水曜日, 3月 11, 2026
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オールつくばロケの小さな宇宙映画 2月2日、初の一般試写会

【池田充雄】つくばを舞台に昨秋完成した短編映画「ASTRO AGE(アストロエイジ)」の試写会が2月2日、つくば市庁舎で開かれる。「宇宙やつくばが好きな人、夢や目標を持って頑張っている人に特にお薦めの映画。ぜひ感想も聞かせていただきたい」と監督の小川貴之さんは話す。

会話通し宇宙の壮大さ描く

2018年のつくばショートムービーコンペティションでグランプリを手にした当時の小川貴之監督

映画のキャッチフレーズは「宇宙に行かない宇宙の話」。若手サイエンスライターの女性が、さまざまな人に宇宙の魅力を聞きながら、自分の夢を見つめ直す物語だ。「主人公の表情の変化や心の動きをとらえた、しっとりとした映画。SF作品のような派手な展開はなく、会話を通して宇宙の壮大さを描こうと考えた。あまり見たことがない映画体験ができると思う」と小川監督。

重要なテーマの一つが夢。「日本では子どものうちから夢を問われるが、大人になるにつれ、夢へのこだわりを言葉にするのが後ろめたくなる。自分もそうだった」という。つくばとの縁が生まれ、何度か訪れるうちに、ここなら夢と宇宙を一つにした映画が作れるのではないかと考えた。

小川監督は、2018年度のつくばショートムービーコンペティション(筑波学院大など主催)に「つれない男」でグランプリを受賞。同作はグルノーブル屋外短編映画祭で招待上映され、国内外の映画祭に多数入選した。今作の「ASTRO AGE」はグアム国際映画祭入選のほか、セントルイス国際映画祭、神戸インディペンデント映画祭、函館港イルミナシオン映画祭などに出品された。一般向け試写会は今回が初めて。

主演も音楽も旬の才能が集結

主演の小西桜子さんは新人だが「ファンシー」(永瀬正敏主演、2月7日公開)、「初恋」(三池崇史監督、2月28日公開)で立て続けにヒロイン役を射止め、いま最も旬といえる女優。オーディション時から独特の印象があり、カメラが回ったときの集中力や瞬発力も新人離れしていたという。

「短編映画では人物の背景まで描き込めないため、俳優自身にリアリティある生きた人物を表現してもらうのが大事。小西さんは細かく指示しなくても勘良く人物像を作り、抜群の雰囲気を映画に生かしてくれた」

劇中音楽とエンディング曲「僕らは『ゆらぎ』でできている」を担当したのは、つくば発の理系バンドDENSHIJISION(デンシジション)。11年に結成され過去5枚のアルバムを発表、17年には任天堂ゲーム「RXN-雷神-」に楽曲提供、18年にはグルノーブル音楽フェスティバルに出演など、着実に活動の幅を広げている。

グルノーブル行きは小川監督と同時期。つくば市役所での帰国報告で初めて出会い、一緒に作品作りをしようと動き出した。「映画ではバンドの普段の曲とはまた違う雰囲気で、曲想も幅広く臨機応変に対応していただいた。作曲のヨシダシゲルさんは理系の人らしくリズムや音色も理詰めで構築していくのが新鮮だった」

つくばの魅力を映像で再発見

主な撮影地はJAXA筑波宇宙センター、筑波大学、中央公園など。「市内在住の方なら、ここで撮ったのかと分かる場所が多数。とてもきれいな映像で、つくばの魅力をまた違った形で再発見できる」と市文化芸術課の田山牧子さん。

試写会は今年度のつくばショートムービーコンペティションの開催前イベントという位置付け。会場はつくば市役所コミュニティ棟会議室。2月2日(日)午後1時開場、1時30分開演。本編上映(23分)の後、小川監督のあいさつに続いて「つれない男」も上映する(10分)。予約不要、入場無料、市役所駐車場(2時間無料)が利用できる。

