土曜日, 1月 23, 2021
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「市の理解得ながら進める」日本財団 つくばに軽症者病床9000床整備 新型コロナ

【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊を防ぐため、日本財団(東京都港区、笹川陽平会長)は3日、つくば市南原2番地、つくば研究所跡地に軽症者向け病床約9000床を整備すると発表した。

発表に対し、つくば市の五十嵐立青市長は3日夜「市には事前連絡や調整は一切なかった。市にとって極めて大きな影響のある発表内容で、情報収集を進める」などのコメントを市ホームぺージで発表した。これに対し同財団経営企画広報部は「ご理解をいただけるよう説明していきたい。つくば市を始め、厚労省や関係機関の理解を得ながら進めていきたい」としている。

東京・船の科学館は4月末開設

軽症者向け病床は、東京都品川区の船の科学館とつくば市の2カ所に計約1万200床整備する。船の科学館は約1200床で4月末から受け入れを開始する。つくばは7月末に開設する予定。

同財団によると東京の船の科学館には、約1万2200平方メートルの敷地内に大型テント9張とコンテナハウスなどを整備する。ほかに、2020東京パラリンピックに向け日本代表選手がトレーニングするために18年に建設された体育館「パラアリーナ」約2000平方メートルにも病床を整備する。4月末から受け入れ開始できるようすぐに整備に着手し、テントは順次、建設していく。

つくば研究所跡地約5万7000平方メートルには、現在、角水槽棟や回流水槽棟などの研究施設などがある。まず現在ある建物を解体などして、7月末から軽症者の受け入れが開始できるようにする。今後の具体的な解体や整備のスケジュールは今後検討するという。

2カ所にはそれぞれ病床のほか、医師や看護師の休憩場所、食事場所、宿泊場所も整備する。家族4~5人が過ごせる場所なども検討している。施設は冷暖房を完備し、換気をよくする。

船の科学館では主に東京都などの軽症者、つくばでは、東京ばかりでなく茨城県内を含む関東地方の患者を受け入れる方針だ。

日本財団は施設を整備し、整備費用と運営費用全額を負担する。同財団は熊本地震の復興支援で120億円を超える支援を行った。今回は両施設の整備等を合わせても、熊本地震支援を下回るのではないかと見ている。

施設の運営に同財団は携わらない方針だ。運営主体は厚労省や東京都などと今後協議し決める方針だが現時点では未定。ただし協議の結果によっては変更になる場合もあるとしている。医療スタッフの確保も現時点で未定だが、軽症者の場合、1人の看護師で40~50人対応できる見通しだという。

笹川会長は3日の記者会見で「患者のためのあらゆる施設、医師、看護師の給料、多くの方の食事、必要とされるあらゆる経費は日本財団が全額負担する。使われないで終わるのが最大の願い。備えをつくっていくことが重要だと決断した」と表明している。

病院は重症者に重点へ

新型コロナウイルスに感染しても8割は軽症といわれる。感染症法では、感染が判明したら軽症だったり、症状がなくても入院することになっている。一方、東京都などで感染者が増加し、医療崩壊の危機が指摘されているなどから、 国の対策本部は3月28日、病院での治療は重症者に重点を移し、軽症者は自宅療養しながら医師が遠隔診療したり、宿泊施設など別の施設に滞在する体制を整備するという基本方針を出している。

日本財団つくば研究所跡地に敷地内の運動場(日本財団提供)

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