【鈴木宏子】休校中のつくば市立みどりの学園義務教育学校(同市みどりの中央、毛利靖校長)で、中学3年生に1人1台パソコン端末を貸し出し、学校と家庭を同時接続して学習する実証授業が22日始まった。
同市では21日から分散登校が始まったが、登校しない日は今後、午前8時15分から教員とクラスの生徒全員がパソコン上で顔を合わせ、朝の会を開いたり、一緒に学習問題を解いたりする。
分散登校が実施された22日、1人1台のパソコンを使って中学3年生による公開授業が実施された。生徒はまずウェブ会議アプリ「ズーム」を使ってそれぞれ自分の顔を写し、互いに健康に過ごしていることを確認し合った。
続いて表現・協働学習支援ツール「スタディノート10」を使って数学の復習をした。数学教員から、パソコン画面に表示された図形を見ながら角度を求める問題が出され、生徒たちはタッチペンを使ってパソコン上に線を引くなどして問題を解いていった。教員の画面には、生徒一人ひとりがどのように線を引いて問題を解いたかが写し出され、解き方を皆で確認し合うなどした。
一方、生徒たちはこの日初めて学習支援ツールを使ったことから、パソコン操作にとまどう生徒もいて、近くにいた教員が教える場面も見られた。
3年生の宮本瑚(ここ)さん(14)は「皆と考えを共有できてよかった。家でも緊張感をもってできると思う。(パソコン操作は)立ち上げ方が難しかったが慣れていけばできると思う」と話していた。
市総合教育研究所の中村めぐみ指導主事によると、これまで授業で使用していたシステムを家庭からでも接続できるようにした。児童・生徒に1人1台パソコンを配備してコンピューターを使った教育に積極的に取り組む文科省のGIGA(ギガ)スクール構想の先取りとしての位置づけとなる。
今後は他の学校にもパソコンを貸し出して実証授業をしていく。生徒一人ひとりの学習履歴がとれるように改良し、教育評価にも利用できるようにして、児童生徒一人ひとりに最適化した学習ができるようにしていくという。
一方、休校中、同校では4月から毎日、各学年3教科ずつ動画を配信している。児童・生徒は自宅で動画を見て、教員から出された課題に取り組んだり、復習ドリルをこなしたりしている。休校中の動画配信は続けるという。