土曜日, 12月 20, 2025
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令和一番乗りなら筑波山頂 近場の初日の出スポットを紹介

【相澤冬樹】令和一早い初日の出を拝めるかもしれない。2020年、日本の本土の初日の出の予想時刻は午前6時46分(千葉県銚子市)から7時25分(長崎県平戸市)の範囲だが、あくまで平坦な地図上での計算。標高差を加味した日本気象協会などのデータでは、冬期閉山中の富士山頂の6時42分を除くと、筑波山山頂の6時44分は清澄山(千葉県鴨川市)と1、2を争う早さとなる。年の初め、「夜明け前が一番暗い」と格言にもあるから、お出かけには万全の注意を払い、高みを目指したい。

女体男体に3000人が登る

筑波山の初日の出。標高877メートルの女体山頂、870メートルの男体山頂からは関東平野の雄大なパノラマが広がる。

中腹まで車で行けば、ケーブルカー(宮脇駅~山頂駅)とロープウェイ(つつじケ丘~女体山駅)が山頂付近まで運んでくれる。1日はともに早朝運転を行う予定で、ケーブルカーは午前4時30分から、ロープウェイは同5時から運転する。天候や混雑度にもよるが、フル回転だと10分間隔で運行。往復の大人料金はケーブルカー1070円、ロープウェイ1120円(税込み)。

運行の筑波観光鉄道(つくば市)によれば、2019年は天候に恵まれ、日の出の時刻には女体男体に合わせ3000人以上が登っていたと見られるという。筑波山神社には大晦日、三が日とも参拝客が多数押し寄せ、駐車場待ちの長い車列ができる。神社周辺には市営の第1~第4まで約450台分、民営と合わせ1000台の駐車場があるが、元日早朝も例年満車状態となる。渋滞を避けたいなら山麓からの山登りも選択肢になる。多くのルートが整備されている。

◆筑波観光鉄道(電話029-866-0611)。筑波山観光案内所(電話029-866-1616)

富士山も見えるスポット 宝篋山・小町山

つくば市、土浦市の初日の出時刻は6時50分ごろ、標高461メートルの宝篋(ほうきょう)山、同361メートルの小町山は、少し早めに霞ケ浦方向から登る朝日を望めそうだ。目を西に転じれば天候次第だが、茜色に染まる富士山も見えるスポットだ。。

この10年、登山ルートが整備されたことにより、地元では筑波山の混雑を避けるように宝篋山に迂回してのトレッキング客が増えた。元日朝も宝篋山小田休憩所に車を置いて山頂をめざす利用者が多いが、東郷重夫さんによれば「一昨年は午前4時前、今年は3時ごろには駐車場がいっぱいになった。1000人以上登っていたのではないか」という。徒歩ならば、小田の旧市街に入って市営駐車場、小田城跡歴史ひろば駐車場も利用圏内だ。

この宝篋山の混雑から、さらに押し出される格好で近年人気なのが朝日峠近くの小町山。地元有志らが愛称を付けて登山ルートを整備してきた。こちらは土浦市小野の小町の館駐車場が利用できる。低山とはいえ、木立が深く、沢沿いの傾斜もきついので、衣類や靴を整え、装備も懐中電灯やヘッドライトは必携となる。

◆宝篋山小田休憩所(電話029-867-1368)。小町の館(電話029-862-1002)

ネイチャーセンターが早朝特別開園 雪入山・三ツ石公園

筑波山系をさらに東に向かうとかすみがうら市に入り、雪入ふれあいの里公園が整備されている。約14ヘクタールの園内には雪入山、浅間山と標高345メートルの山の連なりがあり、リピーターたちの「元朝参り」スポットになっている。地元では初詣でをこう呼ぶ人が多い。

雪入山にはかつて砕石場だった跡地を整備して、標高150メートル地点にネイチャーセンターがあり、つづら折りに急崖を登ると石岡市から土浦市にかけての霞ケ浦の眺望と鹿行地域の遠景が見渡せる。霧の出やすい地形のため、雲海のような展望が見られる年もあった。ネイチャーセンターは1日午前5時から8時まで特別開園、約100台収容の駐車場が開放される。

