金曜日, 10月 23, 2020
ホーム 土浦 疫病退散! 先人の祈りと行いを紹介 土浦市立博物館

疫病退散! 先人の祈りと行いを紹介 土浦市立博物館

【鈴木宏子】「病魔退散!」と題した特集展示が23日から土浦市立博物館(同市中央)で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、昔の人たちは疫病にどう対峙してきたのか。江戸時代から現代までの絵図や日記、人形、掛け軸などを展示し、先人たちの祈りと行いを紹介している。

江戸時代後期、疫病をしずめるため土浦の城下町を練り歩いた八坂神社祇園祭の絵図や、中国から伝わった疫病をはらう神「鍾馗(しょうき)」を描いた掛け軸など、疫病にまつわる同館の収蔵品12点が一堂に紹介されている。

絵図は市指定文化財「土浦御祭礼之図」。土浦城の鎮守で、疫病をつかさどる神、牛頭(ごず)天王をまつる天王社(現在の八坂神社)の行列を描いた絵図で、土浦城下で流行した疫病をしずめるため城下に迎えた病をはらったとされる。併せて土浦出身の商人で国学者の色川三中(みなか)が、当時の様子を記した日記「家事記」も紹介している。

「鍾馗」の掛け軸は、江戸時代の土浦の地理学者、沼尻墨僊(ぼくせん)が描いたものも展示されている。

ほかに県指定文化財で、笛や太鼓を奏でながら村を回り、天然痘を流行させる疱瘡(ほうそう)神をしずめ、村の外に送り出す、同市田宮地区の「疱瘡ばやし」のビデオ映像なども上映されている。

学芸員の野田礼子さんは「新型コロナで先がなかなか見えず不安な気持ちがある中、病に向き合った先人たちについて知っていただくことで、病を正しく恐れるという気持ちにつながっていけば」と話している。

特集展示「病魔退散!」は8月23日まで。2階の展示室3入り口に展示されている。

市指定文化財「土浦御祭礼之図」㊨と、当時の様子を記した色川三中日記「家事志」=同

90年前も手洗い励行

ほかに2階展示室には、1934年の土浦尋常高等小学校(現在の土浦小学校)で小学生が各学年ごとに学ぶ「衛生」を一覧表にした資料なども展示されており、90年前も今と同様、手洗いの励行が最も奨励されたことが分かる。

新型コロナウイルス感染拡大により同館では、ホームぺージ上で展示品を解説する「おうちもミュージアム」を実施しており、土浦尋常高等小学校の展示は動画「はやり病から命を守る」で紹介されている。

同館では併せて、身近な歴史を楽しむファミリーミュージアムの一つとして、収蔵品展「先人たちのうでくらべ」が開催されており、江戸時代の相撲や力石による力試しなどが紹介されている。

◆開館時間は午前9時から午後4時30分。入館料は一般105円、小中高校生50円。休館日は月曜など。問い合わせは電話029-824-2928(同館)。

返事を書く

Please enter your comment!
Please enter your name here

スポンサー

LATEST

HP制作通し課題解決へ つくばの中学で授業公開

【鈴木宏子】ホームページ(HP)の制作を通して、生徒たちが身近な課題に目を向け、解決方法を考えるプログラミング教育の授業がつくば市で今年度から始まった。22日、同市下河原崎、市立高山中学校(若山隆男校長、生徒数264人)で授業が公開され、2年生29人がそれぞれパン屋の社長になったつもりで、売り上げをもっと増やすにはどうしたらいいかを考えながらHP制作に挑戦した。 教育産業が開発したIT教材を積極的に学校に導入し、学校の学び方改革を進めようという経産省のエドテック導入実証事業の一環として取り組む。高山中のほか、春日義務教育学校、東小、吾妻小の市内4校で今年度実施される。 IT企業「ライフイズテック」(東京都港区)が開発した教育教材を用いて、実際のホームぺージ制作で使われている、コードと呼ばれる命令文を入力しながらホームぺージをデザインする。 学校のプログラミング教育は現在、小学校でブロックなどのまとまりを動かしてプログラミング的思考を学ぶ。一方、実際のプログラミングは、テキストコーディングと呼ばれる命令文を入力する方法が主力なことから、実際に使われている技術を学ぶ入り口になる教材だという。 22日は2年の技術家庭科の授業で取り組んだ。まず、パン屋の売り上げをもっと増やすためにHPにどういう機能があったらいいかをグループごとに考え、意見を出し合った。「お客さんが感想や意見を書き込めるようにしたらいい」「手話や音声が付いた動画を載せたら体の不自由な人でも利用できる」などの意見が出た。 続いて1人1台のパソコンを使ってホームぺージに機能を加える作業を進めた。作業画面にはネコのキャラクターが先生役となって登場し、一人ひとりの進捗(しんちょく)に応じて個別にアドバイスしたり、生徒がクイズに答えたりして作業が進んだ。

