月8日投開票が予定されている衆院選で、茨城6区から立候補を予定している立憲民主党現職の青山大人氏(46)が21日つくば市内で開かれた記者会見で、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」に加わらず、無所属で立候補すると話した。 青山氏は「政治家としての私の信念の中で今回は無所属を選んだ。単純に選挙戦だけを考えれば厳しいことは承知している」とし「有権者の視点から見た場合、有権者が本当にそういうことを求めているのか。自分自身も直感的に違和感を覚えた」と新党結成に疑問を呈した。「我々は有権者から選ばれる立場。信頼される政治という根本の部分を大事にしたい」と述べ、「私の考え、政治姿勢が大きく変わったわけではないし、これからもぶれることはない」などと話した。 青山氏は、立憲の離党と新党の入党届け提出期限となる20日に立憲民主党を離党し、同日、つくば市西大橋で開いた衆院選の事務所開きで、無所属で立候補することを支持者らに明らかにした。無所属だが連合茨城の推薦を受けて選挙戦に臨む。立憲の衆院議員146人のうち新党に加わらなかったのは青山氏と原口一博氏の2人だけ。 共産が新人を擁立 一方、共産党県委員会は20日、茨城6区に、新人の稲葉英樹氏(58)を擁立することを発表した。稲葉氏は土浦市出身、同市在住。半導体製造会社勤務を経て、現在、党南部地区副委員長。 6区にはほかに、自民党現職の国光あやの氏(46)、昨年12月に立候補を表明した参政党新人の堀越麻紀氏(53)を含め計4氏の立候補が予定されている。 前回2024年10月の衆院選茨城6区は、立憲現職の青山大人氏、自民現職の国光あやの氏、共産新人の間宮美知子氏の3氏が立候補し、青山氏が12万票超の得票を得て小選挙区で初めて国光氏を破り、国光氏は比例復活した。青山氏は前回、6区の土浦、石岡、つくば、かすみがうら、つくばみらいの5市すべてで国光氏を上回った。(鈴木宏子)

昨日までの邸宅を脱ぎ捨て、「駅前」という自由をまとう《人生100年時代》

広告【コラム・岩本将哲(サンヨーホームズ)】街を歩けば、庭木の手入れに精を出す紳士淑女の姿をよく見かける。現役時代に築いた広大な邸宅は人生の勲章であり、家族の記憶が染み込んだ聖域だ。しかし、あえて問いたい。その「聖域」が、いつのまにかあなたから「軽やかな自由」を奪ってはいないだろうか? 人生100年時代。私たちはあまりに長く「家を守ること」に縛られ過ぎている。階段の上り下り、冬の廊下の寒さ、駅までの億劫(おっくう)な距離。それらを「年相応の我慢」として受け入れるのは、いささか早計だ。本当の意味で人生を謳歌(おうか)する知的なシニアたちは、今、鮮やかに住まいを「最適化」し始めている。 駅前マンションで人生を2度、恋させる その象徴的な舞台が、JRひたち野うしく駅直結の「サンミットひたち野東ステーションフロント」である。ここを「老人ホーム」と呼ぶのは、野暮(やぼ)というものだ。ここは、自立した大人が自分の意志で選び、自分の資産として登記する「分譲マンション」である。 コンシェルジュによるホスピタリティと、建物1階にクリニックや調剤薬局を備える安心感は、いわば「見えない執事」が常に寄り添っているようなものだ。それでいて、一歩外へ出れば駅に直結するペデストリアンデッキ。都心の観劇へも、なじみのショップへも、雨に濡れず、誰の手も借りずに繰り出せる。 特筆すべきは、入居に際して「身元引受人」や「保証人」を必要としない潔(いさぎよ)さだ。子供に負担をかけたくない、誰にも依存せず自分の人生を完結させたい。そんな現代的なプライドを、この建物は優しく、そして力強く肯定してくれる。所有権分譲だからこそ、将来の売却や相続も思いのままだ。 「今の家が一番」という頑(かたくな)な思いを、少しだけ解いてみてはどうだろう。思い出は、場所を変えても色褪(あ)せない。むしろ、煩わしい維持管理から解放されたとき、夫婦の会話は新婚時代のような軽やかさを取り戻すかもしれない。 「終の棲家」を我慢の場所にしない 人生の後半戦、家はもう「守るもの」ではなく「遊び場」であっていい。「終(つい)の棲家(すみか)」を我慢の場所にしないほうがよい。駅前で、新しい自由を手に入れた人々の顔は、驚くほど若々しい。次は、あなたの番だ。昨日までの重たい邸宅を脱ぎ捨てた先に、見たこともないほどチャーミングな「明日の自分」が待っているはずだ。(福祉住環境コーディネーター・終活カウンセラー) <サンミットひたち野東ステーションフロント>▽所在地:茨城県牛久市ひたち野東1-32-8▽形態:シニア向け分譲マンション(所有権方式)▽特長:駅直結、入居者専用レストラン・大浴場、365日24時間有人管理で緊急対応、身元引受人(保証人)不要▽見学会・相談会:随時受付中(予約制)▽資料請求・見学希望:🆓0120-555-712、または『サンミット』で検索