浅間山中腹にある三ツ石森林公園は駐車場を含め常時開園、こちらも年々出足が早まっているそうだ。

◆雪入ふれあいの里公園(電話0299-59-7000)

初日の出クルーズ船[ホワイトアイリス号」に群れ飛ぶユリカモメ=ラクスマリーナ提供

初日の出クルーズも 霞ケ浦

ご来光を拝むには東に開けた地形の場所を選ぶのが近道。茨城には大洗海岸という初日の出の景勝地があるが、土浦入りからの霞ケ浦も近年人気を集めている。土浦市大岩田、霞ケ浦総合公園のオランダ水車やネイチャーセンター周辺はごったがえすほどの人出になる。太陽が美浦村馬掛沖あたりに上がってくるのは午前6時50分ごろだが、写真撮影には1時間前ほどに来て場所を確保、空や湖面の色の変化を楽しみながら日の出を迎えるとおもしろいそうだ。

さらにアクティブにいくならラクスマリーナ(土浦市)が運航するホワイトアイリス号による「初日の出クルーズ船」がある。15年ほど続く人気企画で、土浦港を午前6時に出発、土浦・沖宿沖あたりをクルーズして寄港は7時30分ごろの予定。航行中、温かい豚汁やお酒も振る舞われる。料金は大人3000円、子供1000円。要予約で12月31日まで受け付けている。

◆霞ケ浦総合公園管理事務所(電話029-823-4811)。ラクスマリーナ(電電話029-822-2437)

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技術の粋集めた「霧筑波」で最優秀賞 つくばの浦里酒造店

11月に行われた第96回関東信越国税局酒類鑑評会の吟醸酒の部で、つくば市吉沼の醸造元、浦里酒造店が最優秀賞を受賞した。浦里浩司社長(64)と、6代目蔵元杜氏の浦里知可良さん(34)、知可良さんの妻・恵子さん(32)が19日、つくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。受賞したのは同社の「霧筑波」。また純米酒の部で同店の「浦里」が2位にあたる優秀賞を獲得した。 杜氏の知可良さんは「国税局の酒類鑑評会は、私たちにとって技術の粋を集めたF1レースのようなもの。コストや手間を度外視し、蔵が持っている最高の技術と最高の素材を結集して作った最高の1本で勝負する。関東信越国税局の鑑評会はさらに、全国に12ある国税局鑑評会の中で最も規模が大きい。そこで第1位を受賞できたことは本当にうれしい。目標は高く、連覇を目指したい」と思いを語った。 同鑑評会は、管内の茨城、栃木、群馬、埼玉、長野、新潟の各県にある製造場を対象に日本酒の出来栄えを審査する。60回目を迎えた今回は、173の製造場から吟醸酒の部に121点、純米吟醸酒の部に150点、純米酒の部に79点が出品された。 浦里酒造店は、1877年に現在の吉沼で創業。知可良さんは2021年に南部杜氏自醸清酒鑑評会で主席を獲得、23年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、全国的に高い評価を得てきた。こだわりの酵母は、牛久市出身の画家・小川芋銭の三男で国税庁職員だった小川知可良が開発した「小川酵母」を使用する。 浦里知可良さんは、「(最優秀賞を受賞した『霧筑波』は)非常に華やかな香りとお米由来の甘み、それでいてしっかりとしたキレがあるという三拍子そろったバランスの良さが高い評価につながった。表彰式が11月13日、茨城県民の日だった。この日に県民の皆さまに報告できたのは本当にうれしかった」と話した。浩司社長は「酒造りは『ここで終わり』というものがない。毎年が勝負なので、これからも高みを目指したい」と語った。 表敬を受けた五十嵐市長は「受賞は大変誇らしいこと。つくば市では『つくばのおさけ推進協議会』が立ち上がり、地元のお酒を広げていこうと取り組んでいる。皆さんの今後の活躍を全力で応援していきたい」と述べた。(柴田大輔)