永田学長を再任 筑波大 選考プロセスの正当性問う声噴出

筑波大学(つくば市天王台)の次期学長選考会議が20日行われ、同大は21日、同選考会議委員による投票の結果、永田恭介現学長(67)を再任したと発表した。 学長選をめぐっては、学長の任期の上限が撤廃されたこと、教職員の意見聴取で永田学長が584票、対立候補で生命環境系長の松本宏教授が951票だったことなどから、同大の教員有志らでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」から、選考プロセスの正当性を問う声が出ている。 同大によると、20日の学長選考会議は、委員24人の無記名投票の結果、永田氏が3分の2以上の得票を得て松本氏を破り、再任が決まった。 永田氏は2013年4月から学長を務める。本来の任期は最長で6年だったが、再任回数の上限が撤廃された。新たな任期は来年4月から3年間。 同選考会議の河田悌一議長は21日の記者会見で、永田氏再任の理由について「(永田氏は)ビジョンを出して一つひとつ実行し、科学研究費補助金の取得や企業など外の組織と結び実績を上げた」ことなどが評価されたとした。 一方、考える会が指摘している任期の上限撤廃については「任期の期限を除外している(国立の)大学は12、13大学ある」とし「一つひとつきちんとした手続きを踏んでやった」と強調した。

3氏の横顔紹介 つくば市長選

【鈴木宏子】任期満了に伴うつくば市長選と市議選は25日投開票される。市長選に立候補した新人の富島純一氏(37)=無所属=、現職の五十嵐立青(42)氏=同=、新人の酒井泉(71)=同=3氏の横顔を紹介する。 事業成長の秘訣は「素直に聞き、信じて任せる」 富島純一氏 【富島純一氏】22歳のときつくばで起業し、現在、自動車販売、障害福祉、保育・学童、農業など幅広い事業を展開する。経営に携わるグループ企業は14社。140人以上の社員を抱える。 コロナ禍の今年、苦境にあるつくばの飲食店に呼び掛け、県内で初めて、ドライブスルー型弁当販売イベントを仕掛け成功させた。

市議候補8人に誤った番号のビラ証紙渡す つくば市選管 掲示板1カ所未設置も

18日告示されたつくば市長選と市議選で、同市選挙管理委員会は19日、立候補届を18日に受け付けた際、市議選立候補者8人に、誤った番号のビラ証紙を渡してしまったと発表した。さらに、立候補者ポスターを貼る掲示板1カ所が未設置だったと発表した。 ビラ証紙は、選挙運動用ビラに貼る、切手よりもひと回り小さいシールで、立候補届の受付番号と同じ番号のものが手渡される。市議選の場合、市選管が立候補者にそれぞれ4000枚を交付し、証紙が貼られてないビラは配布できない。ビラの上限枚数を制限し、財力などによって選挙結果がゆがめられる可能性を防ぐ役割がある。 市選管によると、18日に立候補届を受け付けた際、「ビラ証紙はいらない」という候補者がいたため、次の立候補届け出者に、前の人に交付すべき証紙をそのまま渡してしまったという。すぐに気づかず、計8人に、番号がずれた証紙が交付された。 届け出の受付番号と異なる番号の証紙でも有効に使用することが可能であることから、市選管は、間違った番号を渡してしまった8人のビラ証紙を有効にした。 一方、4000枚が公正に使用されることを担保するため、立候補者8人に、ビラ証紙の番号を訂正する手続きを行ってもらうという。 市選管は「訂正手続きにより候補者ごとの証紙の番号を明確化することで、公正に使用されることを確保していきます」としている。