➡短編映画祭「つくばショートムービーコンペティション」の過去記事はこちら

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がん治療で読んでおきたい本《ハチドリ暮らし》59

【コラム・山口京子】がん治療をする上で知っておきたい情報が整理されている3冊の本を見つけました。 最初のお勧めは「国立がん研究センターの がんになったら手にとるガイド」(国立がん研究センター・がん対策研究所著、小学館クリエイティブ)です。がんと診断されてからの検査、治療、生活、仕事、お金、体験談などがまとめられており、これからどうなるのだろうという不安に対して、見通しを立たせてくれる本です。 次のお勧めは「専門医が教えるガン克服の21カ条 ガンとわかったら読む本」(佐藤典宏著、マキノ出版)です。医師からがんと告知されたあと、患者本人がどのような選択をするのかによって治療の進展が違ってくるので、標準治療、非標準治療、西洋医学、東洋医学などにこだわらず、自分がよいと信じる治療法を組み合わせることがよいと書かれています。 また、告知されたときに知っておくべきこと、手術前にしておくべきこと、手術後に心がけるべきことなど、貴重なアドバイスが載っています。 恐ろしい「多重複合汚染」 3冊目は「がん患者3万人と向きあった医師が語る正直ながんのはなし」(西尾正道著、旬報社)です。この本では、がんと医療の問題を考える一つのきっかけとして、近藤誠医師(がん放置療法の提唱者)の主張の誤りを指摘しつつ、日本の医療の問題点を述べています。 また、放射線によるがん治療の意義と今後のがん医療の在り方、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)が日本の医療や食物の安全に与える影響、福島原発事故による放射性物質が健康に与える影響、低線量被ばくがもたらす健康被害などが語られます。 さらに、化学物質と放射性物質の「多重複合汚染」が子どもの発達障害の原因ではないかとの脳神経科学者・黒田洋一郎氏の指摘を読むと、がんの増加やさまざまな病気の原因に「多重複合汚染」があるのではないかと考えてしまいます。そして、放射線の核種と線量の公開を求めるなど、福島原発事故対策のあり方を明記しています。 1945年の原爆投下以来2000回以上と言われる核実験、チェルノブイリ原発事故、福島原発事故などで、健康被害が静かに進行しているのでは!(消費生活アドバイザー)

「第二の人生」という言葉《続・平熱日記》190

【コラム・斉藤裕之】そろそろ、燃やしても構わない1年分の紙切れをストーブにくべてしまおう。そう思って、封筒やレシートを一応広げてみる。すると、クリアファイルの中からちょっと懐かしいものが出てきた。それはスケッチブックの切れ端に生徒が描いた私の似顔絵。随分古いものもある。描いてくれと頼んだことはないけど、くれたものを捨てずに取っておいた。 大学院のころから続けてきた日雇い先生の仕事がもうすぐ終わる。最低限の生活の糧として止むに止まれず始めた仕事だったが、我ながら随分長い間続いたものだ。 聞かれれば答えるが、学校で自らプライベートな話をすることはない。しかし、最近の子は悪気もなく既婚か否かを聞いてくる(先生もプライベートな話をするらしい)。「孫がいるよ」というと、たいがいの生徒は驚く(年齢のことではなくて独身にしかみえない?)。 妻が数年前に他界したことを言うのが面倒臭いこともあって、そう答える。そうすると、やれどこで知り合っただのクリスマスはどうするだのと聞いてくるから、適当にお茶を濁す。だから、生徒は私が今も夫婦仲良く暮らしているものだと思っている。 私の似顔絵を描いてくれた生徒 人生を逆算して生きるのにはどうも抵抗があったが、両親が届け出の期限ぎりぎりまで思案した末に「馨」というイカした名前を授けられた孫娘が生まれたことで、この子の年齢に今の自分の歳を足して将来をイメージせざるを得なくなった(20歳になるころまではギリ大丈夫か?)。 1人目、2人目と孫が生まれて、すぐに絵を描いて、それは長女の家に飾ってある。さて馨のも描いてやろうと試みたが、どうもうまくいかない。女の子だからちょっとかわいらしくと思うのがいけないのか、生まれて間もない赤子というのは文字通り赤いごろんとしたもので、大人の顔を描くようにはいかない。 「第二の人生」という言葉は、私のようにずっと日雇いで暮らしてきたものには当てはまらない。途中、何度か就職することも考え、試みたこともあったが、それはかなわず家族に苦労ばかりをかけたと思う。それが良かったのか悪かったのかを考えてもしょうがない。 今思えば、どこにも属さず束縛されることなく、今も絵を描き続けられているということと引き換えだったんだろう。そのツッパリも無意味ではなかったのか、有り難いことに、ここにきて私の絵を応援してくれる人たちがいる。第一も二もない私の人生の続きは、いつものように朝牛乳パックのパレットに絵具を出すことから始まる。 日雇いとはいえ、随分たくさんの子供たちと過ごした。〇〇世代とか、今の子供たちは…とか、いつの時代も言われてきたけれど、50年前の私たちと今の子たちは何も変わらない。同じようなことを話し、同じように悩み、同じように笑って。 コロナ禍以降はマスクをしていたせいで、しばらく私の似顔絵を描く子はいなかったが、先日、1人の生徒が、描いたものをうれしそうに渡してくれた。最後の授業が終わったとき、その子に私が独り身であることを打ち明けてもいいかなとも思ったが…。(画家)